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OOO ~Original Objective Online~ 称号に振りまわされる者  作者: 1048
第1部 第1章
8/65

第1回公式イベント 4

【ソルジェンテ】の南


戦場は、僕らが着いた頃には既に荒れていた。


多分、先頭にいる高伸長で赤髪の1番攻撃している大剣男とその仲間達が、このレイドを起こしたガイアのパーティーで、その前に君臨しているのがツインテールドラゴンなのだろうな。名前通りに尻尾が2本有るしな。それにしてもデカイよな。過去最大に………


しかし、ガイア達のパーティーと他のプレイヤー達との連係が、全くと言っていい程取れて無い気がするんだが………気のせいか?


イベント開始からまだ5分程しか経っていないので、今ここにいるプレイヤー達は、たまたま【ソルジェンテ】の近くにいたプレイヤー達なんだろうな。



『皆さん、これはレイドです。連携が命になります。皆さん、このガイアに協力して下さい』

かなり間違えていたようだな。赤髪の後方にいるポニーテールの槍女がガイアのようだ。


しかし、パーティーメンバー以外が誰も聞く耳を持ってない状況だ。各々が好き勝手に暴れている。


これは、かなり不味くないか?レイドのボスMOBと言うだけ有ってツインテールの攻撃は一撃、一撃が重いようで、僕らが着いてからも既に何人か倒されている。




『おい、僕達は、何をすれば良い?』

僕は《付与銃》でガイアのパーティーに《付与魔法》を掛けながら尋ねる。


『何で!?何でプレイヤーを撃つの?PK?』

僕に向かって槍を構えてきた。


『ちょ、ちょっと待て、よく周りを見ろ。《付与魔法》の〈防御力上昇〉を銃で掛けただけだ。ダメージは全く無い』

ガイアは仲間の右腕の赤い光の輪を確認して理解したようだ。


『す、すみません、今の状況で焦って……』


『大丈夫だ。それより何をすれば良い?僕はシュン、後衛か遊撃、《付与魔法》が得意だ。こっちのアクアは、前衛ならどこでも任せられる。手短に指示をくれ、僕らはガイア、君に従う』


『ありがとうございます。それでは、シュンさんには遊撃と付与を、アクアさんには、赤髪のレジーアと一緒にタンクを回復は私達の回復士(ヒーラー)のマナカが受け持ちます』


『了解だ』

僕らは、別れて各々の持ち場に着く、高難度をクリアしたのでMP半減の罰も終わっている《付与銃》で、自分勝手に戦って死にかけているプレイヤーも強化していく。


『〈防御力上昇〉〈防御力上昇〉援護する』


『〈ホーリヒール〉回復は任せて下さい』

僕に続いてマナカが回復していく。


僕とマナカの《付与術》と回復で崩壊仕掛けていた他のパーティーも持ち直し始めた。当然、落ち着いて冷静になる余裕も生まれてくる。


『皆さん、これはレイドです。連携、協力が命です。皆さん、このガイアに力を貸して下さい』

今度は、他のプレイヤー達にも通じたようだ。


『大変キツイ状況ですが、タンクの皆さんでツインテールの攻撃を受け止めて下さい。ダーメージの回復はヒーラーの皆さんが、直ぐにおこなって下さい。ダメージディーラーの皆さんは、ツインテールの隙を見て一気に攻撃して下さい』

この最終イベントに参加してツインテールと戦い、まだ生きているプレイヤー達なのだ。当然、かなりのLvや経験を持っている。このガイアの一言で連係が噛み合いだした。


『〈防御力減少〉〈攻撃力減少〉ガイア今がチャン………』


『今です。皆さんアーツを、私に続いて下さい。〈乱れ突き〉』

僕の声よりも先に………ガイアの一声で見た事も無い強烈なアーツが一斉に放たれる。


『よし、俺が尻尾を片方斬った。皆、勝てるぞ』

誰かの声が聞こえて、皆の士気が上がる。


………が、一瞬の事だった。尻尾を斬られたツインテールが、炎を吐き出し、声を上げたプレイヤーを一瞬で消し去った。そして再度(ふたたび)、炎を吐き出しそうになっている。


『炎注意!!タンクの皆さん、ヒーラーの皆さんお願いします』

ガイアの一言と同時に、レジーア達壁役に気休め程度の〈魔法防御力上昇〉の《付与魔法》を飛ばす。



『〈アイスシールド〉間に合った?』

吐き出された炎が大きな氷塊に阻まれる。赤色と青色がせめぎあっている。


戦場に現れたのは赤と青に光る杖を持ったジュネだ。


ジュネ達も最終イベントに参加しに来たのだろう。ジュネのパーティーメンバーも各々、自分の持ち場に散っていく。


『おっ!!』

他にも増援が到着したようだな。これで何とかなるのか?


