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OOO ~Original Objective Online~ 称号に振りまわされる者  作者: 1048
第1部 第6章
56/65

半身の半身 3

『ヒナタ、サラ、すまない。この2匹と話をする事が出来たから、少しだけ待ってくれないか?あとで他の皆にも全て話すんだが…………ヒナタには別の話が有るからな』

ヒナタに謝罪と修理のお願いをしたいところだが、先に話を終わらせなければならない事が出来たからな。


『わ、私だけ別の話ですか?だ、大丈夫ですよ。私達は少し休憩したら、続きに戻りますから。ねっ!!サラちゃん』

うん!?緊張してるのか?普段とテンションが違うのだが…………もしかして、シヴァ様達の威厳が伝わったのか?


『はい。私も大丈夫です』


『お主達よ、我の事は、あとでも良いのだぞ』


『あとで良い訳あるか!?そもそも、何でここに居るんだ?どうやって、ここまで来た?』

ログインして来た時には、見える範囲内に居なかったはずだ。仮に、今と同じ様に僕の背後を取っていたとしても、ギルドのメンバー以外はゲートは使えないはずだからな。


『主よ、ステータスを見るのじゃ』


『ステータス?えっ!?』

まさか!?うっ!!またか…………



new称号

〈パラサイト・キャリアー〉

ファミリアや魔物に取り疲れる者への称号

取得条件/個人の意思無くしてファミリアの主人や魔物の契約者になる

※1度取り疲れた場合は個人の意思では取り外せません



〈パラサイト・キャリアー〉?寄生なのか!?ファミリアの王がか!?有り?


しかも、「つかれる」の部分が疲れる(・・・)になってるし…………ネタか?ネタなのか?僕は、どうしてこんな変わった称号ばかりを得るんだ?もう1つ言わせて貰えれば、注釈の部分には納得しきれない物が有るぞ。


『それは、お主の持っておる〈もたざる者〉の称号の恩恵だ』


『〈もたざる者〉ですか?』

この称号は、《見破》でも《見ない感じ》でも内容が把握しきれなかった称号だよな。周りには、持っている人いないからな。情報系のサイトにも載ってないので、殆んど取得者は居ないのだろうな。まぁ、取得条件も特殊なんだけど…………



〈もたざる者〉

初めての戦闘で仲間も、攻略する手段も、心構えも持ってなかった者への称号



全てを持って無い、運の悪い称号。最初の戦闘で負けた時に得た、ある意味で最も忘れられない思い出の称号だよな。


『うむ。その称号の元の称号名は〈もたざる者〉ではない』


『???』

どう言う事だ?称号名が違う?そんな事聞いた事が無いぞ。そもそも、そんな事は有り得るのか?


『昔の名前は…………確か、〈もたざる者は与えられる(・・・・・)〉だったな。我の前の主人も持っておったわ。他にも古き強者達ならば、知っているのかもな』

ますます、分からん。〈もたざる者は与えられる(・・・・・)〉と言う事は…………何も持って無いから、助けてくれる(プレゼント)と言う事か?


今まで、ろくでもない物を獲得してきたり、信じられない引きを見せたのは、単純に運が悪かったのでは無くて…………やっぱり、この称号の仕業も関係しているのか?それなら、もう立派な呪いだと思うんだけど、この称号………どんだけ過保護なんだ?


それに、古き強者達と言うのは…………もしかしてβテスターの事か?それなら、名前が変わったと言うのも納得出来るよな。ジュネ達から、β版との微妙な違いは色々と聞いているからな。


…………と言うか、シヴァ様の言った恩恵と言うのは間違ってないか?どう考えてもマイナス要素が強いよな。僕的には、

弊害とかの方が合ってそうだよな。


〔『…………自意識過剰』〕


〔『主よ、主の運の悪さは特別じゃ。シヴァ様の言う事も正しいのじゃろうが、全て称号のせいでは無いのじゃ』〕

まぁ、現実でも運が悪いからな。確かに、全部が全部称号の仕業では無いよな。全てを疑いたくはなるんだけど…………


『うむ。考え方的には、そうなるな』

さっきから、シヴァ様は僕の考えまで読んで答えてくれるよな。これも、《神眼》のスキルの力か?


