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OOO ~Original Objective Online~ 称号に振りまわされる者  作者: 1048
第1部 第6章
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半身の半身 2

『お主達、アーちゃんが元の大きさに戻るぞ。すぐに逃げるのだ』


『『『えっ!?』』』

元の大きさに戻ると言うのは、どう言う事だ?逃げろと言うくらいだから………多分、大きくなると言う事は無いのだろうな。


『揺れが止まるのを待っている時間は無いぞ』

シヴァ様の言う通りで、暫くアーちゃんの揺れは止まりそうもないな。もしかして………シヴァ様は、こうなる事を前もって知ってたのか?


『主よ、急ぐのじゃ』

僕達は、先に逃げ始めているシヴァ様の背を追いかける。


『…………船』


『ダメだ。アーちゃんの腹の中(この場所)では、魔法が使えない。ライトニングは置いて行くぞ』

クソッ!!自分で言ってて嫌になるな。この状況では、本当に諦めるしか選択肢は無いのか?


ヒナタと船には悪いけど、水の無い場所での船は大荷物にしかならない。船は鞄に入らない物だし、持ち運ぶ事も出来ないからな。


大切な物を置いて行くしかないのは、悔しいけど…………白達の命には代えられない。


すまない。ライトニング…………


『主は、おバカなのかの?魔法は使えなくても魔力は使えたのじゃ。主も、魔銃を使っておったのじゃ』

あっ!!確かに魔銃は使ってたよな。それなら、魔力で船を動かせるって事か?


くっ!!なぜ、船を見付けた時に試しておかなかったんだ。過去に戻れるなら、数十分前の僕を軽く問い詰めたいところだ。ぶっつけ本番になるが、船を見捨てる(見殺す)よりは数倍マシなので賭けに出る価値は有るよな。


それに、もし失敗したとしても、シヴァ様の依頼(お願い)はクリア出来てるからな。最悪の状況にはならないはずだ。


『黒、白、ナイスだ!!急いで船に乗り込め。すぐに発進させるぞ。シヴァ様も…………』

誰よりも早くシヴァ様は、ちゃっかりと船に乗り込んで僕達を待っている。魔力で船が飛ぶ事も分かってたのか?


これは、あとで問い詰める必要が有りそうだよな。例えファミリアの王とは言え、こうなる事を知っていて黙っていたのなら簡単に許される事では無い。


船に乗り込んで、僕の全魔力を船の動力に注ぎ込んでいく。


頼む、頼む、頼む。


『動け~!!』

船の魔動力エンジンは、僕の願いに呼応たかの様に光り輝いた。空飛ぶ船は、迫りくる壁や追い縋る胃液よりも遥かに速く加速していく。近寄る魔物も蹴散らしながら…………


『…………速い』


『主よ、今までで1番速いのじゃ』


『うむ。これは、見事だ』

まぁ、そうだろうな。僕の魔力を限界寸前まで注ぎ込んでいるし、ヒナタが一生懸命作った渾身の力作だからな。これくらいの力は見せて貰いたいところだよな。


『…………手遅れ』


『主よ、口の方(そっち)は無理じゃ。既に口は閉じかけておるのじゃ。このままでは、間に合わないのじゃ』

と言う事は…………想像はしていたが、絶対に行きたく無い方向が頭をよぎる。


そんなやり取りをしている間にも、アーちゃんの身体は、どんどん縮んでいる。既にこの場所も船一隻通るのがギリギリな感じだからな。


こうなったら、背に腹は変えられない。僕が、船の進路を変えようとした時…………


『お主達、上だ。上を目指すのだ』

なるほど、アーちゃんは()の一種だったな。それなら、当然、上部には鯨特有のアレ(・・)が有るはずだよな。船の先端を上に向け、一気に外を目指す。状況的には躊躇している余裕は無さそうだ。


メインマストとギルドマーク入りの帆を犠牲にして、ライトニングは大空に翔びだった。






3時間前までは、この青空の下で釣りを楽しんでいたはずなんだけどな。たったの3時間だが、この海と空の青色だけの景色が妙に懐かしく感じるよな。それだけ光鯨の中を長く感じたんだろうな。精神的な体感時間は、その何倍も有った気がするからな。


