表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
OOO ~Original Objective Online~ 称号に振りまわされる者  作者: 1048
第1部 第4章
37/65

第3回公式イベント 5

『うゎ~~あ………』



『主よ、今日はかなり眠そうなのじゃ』


『まぁ………な、普段なら完全に寝てる時間だからな』

さっきから繰り返し出ている欠伸を耐え、半分閉じそうになっている瞼を擦りながら答えた。いくら仮眠を取ったと言っても現実の時間は、午前4時。普段なら確実にベットの中で夢を見ている時間だ。


まぁ、OOOのプレイ中は、ヘッドギア付けてベットで寝ているから、他の人からの見た目は寝ているのと変わらないんだろうけどな。


『それで、大丈夫なのかの?今日の競技は』


『どうだろうな?最低でもスキルの確認はしたいんだがな』

当初の目的とは違うが、明日に控えるハーフマラソンの為に射撃競技中に《操銃》で出来る事の確認とスキルLv上げをしておきたい。本当なら射撃競技の前にテストしたかったんだが、あいにく時間の折り合いがつかなかった為、完全にぶっつけ本番である。


当然、狙えるなら上位入賞も狙いたいんだがな。今回のイベントの報酬も魅力的なので出来れば欲しいからな。


『じゃが、本当にワシと黒を使わなくて良いのかの?そんなに甘いものかのう………』

確かに、白の言う通りで今までが今までだけに、射撃競技だけが優しいルールって事はないだろうな。しかも、数少ない専門競技だしな。突拍子もないルールも有り得る。


『まぁ、それは………ルールを確認してからになるが、一応ホルスターに入れて有るし使わなくても大丈夫だろ』

こう言う時に装備だけしておけば効果を発揮する竜の力の便利さを感じるな。【白竜】と【黒竜】がユニーク武器なのだから、竜の力はユニークボーナスって感じになるのかな。





射撃競技ルール


制限時間の中で、命中系のアーツを使わずに標的に100発中何発を的に当てれるのかを争う技術競技です

こちらから100発射撃出来る武器(弓・銃)を支給させて頂きます

支給した武器にのみ競技としての命中判定が有り、1標的に1発のみアタリ、ハズレの判定が有ります

なお、支給した武器には攻撃力が有りませんのでご注意下さい




このルール…………もしかすると少し面倒な事になるかも知れないよな。


ルールによれば、攻撃力の無い武器でターゲットを狙わなければならない。しかも、1標的に1発のみと言う事は、最初の1発で当てなければならないと言う事になるのか?それとも早い者勝ちって事になるのか?


………もしくはその両方って事かな。


ここで………


『気になるのは攻撃力の無い武器ってルールで明記している事じゃと言いたいのであろう。主よ』

そう。僕が1番気になっている事は白の言う通りで、単純に標的を狙うだけなら攻撃力の有無は関係が無いのだが、ここをわざわざ明記していると言う事は標的は動くんだろうな…………はっきり言えば魔物って事になるんだろうな。


って言う事は、いくら死角から標的を狙って当てたたとしても、そのに瞬間からこちらも狙われるって事になるよな。このルールは考えただけで気が滅入ってくるよな。


僕の攻撃スタイルは、死角からの先制。もしくは、牽制を織り混ぜながらの射撃がメインだ。当然〈必射〉系のアーツや【白竜】と【黒竜】を使えば確実に当てる事は出来るのだが、この競技ではアーツは禁止されているし【白竜】【黒竜】には競技としての判定が無い。