〔『違うぞ。既に、お主を我の主人に認定しておるから《心話》を使わせて貰っておるだけだ』〕

アクアの言っていたファミリアの契約と言うのは、何処へ行ったんだ?白と黒の時は、僕が造ったからと言われれば納得も出来るんだが…………今回は、納得出来ないぞ。


〔『主よ、ファミリアの王は、全てにおいて特別なのじゃ。個人との契約など恐れ多いのじゃ』〕

う~ん、全く面等な事になったな。


『取り敢えず、分かった事にしますけど…………目立つ行動やギルドのホーム内、さっき僕が1回転移した場所の事なんですけど、そこ以外で《魔獣化》するのは絶対に無しにして下さい。このルールが守れないなら、絶対に相手にしません。いくらシヴァ様の方が勝手な契約を結んで僕を主と認めてもです』


『うむ。それは、仕方の無い事だろう。お主は、我自身が選び我の主人となったからな。既に我自身には断る事は出来ないのだ。それで、我は何の武器になれば良いのだ?』

そう言えば、決まった姿は剣だが、何にでもなれるんだったよな。まぁ、僕が扱えるのは短銃か短剣だから…………そのどっちか、もしくはどっちもだな。


『ほう。お主は、そう言う武器を好むのだな。良いだろう。アーちゃん』

その言葉で2匹は武器の姿へと変化していく。事前に聞いてはいたが本当に何にでもなれるんだな。



【虹鯨(魔双銃剣ver.)】攻撃力500〈特殊効果:7属性(火・水・風・土・雷・氷・光)〉

※24時間につき1分間のみ使用可

スキル《魔武器化》《魔獣化》《変身》《幸運》《心話》《可変》※ユニーク



『うっ!!』

ファミリアの王と言うだけは有る、とんでもない能力だな。武器自体は虹色(プリズム)の輝きを放つ銃剣と言ったところだが、攻撃力や属性は今まで見た他の種類を含めた中でも最強の部類だよな。剣よりも強い短銃って一体何?


それに、《幸運》って何?僕には縁の無さそうなスキルだけど…………使う予定は無いから、確認しなくても良いかな。むしろ確認したくないよな。


まぁ、その分面倒な制限が有るみたいだが、それも当然だろうな。


『う~む…………攻撃力が低い。お主、この武器はイマイチだな。それにしても、お主は変わった武器をつかうのだな』

おいおい、これで攻撃力が低いのか?これが、もし剣の状態ならどれくらいの攻撃力になるんだよ。


『それならば、試してみるか?アーちゃん』



【虹鯨(カリバーンver.)】攻撃力1500〈特殊効果:7属性〉

※24時間につき1分間のみ使用可

スキル《魔武器化》《魔獣化》《変身》《幸運》《心話》※ユニーク



これ…………使っては、ダメなヤツだ。ゲームバランスとか、その他諸々な意味でも………と言うよりも、絶対に人に見せれないな。


『あ~、もう良いです。シヴァ様、虹鯨の状態に戻ってくれますか?それと、さっきのルールに2つ追加します。1つは、僕の考えを《心話》で読むのは仕方無いと思いますが、勝手に答えるのとツッコミを入れるの禁止します。もう1つは、僕の呼び方ですが、お主は止めて下さい。シュンで良いですから』


『うむ。分かったのだ。それならば、シュンも敬語と様付けは止めるのだ』

まぁ、確かに、敬語とか使ってたら高貴な存在がギルドメンバー以外にバレるかも知れないよな。極力バレない様に努力するが、咄嗟に出てしまう可能性は有るからな。


『分かった。それは、努力します。それと、今決めたルール以外は自由にして良いからな』

敬語が混ざってしまったが、当分は仕方無いだろうな。


『……………主らしい』

そこは、軽く流すべきだと思うよな。白と黒にも専用のルールを作った方が良いのかもな?


