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OOO ~Original Objective Online~ 称号に振りまわされる者  作者: 1048
第1部 第5章
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1人旅 2

『兄ちゃん、困ってるのか?アタシが手伝ってやろうか?勿論、タダじゃ無いけどな』

途中から尾行されてたから注意はしていたのだが、絡まれてしまったな。


さて、どうしようかな?まぁ、話だけは聞いてみても良いかな。


『ちなみに、何を手伝ってくれるんだ?』


『兄ちゃんが、行きたがっている向こう側に渡してやるよ』

この尾行者、意外に状況を良く状況を見ているんだな。ちょっとだけ考えを改める必要が有るかもな。


『いや、渡るだけなら自分で出来るから結構だぞ』


『えっ!?兄ちゃん、自分で渡れるのか?』


『あぁ。だから、気にしなくても良いぞ。じゃあな』


『ちょっと待って、タイム、タイムだ』

まだ、何か有るのか?本当に面倒なのに絡まれたな。それと、あまり関係無い事だがタイムの発音が流暢だよな。流石はアメリカ人だな。


『アタシはゼニス・キーダ。兄ちゃんが港に着いた時から見てたんだが、兄ちゃんはアメリカサーバー(こっち)の人間と違うよね?』

そんなに前から尾行されてたのか?気付かなかったな。次からは注意しよう。


それと、名前は嘘をついてないみたいだな。ジョブは|《訓練士》《テイムズ》。|《調教士》《テイマー》の上位か?種族は人間の女、メイン武器が鞭か、珍しいな。生産系も取得しているところを見ると自分で作ったのかもな。


Lvもそれなりに高いし、スキルの幅も広く応用が効きそうだが、ギルドに所属していないソロプレイヤーみたいだな。


それにしても、人間で《訓練士》に鞭とか、ロールが徹底してるよな。サーカスの猛獣使いを思い出すから嫌いじゃないけどな。


『仮にそうだとしたも、それはゼニス・キーダさんに関係有るのか?』


『アタシの事はゼニスで良いよ。もし良かったらアタシを雇わないか?』


『雇う?』


『そうだ。何も知らない土地で、ソロは危険だと思うよ』

そう言う事か………僕にパーティーを組めって事かな?


『いや、今のところ、街の外に出る予定は無いから大丈夫だ。じゃあな』

仮に出たとしても街の位置関係が分からないだけで、魔物については《見ない感じ》と竜の力が有るから大丈夫だしな。


『あっ!!待って。ヘルプ、プリーズ。アタシを助けて下さい』

最初から、そう言って欲しいな。アメリカ人って皆こう回りくどいのか?いや、ケイトは違うからな。ゼニスが特別なのかも知れないな。


〔『主よ、どうするのじゃ?』〕


〔『…………悪意は無い』〕

確かに、そうだな。嘘をつけるタイプじゃないな。取り敢えずは話だけは聞いてみるかな。


『内容によるな。取り敢えず、話してみてよ』


『もし、良かったらイベントの攻略を手伝ってくれないか?今回のイベント報酬が私には絶対必要なんだ。でも2人での参加が条件で、アタシには仲間がいない。組んでくれる人もいない。だから、兄ちゃんだけが頼りだ。海を渡って来れるなら、それなりに強いんだろ?』

それなりにLvが高く、応用が効きそうなスキルも持っているのに組んでくれる人がいないってのはどう言う事だ?ステータスにも問題無さそうだよな。


僕に話しかけれるから人見知りじゃ無いよな。何かとんでもない事をしでかしたのか?それとも性格に難が有るのか?