今、僕達がいるのは、何処とも分からない海にポツンと浮かぶ小島。光鯨に食べられる前に僕達が進んでいた場所は、何時でもログアウト出来る様に船を停泊出来る小島が群生している諸島付近。周りに他の島が無い時点で明らかに進んでいた進路とは違う場所なんだよな。


ライトニング、傷付けて悪かったな。それと………1度は、お前の事を諦めて本当にすまない。許してくれとは言わないが、なるべく早く綺麗に治してやるからな。それと、僕達を守ってくれて本当にありがとう。


鯨の上部に必ず有るだろう潮吹き穴からの脱出を試みた時に、想像よりも潮吹き穴が小さくなっていた事でメインマストを犠牲にしてしまっている。


その時に、音をたてて折れたマストと帆が、船体全体(僕達)を覆うように被さって守ってくれた様にも感じている…………と言うのは、僕の単なる勝手な思い過ごしなんだろうか?まぁ、真実は、関係無いよな。僕は、そう信じているのだから。


マストを犠牲にした代わりと言うか、逃げる時に船の体当たりで大量の魔物の命を狩ってい。それと、何故かは分からないが、戦闘系のスキルには経験値がガッポリと入っているようだ。


『おぉ!!お主達も全員無事か。良かった、良かった』

その声に反応して振り返ると、シヴァ様が笑顔で空中に浮いている。


僕の傍らには、白と黒が寄り添っている。既に確認済みだが、白と黒に怪我は無い。そこは、良かったな。


…………だが、白と黒も僕と気持ちは同じ様だな。さっきまで、尊敬と羨望の眼差しで見ていたシヴァ様を、2匹は鋭い目付きで睨みつけている。


『おい、シヴァ、ちょっと待て。全員(・・)無事で良かっただと?お前には、僕達の仲間がボロボロになっているのが見えないのか?』


『お主達は、何を言っているのだ?全員無事。しかも、どう見ても全くの無傷ではないか。我の《神眼》で、はっきりと視えておるぞ』

さっきからの違和感は、そのスキルの力か?


流石に、神の眼と書いて《神眼》と言うだけは有るな。《見破》よりも遥かに視えている事が多いのだろう。船の事や僕達のステータスとスキル構成。もしかしたら、僕達の性格まで分かっていて白に声をかけたのかも知れないよな。もし、そうだとしたら…………


『全くの無傷だと?お前の目は節穴か?そのスキルと頭は飾りか?お前を………いや、僕達を守りきって傷付いた僕達の仲間の姿をよく見ろ!!』


『だから、何の事を…………うぁぁぁぁ』

僕が怒鳴った事や白と黒が傷付いた船とそのマストを労う姿を見て、シヴァ様は、ようやく僕の言っている事が理解出来た様だな。


シヴァの身体の周りに纏っていた雨のエフェクトは豪雨と化し、当人の顔も血の気が引いている感じがする。まるで、人が号泣している様だ。


ちょっと言い過ぎたか?いや、僕の事なら幾ら言われても気にしない(どうでも良い)のだが、今回は大切な仲間が傷付いているんだ。これくらいは、言わせて貰わないとダメだよな。


『すまなかった。我が全般的に間違っておった。許してくれ』

突然、着地して甲板に頭を擦りつけて謝罪してくる。


最初は、何をしているのか分からなかったのだが…………多分、土下座のつもりなんだろうな。ただ、鯨がやっているので、見た目は全く土下座に見えなくて、寝そべっている様にしか見えないんだがな…………と言うか、仮にも王と名の付いているファミリアに、そこまで望んで無いんだけど…………


それに、いつの間にか元の姿(サイズ)に戻ったであろうアーちゃんもシヴァ様の側で一緒に謝っている。最初の見た目が半端無かっただけに、小さくなったアーちゃんは貧相に感じてしまうな。


