表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/81

第17話  なんとなく5階層

誤字報告いつもありがとうございます。

 朝である。昨日もよく眠れた… まぁ一昨日のベッドにはどうあがいても勝てないだろうけどね!


 紹介してもらった『天上の土モグラ亭』は、まさしく可もなく不可も無くという体で営業しており、普通を好む俺にはぴったりの宿だった。ついつい3000ギル払って10日分部屋を確保しちゃったぜ。


 さて、昨日は宿の事もあったから早めに引き上げたが、今日からはもう少しダンジョン内で粘ってみようかな。

 ダンジョンの解明されていない不思議現象の中で、階層ワープというものがあるんだけど… まぁ所謂転移陣的な物があるんだよね。

 こういった物がないと、深層に進む事が非常に困難になるからありがたい話なんだけど、どうしてこんな物があるのかとか、転移陣の仕組みを解明して別の利用方法がないかとか、偉い人たちが随分と昔から議論していたみたいだ。ま、解明は出来ていないって話だけどね。


 それはともかく、一番地上に近い転移陣がある階層は5階層。それからは10階層おきに転移陣が配置されていて、出入りが楽になるという。

 とりあえずまずは5階層にいる中ボス的な連中を討伐して、転移陣を使う資格を手に入れることが先決だ。


「そんなわけだから今日は4階層で狩りをしつつ、午後からでも5階層に降りてみて様子を窺ってこようかな」


 なんせ遠距離攻撃をしてくる相手に対する戦闘経験が圧倒的に少なすぎるので、少しばかりでも経験しておかないと気が済まないというのが本音だ。

 5階層ではゴブリンの上位種であるナイト、アーチャー、シャーマンだけじゃなく、速度に優れていると言われるレッドキャップまで出てくるらしいからな… 速度に翻弄されながら遠距離でサポートされた日にゃ、ソロじゃとてもじゃないけどキツ過ぎるだろうと判断したわけだ。


「まぁ慌てる必要はないからじっくりと行けばいいさ、ここでやられてしまったら… ギルドに預けている700万ギルが無駄になってしまうからね!」


 700万は普通に大金だ、前世の記憶がある俺には貯蓄がどれ程大事なのかはよく知っている。怪我をした時とか病気の時とかね… でも、前世の生活よりもここの世界は命の値段が安いんだ。何が切っ掛けでポックリ逝くかは神のみぞ知る… そんな世界だからこそ俺は安全に生きていきたい。


「せめてラノベ的なチート能力が俺にあったらなぁ、もう少し別な生き方を考えられたんだろうけど」


 しかし、今の俺は普通過ぎる能力しか持ち合わせていないのも事実。だから地味だけど訓練と経験はいっぱいしておかないとね。



 4階層へ到着、例によって人気の無い通路へと移動してから索敵を始める。

 こうして魔物の気配を探るように行動すると、前世の記憶ではスキルを覚えたりするって何かに書いていた。まぁラノベだが。

 それを期待しつつ、スキルは覚えられなくても本当に気配を探れるようになれば儲けものだと思う事にする。


「むむ、足音が聞こえる」


 直線の通路なので壁際に寄って前方に向かって目を凝らす… うん、ゴブリンナイト2体とゴブリンシャーマン1体を確認した。

 ゴブリンナイトはその名の通り剣と盾を持っており、ゴブリンの癖に防御を覚えた面倒な奴だ。ゴブリンシャーマンは杖を持っているからすぐに分かり、少年野球のピッチャーくらいの速度でファイヤーボールという魔法を撃ってくるこれまた面倒な奴だ。まぁゴブリンシャーマンは体力が無いらしく、魔法も連射出来ないという欠点があるので単体では特に怖くない存在だが、こうしてお供を連れているから腹が立つよね!


 ギリギリまで見つからないように、壁に沿った状態で結界を張ってみる。結界は完全な透明じゃないので、ちょっとした目くらましにも使えそうだな。


「よし、ゴブリンシャーマンの魔法は頑張って回避し、手前にいるゴブリンナイトだけは次元断で早めに倒してしまおう。魔法を警戒しすぎるよりもそっちの方が安全そうだしな」


「グギャ?」

「グギャァァ!」

「やべ、見つかっちまった」


 見つかってしまってはしょうがない、不意打ちできれば儲けとは思っていたけど、まぁこうなるよな。

 ファイヤーボールの的にならないようなるべくジグザグで移動し、一気にゴブリンナイトに詰め寄った。いつものように槍を振り回して牽制しつつ…


「次元断!」


 同時に2枚の次元断を放ち、ゴブリンナイトを2体同時に仕留める。


「うおっと、だけど躱せるぜ!」


 ゴブリンシャーマンからファイヤーボールが放たれたが、直線的な攻撃なので回避もしやすい。

 そして連射が出来ないという事は、魔法を撃った直後の今が大チャンスなわけよ!


「そいっ! そして次元断!」


 狼狽えているゴブリンシャーマンの腹部を狙って槍を突き出し、直後に次元断でとどめを刺す。

 うむ、完勝だ! 魔石を拾って一息入れる。


「良い感じだな、戦闘回数は全然少ないけどゴブリンナイトもゴブリンシャーマンも言うほど怖くは無いって分かったし、やっぱりここは5階層に進み、出来る事なら転移陣の開放だけでもやっておこうかな」


 ギルドでもらった冊子を取り出してマップの確認をしてみる… ふむ、30分もあれば行けそうかな? 5階層以降となれば話が違うけど、どうせ転移陣が使えるような階層まで進んでも5階層から地上までは徒歩だし今の内に慣れておくべきかね。

 ま、次の転移陣は10階層にあって、それ以降は10階層ごとに… 10階層の次は20階層、その次は30階層って感じだからしばらくは使う事も無いだろう。


 そうと決まれば早速行動! 5階層に降りてみてレッドキャップとやらを拝んでやろうじゃないか! ゴブリンキングは5階層のボスで、転移陣のある部屋の前にいるから会おうと思えば狙って会えるけどレッドキャップはそうもいかないからね。


 そんなこんなで5階層です。

 冊子のマップを見る限り4階層までよりも広くなっているとの事… しかしこの階層も初心者を抜け出した層が狩場とする階層だ、人気の無い場所を探さないといけない。


「いや、もう思い切って先にゴブリンキングと戦ってみるかな? でもゴブリンキング単体じゃなく、お供にシャーマンやアーチャーナイトという上位種を引き連れていると書いてあるし… 悩ましいな」


 10体ほどいるというゴブリン集団とどう戦うか、ちょっと考えてみるか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