『皆さんありがとうございます。今の攻撃を見ていたかも知れませんが、炎には十分に注意して下さい』

最前線で攻撃を続けるガイアから増援のプレイヤーに注意事項が発せられる。


『炎が来るぞ、避けろ~』

モーゼの十戒のように炎の斜線上が半分に割れる。前衛の前にも多種の魔法壁が出来ていく。


『〈攻撃力減少〉〈魔法攻撃力減少〉〈速度減少〉喰らえ!!〈零距離射撃〉』

僕は、この隙にツインテールの背後に周り込み、出来る限りの一撃を繰り出す。


『『『『『『黒の職人さん!?』』』』』』

あのPVPの動画を見た事が有ったのだろう、一気にバレてしまったな。


『そんな事は、どうでもいい。〈零距離射撃〉』

更に追い討ちを続けていく。


ツインテールが振り向いてこちらを切り裂いてくる………おっと、間一髪だが回避が間に合ったな。


『今のうちだ、背後から……


『〈乱れ突き〉〈極突〉皆さん、続いて下さい』


一斉にアーツを………』

僕の指示など全く必要なかったな。ガイアは既にアーツを放っている。それに続いてダメージディーラー達の強力な一撃が繰り出される。残っていた、もう片方の尻尾も切り裂かれた……


『と、翔んだ。翔んだぞ』

ツインテールは上空に飛び上がった。再度(ふたたび)上空から炎を吐いてくる。


『か、回避……』

間に合わなかった者は一撃で消え去っていく。ツインテールが放った逆転の一手で形勢が一気に覆る。


『回復と魔法攻撃、遠距離攻撃を……』

ガイアは戦局を建て直そうと必死だな。


僕は、ツインテールの真下に移動して射撃していく。2つの尻尾が無くなった為、真下が1番安全そうだし、真下がツインテールに距離が1番近いので理論上は1番ダメージが出るはずだ。


視界の端では、マナカが杖を振るい回復しながら駆けまわっているのが見える。とにかく、戦局が落ち着くまでは、ツインテールの気を引かなければならないな。それが、僕の今出来る事。


ツインテールは、今も少しずつ上昇しているので僕との距離も徐々に離れていく。もうダメージには期待出来ないだろう。それでもいい、無駄でもいい。僕は撃つ……撃ち続ける。