『主よ、一体どうするのじゃ?』


『どうするって言われてもな…………普通に他の武器を使うと思うけど』


『主よ、ルールを読んだのかのう?それは無理じゃ。ルールで武器は支給と記載されているのじゃ』


『それは命中判定が有る武器は………って事だよな、魔物相手には他の競技の命中判定関係が無い武器で戦闘するって事だな』

若干だが、双銃を使える僕は、有利ではないのかと思う。弓の場合は、1回1回装備を変えなければ魔物と戦えないからだ。


『………それは有りなのかの?』

実際、それは僕にも分からないが、試してみれば良いだけだしな。それにOOOでは、今までも盲点を突く事が多々可能だったから出来そうな気はしているんだがな。


『ルールにもダメとは書いてないしな………ほら、イベントエリアに白と黒も転送可能だったろ』

ゲートからイベント準備エリアに転送していくと装備している武器も使用可能な状態で転送されている。


試しに、白で射撃してみたが何の問題も無く可能だった。ちなみに、イベント準備エリアで可能な事は、イベントエリアでも可能になっている。まぁ、その為の準備エリアだから、それくらいは出来て当然なんだけどな。


『う~~む。今回ばかりは、なるほどなのじゃと納得は出来ないのじゃが…………今、主と言い争っても仕方ないのじゃ』

まぁ、そろそろ競技も始まるからな。支給される武器から使いやすい物を選ばないといけないしな。


射撃競技で支給される武器は【魔弓・劣】や【魔銃・劣】等の魔力で発射可能な武器だった。どれも100発分の魔力が注入されているが通常の劣化版って感じかな。確かに、これなら卑怯な事は出来ないから公平かもな。


当然、僕が選んだのは使いなれた【魔銃・劣】だ。まぁ、使いなれたと言っても名前と形が同じと言うだけで、自分のMP消費をしないと言う全く別の武器なんだけどな。


『取り敢えず、白と黒は何が有っても竜の姿にはなるなよ。それと今からは心話で頼む』


僕には競技を楽しむ、スキルの確認以外にもう1つ真の目標が有る。それは、銃を使っている知り合いを増やしたいって事だ。多分この競技も弓を使うプレイヤーが多いんだろうけど………銃を使うプレイヤーもいるはずだからな。いや、いて下さい。お願いします。


〔『『了解』じゃ』〕





〔皆様、大変長らくお待たせ致しました。間もなく、射撃競技を開始します。出場者の皆様は、制限時間2時間の中で如何に多くの標的を狙えるか?今回は、どの標的も1ポイントとなっております。支給済みのゴーグルは、標的のみに反応する仕様になっておりますので存分にご利用下さい。なお、この競技はボーナスポイント等は一切御座いませんので1射1射を大切にお射ち下さい。それでは皆様、準備は宜しいですか?3・2・1・レディーゴー!!〕



さて、先ずは標的を探さないとな。それにしても、このイベントエリアはイジメだな…………砂漠エリアで障害物が全く無い。明らかに、僕には向いてないエリアだ。それに、暑さが半端なくて止まっているのに汗が流れてくる。色んな意味で過酷に成りそうだよな。


制限時間が2時間(120分)って事は、約1分で1発位のペースは必要になるんだよな。《探索》スキルが有ったら良かったんだが…………


〔『主よ、ワシらの《探索》スキルも有効のようじゃ』〕


『えっ!?』

それこそ有りなのか?それが本当なら、めっちゃ他力本願になるぞ。


〔『主よ、主の周囲全方向に魔物の反応が有るのじゃ………が全く見えないのじゃ』〕


『なるほどな。それだけで十分だ』

カゲロウ達の棒倒しでも出現したサソリ型のMOBみたいなのが砂の中にいるんだろうな。もしくは、擬態が出来るMOB………トカゲ系?やカメレオン系?がいるのかも知れないな。


まだ、ゴーグルに反応が無い事からみても、地中説が高いかもな。


右手の【魔銃】は無駄射ちも出来ないからな。左手でホルスターから【ソル・ルナ】を取り出して適当に地面を射撃していく。


『そこだ!!』

無駄射ちが無駄にならなくて良かった。


【ソル・ルナ】で撃った場所が、次々とゴーグルに反応していきく、その場所を【魔銃・劣】で追撃してポイント重ねていく。


【ソル・ルナ】で攻撃した魔物に【魔銃・劣】で射撃してもポイントが入るし、【魔銃・劣】で1回当て損ねた魔物でもポイントが入るので、早い者勝ち説が高くなったな。


無駄弾を一切使わずにポイント取れるのは良いが、魔物からの反撃が一気に押し寄せてくる。当然、標的外の魔物もいる為、かなりの数だ。まぁ、合体したビークィーンの攻撃よりは、遥かに緩いので避けるのは簡単なんだがな。


