表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ

「あーだりー」


 俺――榑林(くればやし)優雅(ゆうが)は欠伸混じりにそうぼやいた。(その様子が芝居じみているのは言わないお約束だ)

 そんな俺は、現在、登校中である。

 そして時刻は10時、大遅刻である。

 なのに、俺は悠々と歩いていた。とんだ不良もいたものだ。

 学校へ向かっているだけでも、良い方である。

 なら向かっていない日は何をしているかというと、ゲーセン――はコンシューマー派だから行かない。だから遊びだ。俺は不良の少年少女の覇王なのだ。逆らうやつは皆ぶちのめしたはずなんだが、無謀にもこの俺様に、対抗する勢力が未だに残っている。だが、所詮少年少女の群れだ。覇王である俺に敵うはずもない。

 金? 俺は天才だから、楽に稼げんだよ。株とかでな。

 俺の有り様は自宅でも変わらない。ゆえに両親にすら既に呆れられ、半ば放任されている。妹は未だに口煩いが。俺に口答えする奴は少ないし、希少な存在でもある。

 ――というのは設定である。

 がっかりしたか? ごめんな。

 ともあれ俺はどちらかというと普通の一般生徒だ。

 ただし、優等生とはいえないであろう。なぜなら、遅刻が多いからな。

 そんな感じで今日も単に寝坊しただけ。――妹は「自分で何とかして」と言い、余程機嫌が良くない限り基本起こしてくれない――俺はもちろんめっちゃ焦っているから、ガンダで学校に向かっている。

 あと両親はただの海外出張だ。けど、お金を株で稼いだってのはマジである。おかげで兄妹二人だけの生活も楽だ。

 そんなことを考えていると。

 ふと、昨夜の事が俺の脳裏に過った。




 友達と遊んでいる俺は、ふと、今何時だ? と、スマホをちらりと見る。そして21時半だということに気づいた。

 ――やっべ、もうこんな時間か。

 同時にメッセージが来ているのにも気付いた。

『いい加減、帰ってきてよ。ご飯冷めちゃったじゃん。折角作ってあげたのに……』

 とのこと。弓佳()からだ。

 ――こりゃ、ちょっと怒ってるな……。夢中になりすぎた。

 慌てた俺はダチに向かって、両手を会わせる。


「わり、俺帰るわ。妹待ってるし」


「おう、俺こそ悪かったな。時間見てなかったわ。じゃな」


「ああ、友よ。また明日会おう!」


 そう不敵に笑い、駆け出す俺。すると俺の背中に、


「――遅刻すんなよ!」


 ダチの声が届いた。

 ――それは明日の俺次第。

 俺は明日の俺に責任をぶん投げた。


 そうして自転車を全力で漕いで、時刻は22時。友達とボーリングしたりカラオケしたりしているうちに、すっかり遅くなってしまった。


「ただいま帰ったぞ」


 夕雅は玄関のドアを開け大きな声でそう言う。そして靴を脱ぐ。

 すると、バタンとドアが開く音と、とたとたとたと階段を下る音。


「お兄ちゃん、遅いよ」


 むすっとした表情で腰に両手を当てながら俺を咎めた寝間着の女の子は、俺の妹――弓佳である。


「すまん。あとご飯作ってくれてありがとな」


 俺はそう詫びて礼を言う。

 「どういたしまして……」と言った妹は、


「もう……」


 と深く溜め息をつき、そこで何かに気付いたかのように驚いた顔をする。

 ――なんだ……?