『当たれ〈ボルト〉』


『喰らいやがれ〈雷光〉』


『落ちろ〈招雷〉』

体勢を立て直したプレイヤーが雷系の魔法やアーツをツインテール目掛けて放っていく。しかし、ツインテールを怯ませるには至らない。


その時、一筋の白い閃光がツインテールの羽根を貫いた。


『シュン、ごめんね。やっぱり戻って来ちゃった』

アキラが【北白星】で矢を放ちながら近付いてくる。


『報酬は諦めたのか?』

アキラの援護射撃をしながら尋ねる


『うん、欲しかったんだけどね………』

アキラの弓から放たれる白い閃光はツインテール羽根をボロボロにしている。


『やっぱりこの弓凄いね、並じゃないよ』

ツインテールが、はじめて空中でグラついた。


『落ちそうです。下にいる皆さん、気をつけて下さい。魔法で追い討ちを………』

ガイアが指揮をとっていく。今となっては、ガイアの指示に逆らうプレイヤーは1人もいない。高い統率力だよな。


『ドラゴン、落とす〈ウォータプル〉〈グランドアイス〉』

ジュネが空中に水の塊を出して、それを急速に凍らせていく。徐々に大きくなっていく氷塊がツインテールの頭上に移動していく。


そこからは一瞬だった。脳天目掛けて氷塊が急降下する………気付く事さえ出来てない氷塊を、回避出来るはずがない。


直撃、クリティカルヒット!!ツインテールは地上に叩きつけられ虫の息となっている。


『今です。ここがラストチャンスです。余力は残さずに、皆さんお願いします』


ガイアの一声で、ここにいる全てのプレイヤーの全力での攻撃が放たれた。ツインテールには悪いが、とても綺麗だった。


色とりどりの100近い魔法やアーツが一斉に、まるで祭りを締めくくる花火のように。


………最後の締めとしてツインテールドラゴンが光となって消えていった。



『………勝った?』


『『『『『うぉぉぉぉぉぉ~』』』』』

誰かの一言で一斉に歓喜の叫びが木霊する。かなり疲れた。もう銃弾も殆ど残ってないしな。


『ありがとうございました。黒の職人さん達の協力がなければどうなっていた事か……』


『『『『『『黒の職人さん!?』』』』』』


『……ガイア頼むからその名はやめてくれ。まぁ、最終イベント起こしたのはガイア達だからな。そうだ、良かったら後で打ち上げをするからギルドホームに寄ってくれ』

小声で話して、ホームの場所を伝えてから、その場を立ち去る。絶対に正体だけはバレてなるものか………



〔只今【レイドバトル ツインテールドラゴンの討伐】が終了致しました。只今をもちまして、第1回公式イベントは終了させて頂きます。イベント報酬と最終レイドバトル報酬は、今から1時間後より【シュバルツランド】の広場で発表、配布を始めます。【ソルジェンテ】のゲートの封印も解除されました。多くのプレイヤーの皆様、ご参加して頂きありがとうございました〕



『終わったな、お疲れ。でも、アキラはクリア報酬諦めて良かったのか?』

アクアが近づいてきた。途中から生きているのかすら分からなかったが無事だったようだ。


『お疲れ様。まぁ、今回は仕方ないかな……別のチャンスを待つよ』

本人は清々しく答える。納得しているなら問題ないな。


『お疲れ様。さっさと戻ろう、結果聞いて打ち上げだな』

周りには、黒の職人さんを探しているプレイヤーもいる。早くこの場から逃げたいと言うのが本音だ。






既に広場には多くのプレイヤーが集まっている。


『かなりいるな、ドーム達は見つかりそうか?』


『連絡は出来てるし、場所も伝えてるから大丈夫だろ。最悪は【noir】のホームで合流出来る』


『まぁ、ドーム目立つからね』

雑談して発表を待つ。発表間際にドームとレナと合流出来た。



〔皆様大変ながらくお待たせ致しました。これよりイベントの結果を発表致しましす。最初に、すごろくのクリア報酬ですが、事前の告知とは異なりますがイベント終了時に申請が間に合わなかった分もプレゼントされます。第1回の公式イベントと言う事で今回のみ特別(プレゼント)とさせて頂きます。後程、申請して下さい〕

完全に諦めていたアキラが嬉しそうにしている。アキラは最後まで運が良かったな。


〔次に活躍度により運営から選ばして頂きました20パーティー様の発表に移らして頂きます。こちらの掲示板をご覧下さい〕


一気に20パーティーが選考理由と共に表示される。その中には、ガイア達もいる。唯一の最高難度攻略パーティーだ、当然だろう。変わったところで初回クリアまでに3回ふりだしに戻るを出した、デイズと言うパーティーもいた。3回とか逆に凄いよな。


『よっしゃ!!俺達も選ばれたぞ。初回クリアまでの最多ダイスだそうだ』

アクア達は、クリアまでに3回ふりだしに戻ったデイズ達よりも、ダイスを振ったらしい……御愁傷様です。


『残念。私達は、選ばれなかったね……』

確かに選ばれてないな。残念だが、僕らにはこれと言った大きな活躍はない。今回はそれなりに楽しめたから良いんだけどな。


〔20パーティー様への報酬はタブレットに表示しております。ご検討の上、申請して下さい。イベント報酬の受け取りは、この発表後に広場で致します。本日より一週間以内にお受け取り下さい〕

