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OOO ~Original Objective Online~ 称号に振りまわされる者  作者: 1048
第1部 第4章
36/65

第3回公式イベント 4

翌日はログイン後、すぐにイベント会場の広場を目指している。今日は、アキラとケイトが参加するスタンプラリーを応援する為の場所取りだ。


『マイナーな競技ばかりだと思って少し油断してたな』


『………浅はか』


『主よ、むしろ昨日までよりも遥かに多いのじゃ』

そうだよな。明らかにプレイヤーの数が多い。それに伴って露店を出しているプレイヤーも多く見受けられる。


イベントも中盤に差し掛かってるので、活気付いているんだろうな。残すは、今日も含めての3日間。今日の深夜………いや、明日の早朝には、僕も参加する射撃競技が控えている。応援後には仮眠しないと持たないだろうな。



『スタンプラリーって、こう言う事だったんだな』

広場に着いて、競技が映し出されるモニターを探していたのだが、なかなか見付ける事が出来ずにいたところ、ルールや参加者の一覧が貼り出している掲示板の方を先に見付けてしまった。


これじゃあ、いくら探してもモニターが見付からない訳だよな………




受理依頼競争(スタンプラリー)ルール


制限時間は3時間です

スタート地点でカードを引いて、書かれている内容のクエストを【シュバルツランド】内に存在するNPCを探して受理して下さい

クエスト達成後にはスタンプを捺してもらえますので、スタート前に支給するスタンプカードに捺して貰って下さい

※クエストはイベント用にオリジナルを用意しております

※イベント中は既存のクエストは発生しません

報酬はスタンプと同時に貰うお礼(特別報酬)とスタンプの数による順位報酬を用意しております




一応、体育祭と言う事で雰囲気的に借り物競争の感じを出そうとしているのかな?流石に、無理が有るような気もするが、内容的には面白そうだよな。


この競技は、(おつかい)クエストのキャリアが他のプレイヤーと段違いに違うケイトの1人勝ちの様な気がするな。


スタンプラリーの競技エリアは、【シュバルツランド】全体に及ぶ。今回のイベントで唯一他の(特別)エリアに移動しない競技らしい。街中なら何処でも観戦出来るので、観客がいつも以上に居るし、街中至るところで露店が出てたんだな。


でも、こうなってくると応援する場所が問題になるよな。皆揃って応援となると場所が限られてくるし、その場所をアキラとケイトが通るか分からない。


『白と黒は、どの辺で見たい?』


『う~む。ワシは全体を見渡せる高い場所が良いのじゃ』


『…………黒も』

高い場所ねぇ………そんな場所は【シュバルツランド】には城以外に無いんだが、あそこは簡単に入ってはダメだろうし、それとも浮遊装置を作れって事か?それは流石に却下だぞ。まだスキルのLv的にも作る事が出来ないし、今からLv上げてたら競技が終わりそうだからな。


『………待てよ。作る………そうか!!』

その手が有ったか………ある事を思い付いた僕は、急いで神殿に駆け込んだ。






『主よ、本当にこんな物を作って良かったのかの?虎猫の姉さんに怒られるのでは無いかのう?』


『アキラなら大丈夫だろ。絶対に分かってくれる。こんなにも素敵なんだからな。それに、ここからならの見晴らしなら全体が良く見れるだろ。なぁ、黒』


『…………見晴らし最高』

白は何か不満気な様だが、黒は気に入ってくれたらしい。


『それにしてもじゃ。普通では有りえ無いのじゃ』

そんなに不味い事だったのかな?ホームのエリアに新しく塔を増設しただけなんだがな。まぁ、それなりの高さを出す為に、結構お金は使ったんだけど…………


塔は、今までの様に増設では無く。新規で建てたので新しいゲートが塔の天辺に出来ている。塔内部の螺旋階段を歩かなくても良いので誰にでも優しい設計になっている。当然、そのゲートには音声認識装置も付与している。


『そんなにか?』

僕的には中世ヨーロッパ風で【シュバルツランド】の雰囲気に合っているから良いと思うんだがな。


『当たり前じゃ、神殿の大聖堂よりも高いのじゃぞ』

それは、分かって作ってるんだが…………作るんだったら長く使える良いものを作りたいだろ?