『主よ、それは、遠慮したいのじゃ』

まぁ、今更では有るんだがな。






『ヒナタ、お待たせ。少し時間良いか?』


『は、はい、大丈夫です。サラちゃんは、作業を進めてて下さい』

少し待たせ過ぎたみたいだな。僕達の話が長くなっていたので、ヒナタ達は《造船》作業に戻っている。何回も手を止めさせて悪い事をしたかもな。それもこれも全てはシヴァのせいなのだが…………


『忙しそうなのに悪いな』

さて、どうやって切り出そうかな。


『大丈夫です。と、特別な話って何ですか?』

うん!?別の話(・・・)が、いつのまにか特別な話(・・・・)に、すり替わっている様な気がするが…………気のせいか?


『あぁ、あとで皆に話すんだが、ちょっとトラブルに巻き込まれてな…………』


『トラブルですか?』

なんか急にテンションが下がって残念そうな表情になったが、話を続けても大丈夫かな?


〔『…………相変わらず』〕

黒は何の事を言っているんだ?


『うん。僕は、王の依頼で船旅してたのは知ってるよな。さっき見たと思うけど…………この2匹の鯨、この小さい方が巨大化した姿に食べられてだな…………何て言うか、メインマストが折れたんだ。ヒナタが大切にしてるのを知っているのに、ライトニングを傷付けて本当にすまない』


『全て我が悪いのだ。シュンは、何も悪くないのだ』

また土下座ならぬ土下寝をして謝っている。僕は、1度見て分かっているので伝わっているが、ヒナタには…………伝わってないよな。


『えっ!?…………それで、シュンさんは、白ちゃんと黒ちゃんは大丈夫だったんですか?』

ヒナタは、一瞬だけ険しい顔をしたが、すぐに僕達の事を心配してくれた。やっぱり、ヒナタはヒナタだな。正直に話して良かったな。


『あぁ、ライトニングが身を呈して守ってくれたからな。僕達は無傷だ。だから、どうしても元の姿に戻してやりたいんだ』

上手く話せないが、ヒナタには伝わったか?こう言う時に、口下手な自分が嫌になるな。


『そうですか…………ライトニングの状態を詳しく見てみないと分かりませんが、元の姿に戻すのはダメですね』

ヒナタは、少し考えて険しい顔で結論を出してくる。


『えっ!?ダメなのか?』

僕の思いは伝わらなかった?それとも、かなり怒ってるのか?いや、僕が怒られても仕方無い事をしているので、怒られるのは当然だが…………元に戻すのを拒否されるとは思ってもみなかったな。


『ダメです。シュンさん達を守ったライトニングを元の姿に戻すなんて出来ませんよ。当然ですが、元よりも良くしてあげないとダメですよ。勿論、シュンさんにも素材集めは協力して貰いますよ』

