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第8話 S級魔法を修得し、キングミノタウロスを一撃で仕留める

――2時間後。


 俺とアリシアは村を守りたい一心で、襲い掛かってくるミノタウロスの首を剣で次々と刎ねていった。


 ミノタウロスは決して弱い魔物ではない。

 装備している斧の攻撃を食らえばひとたまりもないだろう。


 一瞬も気が抜けないにもかかわらず、それが長時間にわたって行われる。


 だから俺は定期的にアリシアの様子を伺う必要がある。彼女は繫殖期を経験するのが初めてだからだ。


「流石にこれだけ湧いてくる魔物が多いと大変だね……」


「少し……。疲れましたね……」


 俺と合流するよりも前にミノタウロスと一人で戦っていたアリシア。彼女が疲れを感じないはずがない。それに、彼女はドラゴンとの戦いも経験している。


「休んでいても大丈夫だよ。アリシア」


「い、いえ……。全てを捧げるアルス様を前にして休むなど……」


 彼女の返答に俺は焦りを覚える。

 くっ……。まだ終わらないのか!

 もう、アリシアは限界に到達している。


 少しでも彼女の負担を軽減するため、俺はミノタウロスの討伐方法を変更する。


 これまで俺は避けてからの攻撃を意識していたが、魔物の攻撃前に一撃で仕留める作戦に変えていた。


《経験値が一定に達しました。Lv296からLv297になりました》

《各ステータスを更新しました》

《スキルポイントを獲得しました》

《経験値が一定に達しました。Lv297からLv298になりました》

《各ステータスを更新しました》

《スキルポイントを獲得しました》

《経験値が一定に達しました。Lv298からLv299になりました》

《各ステータスを更新しました》

《スキルポイントを獲得しました》

《経験値が一定に達しました。Lv299からLv300になりました》

《各ステータスを更新しました》

《スキルポイントを獲得しました》


 どんどん魔物を倒し、脳内にレベルアップの報告が流れてきたと同時に、アリシアが声をあげていた。


「アルス様! ミノタウロスの出現が減ってきました!」


「本当だ! ダンジョンからは湧いて来なくなったね!」


 視界にミノタウロスが一匹も入らなくなった瞬間、俺はダンジョンから強烈なプレッシャーを感じる。


「グモオオオオオォォッッ!!」


 見ると、物凄い雄叫びと同時に全身が黒い鎧で覆われた漆黒のミノタウロスが現れる。


 今までのミノタウロスより防御力に磨きがかかっただけじゃない。


 この魔物は両腕に大剣を装備しており、間違いなく即死レベルの攻撃力を持っている。


「な、何だあの魔物は!? いつものミノタウロスと違うぞ!」


「キングミノタウロスっ……!! 脅威度A級のモンスターです!」


「A級ってドラゴンよりも格上の災害級じゃないか!」


 俺がそう言うや否や、彼女はキングミノタウロスに電光石火で駆け出す。


 アリシアはキングミノタウロスに一撃を浴びせるも、彼女の剣は真っ二つに折れていた。


「硬いっ……!!」


「アリシア危ないっ!」


 二刀流のキングミノタウロスが彼女に向かって大剣を振り下ろす。


「……ッッ!」


 アリシアは武器が破損したことで身軽になり、難なくキングミノタウロスの攻撃を避け続けることに成功していたが、ヘイトは完全に彼女に集中していた。


「不味いっ……! 俺が今すぐ助けないとっ」


 しかし、どうやって?

 【剣聖】の彼女の剣が折れたんだ。俺の剣が通用するはずがない。だから、剣以外での攻撃手段が必要だ。


 俺はすぐさまステータス画面を開き、自身が修得できるスキルスロットを確認する。


==================

剣スロット一覧

スロット1:ドラゴンスラッシュ

スロット2:????

==================


==================

斧スロット一覧

スロット1:????

スロット2:????

==================


==================

槍スロット一覧

スロット1:????

スロット2:????

==================


==================

弓スロット一覧

スロット1:????

スロット2:????

==================


==================

魔法スロット一覧

スロット1:????

スロット2:????

==================


 あいつはアリシアの剣も防いだんだ。魔法が弱点だと信じるしかない。

 俺は魔法スロットにスキルポイントをありったけ割り振る。


《魔法「ファイアーボール」を獲得しました》

《ファイアーボールの熟練度が一定に達しました》

《魔法「ファイアーボール★」を獲得しました》

《ファイアーボール★の熟練度が一定に達しました》

《魔法「ファイアーボール★★」を獲得しました》

《ファイアーボール★★の熟練度が一定に達しました》

《魔法「ファイアーボール★★★」を獲得しました》


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

〇魔法「ファイアーボール」

見習い魔導士の修得する基礎的な魔法。黒星一つは魔法の熟練度100Lvを表す。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 魔法は使ったことないが、今はそんなことを考えている状況じゃない。

 俺は頭の中で火の球を鮮明にイメージし、敵だけを目掛けて魔法を詠唱する。


「――――ファイアーボール――――!!」


 瞬間、激しく燃え盛る豪球はキングミノタウロスに直撃していた。


「ブモオオオオオォォッッ!!」


 辺りに途轍もない強風が吹き付け、消し炭になったキングミノタウロスはズシンッッ!!と音を響かせ倒れる。


「キ、キングミノタウロスを一撃でっ!?」


 俺はアリシアが無事か確認するため、ポカンとしていた彼女の元へすぐさま駆けつける。


 ダンジョンからはミノタウロスの出現が今度こそなくなり、こうして俺達は繫殖期を何とか終えることが出来た。

お読みいただきありがとうございます。


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