『どうして、組んでくれる人がいないんだ?』

手伝う、手伝わない、どっちに転んでも、これだけは聞いておかいた方が良いよな。後で、変な事に巻き込まれるのだけは御免だからな。


〔『主よ、多分、お人好しが過ぎる主に断るのは無理じゃ』〕


〔『…………同意』〕

最近、本当に(主人)の扱いが悪いよな。まぁ、気心が知れてるだけかも知れないけどな。


『…………アタシが《訓練士》だから』


『《訓練士》だと何か問題なのか?』


『そっちのサーバーだと、どうか分からないが、アメリカサーバー(こっち)では、《訓練士》、《調教士》系は不人気で不遇職なんだ。周りからは、自分で戦わないバカ呼ばわりで、ちゃんと自分の力で戦えるのに………仲間になってくれる人もいない』

不遇職か………なるほどな。僕にも、その経験が有るから気持ちは分かるな。不遇職ってだけで微妙に視線が痛いんだよな。


僕の場合は、早い段階で二つ名の方が有名になったけど、そうじゃ無かったらキツかっただろうな。それにしても、誰にも相手にされないって言うのは変な気もするが………


『自己紹介が遅くなったが、僕はシュン。日本サーバーから来た。日本サーバーでは《調教士》系は不遇とまでは言われて無いぞ。僕は、日本サーバーで1番不人気の《銃士》だが、アメリカサーバー(こっち)での人気はどうなんだ?』

銃社会アメリカだからな。日本みたいに不人気って事は無いだろうな。もしかして、これは期待出来るのではないか?


『兄ちゃん、《銃士》なのか!?こっちでも1番人気無いぞ。ファンタジーにまで銃社会を持ち込むなって問題になったんだ。最初にオープンした日本サーバーで不遇職扱いされてたのも大きいけど』

おい、海を渡っても《銃士》は不遇扱いなのか?問題になるとか、凄くアメリカらしいとは思うけど………僕は、それなりに結果を出してきたはずだぞ。僕自身が目立つのは嫌だが、そろそろ状況が改善してくれても良いんじゃないのか?


日本での地位向上は諦めるとしても、せめて銃社会アメリカでは、それなりの地位を用意して欲しいよな。


運営さん、お願いしますよ。《銃士》に未来を…………


『分かった。《銃士》の僕で良ければ協力する。2人で不遇職の凄さを見せてやろうぜ。それで、イベントの詳細と何の報酬が欲しいんだ?僕の報酬は城に入れる様にしてくれるだけで良いぞ』


〔『やっぱり、主には無理だったのじゃ』〕


〔『仕方ないだろ。白なら断れるのか?』〕


〔『愚問じゃ。ワシに女の子の誘いを断れる訳が無いのじゃ』〕


『本当か?本当に良いのか?Thanks兄ちゃん。城の件は任せろ。中までキッチリ案内するぞ。イベントはタイムアタックで、制限時間内ならクリア報酬として、海外サーバーへの遠征権が貰える。実際に行ったプレイヤーはまだいないけど』

城の中まで案内するってのも気になるが、それよりも………


『海外サーバーへの遠征権って何だ?僕はそんなの持って無いけど、【ペンタグラス】まで来れたぞ』



『そうなのか?こっちでは必要だよ。船はクエストで貰えるけど200海里までしか出れないんだ。日本では違うのか?』

日本サーバーとアメリカサーバーでは、クエストの内容だけで無く、色々なモノの在り方が違うようだな。って言うか、200海里とか、微妙な現実を持ち込むなよな。折角のファンタジーが台無しだよ。


それにしても、アメリカサーバー(こっち)では船がクエストで貰えるのが、羨まし過ぎるよな。ライトニングを手に入れるまでに、これでも僕は結構苦労したんだよ。


それと、遠征権………パスポートみたいな物かな?アメリカらしいと言えばらしいけどな。例えゲーム内でも入国審査とか厳しそうだし。日本には遠征権が無くて本当に良かったな。


それと、上位入賞では無く、制限時間内にクリアすれば良いだけなら、何とかなるかな。


『日本では違うな。反対に船を手に入れて海に出るのには苦労したぞ。自分で船を作って、その後でレイドボスを倒す必要が有ったからな。それにしても、何で遠征権が欲しいんだ?』


『そっちはそっちで大変なんだな。日本に行った1人の友達に会いに行きたいだけだ』

まぁ、こっちで誰にも相手にされなかったら、OOO(ゲーム)の中とは言え、友達に会いたくなるのも分かるよな。現実なら距離の壁が有っても、OOOの中だったら会いたい時に会えるからな。こう言う理由が有るなら、イベント攻略を頑張らせて貰おうかな。支援系ギルドのギルドマスターとしてもな。