ヒナタは、険しい顔から一転して天使の様な笑顔になる。


『そう言う事か、勿論、協力する。それに、僕も修理をしたい。いや、むしろ僕が修理しないといけないんだ』


『はい。一緒に頑張りましょう。シュンさんが、思わせ振りな態度を取るので、少し意地悪をしたくなっちゃいました。ごめんなさい』

思わせ振りな態度?したかな?まぁ、説明が下手で分かりにくかったかも知れないから、それでかな。


『ヒナタよ、主に期待しても無駄なのじゃ。代わりに謝る、すまないのじゃ』


『そうでしたね。白ちゃん、ありがとうございます』

不本意な気もするが…………何か話すと、さらに墓穴を掘りそうだから、黙っておこうかな。


『じゃあ、私は1度船の状態を見に行きますね』


『頼む。僕は、ホームにメンバーを集めておくから、確認が終わったら来てくれ』


『分かりました。サラちゃんの事は、お願いしますね』


『少し待つのだ。お嬢さん、我も連れていくのだ。何も無いよりは役に立つであろう』

シヴァも責任を感じているんだろうけど、かなり不安だよな。シヴァには悪いけど、まだまだ信用が足りない。今も主人()の許可無く、自由に判断しているぐらいだからな。


それに、1番の問題は、当のヒナタが困っているからなんだけどな。


〔『白、シヴァの事を、お願い出来るかな?』〕


〔『主よ、了解じゃ。シヴァ様の事は、ワシに任せておくのじゃ。』〕

白に任せておけば悪い様にはならないだろうからな。


『ヒナタ、連れて行ってあげてくれる。白も付けるから』

それだけで、僕の意図は伝わった様だな。2匹と1人でゲートに向かって行った。







僕は、サラと共にホームに戻った時には、ホームにいたはずのレナとジュネはいなかった。その代わりと言うか、リビングでフレイが休憩していたので、僕が思ったよりも時間が経っているのかも知れないな。


『シュン、お帰り。さっき、背中にいたのは?』

やっぱり、アキラが言いたかったのも背中だったんだな。


『その件について説明するから、皆を集めれるかな?ちょっと長くなりそうだから、用事が有ったら先に済ませて来るように伝えて』

アキラがカゲロウ、フレイがケイト、サラがブレッドへ連絡を取り出す。勿論、僕もヒナタに連絡を入れるんだがな。


『なんや、シュン、またトラブルかいな』

その通り、その通りなんたが…………不本意なんだよな。僕自身が悪い訳では無くて、称号(仮称・呪い)のせいなんだからな。


『そう言う事だ。ちょっと面倒な事になったかな。た・だ・し、絶対に驚く事は間違いないぞ』

ちょっと話を盛ってみたが、決して誇張では無いから、問題無いだろう。


『ほんま、自分と一緒におったら飽きへんな。下手なイベントよりもワクワクするで。改めて言うんやけど、ギルド誘ってくれてありがとうな。おっ!!ケイトは連絡ついたで、15分後には戻ってくるそうや』


『本当、そうだよね。あっ!!カゲロウとブレッドは一緒にいたみたい。すぐに戻って来るって』

サラもアキラの隣で頷いているので、同じ結果だったんだろうな。


『僕的には、かなり不本意なんだけどな。ヒナタも15分後でOKだそうだ。時間が掛かる話だから紅茶淹れるけど、何かリクエスト有る?』

まぁ、ヒナタの場合は、ライトニングからゲートで転移してくるだけだから、1番時間の都合はつけ易いだろうな。それよりも、修理が効く壊れかたなら良いんだけどな。







『…………と言う事だ。色々と信じられない事も有ると思うけど、今話した事は全て事実なんだ』

昨日有った出来事やシヴァの事を皆に話した。流石に、この話は色々と規格外の事を体験している【noir】のメンバーですら唖然としている。まぁ、体験した僕自身が信じれなかったからな。仕方無いんだろうけど………


『うむ、我がシュンの話に有った虹鯨のシヴァルヴァーニ・バジェーナと言う、これでもファミリアの王の一角をしておる。気軽にシヴァと気軽に呼んでくれ。それと我の上に乗っておるのが光鯨のアーちゃんだ。我みたいに話す事は出来ないが我同様によろしく頼む。ちなみに、我からアーちゃんが離れれば、我は雨鯨となるのだ』

シヴァの自己紹介が加わった事により、先程までの唖然とした表情から茫然とした表情に変わったよな。まぁ、虹のエフェクトがいきなり雨に変わったりしたら、初見なら驚くよな。実際に、僕も驚いたからな。


『シュン、シュンの仲間は全てこうなのか?我を見ただけで驚かれると、我も傷つくのだが…………』


『いや、軽くトラウマレベルの出来事だと思うぞ。これでも、僕の仲間は他のプレイヤーよりも耐性が付いてるからマシな方だと思うけどな。シヴァは、自分の特異性を自覚した方が良いぞ』


『シュンは、そんなに驚いて無かったではないか?』


『十分に驚いてました。ただ、あの時は怒りの方が上に来ていただけだ』

そうじゃ無かったら、僕もフリーズくらいはしていただろうな。皆と同じ様に…………


『戻ってくるまで暫く待つしかないな。白、黒、シヴァ、紅茶と茶菓子のお代わりいるか?』

今回の茶菓子はマフィン。OOOの中では、初めて焼いてみたが上手くいって良かったよな。最近は焼き菓子が多いから、次は冷たい系のゼリーやプリンでも作ろうかな。紅茶にも合いそうだからな。