標的は、ゴーグルで見えているのだが、回避を繰り返しているし、相手も動く為に射撃済みの標的なのかが分からない。ここは《探索》スキル持ちの2匹に頼んだ方が良いだろうな。


〔『白、黒、まだ撃ってない標的がいたら教えてくれ』〕


『〈ルナ〉』

近くに寄って来た魔物は剣銃モードに変更して切り刻んでいく。マガジンを入れ換える時間が惜しいのと《短剣技》のLv上げを兼ねてだ。


このイベントでは、仕方ないが【ソル・ルナ】もう1本欲しいよな。明日までにもう1本作った方が良いかも知れないな。アクアとの練習の時も思っていたが、実践で使ってみて2本の方がバランスが良さそうだからだ。あの時は、完全にレーザー事件で忘れていたからな。


〔『………この辺りには、もういない』〕

それなら、ここにはもう用が無いよな。手っ取り早く近くの魔物だけを狩りきり、一気に他の場所に移動していく。


まぁ、他の場所って言っても砂漠なので、見た目は何も変わらないんだけどな。所々で爆発や魔法の発動を確認出来る。あの辺りには、もう標的はいないんだろうな。目指すは誰も荒らして無い場所だ。


〔『主よ、あそこじゃ。固まって10匹以上いるのじゃ。他の魔物も多いがのう』〕


白が見付けた場所に移動して射撃を繰り返しているのだが、いくら、当てても何故かポイントが加算されない。


〔『…………既に取られてる』〕

マジか!?えっ、まだ開始からそんなに時間経ってないよな。かなり機動力と行動力の高いプレイヤーがいるようだな。


魔物自体がノーダメージだった為、全く気付かなかったと言うか疑わなかったな。それに、ポイントにならない標的は出来るだけ倒しておいて欲しかったよな。でも、これで、確定で早い者勝ち説が証明されたな。


結果、10匹以上標的を狙い撃ったのだが1ポイントにしか成らなかった。この場合は、1ポイント残っていた事を喜んで良いのか?悪いのか?微妙なところだよな。まぁ、経験が美味しかったと思おうかな。特に《操銃》と《短剣技》のスキルLvの上昇がな。




newアーツ

〈リング・アウト〉攻撃力×2/消費MP 35×弾数

習得条件/《操銃》スキルLv5


〈リング・イン〉攻撃力×2/消費MP 50×弾数

習得条件/《操銃》スキルLv5


〈スラッシュ・短剣〉攻撃力×3/消費MP 40

習得条件/《短剣技》スキルLv15




《短剣技》の〈スラッシュ〉は《長剣》スキルにも有り、アクアが使っているのも見た事が有るので想像が出来る。多分だが、残撃による10m程度の遠距離攻撃だよな。銃がメイン武器の僕にはあまり関係無さそうなアーツだな。


《操銃》の方は分からないが、アウトとインが有って〈リング〉って名前が付くくらいだからな、格闘技の舞台系の何かなんだろうか?それとも、輪の中、輪の外等の範囲系になのかな。消費MPに関しても分からない事だらけだが…………まぁ、試してみれば分かるかな。