受け取りは、後日にしようかな?今日は人が多そうだしな。


〔続きまして、ツインテールドラゴン討伐報酬ですが、この発表終了後に、討伐時のドロップ素材、ドロップ武器を只今より討伐に参加された皆様に解放させて頂きます。お一人様、1つ限定となりますが、どれも貴重な物になりますのでご期待下さい〕

ドロップ武器って何?ってか討伐時にツインテールドラゴンのドロップが無かったのはこの為か………微妙に芸が細かいな。


〔最後になりましたが、7月1日よりヘッドギアの追加販売が再開致します。それにともない第2陣として追加プレイヤー様が150,000人程度増加する予定になっております。ますます賑やかになるOOOの世界ですが、これからもよろしくお願い致します。つきましては、これまでのOOOへの貢献を称えてMVPを運営側から選ばして頂きました。通称(二つ名)【黒の職人さん】、プレイヤー名シュン様です〕

はい!?…………何故?取り敢えずダッシュだ。


すかさずホームを目指して逃げ出した……………が逃げれない。


『何故だ!?アクア、ジュネ、この裏切り者』

両腕をがっちり捕まれている。ジュネお前は、さっきまで近くには居なかったはずだ。一体何処から現れた。



どこからか複数のスポットライトが当てられる。


〔選考内容は言わなくても、皆様の方がご存知かも知れませんが【冒険者の鞄店】でのご活躍です。皆様のお手元の鞄は殆どが彼の作品です。シュン様一言頂けますか?〕

仕方ない。って言うか、既に手遅れで何かしら話さないと収拾がつきそうもない………不本意だがな。


『えっ~と、只今ご紹介されました【冒険者の鞄店】のシュンです。あの時は、皆様のご協力で多くのプレイヤーを助ける事が出来て本当に良かったと思っています。ありがとうございました。しかし、あれは僕1人では出来た事ではありません。仲間達と多くのプレイヤーの皆様の協力や好意が有って出来た事です。それなので申し訳ありませんが、僕1人だけが頂く事は出来ませんのでMVPは辞退させて頂きます』

一礼してスポットライトの光から外れる。さっさと退散しよう。不意打ちで逃げるのが1番だな。



『黒の職人さん以外にMVPはいないだろ』

誰かの声で一斉に拍手が起きる。一体誰だ!?そんな事を言うのは………あぁ、もう完全に逃げれない様だな。


〔素晴らしいスピーチありがとうございました。本人は辞退されましたが、プレイヤーの皆様が辞退を許さないようですね。もちろん運営側も許しませんけど、プレゼントはシュン様のホームに贈らせて頂きます。以上をもちまして第1回公式イベントを終了致します〕

やっぱり逃げれなかったな。運営は本当に意地が悪い。ついでにいらない称号まで貰ってしまった。



new称号

〈初代MVP〉

運営に認められた者への称号

取得条件/なし・オリジナル


〈黒の職人さん〉

多くのプレイヤーに認められた者への称号

取得条件/なし・オリジナル※二つ名



………これは先が思いやられるな。こうなったら打ち上げで少しでもストレス発散させて頂こうか。


『じゃあ、先にホームに行ってて、私は報酬の申請してから戻るから』

アキラに促されて、アクア達とホームに移動する。






『さぁ、皆楽しんでいってくれ。今回は、お疲れ様でした。乾杯はアキラが戻ってきてからな』

料理アイテムをテーブルに全て出す。箸や食器等も渡していく。飲み物もあるが当然アルコールは無い。ジュースやお茶、紅茶だ。


『ただいま。やっぱり皆来てるね』

皆とはアクア、ドーム、レナ、ジュネのパーティー6人と僕とアキラの11人である。


『アキラ、乾杯お願いします』

アキラにオレンジジュースのグラスを渡す。


『じゃあ、イベントお疲れ様でした。乾杯!!』


『『『『『乾杯!!』』』』』

やっとイベントが終わった気がするな。


料理に箸をすすめていく。美味い。どんなに食べても太らない……最高だ。女の子達も満足そうだ。


特にジュネ、OOOでは食べ過ぎは無いのだが………それにしても食べ過ぎじゃ無いのか?足りなくなる事は無いと思うが…………



『シュンさんいますか?』


『うん!?誰だろう?』

ホームの入口に向かうとそこには、


『………………いっぱいだな』

ガイア達6人に一緒にツインテールと戦った何人かのプレイヤー、ネイルさん達【プレパレート】のメンバー、それにフレイさん、合計30人以上。流石にリビングに全員は狭いよな。


