絵本の真実1
季節は春。雨の中私は森林を歩いていたが道には泥濘みができ森林が私の行く手を阻むようにも見える。
この森林を越えれば目的地が見えてくるので泥濘みに耐えながら歩き進める。
次に向かっている国は私が小さい頃に読んだ絵本の舞台となった国を目指していた。
絵本の作者はその国の近くにある花畑を見て絵本を作ろうと思ったと昔聞いたので私は土砂降りの中その花畑を探したが花畑は幾つもあり、どれが作者が見た花畑なのか分からなかったけど、花畑を見れただけで良しとした。
まぁ雨のせいで景色はいまいちだったけど…
しばらく歩くと国の入り口らしき門を見つけたので門番さんに軽い入国審査をしてもらい入国した。
雨のせいでいつも以上に体力を消費したので観光は明日に見送って休憩を取る為にお店を探そうと思い門を通り抜けたら偶々喫茶店を見つけたので入店することにした。
お店に入ると同時に「いらっしゃいませ」の声と同時にカウンターに案内された。
お店はカウンターとテーブルがあり、テーブルや椅子などは木で作られていてまるで森林の中にいるような気がして居心地が良い。
お店の中央にあるテーブルには2つの可愛らしいくまのぬいぐるみがあり
此処のお店のオーナは私と同じぐらいの歳の女の子がオーナーをしている。
「お客さんは当店は初めてですか?」
「っあ。はい。おすすめはありますか?」
私がおすすめを聞くとすぐにオーナーさんに紅茶を紹介してもらい私はその紅茶を注文しようとした。
「じゃあそれをお願いしま…」
注文しようとした途端、店の奥から出てきた中年の方が出てきて止められた。
「申し訳ありませんがお客さん。その紅茶は飲むと危険なのでキャンセルしてもらえますか?」
「え?オーナーさんがおすすめと言っているのに危険なんですか?どう言う事ですかそれ?てか、あなたは誰ですか?」
「ああ。申し遅れました。私はここで働いているスタッフです。それとオーナーの里親になります。
詳しい理由はここではお話しできませんので、別の場所でお話ししますので申し訳ございませんが違う紅茶をおすすめいたします。」
私は仕方なく違う紅茶を頼んだが、途中オーナーさんが会話に紛れ込んできた。
「も~おばさん!ま~た私のおすすめを断ってる!…ほら!お父さんとお母さんも怒ってるよ!ねぇ?おとうさん!お母さん!」
とオーナーさんはそう言い両親が座っていると思われるテーブルを指したがそこに座っていたのは可愛らしいくまのぬいぐるみ達が座っているだけであった。
私は状況が理解できずスタッフさんに聞いてみると、スタッフさんは唐突にオーナーさんにおつかいを頼みオーナーさんが外へ出かけて行ったタイミングで話をしてくれた