若干、目的がテスト寄りに変わって来ているが、10発以上の無駄撃ちが有るからな。はっきり言って上位は無理だろうな。



〔『主よ、あの魔物達で試してみてはどうかの?』〕

おあつらえ向きと言った感じだか。標的にならない魔物が一塊の集団として見付かる。先ずは………


『〈リング・アウト〉……………えっ、あ、当たらない』

〈リング〉って舞台では無くて輪の方だったんだな………まぁ、範囲系ってのは合ってたみたいだけど。


〈リング・アウト〉は、アーツを放った時点で銃自体が僕の手から放たれ、僕を中心に空中をランダム軌道で回りだす。アーツを発動すると同時に僕の手の中には光の粒子で出来た銃が有り、トリガーを引く度にMPを35消費して空中に浮かんでいる銃から外に向けて銃弾が射撃されていく。どうやらアーツを解除するか、MPが尽きるまでは、アーツの効果が継続するらしい。


一応、全方向攻撃って事になるのかな?1つのアーツで全方向に攻撃出来るのは喜ばしいが、MPの消費が激しいのに加え、標的が狙い難く全く当たらない。


これは、タイミング系のリズムゲームに近いのかな?〈必射〉と同時に使った方が良さそうだな。1対多とか、大量の魔物に囲まれた場合に威力を発揮しそうかな。どちらにしろ、パーティー戦では仲間を巻き込みそうで使いどころが難しいな。


それと、このアーツは明らかに弾数制限の有る銃ではなくて、魔力で放つ魔銃、もしくは………向きのアーツだよな。


続いて〈リング・イン〉も試してみたが、これは〈リング・アウト〉とは全く逆で標的を中心に内向きに回転しながらの射撃になる。〈リング・アウト〉以上に消費が激しいが、使い易さは比べるまでもないよな。標的を中心に回転しながら狙っていくので殆ど標的を外す事が無い。更に、死角を突いた射撃や近付いてきた魔物へ〈零距離射撃〉のオート発動も可能になっている。


知らない人から見たらイジメだよな。殲滅するか銃弾が無くなるまで簡単には範囲外に逃げ出せない、例えるなら銃弾の檻って感じの範囲殲滅系のアーツだな。


そのまま〈リング・イン〉からの射撃を続けて、一塊になっていた魔物を片付ける。外れた流れ弾も他の魔物に当たっているので無駄が一切無かった。


〔『これはボスMOB戦を優位に戦えそうだな』〕


〔『主よ、そのアーツや武器は使っても良かったのかの?』〕

僕が〈リング〉を含めた戦略を考えたり、余韻に浸っていると白が水を差してきた。


〔『明日、ぶっつけ本番になるよりは、テストしてた方が良いだろ?』〕

それに、武器は前にも使ってるしな。僕としては、何を今更って感じなんだが………


〔『いや、そうではないのじゃ』〕


〔『…………モニター』〕


〔『くっ!!』〕

そう言う事か、競技とnewアーツに夢中になっていて、完全に忘れていたな。僕が他の競技を見ていたように、この競技も見られている可能性は高いよな。あのアーツと可変武器は絶対目立ったよな。いくら早朝と言っても広場には、それなりの数のプレイヤーがいたよな………これは、かなり失敗したと思う。


〔『…………競技に集中』〕

確かに、今は射撃競技に集中した方が良いかもな。幸いな事に【ノワールローブ2】とイベント用のゴーグルのお陰で、顔はハッキリとは見えてないはずだからな。これなら、いくらでも言い訳が可能だろう。


【ルナ・ソル】にマガジンを詰め直しホルスターに戻す。更に、武器を【雷光風】に持ち変えて、また新たな標的を探し始める。【雷光風】はイベント用の武器では無いので命中判定は無いが、魔銃なので銃弾を気にせずにすむ、この広い砂漠を荒らしながら標的を探すのには向いている。


砂漠を荒らして出てきた標的を【魔銃・劣】に持ち変えて狙い撃つ。最近では、こんなに銃を持ち変えて続ける事が無かったので何か新鮮だな。


それに、射撃競技のエリアって他にも有るんだろうか?だんだんモグラ叩きっぽくなってきてないか、それともサソリ型のスコルピ以外にも標的が………


〔『主よ、空じゃ』〕

空………いたみたいだな。


アレも標的………ツバメっぽい形状で名前はスワロッフスキー。名前と可愛らしくキラキラした姿からは、全く想像出来ないが攻撃力が高く様だな。《見破》で確認出来ているが遠距離攻撃技が無いのが救いだな。まぁ、逆に僕の【魔銃・劣】でも狙えないくらい高い場所にいるんで標的とはなり得ないんだがな。