『全員が中では狭くなる。そこを通って裏の庭に回ってくれ』

庭の方を指さす。ガイアはえっ!?庭?って顔をしているが黙って指示に従ってくれた。


『皆、楽しんでいるところ悪い。これ全部庭に運んでくれ。いっぱいお客さんが来た。アキラ悪いんだけど、一緒に追加の料理作ってくれる?』

ドームやアクアが庭に運び始める。庭は既に知り合いがいっぱいだ。


『おぅ、お疲れ。楽しんでくれ』

アクアが皆に食器を配って料理をすすめる。ジュネは食べるのを止めない。


『また、乾杯が必要だな。今度は、ガイア頼む』


『私ですか?シュンさんは?』


『シュンは奥で料理作ってる。それにシュンは締めだろ』

ガイアにグラスを渡す。


『では、皆様、今日は本当にありがとうございました。お疲れ様です。乾杯!!』


『『『『『乾杯!!』』』』』


『酒だ、酒。酒は無いのか?』

レジーアが叫ぶ。素面(シラフ)でも酔ってそうだよな。だが、皆楽しんでいる。それが1番大事だ。


新たな繋がりも出来ているようだ。初めてこのホームに入った人は余りの規模のデカさにドン引きしているが、そのうち馴れるとアクアに言われている。普通、2回目には慣れるだろう。


ガイアのギルドは全員、人間で統一されているらしい。ちなみにギルド名は【ワールド】20人くらいギルドメンバーがいるらしいがホームは小さいらしい。


アクアに、このギルド【noir】が2人しかいないと聞いて顔が引きつっている。無理もないがな………


『遅くなった追加の料理だ。たくさん用意しているが、足りなければ追加で作るから遠慮せずに食べてくれ』

アキラと一緒に大量の料理を運んでくる。これだけあれば、しばらくは大丈夫だろう。やっと一息がつけるな。テラスの段差に腰掛けて紅茶を飲む。


『シュンさん。今日は、お招きありがとうございます。イベントでもシュンさんのお陰でなんとか纏まりました。本当にありがとうございます。良かったら私とフレンド登録して頂けますか?』

ガイアが隣に座ってくる。


『フレンド登録は構わないが、さん付けはやめてくれ』

さん付けだけは、いつまでたっても馴れない。


『それでは、シュン様で』


『却下。それも却下だ。シュンで良い』

ガイアとフレンド登録を交わす。


『では、いつでもお誘い下さいね。シュン』

ガイアはパーティーのメンバーの方へ去っていった。



『シュン君はモテモテですね。身長の低い、巨乳さんがお好きですか?』

アキラが隣にやってくる。しかし、機嫌が悪い。過去最悪クラスに。確かにガイアは低身長に似合わず巨乳なのだが………


『いやいや、モテてないだろ。アクアじゃないんだぞ。彼女いた事ないし、さっきのは只の挨拶だろ』


『ふ~ん、そうなんですか?』

まだ機嫌は治らない………ようだ。


『はい。これ、プレゼント』

アキラから銃を渡される。



【魔銃】攻撃力40〈特殊効果:なし〉

※MPを弾丸にして射撃できる/弾丸不用



『これって………』


『高難度の報酬の1つに有ったのを見付けてたんだ』

顔を赤くして俯いて答える。


『貰って良いのか?』


『弓のお礼。報酬リストで見つけたから………』

どうやらアキラの目的の報酬は【魔銃】だったようだ。


『ありがとう。大切にするよ』

うつむいているアキラの頭を撫でながら答える。ますますアキラの顔が赤くなる。照れているようだな。


まぁ、プレゼントを渡すのはドキドキするからな、相手が喜んでくれるか不安にもなるしな。仕方ないかな。




遅くまで皆と打ち上げを楽しんだ。新しく知り合ったレジーアとアクアは気があったようだ。アキラはマナカといろいろな話で盛り上がっている。フレイさんやネイルさんには様々な依頼の話も来ている。