『主よ、怖いもの知らずじゃのう』

えっ!?それってどう言う意味ですか?白さんの目を含めて、ちょっと怖いんですけど。


『…………天誅』

黒さんも、本当に怖いから悪ノリ(冗談)は止めて下さい。


『分かってくれたなら、もう良いから。シヴァ様、頭を上げて。それと、これが回収したアイテムだ』

僕は、鞄の中から先程手に入れた光り輝く物(半身の半身)を取り出してシヴァ様に手渡した。少しでも早く話題を変えたいからな。


『本当に、色々とすまなかった。ありがとう』

半身の半身を受け取って………まぁ、受け取ると言っても、シヴァ様の周りに浮いているだけだけどな。それよりも…………



『ちょっと待って……………』

あの時は、慌てていて確認する暇が無かったが、その半身の半身って………


『分かっておる。当然、礼の方は渡すつもりだ』


『いや、そんな事はどうでも良いです。お礼が欲しくて、お手伝いしたい訳では有りませんから。それに、依頼を受けたのは白達ですからね。お礼をするつもりなら白達と傷付いたこの船にして下さい。それよりも、僕が気になっているのは、その手に持っているアイテムなんですが、どう見ても剣の切っ先(・・・・・)ですよね?』


『そうだが、どうかしたのか?この半身の半身は、数百年前の聖戦で半分に砕けてしまった我の神器の欠片だ。同時に我自身の器でも有るからな。返せと言われても返す事は難しいぞ』

我自身の器?もしかしたら、ファミリアの王も魔獣器なのかも知れないな。


『確信は持てませんが…………もしかしたら、その残りの半分持っているかも知れないんですけど………』


『な、な、な、なんですと~!!一体どう言う事だ?我にも分かる様に説明してくれ』

説明してくれと言われても困るんだがな。シヴァ様の言う半身の半身の断面と僕の持っているイベントの報酬で貰った折れた剣(【カリバーン】)と似ているだけなんだよな。まぁ、取り敢えず、取り出してみたら分かるかな。


『いや、この折れた剣(アイテム)なんですが、断面とか形状とか妙に似てないですか?』

僕的には、そっくりだと思うんだけどな。雰囲気とかも含めてな


それは、シヴァ様に折れた剣を渡した瞬間に起きた。折れた剣とシヴァ様の半身の半身が、光り輝きながら共鳴して空中に浮かび1つの球状になる。最早、剣の原型は留めていないよな。


『うむ。お主の言う通りの様だ。お主の持っておった折れた剣は、我の半身の半身の行方不明になっていた部分だ。そこで、よく見ておるのだ。数百年ぶりに我の半身が元の姿に戻るところを』

この場合、僕がハーフマラソンで苦労して手に入れた折れた剣(思いでの品)は、どうなるのだろうか?記憶には残り過ぎる程残ってているが、記録()として残らないのは少し寂しいよな。僕には、数百年ぶりの半身の姿よりも気になるところだよな。


〔『…………諦める』〕

やっぱり、そうなるのかな。まぁ、元の持ち主が現れたのだから返却するのは仕方の無い事かも知れないけど、少し惜しい気がするな。


そんなどうでも良い事を考えている内に、光り輝く球は輝きを増しシヴァ様の側にいたアーちゃんと1つになっていく。


『はっ!?』

光り輝く球と1つになったアーちゃんは、先程までの貧相な姿とは違い全身を光輝くエフェクト(オーラ)を纏っている。


確かに、この姿なら、()鯨と言われても納得出来るくらいの神々しさは有るよな。僕達を飲み込んだ時ならともかく、さっきまでの縮んだ状態のアーちゃんでは、かなりの名前負けだからな。


『うむ。そして、これが我が半身にして、最愛の神器。アーちゃんの真の姿だ』

シヴァ様の一言と共にアーちゃんが姿を変える。アーちゃんも魔獣器だったんだな。


折れた剣(元々)の姿は何処に言ったんだろか?シヴァ様の側に現れたそれは、明らかに原型を留めていない。


アーちゃんの中で見付けた半身の半身にしろ、イベント報酬の折れた剣にしろ、どちらも剣としての形状を辛うじて保っていたのだが、今シヴァ様の側に有るのは、どこから見ても剣の鞘でしか無いからな。


そもそも、半身の半身はアーちゃんの中に有ったよな。アーちゃんは自分自身で自分を食べていたのか?それに巨大化って…………なんだが良く分からなくなってきたな。まだ、頭の中が混乱しているのか?