《狙撃士》とか長遠距離用の魔物になるんだろうな。それなら多分いると思われる近距離用の魔物を探した方が早いか?………近距離用がスコルピって事は無いよな。あれは《探索》が無いと見つからないから特殊枠になる筈だ。ある程度探して全く出会わないって事は別の地形?


〔『白、黒、ここが砂漠なら近くにオアシスとか無いか?』〕

砂漠なら有っても不思議ではないよな。


〔『…………探してみる』〕


〔『頼む』〕

時間も残り弾数も多くは残って無いからな。白と黒の《探索》の結果が出るまでは、【雷光風】でのサーチ&トライを繰り返すしかないかな。


『うぉ!!ビビった~』

あれだけ予想していたにも関わらず、擬態系の魔物サンドカメレオンを気付かずに踏みつけてしまった。


このタイプは、衝撃や攻撃を受けるとゴーグルに反応するようだな。近くにいたが全く気付かなかったからな。当然、白と黒の《探索》スキルにも反応していない。そうなると擬態って優秀過ぎるな。多分、感覚的には〈朧〉の様な知覚妨害系のアーツになるんだろうな。



〔『主よ………南じゃ』〕


〔『…………違う、北』〕

えっ!?珍しく2匹の意見が合わないぞ。


〔『一体どっちなんだ?』〕


〔『南じゃ』〕


〔『………北』〕

どちらも全く譲らないようだな。2匹が言い争うのは本当に珍しい事だが、少し困った事になったな。


〔『今度は、お互い逆方向だ。黒は南で、白は北を確認してみてくれ』〕

お互いに逆方向を確認させてみる。もしかしたらだが、両方が正解の可能性も有るからな。


〔『主よ、すまんのじゃ。北にもいるようじゃ』〕


〔『…………南にもいる、南の方が近い』〕


〔『OKだ。白も黒もサンキュ。じゃあ、南を目指すぞ』〕

〈速度上昇〉の《付与術》をかけて、一気に南のオアシスを目指す。まぁ、見付かった事よりも白と黒が争わなくて済んだ事が嬉しいよな。2匹は仲が良いのが1番だな。





『うぉ~!!これは最高だな』

これは、砂漠でオアシスが重宝される理由が分かるよな、遠くから見ても植物の緑で癒されるし、何よりも、近付くにつれてめちゃくちゃ涼しく感じている。


オアシスの水場に近付くと、かなり癒されてお世話になっていた植物が………いきなり襲って来た。ツタでの攻撃のリーチは5mってところだよな、5m以内に入らなければ全く問題無さそうだ。離れた場所からの射撃で仕止める。


しかも、射撃競技の標的にもなっていたので美味しくポイントを頂いた。これが近距離用の魔物かな?動くまではゴーグルに反応が無かったのでこれも擬態系の魔物でもあるみたいだな。もしかしたら、気が付いてないだけで擬態系の魔物は多くいるかも知れないよな。この状況で砂漠に擬態されたら気付くのは無理だし。


〔『主よ、すまんのじゃ』〕


〔『どうしたんだ?急に………』〕


〔『………水場全体がスライム』〕


『ちょっと待て、このデカイ水場がスライムだって言うの…………うぉっと』

水場の側に近付いた瞬間に、巨大スライムは擬態を解き襲いかかって来た。って言うか本当にスライムだったんだな………


『でかっ………ちょっと待て』

レイドボス級の大きさで、何よりも驚いたのが物理耐性を持っている事だ。反射的に放った魔銃の射撃すら一切通じていない。当然、実弾なんか効くはずも無い。《旋風魔法》無くしたの早まったかな………


