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OOO ~Original Objective Online~ 称号に振りまわされる者  作者: 1048
第1部 第5章
51/65

笑撃!?商撃!?SHOW=劇!?

あの衝撃の展開から………5日。



アレは、流石に予想外だったからな。まぁ、日本とアメリカで離れてたら細かい情報の交換も難しいのかも知れないな。


以前、ケイトが言っていた、僕達に紹介したいOOOをやっている友達と言うのがゼニスの事だった。当然、ゼニスが日本サーバーまで渡っても会いたかった友達と言うのもケイトの事だ。やっぱり、僕の周りでは世界が狭いよな…………気がするな。




~5日前~


『あの~、お話のところ、すみませんです。もしかするとですが、ゼスちゃんですか?です』


『『『…………えっ!?』』』

なんだ!?ゼニスに対してゼスって言ったか?人違いだよな?


『私です。アリア・ケイ・バーナです。OOOではケイト・ラビューンと言いますです』


『えっ!!ケイ?何で!?何で、アメリカサーバー(ここ)にいるの?』

既に、僕とフレイは会話の蚊帳の外だが…………なんとなくだが状況は掴めてきたな。


『私は、マスターのギルド(【noir】)にお世話になってますです。それよりもゼスちゃん、どうして女の子の格好をしているのですか?です』


『『『はい!?』』』

今、ケイトは何て言った?女の子の格好を………って言うは、男の子…………いや、男の娘なのか?


いや、いや、いや、いや。何処からどう見てもゼニスは女の子だよな。僕の聞き間違いだよな?


だが、ケイトとゼニスの発する雰囲気から考えると………聞き間違いでは無さそうだな。


本当にすみませんでした。考えが甘かったです。全然、状況が掴めてませんでした。これなら全然蚊帳の外で構わないです。


OOOでは、性別を偽れない仕様になっている。睡眠誘導タイプのヘッドギアを使用しているので、性別を偽る事で現実との違から脳に問題が起きない様に配慮されているからだ。


なので、見た目が女の子のゼニスを男の子だと疑う事は無かった。そう言うプレイヤーがいるとも思わなかったからな。


それにしても、リアル男の娘とか始めて見るよな。まぁ、厳密にはOOOの中なのでリアルでは無いのだが、面白いから良いよな。


『似合うから…………』

まぁ、本人の言う通り似合ってはいるし、知っていないと一目で男の子だとバレる事は無いだろうけど…………もしかしてイジメられていたのは、これが大きな原因じゃないのだろうか?いかにアメリカが同性愛等に寛大と言っても、受け入れられない人もいるだろうからな。


それに、男の子だと分かっていたら、僕もPVPとか色んな場面で、あそこまで手加減しなかったんだがな。


『似合っていたとしてもです。他のプレイヤーが混乱するから、胸に詰め物までして女装するのは止めなさいです』

そこが、1番女の子と勘違いしたところだ………見た目がアキラよりも大きいからなからな。


〔『主よ、虎猫の姉さんに報告しておくのじゃ』〕


〔『白様、それは僕の今後()に関わるので止めて下さい』〕

それに、アキラの良いところは別に有るからな。


〔『…………ステータス』〕

いや、確かに《見ない感じ》を使って、ステータスを隅々まで確認していれば避けられた事だが………女の子(だと思っていた)プレイヤーのステータスを隅々まで確認するのは、モラル的にダメだと思う。


〔『主よ、モラル的に言うならじゃ、他人のステータスを覗く事自体が、そうなのじゃが………』〕

もっとも過ぎる意見だが、僕みたいなプレイヤーは、対処法を予め数パターンは考えておかないと不安で仕方ないからな。


『シュン兄ちゃん、どう言う事?全部知ってたのか?』


『知ってる訳が無いだろ』

僕の顔を見て、状況を的確に把握して欲しいよな。この顔が全てを知っていた者の顔か?


『マスターは、全く(・・)知りませんです。私自身、さっき気付きましたです』


『僕も、ケイトの知り合いが、アメリカサーバー(ここ)に居るのは知っていたが。まさか、ゼニスで…………しかも、それが男の娘だとは思わなかったぞ。まぁ、そんな事よりも2人とも会えて良かったな』

【ペンタグラス】で始めて知り合ったプレイヤーが、ケイトの友達で、その友達が男の娘。一体どれくらいの確率なんだろうな?