『主よ、深く考えても無駄なのじゃ』

そう言われてもな………謎が残るのは、気持ち悪いだろ。色々と納得出来ない事も有るからな。


剣の鞘に変化していたアーちゃんは、既に元の光り輝く光鯨の姿に戻ってシヴァ様の上に乗っかっている。そう言えば、アクアのところのブルドック(ラウ)もアクアの肩にしがみついてたよな。う~ん、どこのファミリアも主人の上に乗りたがるものなのか?僕らは、乗り物では無いんだけどな。


『…………ぐ、偶然』

偶然で片付けて良いものかは微妙だが…………まぁ、肩や頭の上に白や黒が乗られなくなるのも寂しいんだけどな。


『これだけ世話になったお主達には、全てを説明書するのが筋と言う物なのだろうな。正確に言うとアーちゃんは、我のペットでは無いのだ。我とアーちゃんは二対一魂。即ち、我が死ねばアーちゃんも死ぬ。反対にアーちゃんが死ぬば我も死ぬのだ。誕生より永い年月が経った事も有り、こうして雨鯨と光鯨(2匹)に別れる事も出来るのだが、元を辿れば1匹の虹鯨と言う種族なのだ。お主のファミリアが、雨鯨の事をファミリアの三大王と言っておったが、それは間違いだ。正しくは、我の今の姿(虹鯨)がファミリアの三大王の一角なのだ。お主達のお陰で、この姿に戻る事も出来たのだ。本当に感謝するぞ』

アーちゃんを背中に乗せているシヴァ様の周りの雨は、いつの間にかアーちゃんの光と相まって七色に発光する虹となっている。端から見れば単なる鯨on鯨なのだが、神々しさだけは先程までとは段違いなんだよな。まぁ、さっきまででも十分に凄かったけどな。


『そうですか。2つ質問しても良いですか?』


『お主達なら、構わぬ。どんな質問にでも答えよう』


『では。何故、鞘の姿になれるアーちゃんの欠片が、折れた剣の形状だったのですか?もう1つはアーちゃんが巨大化していた理由は?』

最初から、折れた剣ではなく壊れた鞘なら納得出来るのだが、明らかに別物に変わっているからな。


『先程、お主のファミリアが言っておったが、我は姿を自由に変える事が出来る。欠けたアーちゃんが折れた剣の形をしておったのは、聖戦の時に我の主だった者が双剣の使い手だったと言う事と我の武器状態の記憶の残骸の様な物だ。我自身も魔獣器の1種だが、姿は1つに非ず。主によって姿を変える事くらいは出来る。勿論、今お主達に見せている虹鯨の姿と武器状態の【カリバーン】が本来の姿には違いないがな。ちなみにだが、我が剣でアーちゃんが鞘の二対一式だ。アーちゃんが巨大化していた理由は半身の半身の力が中途半端過ぎて上手く制御が出来なかったからなのだ』

なるほどな。そこは、流石に王を名乗るだけ有って、その能力もも過去の設定もゴージャスな様だな。


〔『それで、白と黒は、何処まで知ってたんだ?』〕


〔『…………初耳』〕


〔『ワシも黒と同じで初めて聞いたのじゃ。ワシらは三大王は雨鯨様だと思っていたのじゃ』〕

まぁ、その表情を見ると嘘では無さそうだから、仕方無いよな。


『さて、改めて礼の話をするのだが、この船にも白と黒にも渡すつもりだ。それと、お主にも…………お主は、我の主になる気は無いか?海に住んでいると、我に相応しい者に出会う機会も少ないのでな』