 弓佳は俺の耳に指をさしながら、しかめ面をし怒った様子で、


「てか、ピアスなんか開けちゃダメだよ。校則違反」


 ぷりぷりと俺に怒声を浴びせた。

 ――なんだ。これ(ピアス)のことか。

 帰った俺に早速浴びせられるのは、お利口さんのありがたきお言葉ときた。そう、弓佳は俺の宿敵でもあるのだ。――という若干真実混じった設定。


「校則? ああ、学校という箱庭だけで適用されるちっぽけな規則のことか。――そんなの知らんがな。拘束なんぞが俺を拘束できると思うなよ」


 そこまでノリノリで言って、


「てかこれピアス穴開けたんじゃないぞ」


 ピアスを外してみせる。挟むタイプなので、もちろん穴は空いていない。

 てか、穴を開けるわけないだろ。怖いし、痛そうだし。


「ほんとに?」


 弓佳はそんな俺を顎に手を当て覗き込む。そんな弓佳は俺を疑いの目で見ていた。


「疑うのなら納得がいくまでじっくり見るがいい」


 ふぁさっ、と俺は、馬鹿には見えない漆黒のマントを翻す。

 決まった!――今のは我ながらかっこいいぞ。


「うん。そうさせてもらうね」


 こくりと頷いた弓佳は、俺の傍に寄ってきて俺の耳たぶを触り、空いていないのをしつこいくらいに確認した。


「うん。空いていないね。よかったよぉ……」


 そうして納得したらしい弓佳は、ほっと胸を撫で下ろし安堵の息を漏らした。


「当たり前だ。俺は校則とはいえ、定められし規則を破ることはしない」


 ノリと勢いだからさっきといっていることが矛盾しているな、もっと頑張らんと。と思いつつ、なんとか仏頂面を作った俺。

 そんな俺に、妹はくすりと笑い、


「なんだぁ……、いつもの病気か……――」


「失敬な。病気とはなんだ、病気とは」


 弓佳は俺のそんな文句をスルーし続ける。


「――とうとうグレたのかと思っちゃったじゃん……。もう。ご近所さんに変な目で見られるから、そういうのやめてよ……お願いだから……」


 そうして嘆きつつ、懇願してくる弓佳。


「ふむ。お前がそういうのならこれはヤホオク行きだな」


 俺はあっさりと弓佳の要求をのんだ。


「そこはメリカリじゃないの?」


 弓佳が突っ込んでくる。ヤホオクさん、舐めんなよ。


「そうともいうな。なかなかいい装飾物だが、どうやら俺とは縁がなかったらしい」


 これ俺には似合わないんじゃないかという不安も後押ししてたのもあったしな。


「ぷくく、あははははっ」


 すると弓佳が急に、俺を指をさしながら腹を抱えて笑いだした。


「な、何がおかしい!?」


 急に笑いだした弓佳に若干引き気味な俺。


「だ、だってぇ、ふふっ、お兄ちゃん、おかしいんだもん。あははっ」


「気が狂いでもしたのか?」


「むしろ、安心して緩んだんだよ。ふふっ、怖がりのお兄ちゃんがピアスなんか開けないよね。くすくす」


「それはお前の勘違いだ。俺は怖がりではないぞ」


 ――パチッ。

 スイッチの音がして廊下が暗くなった。


「ゆ、弓佳(ゆみか)! おい、急に消すな」


 俺は暗いのは苦手なんだよ!


「ふふっ」


 ――パチッ。

 スイッチの音がして廊下が明るくなる。

 ふぅ。と胸を撫で下ろす俺を妹――弓佳にばっちり見られていた。


「い、今のは違うぞ! 暗くなった途端に何者かが現れ、お前を襲ったら、まずいではないか! つまりこれは、お前が何者にも汚されずよかったという意味の安堵だ! 勘違いするな!」


「ぷはっ。もういい、もういいから、笑わせないで」


「おい、弓佳!」


 腹を抱えて笑い転げる弓佳に俺は慌てた。


「大丈夫か……」


 と弓佳の背中に触れた、落ち着くまで背中を撫でてやることにする。

 そうしているうちに、弓佳の笑いが引いてきた。


「……ひぃひぃ……ふぅ……」


「落ち着いたか?」


 と俺は手を差し出す。

 弓佳は俺の手を掴み立ち上がる。そして「うん……」と頷き、


「もう。お兄ちゃん、バカなんだから……」


 とふてくされきった顔をして呟いた。


「おい、お前今、バカっていったな」


「言ったけど……事実じゃん」


 そうまで弓佳に言われたのが、悔しくて俺は歯を噛みしめ、


「俺が雀の涙程しか稼げないお前に分け前というなの慈悲を与えていることを忘れるな。どれだけ稼いでやってると思っている。それをバカとはなんだ。そんな言いぐさはお前といえど許さんぞ。俺がお前を食わしてやってるも同然なんだぞ。投資家を舐めるなよ!」


 そこまで捲し立て、最後に中指をたてた。


「言わせていただくけどね。私だって印税スゴいんだから。物書き舐めないでよ!」


 そう、弓佳(やつ)には俺と歯向かうだけの実力がある。

 で、印税というのは、もちろんそのまま作家としての収入だ。

 俺は知らんが、秀才である弓佳は物書きとしてもその身に燻る才覚を遺憾無く発揮し、ひとたび新書・小説を書き上げ出版すれば、その月のベストセラーをかっさらう程のレベルに至っているらしい。


「ふっ、物書きとして一流でも、返しは二流だな」


 そんな弓佳の、弓佳にしては精一杯の攻撃的言動を涼しい顔で受け流す俺。この程度の怒気なんぞ、覇王である俺からすると、ちっとも迫力がない部類だ。発したのが妹でなければ歯牙にも掛けないだろう。


「……むう」


 弓佳はムスっとして引き下がった。そんな弓佳にシュークリームが入った袋を渡す。


「買収?」


 袋の中身を見た弓佳は可愛げのないことを言う。


「いんや。勘繰りすぎだ。そんな意図はない」


 俺がそう否定すると、


「……ありがと。お兄ちゃん」


 弓佳は、少し照れ気味にそうぽつりと言った。

 まあ、シュークリームの中にはロシアンルーレットよろしく、ひとつからし入りの激辛シュークリームが混じってるんだけどな。


「はい。一個あげる」


 そんなことを考えていると、弓佳がシュークリームを一個分けてくれた。


「ああ」


 俺は受け取り、そのままかぶりついた。

 ――っ!?