〔『…………天文学的』〕


『はいです。マスター、ありがとうございますです』


『ちょっと待って、それならアタシをギルドに入れてくれても……


『ゼスちゃん、それは、Noです。先程、マスターが言いましたです。幾ら、友達でもルールは守りましょうです。私も賛成しますです』


………分かった。じゃあ、ケイ、日本の事やOOOで有った事を教えて』

ケイトが、珍しく人の話を遮ったな。それに、あっさりと従ったゼニス。お互いがお互いを尊重し合ってるのが伺えるな。


まぁ、結果だけ見ると、クエストが一段と面倒な事になってきただけなんだが。





翌日、ゼニスは、定期船で日本サーバー(【ポルト】)まで来て、その足で洞窟ダンジョンを踏破したらしい。それから数日は、ケイトに会うと言う名目で【noir】のホームに入り浸ったり、狩りをしたり、【noir】のクエストの情報を集めたりしているらしい。


ヒナタは、【ペンタグラス】で起きた様々な事を何も知らなかったので驚いていた(カゲロウを怒っていた)様だが、ゼニスがケイトの友達と言う事も有り、すっかり打ち解けて狩りにも付き合っている様だ。ヒナタのクエストも開催前で、今が忙しい時だと言うのに、面倒見が良いよな。


このままだと、戻る頃には外堀が埋まっているのではないのかな?





僕の方はと言うと、あの()撃展開の翌日から【アクアパレス】を目指して、昨日の夜にやっと辿り着いていた。


〔『主よ、【ペンタグラス】とは違った趣が有るのじゃ』〕


『そうだな』

【アクアパレス】も名前の通りの街になっているな。


この街は、どう言う作りかは分からないが、中心の高台に有るインドやトルコ風の王宮?から絶えず水が流れている水路が多くある街だ。同じ様なヴェネチアとの違いは、街中を流る水路が人々の足になってないところだよな。


小さな橋がいくつも複雑に架かっている。今まで見た中で1番ファンタジーっぽい街だよな


言葉の方も、《バイリンガル》を新しく設定しなくても言葉が通じているので、言語は英語なんだろうな。ポルトガル語かスペイン語がメイン言語だと思ってたから宛が外れたよな。


まぁ、サーバータウンでは無いので、世界の主要言語の英語なのかも知れないんだけどな。


ちなみに、【アクアパレス】に着いても【ペンタグラス】の時の様に航路が設定される事は無かった。航路さえ出来ていれば、後日でも構わないのだが、航路が出来なかったのでギルドのメンバーには3日以内に【アクアパレス】のゲート登録を済ますように伝えて有る。


航路が設定されなかった理由として考えられるのは、【アクアパレス】に港が無い事だよな。多分、【アクアパレス】から流れている運河の下流に【ポルト】みたいな港町が出来るからなんだろうな。明らかに街が出来そうな感じの広い更地が有ったからな。


ちなみに、船は近くの川岸に停泊させている。こう言う時に、何処でも停泊出来るのは本当に便利だよな。


〔『…………おみやげ』〕


『それは、用事のあとだな』

この街にも、気になる店がいっぱい有るからな。あとで必ず寄らなければならないな。まぁ、それも用が済んでからだけどな。




【アクアパレス】の王宮でもイベントが起きる事なく、書類の受け渡しが終わったが、逆に【シュバルツランド】の王様宛の手紙を渡されてしまった。クエストの達成率も5分の1のままなので、手紙を届ける事までが【アクアパレス】でのクエストの1部なんだろうな。まぁ、その報酬として、この土地特有の生地素材と糸を貰ったから、僕としては良いんだけどな。


これで、ここでの目的も一応は達成だな。あとは、雪ちゃんへのおみやげと珍しいアイテムの買い物………観光もしたいが後日になるかな。気になった店を回る方が優先だからな。


SEEDシード】と言う植物と種も置いている回復薬の店だ。【ペンタグラス】では植物関係の店が無かったから、余計に気になるんだよな。カゲロウの研究のヒントになるような情報かアイテムが、有れば良いよな。