『…………図太い』


『主よ、多分じゃが、主が皆と同じ様に固まる事はないと思うのじゃ』

それは、買い被り過ぎだな。色々有ったから、他の人より多少は図太いかも知れないが、あくまでも多少(・・)の範囲内だからな。


それにしても、この自家製茶葉は上手いよな。もう少し蒸らし時間を多くしても良いかもな。


『…………図太い』

もしかして、僕が図太いと言われるのは、こう言うところに大きな要因があるのか?


『それは、大いに有るんやないか。ウチにも紅茶のおかわりや』

1番早く戻って来れたのはフレイか。それにしても、フレイにまで心を読まれるとは思って無かったな。


『顔に出てたか?』

フレイのカップに、新しく淹れた紅茶のおかわりを注ぐ。


『おもいっきり出てたで、ウチにも簡単に分かるくらいやから、よっぽどやろな。ウチも、シュンが図太いと思うのに1票や。おっ!!紅茶、ありがとう。このマフィンも最高やで』

そんなに図太いのだろうか?少し考えを改めた方が良いかもな。横でこちらを見ながらニヤニヤと笑っているファミリア達は、当然無視するがな。あまりにも酷いと茶菓子の没収も考え無ければならないよな。


そう思った瞬間に、ニヤニヤしていた顔は真面目な表情に変わる。現金な奴らだよな。当然、真面目な表情に変わってもマフィンを食べる手は止まらない。まぁ、気に入ってくれたなら良かったけどな。





そろそろ大丈夫かな?冷静を取り戻したには程遠いが、なんとか話を進めれそうだよな。


〔『うむ。我の《神眼》でも伝わっているぞ。皆、我を受け入れてくれた様だな。ありがたいのだ』〕

まぁ、【noir】(僕のところ)は変わってるからな。僕を…………


〔『シュンは人の事を言えぬのだ。シュンが1番変わっておろう』〕

…………含めてだけどな。


だから、思った事にツッコミを入れるの禁止だって。こねだと、迂闊に考え事も出来ないよな。と言うか、ツッコミが早過ぎるんだよな。


『それで、シュン、私達は何をしたら良いの?』


『あぁ、すまない。船の改良を手伝って欲しいんだ。ここからの説明は、ヒナタお願い出来る?』

ここは、やっぱり【noir】《造船》部門の責任者に任せるのがベストだろう。


『はい。分かりました。先程、壊れたライトニングの状態を見てきたのですが、メインマストと帆だけでなく、サブマスト2本も交換が必要です。素材が揃っていて、修理する場所が造船所なら1日有れば修理可能な状態ですが、今ライトニングが在る場所が小さな無人島なので、足場を組んだりするのに数日は掛かりそうです。今、時間に余裕の有る方は居ますか?』

僕を含めて6人と3匹が手を挙げる。挙げなかったのは…………


『ごめんなさいです。私はイベントの責任者ですので、今はお手伝い出来ませんです』

ケイトだけだが、今はイベント中なので仕方無いだろうな。


『大丈夫だ。ケイトが、イベントの責任者を頑張っているのは皆が知ってるぞ。ケイトの分は俺が頑張るから気にするな』

お~!!カゲロウが、なかなか気の効くセリフを喋ったな。格好いいぞ。


『カゲロウ、ありがとうです』


『それでは、私が担当を決めさせて貰っても良いですか?』

皆が一斉に頷く。サラとブレッド(新人達)も頷いてくれたのは嬉しいよな。


『それでは、アキラには帆の新調を、フレイには《鍜冶》で作って貰いたい物が有りますので、あとでリストを渡します』


『OK。《裁縫》系は任せて』


『ウチも了解や』


『カゲロウとシュンさんには【ペンタグラス】周辺の森で素材の収集と船を直す為の足場作りを、サラちゃんは造船所で部品を作る私のサポートをお願いします』


『分かった』


『残ったブレッドくんですが、ケイトのイベントの手伝いをお願いします』


『分かりました』

このメンバーなら、この人選で間違いは無いだろうな。


『僕も問題無いが、【ペンタグラス】周辺の森を指定するのは、何か理由が有るのか?』

この森と言うのは、アメリカサーバーのイベントで通った森の事だよな。ヒナタ達は前に素材の採取に行ったみたいだがレアな素材でも有ったのか?目的の素材が有るなら、確認だけはしておきたいからな。