 すると火炎のごとき激烈な辛味が俺を襲った。


「あががががががが――か、かれぇぇぇえええ!」


 俺は高速で喉に手を這わせながら絶叫した。口からファイヤーが出るかと思った。


「これ、死んだわ……」


 くらっときた。手を壁について耐えようとするも、無理だった。


「許さんぞ、弓佳……」


 ばたりと地に伏す。動けない。


「あっは♪」


 倒れた俺をみて、喜色をあらわにした弓佳が悠々とこちらに歩みを進めてくる。

 ――おい、ズボンとはいえ短いから見えちゃうぞ……。


「ふふん♪ 残念でしたー♪」


 俺を見下ろしにっこり笑顔でご満悦な弓佳。

 ――見えてしまった。


「ねえ、妹にしてやられた今どんな気持ち?」


 ――エッチな気持ちになりました。すみません。

 にしても弓佳はわかっていない……と思った俺の口が指摘するべく勝手に動く。


「おい、弓佳それはないだろ」


「へ?」


 俺の返しが予想外だったのだろう、きょとんとした表情で、弓佳が間抜けな声を出す。


「縞はないわー」


 それは俺の好みではなかった。


「っ!」


 弓佳の頬が紅潮する。


「俺はもっと扇情的なのが好きだぞ」


 弓佳は片足を上げた。


「――ば、ばっか! このドえっちっ!!」


 罵倒とともに、上げられたおみ足が背中に到達。思い切り踏みつけられた。


「ぐふぉ!」


「このっ! このっ! ドえっちっ! ――いいじゃん、縞履いてたって!」


「あぐわっ! うぐぉ! ぐえっ! がっはっ! ちょっ、弓佳、やめろ、やめてくれっ! ――縞も認める! 認めるからぁ!」


 俺は弓佳が満足するまで何度も何度も繰り返し踏みつけられた……。




 暫くして、弓佳はようやく俺の背中から足を退けた。


「人の趣味にとやかく言わないで」


 ご立腹だった弓佳はやっと溜飲を下ろしたらしい。

 踏みつけられまくってマジで死ぬかと思ったぞ。


「はい、全面的に俺が悪かったです。好きなのを履いてください」


 俺は全力で土下座した。


「ふーんだ」


 どうやらさっきまでの弓佳は一時の暴走だったらしく、たいして怒っていないっぽい。

 今のは拗ねたふりだ。おそらく許すタイミングを図っているのだろう。

 わざとじゃなく、偶然起こった事故だったのもあるし、あと一押し誠意を込めて謝れば許してくれるだろう。


「ごめんって」


「ふふっ。いいよ」


 弓佳はにっこり微笑んだ。許してくれたらしい。

 俺はぼーっと弓佳の笑顔を見ていた。兄妹だから目を合わすのを慣れているのもあり俺が見詰めても、弓佳の反応は薄い。

 そうして見詰めあって、数秒経ち、弓佳が再度口を開く。


「あと、お兄ちゃんの魂胆はお見通し。目を離した隙に、こんなこともあろうかと用意していたハバネロをぶっ混んでおいたんだよ! お兄ちゃん辛いもの苦手でしょ?」


 俺が辛いもの苦手なことを知っていやがったのか、えげつないことをやりやがる。


「ひでぇ!」


「ひどいのはどっち!? 先に仕掛けたのはそっち! 私、正当防衛!!」


 弓佳はそう主張した。


「過剰防衛だ。こんにゃろ!」


 弓佳の主張に文句をつけた俺が弓佳に掴みかかろうとすると、弓佳はシュークリームを口へと放りながらひょいとかわし「甘くて、美味しい♪」と頬を緩ませる。

 そうして弓佳は、そのまま階段を上り、自分の部屋へと逃げていった。

 こうなったらもう捕まえようがない。流石に妹の部屋に押し入るというのはいくら兄妹といえど不可能だからである。弓佳は無遠慮に入ってくるが、それはそれということなのだろう……納得がいかんが。


「ちっ、逃したか……」


 悔しさに俺はそう吐き捨てた。




 とまあ、そんなのが昨日の やり取りである。

 てか、そうこうしている内に学校に着いてた。昇降口へ向かう。おっ、生徒が昇降口傍にまで来ている。この辺に自販機があるからだろう。頭数が多いし、授業を抜け出してきたというわけではないと思われる。どうやら今は休み時間らしい。

