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最終話 赤壁明星

 南下する曹操の大軍勢に対し、孫権と劉備の連合軍は抗戦を決意した。

 連合軍の両陣営の二大軍師が密談にて策を練る。


 決戦の地は赤壁。大軍勢に抗しうる策は……


 互いの考えを同時に披露するため、二人の軍師は声に出さずに、策を手の平に書き同時に見せ合う。

 そこに書かれた文字は、”火”


 火計こそが劣勢を覆す唯一の勝機であり、それを理解する両軍師は互いの才を認め合った。


 勝利にむけ滾々(こんこん)と知恵を出し合う両軍師。そんな折、とある画像が巷の話題にのぼる。


”七輪”


 手の平に刻まれし二文字、入れ墨である。まるで筆で書いただけの我々を小賢しいとあざ笑うかのように。

 

 果たして謎かけの好きな曹操はグリルを意味するその単語から火計を警戒するだろうか。

 数えてみれば計17画、恐るべき胆力。これは小柄な猛者同士の時を超えた友誼の証ではあるまいか。

 その懸念はともかく、入れ墨という苦肉芸術が話題となった今、孫権の配下、黄蓋の苦肉計は間が悪すぎる。さしあたり別の策を考えねばなるまい。


 曹操に勝てるのだろうか。鬱々とした日々が続く。

 そんな中、入れ墨の主にチャチャを入れる者が現れた。


”「七輪」じゃなくて... ”


 その発言は瞬く間に大炎上した。

 ここまで火が注目されれば、よもや火計など万に一つも成功しない。

 連合軍は赤壁での戦を断念。結果誰も死なずに済んだ。


 ありがとう平和の祭典。聖火よ永遠なれ。


(完)

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