〔『…………時差』〕


『あっ!!悪いゼニス。時差の事を考えて無かった。アメリカのイベントなら時間が合わないかも』


〔『黒、教えてくれて助かったぞ。ありがとな』〕


『日本となら時差は17~18時間。この時間にログイン出来るなら大丈夫。それにアタシが通う大学の講義は、午後からだから問題無いよ。それにイベントはタイムアタック。イベント期間中は2時間毎にスタートしているんだ。2人いれば何時の時間帯でも参加出来る。そうじゃないと、わざわざ誘う訳無いでしょ。バカじゃ無いんだから』

それなら良かったんだが、なんか遠回しにバカにされた気分だな。


ゼニスが大学生と言う事は年上なんだよな。全く年上には見えなかったな。敬語使った方が良かったか………って言うか、《バイリンガル》越しに聞くと僕の言葉はどう言う風に聞こえてるんだろうな?でも、英語には敬語って概念が無いはずだし………ゼニスの《バイリンガル》で変換された英語は、それなりに聞こえるてるから問題は無いと思うんだけどな。


『日本では、今まで無かったんだがタイムアタックって言うのは、具体的にどんなイベントなんだ?』


『街をスタートして、途中に有るチェックポイントからイベント用のアイテムを受け取ってくるレース系のイベント。チェックポイントには2人で辿り着かないとダメで、(ゴール)には、どちらか1人が辿り着ければ良いんだ』

まるで、オリエンテーリングみたいだな。制限時間が有るって事は多分、魔物も出るしトラップとかも有るんだろうな。


それなら、基本は土地勘が有るゼニスがコースマネジメントをして、僕がアシスト、フォローって感じかな。


『了解だ。イベント参加は明日で良いか?そろそろ、ログアウトしたいからな』


『OK。明日は日本時間で夜9時に広場のクロノ像の前に集合出来る?』

クロノ・ショック・ニームの像か………場所に問題が無くも無いが、時間的には大丈夫だな。


『僕は大丈夫だが、ゼニスは朝かなり早いだろ?大丈夫か?』


『早寝早起きだから平気』

その早寝早起きは、寝るのも起きるのも凄く早い気がするんだけど、気のせいか?


まぁ、取り敢えずはログアウトだ。細かい事は、明日考えれば良いかな。






「駿、聞いたか?昨日のアナウンス。俺とドーム、レナは、もう定期船に乗り込んだぞ。他にも一緒に乗り込んヤツが数人いたが1番………いや、誰かが渡ったみたいだから、それでも2番乗りだ。今日の夜には着くからな。新しい土地に、新しい魔物。あぁ、楽しみだ。あっ、忘れてた。おはよう、駿、純」

家に来るなり、それか………少しは落ち着いて欲しいよな。朝の挨拶よりもOOOが先になるとは、呆れてものが言えないな。


「おはよ。定期船って【ペンタグラス】行きのか?」


「そうだぞ。駿達は行かないのか?」

あんなに喜んでいるのに、わざわざ真実を教えて水を差す事も無いかな。しかし、定期船の運航は昨日始まったばかりだと言うのに手を出すのが早いな。


まぁ、着いたら。真っ先に言葉の壁にブチ当たるだろうけどな。それはそれで面白いかも知れないな。


「私達は、今度遠征」


「僕達は、どうだろうな?各々イベントの準備で忙しいみたいだからな。暫くは、定期船は使わないと思うぞ」

うん。嘘は言って無いな。イベントの準備で忙しいのも、定期船を使わないのも、本当だからな。


【noir】のメンバーなら、【ペンタグラス】の港に停泊中のライトニングのゲートを使えば着くからな。わざわざ定期船を使う事は無いだろうし。


昨日、ログアウトする前に皆にメールで、今日中には、ゲートで転移して【ペンタグラス】のゲート登録だけは済ますように伝えてある。まぁ、ヒナタ以外は、僕が【ペンタグラス】に着いた事よりも、ライトニングにゲートが付いてる事に驚いてるかも知れないけどな。


それと、晶達には僕が【ペンタグラス】に着いてある事は、口止めしといた方が良いかな。バレると面倒事が増えそうな気がするからな。


「そう言えば、定期船の運賃って幾らするんだ?」


「かなり、高額」


「1回1,000,000フォルムだ。定期船の中にも専用の露店とか有って結構楽しいぞ」

それは、本当に高いな。小さな店舗なら購入出来るよな。現実ならファーストクラスの飛行機並じゃないのか?まぁ、簡単には行けない様にしてるんだろうけど、ボッタクリに感じるのは僕だけなのか?