打ち上げは成功かな?それとジュネいい加減、食べるのは辞めようよ………



『すみません、黒の職人さんですよね?私はガイアのギルドの弓使いのリツと言います。先程アキラさんに聞いたのですが、あの白い閃光を放つ弓は黒の職人さんの製作ですよね?良かったら私にも弓を作って頂けませんか?』


『まず、黒の職人さんと敬語をやめてくれ、シュンで良いから。弓を作る事はかまわないが、素材がない………作るには、自分で使って欲しい素材を持ち込んでくれ。素材を多目に持ち込めば製作する』


『分かりました。では、後日お持ちします』

僕にも依頼が来たようだな。落ち着いたら暫くは生産に集中しようか。第2陣のプレイヤーの為に鞄のストックを作る必要が有るしな。



『そう言えば、皆さんはツインテールドラゴンのドロップ何でした?ドロップ武器の方っていますか?』

そう言えば、そんな事も有ったよな。アクア達も忘れていた様で確認している。


『俺はツインテールドラゴンの爪だな』


『私は龍眼って素材。シュン………は?』

まだ照れているようだ。


『え~と………僕は、うん!?【龍殺しの双剣】これがドロップ武器?ってかドラゴン倒して龍殺しとかおかしくないか?』



【龍殺しの双剣】攻撃力70×2〈特殊効果:龍に1.5倍/炎反射〉



『『『…………』』』


『…………またシュンか、それ装備出来ないんだろ?どうするんだ?』

アクアが欲しそうな目で見てくる。アクアだけでなく殆ど皆だがな。


『そうだな。僕は使えないし、解体して何か作ろうかな』


『やめろ。やめてくれ、頼むからそれだけは………』

皆が一斉に頷くので、解体は今のところ辞めておこうかな。



『そろそろ解散するか。今日は集まってくれてありがとう。楽しかったです。またイベントが有ったらヨロシクお願いします。ホームのリビングは僕とアキラの2人とフレンド登録した人は、出入り自由なんで何時でも寄って下さい。紅茶くらいならご馳走しますよ』

イベント報酬の確認は明日にしよう………今日は疲れた。


『アキラ、また明日、おやすみ』

そのままログアウトした。







装備

武器

【デルタシーク】攻撃力30〈特殊効果:なし〉×2丁

【銃弾Lv2】攻撃力+10〈特殊効果:なし〉

【ハンドガン】攻撃力15〈特殊効果:なし〉

【銃弾・毒Lv2】攻撃力+10〈特殊効果:毒Lv2〉

【魔銃】攻撃力40〈特殊効果:なし〉

防具

【ゴーグル】防御力3〈特殊効果:命中補正・微〉

【レザーブレスト】防御力15〈特殊効果:なし〉

【冒険者の服】防御力10〈特殊効果:なし〉

【メタルバングル】攻撃力+5/防御力+15〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:軽量化〉

【レザーブーツ】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールローブ】防御力15/魔法防御力10〈特殊効果:回避上昇・中〉〈製作ボーナス:速度上昇・中/重量軽減〉

アクセサリー

【ウルフダブルホルスター】防御力5〈特殊効果:速度上昇・微〉〈製作ボーナス:リロード短縮・小〉

【左狼脚ホルスター】防御力2〈特殊効果:回避上昇・微〉〈製作ボーナス:リロード短縮・小〉

【右狼脚ホルスター】防御力2〈特殊効果:回避上昇・微〉〈製作ボーナス:リロード短縮・小〉



《銃士》Lv60※上限

《短銃》Lv60※上限《拳》Lv29《速度強化》Lv46《回避強化》Lv42《風魔法》Lv43《魔力回復補助》Lv46《付与魔法》Lv50《付与銃》Lv21《錬金》Lv14《探索》Lv50※上限


サブ

《調合》Lv14《鍛冶》Lv17《家事》Lv35《革職人》Lv34《木工》Lv12《料理》Lv18《鞄職人》Lv40《細工》Lv10


new魔法

〈防御力減少〉

習得条件/《付与魔法》スキルLv45


〈魔法防御力減少〉

習得条件/《付与魔法》スキルLv45


〈回避減少〉

習得条件/《付与魔法》スキルLv45


SP 42


称号

〈もたざる者〉〈トラウマを乗り越えし者リターンズ〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈自然の摂理に逆らう者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉

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