う~ん………珍しいアイテムは無さそうだな。売っている物は全て【シュバルツランド】でも買えるからな。ただ、気になるのは…………


『おばちゃん、ちょっと聞いても良いかな?』


『お・ね・え・さ・ん』


〔『主は、本当に女心が分からないのじゃ』〕

自覚は有るから、ほっといて欲しいよな。どう見てもおばちゃんにしか見えないから仕方ないだろ。


『お、お姉さん、ここの回復アイテム類って、通常より回復量が高いと思うんですが、なんか秘密か秘訣でも有るんですか?教えて下さい』


『この辺のアイテム(売れ残り)が、売れたらねぇ。話すネタも時間も有るんだけどねぇ』

なかなか、商魂逞しいな。大阪のおばちゃん…………もといお姉さん(・・・・)みたいだな。


『じゃあ、店の品物1種につき5個ずつ買わせて貰います』


『まいどあり。あぁ、これはねぇ、この辺りは水と土地が良いのさ。育てる段階で水と肥料を変えるだけで性能や効果も変わるんだよ』

一気に口が軽くなったな。ここまでリズミカルになるとは…………本当に、お金の力は偉大だと思う。


『なるほど。お姉さんありがとう。ちなみに、MPポーション用の薬草って種や苗から作れるのかな?お姉さんの店にも置いて無いみたいだけど』

こう言う機会は、なかなか無いから、ついでに色々と聞いてみようかな。


『各種5個ずつなら、ここまでだよ』

くっ!!本当に商魂逞しいな。普通に各種5個ずつでも、かなり衝撃的………いや、()撃的な出費なんだけどな。


『それなら、もう5個ずつ買わせて貰います』


『仕方ないわね。MPポーションを作るためのに使う薬草の種や苗は、存在しないんだよ』


『マジか!?嵌められた!!』

簡単にMPポーションの秘密が分かるとは思って無かったが、こんな簡単に嵌められるとも思って無かったぞ。


それにしても、カゲロウが言っていた性能の良いMPポーションって、何処で手にいれたんだろうな。


『あんた、見掛けと違ってせっかちだねぇ。人の話ってものはねぇ、最後まで聞くもんだよ。薬草を育てるつもりで、肥料に色々な家畜の糞を混ぜてみな。面白い事が分かるからねぇ。さぁ、話はここまでだよ。行った、行った』


『お姉さん、ありがとう』

アレが本当にMPポーションの作り方だとすると、本当に意外な答だったな。


単純なだけに奥が深いと言うか、気付いたプレイヤーも普通の農業好きなのかもな。隠しているのではなくて、そのプレイヤーにとっては普通の事なのかも知れないよな。 


それに、最初に教えて貰った水と肥料の関係も面白いよな。美味しい紅茶に、また一歩近付いたかもな。


さて、船を動かない様にしてから、久々のギルドホーム(我が家)に戻ろうかな。そろそろカゲロウのクエスト(鬼ごっこ)の準備をしないといけないからな。やるからには楽しみたいからな。







『おかえりなさい。雪、良い子にしてたよ』

いつもの様に壁を通り抜けてぴゅーと飛んでくる。久しぶりだと一瞬驚くよな。


『雪ちゃん、ただいま。これ、おみやげ』

【ペンタグラス】と【アクアパレス】で、初めて見たお菓子類を買ってある。まぁ、僕の好みも有って紅茶に合うお菓子になっているけどな。


『ありがとなの。白ちゃん、黒ちゃん、行こう。雪ね、紅茶を淹れれる様になったの。試してみるの』

ほう。暫く見ない間に生活面も成長しているみたいだな。いつのまにか《家事》スキルを取得してるみたいだからな。


普段なら、僕も一緒に皆と一杯飲みたいところだが…………


『雪ちゃん、カゲロウとケイトいる?』


『いないの。ホームにいるのはマナちゃん達とウルちゃんだけなの』


『そっか、ありがとう。白、黒、ゆっくりしてて良いぞ』

用の有った2人が、揃って留守か、ウルちゃんから家畜達の糞を貰っても良いんだが………変態(セクハラ)っぽいからな。


先に、王様に会って手紙を渡して、鬼ごっこの会場を下見するかな。カゲロウも会場(ソコ)に居そうだしな。





僕は、久し振りに城の中を進んで行く。相変わらず、人を見掛けない城だよな。まぁ、隠れているだけなんだろうけど。


『久し振りだな。よく参った。今日は、貯まっている報酬の受け取りかのう?』

そんな話も有ったよな。一般の依頼もケイトを中心に、こなしているから、そこそこ貯まっているのかも知れないな。


『それは、後日皆で来ます。今日は、【アクアパレス】の王妃様より預かってきた手紙を届けに来ました』


『そうか。それは、ご苦労。王妃は元気にしておったかな?美人だったろう?』

美人は美人だが、あれは艶やかなと言うか妖艶な雰囲気が付き纏ってるよな。まぁ、思った事をそのまま口に出す気は無いがな。


『そうですね。元気にしておられましたよ』


『それは、何より。話は変わるが、そなたのギルド【noir】の土地を還元して頂く訳にはいかんか?』

うん!?どう言う意味だ?