『遅いな………』

約束の時間からは、既に15分経過している。寝坊か?それとも時間にルーズなだけか?昨日フレンド登録をしなかった事が悔やまれるな。あまりに遅れるなら帰らせて貰おうかな…………


まぁ、ゼニスが来たら軽く説教くらいはしないとな。


『兄ちゃん、遅くなって、ゴメン』


『やっと来たか………って、おい!?どうした?ボロボロじゃないか。大丈夫か?』

声に反応して振り返ると、汗だくで今にも装備が全壊しそうな状態のゼニスがいた。そんなにボロボロになるとは、どんな魔物と戦闘をしてたんだ?HPの方は減ってないので、回服薬は持ってたんだと思うけど。


『あっ、うん。ちょっと街の外で絡まれて。装備変えるから待ってて』

絡まれた?装備が全壊近くまでボロボロになるのは、ちょっと絡まれたでは済まないぞ。仲間外れは聞いていたが、流石にやり過ぎだろ?明らかにイジメのレベルだぞ。


『おい、誰にやられたんだ?』


『アタシは、大丈夫。気にしないで』

明らかに作り笑いだな。昨日の協力をすると僕が言った時に見せた笑顔とは全然違うからな。


『ゼニス!!』


『あっ、うん………大手ギルド【ハウンド】のヤツら。気に入らないプレイヤーの邪魔したり、嫌がらせするんだ。規模が大きいし、強いプレイヤーも多い………特に最強クラスのギルドマスター、グレタフが手に終えない。だから、誰も逆らえないんだ。今日もイベントの邪魔や妨害をするつもりみたい。さっきも、街の門前で待ち伏せされて、なんとか逃げてきたけど………兄ちゃん、イベント参加の件は無かった事にして。アタシから誘ったのに本当にゴメン。でも、兄ちゃんは城に送るから、心配しないで良いよ。兄ちゃんが協力してくれるって言った時は本当に嬉しかったよ。本当にありがとう』

また、作り笑いか………大手ギルド【ハウンド】、最低最悪なギルドみたいだな。


もしかして、ゼニスが仲間外れにされてるのは、こいつらが原因なの?こんなのが日常茶飯事なら他のサーバーに逃げたくもなるわな。むしろ、よくここまで続けてこれたよな。僕なら絶対に辞めてるいる自信が有る。


それに、不遇職って言うだけで仲間外れにされるのは変だと思ってたんだよな。僕も同じ不遇職って境遇だが、普通に出会ったネイルさんやフレイは優しくしてくれたからな。幾らアメリカサーバーと言っても優しいプレイヤーが皆無って事は無いだろうからな。


ほっとく事は出来ない………皆に優しくされた僕が、ゼニスをほっとく事は出来ないな。絶対に………


『ゼニス、お前はバカか?絶対に参加するに決まってるだろうが、イベントだぞ。楽しまなきゃダメだ』


『えっ、兄ちゃん?ダメだ。兄ちゃんまで狙われる』


『ゼニス、僕はシュンだと名乗っただろう。いつになったら仲間の名前を覚えるんだ』

今の一連の流れは、ちょっとクサかったか?


『兄ちゃ………シュン兄ちゃん。ありがとう』

まぁ、ゼニスに笑顔が戻ったから、僕が恥ずかしいくらいは、どうでも良いけどな。


『シュンで良いぞ。それに僕は、まだ15才だからな。年下だぞ』


『???アタシも15才だ』

ゼニスが首を傾げているかが………大学生だったよな?