〔『主よ、多分じゃが………これはトラップモンスターじゃ』〕


『くっ!!トラップモンスター?』

くそっ、会話に………集中出来ない。トラップモンスターって何?砂漠エリアでオアシスをトラップにするのは、いくらなんでも酷すぎるだろ。絶対他にも引っ掛かったプレイヤーいるぞ。むしろ引っ掛かからないプレイヤーはいないだろう。


僕は巨大スライム、危険な水場(デンジャーポット)の攻撃を回避するのでいっぱいいっぱいだ。


何故なら、デンジャーポットから吐き飛ばされる水滴は地面を一瞬で溶かしている。足等に喰らえば、いくら竜の力が有っても致命的になりえるだろう。それに、これ以上悪目立ちするのも避けておいた方が良いしな。


〔『…………主、逃げる』〕

攻撃する手段が無いしから、逃げる方が良さそうだな。折角、水が飲めると思ってたんだがな…………水が無いなら仕方ないよな。


デンジャーポット本体の速度は《付与術》無しの僕よりもかなり遅いからな。回避しながら射撃して少しずつ距離を取る、射撃ではダメージが出ないが牽制と相殺の効果で十分だった。




〔『主よ、どうやら逃げ切れたようじゃ』〕

確かに、これだけ離れたら大丈夫だろうな。既にオアシスの場所から200m位は離れている。


それに、デンジャーポットはオアシス専用のトラップモンスターだったみたいで、オアシスエリアを出れないようだ。まぁ、あんなに大きいスライムがオアシスエリアを出たら目立ち過ぎてトラップにはならないんだけどな。エリアから出てきてずっと追っかけられるのも遠慮したいけどな。


〔『……………時間が無い』〕

黒の言葉で残り時間が15分を切っている事に気付いた。もう北のオアシスに行く時間は無いな。それに、またデンジャーポットに出くわしたら立ち直れそうにないしな。称号(トラウマ)的にもな…………


まだ、弾数も21発も残っている。思っていたよりもオアシスでポイント稼げなかったのが響いてるよな。


〔『白、黒、近場で魔物のいないか?』〕


〔『…………西北西』〕

そこに賭けて、残りの弾数使い切った方が良さそうだな。まだ無傷の標的が残ってたら良いんだけど…………





〔皆様、お疲れ様でした。只今をもちまして射撃競技を終了致します。ご生存の皆様は最終結果の下位のプレイヤーから順に【シュバラツランド】に転送して行きますので暫くお待ち下さい。今回はご参加くださり有り難うございました。今後ともOOOをよろしくお願い致します〕


最後の場所でも、あまりポイントを稼げなかったしな………結果は67/100。すぐに伝送されないところをみても下位って事は無いと思うが、上位は無いだろうな。


〔『主よ、お疲れさんなのじゃ』〕


〔『おう、白と黒もお疲れ様。明日も頼むな』〕



黒達と射撃競技の反省やアーツの対策を話していると僕の順番が来たようで僕らも転送されていく。


『おめでとうございます。シュン様は67ポイント獲得で第5位入賞になります』

転送された場所は神殿の中の一室か?目の前にいるのはNPC?それとも運営の人か?


『ありがとうございます。ちなみに何人参加してて、最高は何ポイントだったんですか?』

これを聞いておかないと5位が喜んで良いものか分からないからな。


『今回、射撃競技には弓を使うプレイヤーが76名様、銃を使うプレイヤーが12名様参加して頂きました。最高は100ポイントになっております。シュン様は銃を使うプレイヤーの中では2位になっております』

最高100ポイントって事はパーフェクトだよな。めちゃくちゃ凄いな。僕も精進しなければな。それにしても、思っていた以上に参加者が多かったんだな。これで5位なら、まずまずってところかな。