『………はっいぃぃ!?』


『我は、お主の仲間を思う態度に感化された。それに、我に意見する者など久しく会ってないわ。お主なら、我の2代目の主と認めても良いと思ってな』


『丁重にお断りさせて頂きます。ファミリア三大王の主になるなんて、僕には畏れ多いです。それに、僕には白と黒と言う2匹の信頼出来るパートナーがいますので』

これが、何かのレアイベントだとしても、ファミリア三大王の主になるとか、これ以上悪目立ちする気は無いぞ。僕の目的は、目立たずにOOOを、楽しみたいだけなんだからな。色々な意味で既に手遅れかも知れないがな。


『我を欲しがる者は数多くおったが、我の誘いを断ったのは、お主で2人(・・)目だ。我は、ますますお主が欲しくなったわ』

あれ?失敗したか?今のは逆効果だったみたいだな。さらに興味を持たれた気がするよな。


〔『白、黒、助けてくれ。ヘルプ~』〕


〔『…………残念』〕


〔『主よ、今のは王の言葉じゃ。ワシらでは、王への反論は無理なのじゃ。ワシらは、主と違って怖い物知らずでは無いのじゃ』〕

怖い物知らずとか言われてもな。白達と違ってファミリアの王の怖さが分からないからな。今回は、味方が全くいないみたいだが、このまま流されてファミリアの王をホームに連れて帰った場合の皆の反応が怖いよな。


『取り敢えず、僕が主になるのは無理ですから。諦めて下さい』

強い否定。強い意志。今、頼れるのは我が身のみ。味方がいないのなら、もう強い否定一択しか選択肢が無いからな。それに、暫く時間を空ければ、諦めてくれるだろうな。


僕は、その一言だけを残してログアウトした。





「ふっ~~~」

最後のアレは、一体何だったんだ?ファミリアの、しかも王から主の勧誘とか有りなのか?一応、どさくさに紛れて逃げる事には成功したが、暫くログインしたくないよな。


でも、船の修理も有るし、あの場所の把握と移動または帰還。それと………1番の問題であるヒナタへの謝罪も有る。謝るなら早い方が良いだろうから、明日にはログインして謝らないとな。考えただけで頭が痛くなるな。


白達にも悪い事したかもな。結果的に押し付ける形になったからな。ログインしたら謝らないとな。


今日は早寝して嫌な事は全てを忘れようか。せめて、今日の夜だけは…………良い夢を。





翌日、ログインすると船のゲートの前には誰も居なかった。辺りを見渡してもシヴァ様の姿もアーちゃんの姿も無い。


どうやら、シヴァ様達は何処かに行ったみたいだな。まぁ、ほぼ1日経ってるから当然だろうけど………取り敢えずは、ログアウト作戦は成功したみたいだな。


早寝した事で、良い夢を見る事が出来て、心身共にリラックス出来たのも良かったよな。昨日とは違ってかなり落ち着けてるからな。


ホルスターには、白と黒の反応も有るので無事だったらしい。何時もなら竜の姿で出迎えてくれるが、出て来ないところを見ると機嫌を損ねたかも知れないな。こっちも、あとで謝らないとな。まぁ、ホームでヒナタに謝罪して修理の依頼をするのが先なんだけどな。少しでも早くライトニングを元に戻してあげたいからな。




『あっ!!シュン、お帰り。【ガリンペイロ】には着いたの?』


『アキラ、ただいま。【ガリンペイロ】には着いたが………ちょっとトラブルでな。今日はジュネとレナも一緒なんだな』


『うん。【ウィザード】と【双魔燈】にも新人が入ったみたいだから3ギルド新人交流会を企画中』

なるほどな。【ウィザード】(ジュネのところ)【双魔燈】(アクアのところ)は、どうしても関わりが増えるからな。交流会は良いアイディアだな。


『お邪魔してます』


『お邪魔中、シュンも入る?』


『いや、僕の事は気にしなくて良いから、続けて、続けて。それで、工房にヒナタいる?』


『ホームには居ないから、今日も造船所じゃないかな?ここんところ毎日、サラと一緒に頑張っているみたいだよ』

うっ!!それは、知りたく無かった事実だな。毎日忙しくしているところに、さらに仕事を増やすとか…………最低だな。まぁ、狩りに出ているのを探す事になるよりはマシだろうな。ゲートで転送すればすぐだからな。