『えっ!?大学は?』


『アタシ、ジュニアスクールの時に飛び級してるから』

天才だ、ここに天才がいるぞ。昨日はバカにしてすみませんでした。それにしても、リアルで飛び級とか初めて聞いたぞ。どおりで年上には見えなかったんだな。


『ゼニス、凄いんだな』

恥ずかしそうに照れている。この調子(笑顔)なら、イベントへの影響も無さそうだな。


『それと、イベントなんだが事前登録して無くても、今から飛び入りって可能なのか?』


『スタート時間までに登録出来たら大丈夫………だけど、どうかした?』

それならば、少し【ハウンド】対策を取らして貰おうかな。目には目を、歯には歯をってやつだな。


今、ログインしているのは、カゲロウとアキラとフレイか………あっ!!そうだ。アイツらもいたな。時間的に何人来れるか分からないが全員にメールだな。絶対にゼニスに遠征権(パスポート)を獲得して貰いたいからな。




『おい、シュン来たぞ』

最初に現れたのはアクア達。丁度、定期船が着く時間だったのは幸いだったよな。


『悪いな。ドームもレナもありがとう。本当に助かる。それと、この娘がメールで話したゼニスだ。ゼニス、彼らは僕の仲間だ。右からアクア、レナ、ドームの順だ。皆、良い奴ばかりだから安心しろよ』


『えっ、えっ、でも、迷惑が掛かる………』

今更、迷惑が掛かるとか言っているが、僕を誘った時に、その事は考えなかったのだろうか?いつか機会が有ったら聞いて見たいものだな。


『私はレナです。そんな奴は、絶対に許せませんからね。ゼニスちゃん、頑張りましょうね』

レナのやる気が過去最高じゃないか?他人の為に怒れるのは美徳だよな。これならドームが惚れるのも納得出来る。


『ドームだ。俺もレナと同意見だから、シュンもゼニスも気にするな。ついでに、シュンに今までのカリを返させて貰うぞ』


『アクアだ。ヨロシクな。イベントの誘いに感謝するぜ。それよりもだ。シュン、お前が【ペンタグラス】に1番目に着いたプレイヤーだったんだな。港に入った時にライトニングが有って驚いたぞ。これを隠していた事については、後でジュネと一緒に説教だからな。それと、1つ質問が有るんだが、シュンって英語を話せたっけ?』

説教だけは勘弁して頂きたいものだ。僕は、昨日嘘をついてないんだからな。


『いや、話す事は出来ないぞ。これは《バイリンガル》スキルの効果だ。取得すれば色んな言語が話せる様になるぞ。勿論、魔物とも話せるぞ。意外に有ると便利だからな。取得はお勧めだぞ』


『マジか!?俺も取得する。こうして、こうか?』

レナとドームが取得しないところを見ると、2人は英語を話せるんだろうな。ゼニスにも今の会話が分かってるみたいだし、分かってて英語で話してたんだろうな。流石は社会人だ。


『ゼニスちゃん分かる?アクアだ。改めてヨロシクな』


『シュン、助っ人は俺達だけか?一緒に船に乗ってたプレイヤーに知り合いがいたんだが、念の為に声かけようか?』

ドームは、冷静に状況が把握出来てるみたいだな。今のままでイベントに挑むなら1人足りないからな。


『大丈夫。そろそろ、転移して来るはずだ………おっ!!来たみたいだな』

船からアキラ、カゲロウ、フレイの順に降りてくる。こちらも時間通りだな。


『なっ!!どう言う事だ?どうやって、【ペンタグラス】(ここ)に?』


『ちょっと前に、船をホームとして申請したからな。ゲートを登載出来たんだよ。だから、【noir】のホームに入る事が出来て、ライトニングに乗った事が有るプレイヤーなら、定期船に乗らなくてもライトニングが有る場所に来れる。アクア達にも教えても良かったんだが………定期船に乗ったって聞いたからな。一応、空気を読んだんだけど………』


