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第15話  射程が…?

誤字報告いつもありがとうございます。

 朝食としてパンとスープを頂き、俺はダンジョンへと潜る事にした。レベル9になったんだから、その身体能力を確認しないといけないからね!

 多分今までとはかなり違うはず… それに武器も新調したわけだしそれに合わせた戦い方を練習し、そろそろ4階層へと移動をしようかと思っている。


 ぶっちゃけレベル9となれば、たとえソロでも5階層はうろつけるはず… そうすれば1日の稼ぎもかなり変わってくる、今後も孤児院に寄付を続けたいから、棚ぼたみたいに手に入ったお金をいつまでもあてにはできないよな!


「この新しい靴… これも良い感じだな。やっぱりこういった装備って地味だけど重要なんだって良く分かるよ。グローブだって装備しているおかげか、汗とかで手が滑らないしね」


 靴とグローブの良さは、すぐに体感する事が出来た。まだ新品なせいか馴染んでいない気はするけど、ちゃんと馴染ませたらもっと良い感じになるだろう。

 そして新しいショートスピア… 貴族の子供用、更には練習用だと言っていたけど攻撃力は十分あるんだよね! 良く刺さるし、刺してもすぐに抜けるし。そして長さが1.2メートルほどあるのも良い感じだ。

 このリーチで牽制しつつ、この槍よりもほんの少しだけ射程のある次元断でとどめを刺す… うん、戦い方がしっくりくるね。


 そして… レベル9になった俺の身体能力なんだが… うん、なんていうかこのレベルでゴブリンを相手にしているなんてもったいないと思ってしまうほど圧倒的だった。もちろんゴブリンが相手の時って意味でね。ゴブリンリーダー相手でも、動きは遅く感じるし余裕すらある。これは早々に下に降りた方が効率的かもしれないな…。


 4階層はゴブリンリーダーがメインで、それらをまとめているのがホブゴブリン、ゴブリンナイトやアーチャー、シャーマンなどだという事。そして稀にレッドキャップが出る事があるとギルド発行の冊子には書いてある。


「そういえばホブゴブリン… 3階層でも見なかったな、まぁ4階層に行けば普通にいるらしいけど」


 ホブゴブリンは、通常のゴブリンに比べるとかなり背が高いという事だ。とはいえ、筋力とか速さとかはゴブリンリーダーと大差ないという。

 うん、きっと余裕だな! これは慢心ではなく余裕なのだ! ホブゴブリンくらい簡単に倒せないとナイトとかの上位種には勝てないだろうからな!



 早速階段を降りて4階層へと進む。

 この階層でも、他の冒険者とバッティングしないよう脇道に入って過疎地域へと向かって行く。4階層からは普通にパーティ組んだ冒険者が狩りをしているはずだからな… 獲物の横取りとか先に見つけたなどの言いがかりなんかの対応も考えなくちゃいけない。


 まぁ、先に見つけたなんてのは無視して良いんだけどね。なんせ先に手を出した人に優先権があるんだ、見つけたからなんだっていう話なんだよな。


 おっと、早速足音が聞こえてきたな。何となく重そうな足音… これはいきなりホブゴブリンが来たか? それともナイト系か?

 とりあえず初戦になる訳だから慎重に行ってみようか。大丈夫… 今の俺ならゴブリンなんて敵じゃないはず!


 現れたのはゴブリンリーダー3体にホブゴブリンが2体、一度に現れる敵が増えていた。


「これはどうする? やっぱり槍で牽制しながら次元断しかないよな、一度に2枚出せるしね!」


 ゴブリン達に気づかれる前に走り出し、一気に接近する。しかし新しい靴が小気味良い音を出してしまうために途中で気づかれる。


「そりゃっ!」


 槍を長めに持って横薙ぎに振るう。ゴブリン達はそれを見て足を止め、振るわれた槍を回避する動きを見せて来る。


「そこがチャーンス!」


 俺にとって都合の良い間合いで立ち止まってくれたので、即座に次元断を2発放って2体を仕留める。


「グギャ!?」

「グギャギャ!」


 俺には分からないゴブリン語で何やら言っているけど、俺は止まってやらない。近くにいたホブゴブリンの首元に槍を突き出しながら、残ったホブ、ゴブリンリーダーに向けて次元断を放つ。


「行けぇ!」


 パキィィィン!


 ゴブリン達の胴体を貫通して出現した結界が割れていく… そしてゴブリン達も。


「よーし! 思った通り完勝だったな!」


 やはりレベル9というのは強いもんだね、昨日の俺とはぶっちゃけ次元が違うと言った感じだ。

 しかし5体が相手でも手を出させる間もなく完封できるなんて… これは効率が上がりそうだな。できればこの階層を縦横無尽に狩り尽くしたいところだけど、この階層は初心者パーティが多いんだよね…


「これはアレか? 4階層飛ばして5階層に行くべきか? でもなぁ、まだナイトとかアーチャーとかとの戦闘をやっていないんだよな…」


 そう、遠距離攻撃をしてくるアーチャーとシャーマン、これがどのくらいの脅威なのかを俺は知らないというのが問題だ。

 普通に考えてアーチャーは超危険だろう… なんせ矢は速いというイメージがあるからな。シャーマンが放つ魔法はどうせ初級と言われるものだろうから、範囲は広いかもしれないけどそれほど速くないんじゃないかと考えている。


「いや、ダメだな。最低でもナイトとアーチャー、シャーマンとの戦闘を経験して対策してからじゃないと危ないかもしれない。レベルに依存するような戦い方は良くないよね」


 そう、多分だけど当たりさえすれば次元断は何でも斬れる! ……と思う。まだまだ試行回数が少ないから断言するには厳しいよね。

 でも結界だってその内熟練度が上がったりして、平面に展開してテーブル代わりとか、なんならイスとか! そんな事が出来る程度には強度が上がったりしてくれるかもしれない!

 まぁよく言われている、『結界師の張る結界はどれだけ練度を上げても役に立たない』という過去の有難い言葉もある事だし過度な期待はダメだろうけど、それでもほんのちょっとくらいね… なんなら効果範囲とかが広がってくれたりすれば、すなわち次元断の射程も伸びるって事になる。


「そういえば一気にレベルが上がったんだよな、射程が変わっていないか試してみるか。恐らくレベル3か4からのジャンプアップだ、もしかしたら…」


 思い立ったが吉日、早速試してみよう。

 これは普通に結界を出すだけだから、別に戦闘をしなくちゃ判断できないって事ではないからね。むしろ安全な場所でも十分検証できる事だ。


「結界!」


 ふむ、もうすでに馴染んでいるのか、狙ってなくても1.5メートル先に結界が現れる。これを奥に押し込む感じで… グイグイっと!


「おお? 2メートルくらいまで離れたぞ? これはどういう仕組みなんだろうな… レベルが上がったから結界の扱いが良くなったのか、それともずっと使い続けてきたからなのか… まぁ要検証なのは間違いないね。でも50センチも射程が伸びればかなりの強化だよ!」

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