『最近は、【シュバルツランド】の土地も不足しておるからな。遊ばせておくほど土地に余裕が無いのだ。何かしら良い案が有れば良いのだが』

そう言う事か。確かに、最近はギルドの数も増えて、【noir】のホームの周りにも他ギルドのホーム用の建物が増えていて、空いている土地も少なくなってるからな。


以前に、ホームの周りで空いていた為に買い占めた土地が欲しいプレイヤーもいるんだろうな。もしかしたら、クレーム等も有るのかも知れないな。僕らとしても、畑や牧場に使う予定が無い事も無いんだけどな。


『【シュバルツランド】の外の土地(エリア)を買う事は可能ですか?』

僕としては、ゲートが有るので店舗用の土地さえ街に在れば、ホームは別のエリアでも構わない。寧ろ、秘密が多い【noir】には、そっちの方が向いているかも知れないよな。


『それは、不可能だ。街の土地のみ購入・加工する事が出来る』

まぁ、そんなに甘くは無いよな。


『土地の加工は、可能なのですか?』


『勿論だ。そなたの土地も温泉や畑に加工しておるだろう』

アレも、加工に含まれるのか。だったら………


『それでは、【シュバルツランド】の地中に街を拡張する(増やす)のは、どうですか?』


『地中に街だと?そんな事が、可能なのか?』

地中と言う言葉に、王様は目を輝かせている。まぁ、僕としても試してみたい事でも有るからな。


『僕自身、やってみた事は無いですが、出来る可能性は有りますよ。今度試してから、ご連絡致します』


『うむ。楽しみにしておるぞ』

ちょっと過剰な期待をさせてしまったかも知れないが、土地の問題は、遅かれ早かれいずれは起きると思っていたからな。予定より少し早いけどな。






アレが、鬼ごっこの範囲かな?街中の至るところに赤いラインが引いてある。事前にカゲロウから聞いた話では、個人のエリアと店舗の邪魔になる場所は浸入禁止だが、それ以外の場所は浸入出来る。


簡単に言えば、この赤いラインの内側が逃走可能エリアって事だな。参加人数の規模は分からないが、前回くらいの規模だと少し狭いかも知れないよな。あと、気になるのは、見慣れない観客席が用意されてる事だよな。まぁ、鬼ごっことは関係無いと思うので次の公式イベント用かな?


攻撃系のアーツと《探索》系のアーツは使用禁止だが、身体強化系は使っても良いらしい。他にもチームプレーでの参加を防ぐ為に、コールの使用も禁止するらしい。


このルールを見届ける違反用の審判として、白と黒が既にカゲロウに買収されている。白と黒が審判と言う事は、クエスト中に白と黒の使用が出来ないって事なんだよな。つまり、HPとMP(身体的)に限界が有るって事なんだよな。


ますます、僕に不利なルールなんだよな。カゲロウ発案のクエストなのだが、発案者は審判と言う立場を利用して楽しもうとしているだけだよな。


1ゲームの制限時間は15分で、それを4ゲーム繰り返す。参加プレイヤーは各々が好きな順番を選べるようになっているらしい。勝者は1人だけなので最初の順番に群がる可能性が高いのか?それとも、最初のゲームを捨てて僕が疲れた頃に賭けるプレイヤーもいるのか?戦略もポイントかも知れないな。


う~ん。どう考えても、鬼ごっこと言うよりもかくれんぼの要素が強い感じだな。幾ら、街の中が広いと言っても範囲を絞られると大人数のプレイヤーから逃げ切れると思えないんだよな。時間いっぱい逃げ切る(隠れる)場所を探した方が良さそうだな。


まぁ、幸いな事に隠れる候補は幾つか有るからな。神殿の中等は慣れていないプレイヤーには、ちょっとした迷路だろうな。最低4つ見付けておけば、なんとかゲームの体裁は整うかな。開始と同時に捕まるのだけは、場が白ける(醒める)し、僕としても情けないからな。






『じゃあ、定例会議始めるね。今回は、【ペンタグラス】の事と明日から始まる加入クエストの件がメインね。今回、私からの報告無しです。ごめんね』

いつもの様にアキラが仕切って会議が始まる。まぁ、会議と言っても簡単な打ち合わせと成果報告、情報交換がメインなんだけどな。部活で忙しいアキラは、なかなか新しい成果を上げれていない。それでも、服類の販売で十分な売り上げを出しているけどな。