それに、塔の天辺には、それなりの広さが欲しかったからな…………このサイズは譲らないぞ。


『ほら、これ、鐘も付けて有るから他の用途(見張り用)にも使えるだろ。なぁ、だから許して』


『主よ、見た目が…………完全に見張り用では無いのじゃ………』

まぁ、確かに見張り用に使えると言っても、元々の作りが時計台型の塔だからからな。これで納得してくれと言うのも無理が有るか…………


ちなみに、この時計台型の塔は東西南北の4方に1つずつ大時計が付いていて、街の中からなら何時でも時間が確認出来る様になっている。まぁ、プレイヤーはステータス画面に時計の表示がされているので必要無いんだがな。僕的には、こう言う意味の無い事が意外に大事なんだと思う。余りにも街の雰囲気を阻害する建物を作っては世界観が台無しだからな。


ちなみに、作る時に意識したのはイギリスの国会議事堂(ビックベン)だ。


でも、ここからならティータイムをしながら応援できるよな。黒の好きな甘い茶菓子でも出せば納得してくれるかな?ここならアウトドア用のテーブルやイスも必要になるな。雨風等の悪天候にも強くして欲しいからトウリョウに依頼しとこうかな。


まぁ、今日のところは行儀は悪いんだが立ち飲みになる。トウリョウに依頼メールを送るのと同時にカゲロウ達にもメールしておくか。やっぱり、一緒に応援したいからな。


ついでに、音声認識装置の事も教えておこうかな。驚く顔が見えないのは残念だが、イベントが始まるまでに時間が無いから仕方ないかな。ちなみに、名前は僕が【時計塔・刻乃時(トキノトキ)】と名付けて伝えている。





『うぉ~~!!なんだ!?これ…………お~い、ギルマス、ここに居るのか?』

ゲートで転送して来たカゲロウは、空しか見えない状況に驚いている。まぁ、そこからでは全体を把握するのは無理だ。


『おう。カゲロウ1人か?こっち来いよ。ここからならケイトとアキラの姿が見れるぞ』

最低限、ここまでは来て貰わないとな。良さが伝わらないだろう。


『いや、ホームにヒナタとフレイがいるが………それよりもここは一体何処なんだ?』

カゲロウは初めて訪れる場所の為、1歩1歩確認しながら近寄って来る。


『ここか?一応ホームになるのかな?ほら』


『うぉっ!?………高いな…………ギルマス、また新しく作ったのか?ここ』

僕の側まで来て、周りを見渡して全てを悟ったんだろうな。白々しい目で僕を見てくる。どうやら、カゲロウも白派か………何だか、どんどん罪悪感が出てきたんだが…………




『『何、ここ!?』』

これは、デジャブなのか?ヒナタとフレイも転送し来た。また同じやり取りが有るのか…………自業自得とは言え、結果を受けて凹むのが分かっていると少し憂鬱になるんだよな。まぁ、そうも言ってられないんだけど。



『なるほど、ウチはOKやで。ここなら晴れた日にBBQとかしたら気持ち良いやろ』

一通りカゲロウと同じやり取りを繰り返した結果、フレイと言う良き理解者を得た。


『私は…………良いとか悪いとかでなくて、もう出来てるので仕方ないと思います。でも、ここは気持ち良いですね』

ヒナタは風に吹かれて、風を感じて感想を述べてくる。


良い感じだな。少しずつ理解者が増えてきたぞ。どうやら男よりも女の子の方が理解してくれるみたいだな。


『まぁ、立ち飲みになるが紅茶でもどうだ?そろそろ、スタート時間だからな。応援しよぜ』






『アレは何でしょうか?です』

ケイトが高い建物を指差している。


『あの辺りは、ギルドホームの有る方だよねだよね』

ギルドの周りには、あんなに高い建物は無かったと思うけど。


『はいです。少し前に急に出来ましたです』


『急に………あっ!!もしかして………』


『やっぱり。ケイト、シュンからメール着てるよ』


『マスターからですか?です。Oh!!なるほどなのです。とってもマスターらしいですねです』

メールを確認してケイトも理解出来たようね。確かに、ネーミングセンスとか時計塔とか、とってもシュンらしいかな。


それにしても、シュンもシュンだよ。応援の為だけに、わざわざ塔まで建てなくても良いのに。でも、そこまでして応援してくれるのは、ちょっと嬉しいかな。


『そろそろ、時間みたいだね。ケイト、またあとでね。お互い頑張ろうね』


『はいです。頑張りましょうです』





〔皆様、大変長らくお待たせ致しました。只今より、スタンプラリーを開始します。今回のイベントで唯一【シュバルツランド】の街中が競技エリアになります。申し訳御座いませんが、競技参加者の移動を優先させて頂ければ幸いです。それでは、参加者の皆様と応援の皆様、準備は宜しいですか?3・2・1・レディーゴー!!〕


さて、私も頑張りますか。皆も、あそこから見てると思うし、少しはギルマスらしく良いとこ見せたいな。



私のカードは………


八百屋・生野菜 NPCネーム/サラダ

綺麗な○○が見たい



綺麗な○○って何だろう?取り敢えず、サラダさんの所に行ってみようかな。この場所が分かっているのは、ちょっとラッキーだったかな。スゴロクの時もそうだったけど、やっぱり私ってツイてる?