『そして、こちらの順位報酬と、所持している弓もしくは銃の中で好きな物を1つだけ魔化させる事が出来るアイテムが生存報酬になりますので、お受け取り下さい』


『ありがとうございます』

受け取った順位報酬は………



【氷牙希】攻撃力60〈特殊効果:氷属性/凍結〉



氷属性の短剣だな。少しレアな武器のようで、冷気のエフェクトと切った場所を凍結させる特殊効果を持っている。まぁ、限定武器やレア素材程では無いが良いものだよな。どことなく形状が【クリアナイフ】に似ているので銃剣の合成媒体にしても良いかも知れないな、これに合う銃は属性的にもデザイン的にも【霧氷】しかないだろうな。


それよりも生存報酬の魔化させる権利が出来るアイテム・魔化石の方が気になるよな。強力な銃が手に入るまで待つか………今から作る銃剣に使うかだよな。魔銃の銃剣ってのも魅力的だよな。まぁ、出来た銃剣を見て決めるかな。






先に寝て起きてから作るか、作ってから寝るか迷ったが、少し眠いのを耐えて、後者を選び工房で作業していた。1つは早く作ってみたかったのと、12時間耐える為に日中は多目に寝る事にしたからだ。まぁ、今回はベースになる武器と銃が出来ているので《機械製作》でギミックを作るだけってのも有るからなんだけどな。


タイミングが悪い事に、コールか…………一体誰だ?今何時だと思ってるんだよ………


『シュン、リツです。今良いですか?』


『いや、今イベント終えて疲れてるで短めで頼みたいんだが………』


『あっ、すいません。射撃競技ですよね。私も出てました。それで魔化石って手に入りました?』


『あぁ、生存報酬だよな。手に入ったぞ』

魔化石を知っているって事はリツも生存してたんだな。一体何位だったんだろう?


『私も手に入ったんですが、これに合う弓の製作を依頼したいんですけど………』

魔弓のベースを作れって事だよな。それは、面白そうだよな。でも………


『…………それ、明日でも良くないか?今日の夜もイベント有るから、すぐには無理だが依頼自体は請けるぞ。弓の要望はメールしておいてくれ』


『す、すいません。ありがとうございます。では、おやすみなさい』


リツの相手をしてたら眠くなってしまったな………ギミック部の部品も出来ているからので、あとは《合成》するだけだし、僕も寝ようかな。


おやすみなさい………






装備

武器

【雷光風・魔双銃】攻撃力80〈特殊効果:風雷属性〉

【ソル・ルナ】攻撃力100/攻撃力80〈特殊効果:可変/2弾同時発射/音声認識〉〈製作ボーナス:強度上昇・中〉

【白竜Lv39】攻撃力0/回復力169〈特殊効果:身体回復/光属性〉

【黒竜Lv38】攻撃力0/回復力168〈特殊効果:魔力回復/闇属性〉

防具

【ノワールシリーズ】防御力105/魔法防御力40

〈特殊効果+製作ボーナス:超耐火/耐水/回避上昇・大/速度上昇・極大/重量軽減・中/命中+10%/跳躍力+20%/着心地向上〉

アクセサリー

【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールホルスターズ】防御力20〈特殊効果:速度上昇・大〉〈製作ボーナス:武器修復・中〉

【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉



天狐族Lv44

《双銃士》Lv67

《魔銃》Lv66《操銃》Lv8《短剣技》Lv17《拳》Lv38《速度強化》Lv92《回避強化》Lv93《魔力回復補助》Lv92《付与術》Lv62《付与銃》Lv68《見破》Lv100※上限


サブ

《調合職人》Lv24《鍛冶職人》Lv40《上級革職人》Lv4《木工職人》Lv30《上級鞄職人》Lv5《細工職人》Lv32《錬金職人》Lv30《銃職人》Lv28《裁縫職人》Lv12《機械製作》Lv25《調理師》Lv3《造船》Lv15《家守護神》Lv27《合成》Lv28《楽器製作》Lv5


SP 70


称号

〈もたざる者〉〈トラウマプレゼンター〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈自然の摂理に逆らう者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉〈創造主〉〈やや飼い主〉

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