『ありがとう。ジュネとレナもゆっくりしていってくれ、じゃあな。転送【蒼の洞窟】』

僕は、ゲートの音声認識を使って転送する。


『えっ!!シュン、ちょっと待って。せな………』






アキラは、最後に何を言いたかったんだ?聞こえたのは「せな」まで、僕の知り合いにセナと言うプレイヤーは居ないよな。フレンドリストで確認しても、それらしい名前もギルド名も存在しない。他に有りそうな可能性は…………違うな。倉庫を整理(ソート)してみたが、アイテムや素材でも無いみたいだ。


転送してきた造船所のキッチンで紅茶と茶菓子の仕込みながら少し考えてみたが、これと言った答えは思い付かない。そんなに気になるなら、コールかメールで確認すれば良いのだが、アキラがコールして来ないところをみると急ぎ等の案件では無いんだろうな。まぁ、ホームに戻った時に聞けば良いくらいなのだろう。


造船所の奥に進むと、少し前まで作っていた【ワールド】の船とは違う船の製作を進めるヒナタとサラの姿があった。


ちなみに、今日は【カーペントリ】の面々は居ない様だ。作っていた船が無いところをみると試走(テスト)かな?


そう言えば、《造船》スキルは、どうやって取得したんだろうな?ヒナタの側で手伝うサラの姿は、明らかにスキル取得者の動きに見えるからな。


『2人共、お疲れ様。新作の紅茶を淹れたから休憩しないか?』


『シュンさん、お帰りなさい。サラちゃん、少し休憩にして紅茶をご馳走になろうか』


『はい。わかりました』

ヒナタとサラの返事を待つ前に、既にティータイムの準備を始めている。ヒナタが、多分断らない事は分かっていたが、今回だけは、どうしても断らせる訳にはいかないからな。


鞄の中から折り畳み式のテーブルとイスを3人分出して、真っ白なテーブルクロスを広げていく。ヨーロッパの貴族の昼下がりの様に…………


当然、ティーカップは5つ。そろそろ、白と黒にも機嫌を治して貰いたいからな。茶菓子には、白と黒が大好きなチョコクッキーを用意して。これで、完全なヨイショ体勢は整ったな。


『白、黒、賄賂とまでいかないが、このクッキーで許してくれないか?』


『主よ、旨いのじゃ。ワシらは全く怒って無いのじゃ。とっても甘いのじゃ』

会話よりも、感想の方が先に漏れている。まぁ、白達の分は白お気に入りのハチミツ入りの紅茶だからな。ビーから手に入れてたハチミツの在庫も減っているから、そろそろ調達が必要だな。


『…………黒も。おかわり』

賄賂は、無事成功?したみたいだな。その証拠に白達の言葉とは裏腹に少し淀んでいた雰囲気は一気に改善されているからな。まぁ、そう言う事も想定してあるからな。クッキーの予備は、まだまだ準備して有るので、たまには奮発しても良いだろう。


『『いただきます』』

ヒナタとサラも席に着いたみたいだな。最初に謝らないといけないところだが、ひとまずは僕も紅茶を楽しもうかな。


『あれ!?』

5つ淹れたはずのティーカップが、1つ足りないぞ。出し損ねたか?いや、違うな。鞄の中の在庫数も5つ減っているからな。さっき、鞄の在庫は確認したばかりだから間違い無いよな。


えっと、ヒナタ()サラ()()()ヒナタ()サラ()()()。何回数えても4つだよな。まぁ、少し数が合わないのは気持ち悪いが、紅茶が冷めるのも嫌だからな。


もう1つティーカップを用意してティーポットから紅茶を注ぐ。


『主よ、紅茶のおかわりなのじゃ』

早いな。もう少し薫りを楽しんで貰いたいのだがな。さりげなく黒もティーカップを出している。まぁ、謝罪も兼ねているので、好きに飲んでくれたら良いんだけどな。2匹の空のティーカップに、紅茶を注ぐ。そして、ティーポットをテーブルの真ん中に置いて…………


