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訪れ
来てくれたの?
来てくれるはずがない
山が深いこの地に
訪れる人は 誰もいない
感じられない
でも
松の戸から落ちつる雫は
春の訪れ
私を訪れてくれるのは
春だけなのかしら
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※ 高校一年の時の授業で課題の和歌の中から選んで詩にする宿題で作った作品です。
式子内親王の和歌から作りました。
『山ふかみ 春とも知らぬ 松の戸に
たえだえかかる 雪の玉水 』
(意味)山が深く、春がきたことも分からない私の庵の松の板戸に、とぎれとぎれに玉のような雪解けの雫が輝きながら落ちてくる。