 ジュースはさっきコンビニで買ったのがあるからスルーして教室へ。


「おう。はよ」


 俺のダチ――最上(もがみ)廉史朗(れんしろう)から声がかかった。

 俺は出そうになった欠伸を噛み殺し、返事をする。


「ああ」


「寝坊か?」


「妹が起こしてくれなくてな」


「おいおい。流石に自分で起きろよ。高校生なんだぞ……」


 嘆息し、呆れ気味に言う廉史朗。


「歳など関係ない。眠いものは眠い」


 俺は廉史朗の横を通り席へと向かう。

 座ろうとすると、


「ちっ」


 と隣から舌打ち。

 やれやれと俺は肩を竦めた。そして不遜な態度をとったギャル――もとい、俺の幼馴染みである津野田(つのだ)暁美(あけみ)に言う。


「俺の顔をみて舌打ちとはご挨拶だな、暁美」


 馴れ馴れしく名前を呼ぶ俺。

 ――に対し、


「っ!」


 暁美の頬が紅潮した。


「き、きやすく名前を呼ぶな!」


 暁美はぷいっとそっぽを向いた。


「おいおい、暁美どうしたんだよ……幼いときはゆう君だーい――」


「――だっ、黙れ!」


「むぐっ!」


 暁美に両手で口を塞がれた。

 と、そこで――、


「お兄ちゃん! 弁当忘れてるよ!」


 妹の登場である。俺は暁美をひょいっと交わし、


「お、おう……。サンキュ、弓佳」


 昼に購買でパンでも買おうと思っていたから。別に届けてくれなくてもよかったのだが……それは言わぬが花ってことで。

 ――ん……?

 そこでふと気づいた。


「てか、お前も今日学校じゃ?」


 ここで補足。俺は高校生、弓佳は中学生である。


「昨日いったじゃん。今日は開校記念日でお休みって……。てかお兄ちゃんの母校でもあるのにー」


「なのに、なんで制服着てんだ?」


 俺の問い掛けに弓佳は「ふふん」と胸を張って答えた。


「授業公開の日だから来てあげたんだよ!」


「マジか!」


 驚く俺に、してやったりといった顔で返す弓佳。


「マジ!」


「てか目立ちすぎかよ!! 恥ずい!!」


 弓佳はめっちゃ目立っている。超絶かわいいからな!!

 俺は周りの目が気になった。

 周りの皆、ニマニマしてるし!

 そう思っていると、神埼(かんざき)姫梨(ひめり)がよってきた。姫梨は頭にリボンを乗っけたロリである。


「良かったじゃーん、()()()()()?」


「俺がいつお前のお兄ちゃんになった!」


 とりあえず突っ込んでおいた。お兄ちゃんなどと呼ばれる覚えはない! そういう意味じゃなくて俺と弓佳との兄妹仲を冷やかすものなのはもちろんわかっているが。

 姫梨はそんな俺をガン無視して、弓佳が届けてくれた弁当を示す。


「妹からの愛妻弁当!! まったくモテる男はツラいねー!」


 このこのーと脇をつつかれる。

 神埼め、煽りよるな……。ここぞとばかりににっこにっこしてやがる。

 と思ったら、


「お兄ちゃん♡」


 マジで妹ぶり始めた。

 てか、どさくさに紛れて腕に絡み付くなし! 嬉しいけど!


「からかうなよ!!」


 引き剥がそうとするも、引っ付いて離れない。


「お兄ちゃんは渡さないよ……」


 弓佳ももう片方の腕に絡みいてきた。積極的だ。


「夕雅は私のなの」


「何言ってるの! 私のだからね!」


「お前こそ、何言ってるんだ!」


 たまらず俺は弓佳に突っ込んだ。

 しかしそんな俺の声は聞こえていないかのように、姫梨と弓佳が睨み合う。火花ばちばち。


「モテモテで羨ましいこった」


 廉史朗は溜め息をついた。

 と、そこで、「おーい」という声と共に、パンパンと手を叩く音がした。


「授業を始めるぞ。お前ら席につけ、特にそこ不純異性交遊すんな」


 保体の先生……担任でもある保科先生が来た。


「てかなんで中学生がいる!」


 保科先生の鋭い突っ込み。

 それに弓佳は照れたように答えた。


「えへへ……、お兄ちゃんの授業参観に来ました」


「榑林の妹か……まあいい、授業中は静かにな? くれぐれも『俺のお腹がうずく』……とか、言わないように……」


「わかってますよーあとそれは、私はお兄ちゃんとは違うから平気です」


 妹がそう答える。

 と、その時――、


「ん?」


 足元に……というか教室全体に大きな魔方陣が現れた。

 生徒達の戸惑いの声。保科先生ですらびっくりしている。


「な、なんだ!?」


 俺が驚いたときには全てが終わっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