『次からは、自分で淹れてくれ(セルフサービスだ)

やっと、一息つけれるな。謝罪が控えてるから、唇は湿らせておきたい。


『あれ!?』

おかしい。絶対に変だ。今、自分用に淹れたはずのティーカップが無い。


『どうかしましたか?』


『いや、さっきからティーカップが無くなっている気がするんだよな』


『???』

あれ?サラのリアクションが薄いよな。もしかして、僕の方が変なのか?


『あの~、シュンさん、さっきから気になってたんですが、背中(・・)にいるのは何ですか?』

背中(・・)?いる?


ここで、さっきのアキラの言葉が頭の中を過る。アキラが言いかけた言葉も背中(・・)だったんじゃないないのか?どうやら、僕の背中に何かがいるらしい…………あまり良い予感はしないな。


僕の想像通りなら、ログインした時に白と黒が大人しかった理由とも辻褄が合うんだよな。


僕は、恐る恐る振り返ると、そこには…………誰も居ない。あれ!?ヒナタに騙されたか?


『シュンさん、上です』

なるほど、僕が振り返るタイミングで逃げたんだな。今度は、勢いよく上を見上げた。


『なんだ。つまらん。もうバレてしまったわ』

そこには、2度と会いたく無いと思った雨鯨と光鯨(虹鯨)の2匹がいた。


『…………やっぱりか』

どうやっても、この2匹(イベント)から逃げられないらしいな。








装備

武器

【雷光風・魔双銃】攻撃力80〈特殊効果:風雷属性〉

【ソル・ルナ】攻撃力100/攻撃力80〈特殊効果:可変/2弾同時発射/音声認識〉〈製作ボーナス:強度上昇・中〉

【魔氷牙・魔氷希】攻撃力110/攻撃力110〈特殊効果:可変/氷属性/凍結/魔銃/音声認識〉

【空気銃】攻撃力0〈特殊効果:風属性・バースト噴射〉×2丁

【火縄銃・短銃】攻撃力400〈特殊効果:なし〉

【アルファガン】攻撃力=魔力〈特殊効果:光属性/レイザー〉

【白竜Lv80】攻撃力0/回復力260〈特殊効果:身体回復/光属性〉

【黒竜Lv80】攻撃力0/回復力260〈特殊効果:魔力回復/闇属性〉

防具

【ノワールシリーズ】防御力105/魔法防御力40

〈特殊効果+製作ボーナス:超耐火/耐水/回避上昇・大/速度上昇・極大/重量軽減・中/命中+10%/跳躍力+20%/着心地向上〉

アクセサリー

【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉



天狐族Lv69

《錬想銃士》Lv8

《真魔銃》Lv14《操銃》Lv35《短剣技》Lv38《拳》Lv58《速度強化》Lv100※上限《回避強化》Lv100※上限《魔力回復補助》Lv100※上限《付与術改》Lv16《付与練銃》Lv17《目で見るんじゃない感じるんだ》Lv43


サブ

《調合工匠》Lv28《上級鍛冶工匠》Lv6《上級革工匠》Lv6《木工工匠》Lv34《上級鞄工匠》Lv8《細工工匠》Lv46《錬金工匠》Lv45《銃工匠》Lv36《裁縫工匠》Lv15《機械工匠》Lv21《調理師》Lv25《造船》Lv17《家守護神》Lv58《合成》Lv50《楽器製作》Lv5《バイリンガル》Lv10


SP 20


称号

〈もたざる者〉〈トラウマニア〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈摂理への反逆者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉〈創造主〉〈やや飼い主〉〈工匠〉〈呪われし者〉〈主演男優賞?〉〈食物連鎖の最下層〉



new称号

〈パラサイト・キャリアー〉

ファミリアに取り疲れた者への称号

取得条件/個人の意思無くしてファミリアの主人になる

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