『……………シュン、今度からは空気を読まないでくれ。後から知る方が、なんか辛い』

ドームとレナの表情もアクアと変わらないな。こうなる気がしたからな、言いたく無かったんだよな。





『お待たせや。シュンは、何処におっても迷惑(お節介)なやっちゃのう。ウチらにも1口咬ませんかいな。自分がゼニスやろ。よろしゅうな、ウチはフレイや』

僕のメール通り、事前に《バイリンガル》で英語を取得してるようだな。もう、あまり時間が無いから話が早くて助かるよな。


『カゲロウだ。俺達に任せろ。ギルマスは、あんな感じだが頼りになるから大丈夫だ』

カゲロウ、それ僕にも聞こえてるんですけど………


『最後に私がアキラです。日本に来たら私達のギルドホームにも遊びに来てね。その為にも今日はクリアしなきゃね』


『み、皆さん、ありがとうございます』

めっちゃ泣いてるな。仲間が一杯で嬉しいんだろうな。男としては期待には応えないとな。


『大丈夫。困った時はお互い様だ。そうだろ?シュン』


『そうだな。ゼニス、僕らが困った時は助けてくれよな』

たまに、良い事を言うんだよな、この幼馴染みは。


『うん………ありがとう』

さて、これで準備は完了だな。






スタートまで残すところ10分。既にペアの割り振りは終わっている。僕とゼニス、アキラとフレイ、カゲロウとアクア、ドームとレナの4ペアだ。コースは全長7kmで3kmのところに有るチェックポイントでイベント用のアイテムが受け取るらしい。それを回収して、1時間以内に街に戻ってくるタイムアタックレースだ。


トラップや魔物は当たり前で、他のプレイヤーからの妨害(PK)ペナルティ無し(OK)らしい。タイムアタックレースなのでクリア報酬の遠征権以外にも、クリアタイムの早い順に1位から10位までに順位報酬が有るらしい。


大手ギルド【ハウンド】は、順位報酬の独占が狙いらしく、現時点で1位から10位までを占めており、上位に入りそうなプレイヤーや気に入らないプレイヤーの妨害やPKをギルド単位で繰り返している様だ。僕らが参加するレースにも7チームを送り込んでいるらしい。


PKをしても、OOOではメリットが無いのに、そこまでして人の邪魔をしたいのか?本当に救いようが無いギルドだな。


ちなみに、ギルド【ハウンド】のメンバーは、防具の何処かに青一色のギルドマークが入っているので分かり易いし、警戒もやり易いな。


その為、僕らの作戦は……


『皆、聞いてくれ。ゼニスには分からない様に日本語で話すぞ。俺達の目的はシュンとゼニスを生かす事だ。【ハウンド】の妨害からゼニス達を守るぞ。今回、俺達のクリアは二の次だ。分かったな』


『それと、これは僕から、必要は無いと思うけど《付与術》の全掛け。今から30分は持つと思う』

全員に《付与術》を掛けていく。2度とゼニスをイジメたく無くなる様に圧倒的強さも見せなければならないからな。


その後、僕達は各々のスタート地点に散らばった。





『シュン、アクアはさっき何て言ってたんだ?』


『妨害に負けずに頑張るぞって言ったんだよ。ゼニス頑張ろうな』

皆、すまない。感謝するぞ。


『うん……………あっ!!ア、アイツが何で?』


『ゼニス、どうかしたのか?』

急にゼニスの顔が青ざめて来る。


『あそこに、【ハウンド】のギルマスがいる。普段はイベントに出て来ないのに………』

アレか………デカくて強そうなのがグレタフか。でも、何であんなキャラエディットにしたのか?が疑問になる程不気味だな。僕も人の事が言える程、イケメンでは無いが、アレよりは絶対にマシだよな。


それともアメリカでは、あんなのが人気なのか?それなら、僕は日本に産まれただけで幸せだと思えるな。


まぁ、確かにLv とステータスは勘違いするくらいには高いな。数ヶ月遅れの割にはだが………


向こうもゼニスに気付いた様だ、こっち(ゼニス)を見てニヤニヤしてるからな。なんか気持ち悪いな。


『おい、ゼニス、今更、お前が何の様だ?まさか、このイベントに出るとは言わないよな。それは無いよな。このイベントは2人限定。いつも1人(ボッチ)のお前が出れる訳が無いからな。そうだろ?分かるよな』