『ほな、ウチからいくで。【ペンタグラス】(アメリカ)で、シュン達と新しい金属(ダマスカス)を見付けたんや。それを錬成して加工してみたんな。これが試作品や。今までの素材とは、1ランクは違うな。切れ味も抜群やで』

フレイが、取り出した武器はダマスカスだけで製作したナイフ。金属のテストを兼ねているので、他の金属を混ぜたり、宝石を加えたりしていないが、見るからに違いが分かる。


聞いていた通りに特徴的な木目調で、部分的に施されている《細工》を使った模様が木目調と相まって神秘的だな。



【ダマスカスナイフ】攻撃力150〈特殊効果:2回攻撃〉〈製作ボーナス:速度上昇・中〉



『おぉ~!!』

能力も桁違いだな。ナイフ単体での攻撃力が150を越えているし、特殊効果の2回攻撃とか初めて見るからな。


『この2回攻撃の特殊効果なんやが、1回の攻撃で2回ダメージが出るんや。これが、ダマスカスの特徴みたいやな。まだ研究中やから、詳しく分かったら報告するわ』

僕のスキルLvでは、まだ加工する事が出来ないが加工出来る様になったら試してみたい素材だな。絶対に面白い物が作れそうだからな。


それにしても、そんなレア素材が【ペンタグラス】(メインタウン)の側で採掘出来るのは羨ましいよな。


〔『主よ、あんな場所(断崖絶壁)で採掘出来る方が異常なのじゃ』〕

確かに、ある程度のOOO経験がないと浮遊装置や《浮遊》スキルは手に入らないからな。


………って言う事は【シュバルツランド】(この街)の側の絶壁も上の方は違う物が出てくるかも知れないよな。あとでフレイに相談してみるか。


『次は、私が報告します。明日の午前中にギルドの加入クエストを開催します。前に話した通りで、《木工》《造船》の技術コンテストです。課題は、顔に付ける木のお面です。大きさも手頃ですし、丁寧さや正確性を見るのにも向いてると思っています。現時点で約300人の参加者がいますので、マナさん達にもお手伝いをお願いしました。なので、明日は店舗が臨時休業になります』

半日で300人を判定するのは大変なので、猫の手も借りたい状態なんだろうな。まぁ、たまに店舗を休業にするくらいは問題無いだろう。


それに、僕自身も課題になっているお面には興味が有る。正体を隠すのに優れてそうだからな。


面白そうなので、是非とも見に行きたいのだが、午後からは…………


『そのあとは、俺の番だな。午後からは、俺のクエスト鬼ごっこだ。参加人数は、約2000人』

はっ!?聞き間違いか?多分聞き間違いだよな。


『ちょ、ちょっと待て。今、2000人って言わなかったか?』


『そうだぞ。1ゲーム目約1000人、2ゲーム目約200人、3ゲーム目約300人、最終ゲーム約500人の合計約2000人だ』

………終わったな。そんなのどうやって逃げ切れば良いんだよ。


2000対1………どんな罰ゲームだ。それともゲームでは普通の事なのか?僕の考えが変なのか?


『今回は規模が大きいのでトウリョウさんとチャリさんにも協力を頼んでいます。トウリョウさんには、街中に観客席を設置してもらっているので参加してないプレイヤーの観覧も自由になっているぞ。チャリさんには、当日の司会をお願いしてます』

悪ふざけが過ぎるよな。明らかに、加入のクエストメインじゃなくて、僕が困るのを楽しんでる節が有るよな。観客席とか、クエストは見せ物(SHOW)舞台()じゃ無いと言うのにな。


それに、トウリョウさんはともかく、チャリさんはカゲロウと同じで悪ふざけなんだろうな。カゲロウのお願いを笑顔で受けているところが目に浮かぶな。


もしかすると、クエスト参加者の中にも悪ふざけ組がいるのかも知れないよな。そうじゃないと2000人は多過ぎだろ。きっとそうだな。そうに違いない………………そうであって下さい。


ヤバイな。明日がクエスト(鬼ごっこ)本番だと言うのにテンションが上がらないな。寧ろ大幅に下がっているからな。



続いてケイトが、来月から開設予定のクエストの詳細を説明してくれた。以前に聞いていた通り、お手伝い系のクエストを期間内に複数件クリアした時の報酬で貰える記念品を集めるクエストだ。


こちらの参加者は、公式のハロウィンイベントと重なっている為に、誰にでもチャンスが有るにも関わらず約200人と少なかった。まぁ、記念品を手に入れるのに時間が掛かり過ぎるのも有るんだろうな。



