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4 シンクの実力

今回でプロローグは終わりです。

今後、1話2000文字から4000文字ぐらいになる予定です。



「シンク、手加減はいらないぞ」


 エリナは剣を構える。


「本当に3本だけですよ」

「分かっている。だからこそ真剣に勝負をして鍛錬をするんだ。真剣な勝負ほど身になるものはないからな」

「分かりました。では行きますよ」


 今、僕たちがいる場所は研究塔の一部、体育館ほどの広さがある。

 ここは剣や魔術の訓練や実験が行われる部屋だ。

 本来なら、研究室を生徒たちがそれぞれ使い、大きな体育館は申請して各研究室が使用できるようになっていた。

 でも、この研究塔は僕らしかいない。

 塔全てが僕たちの物になっている。

 だから、この体育館には僕たちしかいない。

 それも王族であるイリス、貴族のエリナ、ナズナ、大商人のクレアのせいだ。

 そのことを聞いたとき、あらためて周りにいる女の子たちが権力を持っていると認識された瞬間だった。




 稽古の名の試合は終わり、皆がいる部屋に戻ってくる。


「早いじゃないか。試合はどうだったんだ」


 イリスが椅子に座って足をぶらぶらさせながら尋ねてくる。


「私の完敗です。手も足も出ませんでした」

「学園最強に勝つってどんだけ強いだおまえは」

「シンク、学園最強の名を貰ってくれないか。もう、最近名乗るが恥ずかしいんだが」


 エリナが真面目な顔しながら言ってくる。

 もちろん僕は、


「丁重にお断りさせてもらいます」


 と言わせてもらいます。


「なら、学園最強2位って名乗るかな」


 いや、最強2位って変だから。


「止めて下さい。それに約束したでしょう。研究棟で試合するから学園では大人しくするって」


 この人は授業中に剣の科目があると僕のところにやってくるんだ。

 目立って仕方ないこと。

 だから授業中は静かにしてもらう代わりに、放課後に剣の練習に付き合うことにしたのだ。

 すでに手遅れのような気がするが、致命傷になるまえに傷口を塞がないと死んでしまう。


「そうだが、学園最強でもないのに名乗るのは」

「僕のことは忘れて下さい。僕が学園にいないと思ってください」


 いっそのこと僕のことを忘れてください。

 そうすれば平穏な生活が戻ってきます。


「それに僕は剣士になるつもりはありませんから、その称号は僕には不要です」

「そうなのか」

「お父さんみたいに城勤めをするのが目標ですから」


 平穏な人生を送るなら安定している公務員が一番だ。

 のんびりとお城でお役人仕事をするのが将来の夢だ。

 適当に書類整理したり、適当にサインしたり、適当にサボったり、そんな楽な仕事を付くのが僕の目標だ。そのためにこの学園に入学したのだから。


「でも、そんなにシンクは強いのか? 魔術を使うのは知っているけど」

「まず、私の剣が全て避けられます」

 

 まあ、チート使ってますから。

 エリナと戦って知ったけど、この世界の人は身体強化の魔術を使用していない。

 身体強化の魔術を使えば一流の剣士にも勝てるほどの力を得ることが出来る。

 まあ、漫画や小説ではよくある方法だ。

 この世界に魔力があると知って幼いときに覚えた魔法だ。

 だから今では息を吸うように身体強化が使えるようになっている。


「あと、私の得意技3連激の剣もかわされます。当たりません。この時点でシンクとの実力の差が歴然として落ち込みます」


 まあ、動体視力も上がってますから、いくら速くてもかわせます。


「全て避けられるってことは剣筋を全て見切られているってことだから、せめて打ち合いをしたいですけど、剣すら合わせることも出来ない状態です」

「それじゃ、魔術を含めた戦いになったらどんだけ強いんだ」


 すでに使ってますけど。

   

「その点どうなんだナズナ」

「そうですね」


 本を読んでいたナズナは本を閉じ考え始める。


「そもそも、シンク君の魔術は普通の魔術とは違いますから」

「そうなのか」

「わたしたち一族が優秀な魔術師を輩出できる理由は知ってますか」

「いや、詳しくは知らない」

「まず、魔力容量の確保です。魔術を使うには何よりも魔力が必要になりますから。だから、わたしたち一族は魔力を多く持っている同士を結婚させて子供を生ませることを長年やってきました。親が魔力を持っていると子供も多くの魔力持ちになります。あとは長年研究してきた魔術を継承させて行くことで、わたしたち一族は優秀な魔術師を輩出してきました。でもシンク君の場合、全てがオリジナル魔術になります。本来ならありえません。魔術は長年の研究によって現在の魔術があるんです。それを誰にも習わずに覚えるなんてありえません。どこで習ったか聞いたとき独学で覚えたと言われたときのわたしの気持ちが分かりますか。もう、落ち込みましたよ。魔術の天才とか周りから言われるのが恥ずかしいぐらいに」

「すみません」


 漫画や小説で覚えたなんて言えませんし。


「だから、シンク君の魔術について分からない。独学だから知らない魔術が多すぎて。イリスちゃんに聞いた植物のツルを使って敵を縛り付ける魔術なんて初めて知りました。だから、シンク君との魔術の戦いは、知らない魔術を使われるから勝てる気はしないよ」

「魔術も剣も自己流とかおまえはみんなを馬鹿にしているだろう」

「してませんよ。平民の僕は自分で勉強するしかなかっただけですよ」

「それで、学園最強と天才魔術師に勝つって」

「エリナちゃんが学園最強をシンク君にあげるなら、わたしも天才魔術師の称号をシンク君に譲らないといけないね」

「いりません」


 と断った。


「そもそも、お城でお役所仕事がしたいおまえさんが、どうして、剣や魔術の練習をしているんだ。しかも学園最強よりも剣は強く、天才魔術師よりも魔術が凄いってどんな役人を目指しているだよ」


 それは異世界に来たら一度は憧れることですから、とは言えず。


「ほら、何かトラブルが起きたら、剣や魔術が使えたら活躍できるでしょう」

「それこそ、剣士(兵)や魔術師の仕事だろ」


 ごもっともです。






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