ヤバい………これは、顔立ち以上に性格が生理的に受け付けないな。


『…………うっ』

ゼニスは小刻みに震えていた。


気持ちとは裏腹に、体が拒絶してるんだな。一体どれだけイジメれば、こんな事になるんだよ………


どうやら、僕以外の日本のメンバーも同じ気持ちの様だな。遠目からでも《見ない感じ》越しに怒気が伝わってくる。


『悪いな。いつもゼニスがお世話になってるみたいで、今日は、ゆっくりと僕たちの背中を見てて良いぞ』


『何だ?お前は?フッハハハッ。お前は《銃士》か?おいおい、辞めてくれ。笑い死にしそうだ。お前がゼニスのペアか?これは、お似合いだ』

今すぐにでも、ぶっ飛ばしたいが我慢だ。我慢。後数分もすれば………僕よ、冷静になれ。


仲間達には、何が有ってもレース途中までは、僕らを知らないフリをしてと伝えている。スタート前に【ハウンド】から挑発くらいは有ると読んでの事だったが、こんなアホな挑発が来るとは思って無かったよな。


『だ、黙れ。アタシの事は良いが、シュンを悪く言うな』

さっきまで震えていたのに、いや、まだ震えているな。それでも僕の為に、勇気を振り絞ってくれたんだな。ありがとな。


『お前が、俺達に逆らうのか?何も出来ない1人(ボッチ)のお前が、フッ、面白い。無事にゴール出来ると思うなよ』

コイツは、分かっているのだろうか?今、完全にフラグを踏んだ事を…………惨敗と言う名の。




〔お待たせ致しました。第3回公式イベント第46レースを開始します。皆様、用意は良いですか?〕

いよいよ始まる様だな。今回の装備は【白竜】と【黒竜】の2丁持ち。グレタフはクズだが、僕が倒して終わりではダメだ。あくまでも、このレースはゼニスが勝たなければならないからな。


〔『白、黒、頼むぞ』〕


〔それではいきます。Ready Go!!〕






装備

武器

【雷光風・魔双銃】攻撃力80〈特殊効果:風雷属性〉

【ソル・ルナ】攻撃力100/攻撃力80〈特殊効果:可変/2弾同時発射/音声認識〉〈製作ボーナス:強度上昇・中〉

【魔氷牙・魔氷希】攻撃力110/攻撃力110〈特殊効果:可変/氷属性/凍結/魔銃/音声認識〉

【空気銃】攻撃力0〈特殊効果:風属性・バースト噴射〉×2丁

【火縄銃・短銃】攻撃力400〈特殊効果:なし〉

【アルファガン】攻撃力=魔力〈特殊効果:光属性/レイザー〉

【白竜Lv60】攻撃力0/回復力210〈特殊効果:身体回復/光属性〉

【黒竜Lv60】攻撃力0/回復力210〈特殊効果:魔力回復/闇属性〉

防具

【ノワールシリーズ】防御力105/魔法防御力40

〈特殊効果+製作ボーナス:超耐火/耐水/回避上昇・大/速度上昇・極大/重量軽減・中/命中+10%/跳躍力+20%/着心地向上〉

アクセサリー

【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉



天狐族Lv60

《双銃士》Lv79

《真魔銃》Lv3《操銃》Lv24《短剣技》Lv26《拳》Lv50《速度強化》Lv100※上限《回避強化》Lv100※上限《魔力回復補助》Lv100※上限《付与術改》Lv3《付与練銃》Lv3《目で見るんじゃない感じるんだ》Lv26


サブ

《調合工匠》Lv28《上級鍛冶工匠》Lv3《上級革工匠》Lv6《木工工匠》Lv34《上級鞄工匠》Lv8《細工工匠》Lv42《錬金工匠》Lv40《銃工匠》Lv36《裁縫工匠》Lv15《機械工匠》Lv19《調理師》Lv20《造船》Lv17《家守護神》Lv52《合成》Lv48《楽器製作》Lv5《バイリンガル》Lv4


SP 9


称号

〈もたざる者〉〈トラウマニア〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈摂理への反逆者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉〈創造主〉〈やや飼い主〉〈工匠〉〈呪われし者〉

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