『最後は、僕だな』

会議の順番は最初がアキラで、最後が僕と言う事だけは決まっているからな。


『僕は、昨日メールで連絡した通り【アクアパレス】までたどり着いているぞ。そこの種屋で大量の買い物と交換でMPポーションの情報を得たので、カゲロウに教えるつもりだったが、暫く保留とさせて貰う予定だ』

これくらいの仕返しは、許されるだろうな。


カゲロウが、何かしら言いたそうにしているが、話を続けさせて貰おうかな。


『それと、別件で【シュバルツランド】の王様に会ったんだが、ホームの土地の返還を求められた』


『シュン、それってこのホーム無くなるって事かな?』

皆も、心配そうにしているな。慣れ親しんだ(ホーム)の事だからな。


『いや、それは無いから大丈夫だ。一応、この辺りのエリアは【noir】の私有地だからな。王様に、返還出来ないとしても、何か代案がないかと言われてな。地下街を作ったらどうかと提案してきた』

皆が不思議な顔をしている。


『でも、そんな事可能なの?』


『やってみないと分からないが、ジュネ(ウィザード)のギルドホームは地下室を作ってるから、可能だと思っているな。鬼ごっこが終わったら検証してみるわ。それと、出来るか分からないが・・・・・・なんだが、もし可能ならやっても良いか?これが、可能ならホームの土地も大幅に空くと思うんだよね』


『はははっ!!流石、シュンや。それ、面白い。本当に面白いわ。自分、どんな頭の構造してんねん。ウチは賛成やで。なかなかゲーム(ファンタジー)っぽいわ』

僕の中では、有りだと思っている事だが、皆からするとちょっとズレてたのかな?


『私も賛成しますです』


『俺もだ』


『私もです』

ケイトとカゲロウとヒナタの3人が、アイコンタクトをして同時に答えてくる。ワクワクしているのが伝わってくるな。喜んでくれて何よりだな。


『そんな楽しそうな事に反対する人なんて【noir】にはいないよ。勿論、私も大賛成』


『皆、ありがとな』

今回は、事前に承諾を得れたからな。思う存分ホームを改造させて貰おうかな。鬼ごっこでテンションが落ちたが、これでテンションアップだな。










装備

武器

【雷光風・魔双銃】攻撃力80〈特殊効果:風雷属性〉

【ソル・ルナ】攻撃力100/攻撃力80〈特殊効果:可変/2弾同時発射/音声認識〉〈製作ボーナス:強度上昇・中〉

【魔氷牙・魔氷希】攻撃力110/攻撃力110〈特殊効果:可変/氷属性/凍結/魔銃/音声認識〉

【空気銃】攻撃力0〈特殊効果:風属性・バースト噴射〉×2丁

【火縄銃・短銃】攻撃力400〈特殊効果:なし〉

【アルファガン】攻撃力=魔力〈特殊効果:光属性/レイザー〉

【白竜Lv68】攻撃力0/回復力218〈特殊効果:身体回復/光属性〉

【黒竜Lv68】攻撃力0/回復力218〈特殊効果:魔力回復/闇属性〉

防具

【ノワールシリーズ】防御力105/魔法防御力40

〈特殊効果+製作ボーナス:超耐火/耐水/回避上昇・大/速度上昇・極大/重量軽減・中/命中+10%/跳躍力+20%/着心地向上〉

アクセサリー

【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉



天狐族Lv63

《双銃士》Lv80※上限

《真魔銃》Lv7《操銃》Lv29《短剣技》Lv32《拳》Lv54《速度強化》Lv100※上限《回避強化》Lv100※上限《魔力回復補助》Lv100※上限《付与術改》Lv8《付与練銃》Lv9《目で見るんじゃない感じるんだ》Lv34


サブ

《調合工匠》Lv28《上級鍛冶工匠》Lv6《上級革工匠》Lv6《木工工匠》Lv34《上級鞄工匠》Lv8《細工工匠》Lv46《錬金工匠》Lv45《銃工匠》Lv36《裁縫工匠》Lv15《機械工匠》Lv21《調理師》Lv23《造船》Lv17《家守護神》Lv55《合成》Lv50《楽器製作》Lv5《バイリンガル》Lv8


SP 20


称号

〈もたざる者〉〈トラウマニア〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈摂理への反逆者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉〈創造主〉〈やや飼い主〉〈工匠〉〈呪われし者〉〈主演男優賞?〉

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