『はい。あとでリストを渡しますが、シュンさん達には魔物からのドロップ素材を集めて欲しいんです。少しレアな素材も有りますので大変かも知れませんが…………』

なるほどな。レア素材か…………ループ採取が狙いだな。確かに、それなら僕が行くのがベストだろうな。


〔『白、黒、頼むぞ』〕


〔『主よ、任せるのじゃ』〕


〔『…………頑張る』〕


それと、《木工》《調合》持ちで前衛系のカゲロウをパートナーにすれば時間を短縮出来そうだな。実のところ、カゲロウ(この)役はサラかブレッドに任せて、カゲロウが《造船》に回った方がヒナタ的には良いんだろうけど、サラ達は【ペンタグラス】へのゲート登録が出来てないからな。


『了解だ。それなら任せてくれ。それと、少し気になってたんたが、サラは《造船》スキルをどうやって取得したんだ?』

あのイベントは3人用だったからな。と言うか、1ギルド1回しか発動しないタイプのイベントだと思うし、現にトウリョウのところも3人しか取得して無かったはずたからな。


『私は、ヒナタさんに教わりましたよ』


『???』

ヒナタに教わった?スキルって人に教える事が出来たのか?


『そう言えば、これは言ってませんでしたね。少し前なるんですが、私は《造船》スキルを《造船職人》に進化させる事が出来ました。《造船職人》スキルは、他のスキルと違って少し特殊でして、進化させたボーナスで《造船》スキルを3人に教える事が出来るんです。勿論、《木工職人》スキルの所持は必要ですけどね。ちなみに、私が1番最初に進化させる事が出来ましたが、トウリョウさんとカゲロウも進化させていますよ』

そう言う事か…………確かに、あのイベントは、全員起こせる類いの物では無いからな。《造船》スキルが欲しくても手に入れられないプレイヤーもいただろうからな。スキルを教える事が出来るならギルド未所属でも取得出来る可能性は有るよな。もしかしたら、あのじいちゃんも《造船職人》スキル持ちだったのかも知れないよな。


『ありがとう。お陰で謎が1つ解けた。僕も早めに進化させて《造船》を普及するよ』

少しでも普及して船が増えていけば、僕が頑張っている書類配達クエストも必要が無くなるかも知れないからな。






『カゲロウ、今手に入った素材は当たりか?』


『残念、ハズレだ。この素材は、そんなに簡単に出ないぞ』


『…………そうか』


『主よ、主の運では難しいのじゃ』

それは、判っているのだが、ヒナタに頼まれた素材は是が非でも手に入れなければならないからな。ライトニングの為にもな。


僕とカゲロウが、【ペンタグラス】近くの森まで来て狙っている素材は、ヘビーツリーと言う木系の魔物のレアドロップであるヘビーウッド(ライト)。通常のドロップはヘビーウッドと言う非常に丈夫だが重く木材なのだが、レアドロップのヘビーウッド(ライト)になると、特徴である丈夫さだけを引き継いだ凄く軽い木材なる。


ただし、見た目が全く一緒なので、鞄から取り出して手に持ってみないと分からない非常に面倒な仕様になっている。


すでにヘビーウッドの方は50本以上は集まっているのだが、本命のヘビーウッド(ライト)の方は1本も出ていない。これを、5本も集めるとか…………いつになったら終われのか。


今現在、ライトニングのマストとして使っている素材は、軽さとしなる事だけは一流の御神巨木、これもレア素材で風を受ける分には申し分の無い性能だったのだが、強度に問題が有った。このことは、カゲロウの実験で分かっているからな。新しく作り直すなら、新たな素材で補強しておきたい部分では有る。


『黒、次の魔物頼めるかな』

僕達は、なるべく連繋の取り易い広い場所で狩りを続けている。ヘビーツリーを探すのは《探索》スキル持ちの黒に任せてある。ループ採取で、魔物を回復しながら狩っているので新規の魔物を探さなくても良さそうなものなのだが、ヘビーツリー自体が弱い魔物なので、偶然出るカゲロウのクリティカルで一瞬で狩られてしまうからだ。普段は嬉しいクリティカルだが、こう言う時のクリティカルは、マジ迷惑だ。


一応、対策として弱い武器を持って、減少系の《付与術》を掛けて戦っているのだが、あまり効果は無い様だな。


〔『シュン、そんな事をするよりも数を狩った方が効率が良いぞ』〕

まぁ、ループ系は生産スキルLvは採取や採掘が出来るので上がるが、魔物を倒さない為、戦闘スキルLvは殆んど上がらないからな。普通に見たら効率は悪そうだよな。


〔『今回は、狩りが目的では無いからな。欲しいのは、レア素材なんだよ』〕


〔『ならば、我を使ってみれば良いのだ。我には制限時間は有るが、我の持つ|《幸運》《ラッキー》スキルは確実に(100%)貴重な(レア)アイテム(素材)落とさせる(ゲット)スキルだからな。我も黒達同様にシュンの役に立ちたいのだ』〕

名前を見て気になっていたスキルだが、そんな効果が有ったんだな…………と言うか、そんな便利なスキルなら狩りを始めた時に教えて欲しかったよな。まぁ、このタイミング以外なら使わなかった可能性は高いんだけど…………








装備

武器

【ソル・ルナ】攻撃力100/攻撃力80〈特殊効果:可変/2弾同時発射/音声認識〉〈製作ボーナス:強度上昇・中〉

【魔氷牙・魔氷希】攻撃力110/攻撃力110〈特殊効果:可変/氷属性/凍結/魔銃/音声認識〉

【空気銃】攻撃力0〈特殊効果:風属性・バースト噴射〉×2丁

【火縄銃・短銃】攻撃力400〈特殊効果:なし〉

【アルファガン】攻撃力=魔力〈特殊効果:光属性/レイザー〉

【虹鯨(魔双銃剣ver.)】攻撃力500〈特殊効果:7属性〉

【白竜Lv82】攻撃力0/回復力262〈特殊効果:身体回復/光属性〉

【黒竜Lv82】攻撃力0/回復力262〈特殊効果:魔力回復/闇属性〉

防具

【ノワールシリーズ】防御力105/魔法防御力40

〈特殊効果+製作ボーナス:超耐火/耐水/回避上昇・大/速度上昇・極大/重量軽減・中/命中+10%/跳躍力+20%/着心地向上〉

アクセサリー

【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉



天狐族Lv70

《錬想銃士》Lv12

《真魔銃》Lv16《操銃》Lv37《短剣技》Lv40《拳》Lv60※上限《速度強化》Lv100※上限《回避強化》Lv100※上限《魔力回復補助》Lv100※上限《付与術改》Lv18《付与練銃》Lv19《目で見るんじゃない感じるんだ》Lv45


サブ

《調合工匠》Lv30《上級鍛冶工匠》Lv6《上級革工匠》Lv6《木工工匠》Lv36《上級鞄工匠》Lv8《細工工匠》Lv46《錬金工匠》Lv45《銃工匠》Lv36《裁縫工匠》Lv15《機械工匠》Lv21《調理師》Lv25《造船》Lv17《家守護神》Lv60《合成》Lv50《楽器製作》Lv5《バイリンガル》Lv10


SP 32


称号

〈もたざる者〉〈トラウマニア〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈摂理への反逆者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉〈創造主〉〈やや飼い主〉〈工匠〉〈呪われし者〉〈主演男優賞?〉〈食物連鎖の最下層〉〈パラサイト・キャリアー〉

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