ちなみに、八百屋・生野菜の場所が分かったのは【noir】の行き付けで、よく買い物をしているからだったりする。



『おぉ、その課題はワシだ。ワシは、この野菜達に負けないくらいに綺麗な物が見たくてな。おぉ、そうだ。綺麗だったら何だって良いぞ』

何でもって良いって言われても………ここの野菜は本当に新鮮で、しかも丁寧に育てられてるし艶が出て綺麗で美味しいので気に入ってるのに、これに負けないくらいって簡単に言われてもね。最初の課題としては、ちょっと無理難題感が強くないかな。


鞄や倉庫の在庫を確認しても、これは綺麗だと言い切れる物は無いし…………困ったな、どうしようかな?


『う~ん………サラダさん、綺麗な物って景色とかでも良いかな?サラダさんのお眼鏡に叶うか分かりませんけど、あそこからの景色なら見せれると思うんだけど………』


『あそこからの景色か………じゃあ、試しに見せて貰っても良いか?』


『私のギルド【noir】のホームになるから着いて来て』


『おいおい、今ワシは仕事中だぞ。お客様を置いて行く事は、出来る訳がねぇ。それはダメだ』

手と首を振って拒否を示してくる。それもそうだよね。八百屋の中には、まだ買い物中のお客さんもいるみたいだし………


『じゃあ、スクショ………スクリーンショットって言う写真みたいなものでも良いかな?』


『スクリーンショットと言う物が分からないが、判断は見てみてからだな』

実際に、スクショを見なければ評価が出来ないのも仕方ないかな。それに、あそこからの風景は私も見て無いし………そう思いながらシュンにコールをかける。


『シュン、今は時計塔に居るんだよね?スクショ撮って送れる?』


『今?………もしかして課題?分かった、少し待ってて』


少し待つと十数枚のスクショが送られてきた。こんなにも要らないんだけど………これ凄く綺麗、こんなに遠くまで見れるんだ。良いなぁ~!!皆この景色が見れてるのか、イベント終わったら絶対に私も見よ。


『サラダさん、これなんですけど。どうですか?』


『どれどれ…………おぉ、これは美しいな。おぉ、これも、これもだな………』


『気に入ってくれました?良かった』


『おぉ、姉ちゃんスタンプカード出しな。それとそこから新しいカードを引きな』

なるほどね。ここでまた課題の抽選するんだ。かなりスゴロク(前のイベント)に似てるかも。違うのはNPCと関わらなくてはならない事かな。



『おぉし。スタンプ捺しといたからな。姉ちゃん次も頑張れよ。それとこれはお礼だ、持ってきな』

沢山の新鮮な野菜と共にスタンプを捺し終わったスタンプカードを渡される。


『ありがとう。美味しそうですね。次も頑張り…………サラダさん、このスタンプの数多くない?』


『おぉ、それな、姉ちゃんが持ってきたスクリーンショット?って言ったか、アレは10枚以上有ったんだ。その中からワシが綺麗だと思ったのが、これと、これとこれ、あとこれもだ。合計4枚って事はよ。スタンプも4つ捺すのが粋ってもんよ』


『そっか、ありがとう。またお野菜買いに来るね』

サラダさん変なところで江戸っ子気質なんだね…………


それにしても、スタンプは1課題で1個じゃ無いんだ………課題によっては複数貰えるチャンスが有るのか。これも最初の課題で知れたのは大きいかも。


『次は………』



金貸し・生き地獄(死んだ方がマシ) NPCネーム/ヨミ

貸した金の回収



『…………………』

なんか凄く嫌なの引いたんだけど………生き地獄ってお店の名前かな?なんか怖いんだけど。


それよりも、お店の場所が分からないな。今までは、シュンのお陰でお金を借りる事なんか無かったからね。一体どの辺りに有るんだろう。


メインストリートで見掛けた事は無いから………路地裏とかかな?利便性から考えてもメインストリートと離れ過ぎて無いと思うんだけど。





私が、ようやく路地裏で生き地獄を見付けた時には。捜索開始より30分と過ぎていた。少しロスしたかな。最初のアドバンテージが無くなっちゃったな。


『いらっしゃい、幾ら貸して欲しいんだい?』


『あの~、すいません。お金を借りに来たのでは無くて、スタンプラリーで………』


『ちっ!!そっちか、良く来たな。依頼は、このリストに有る客からの金の回収だ。誰でも良いから回収して来い』

なんか舌打ちされたんですけど、私だってこんな所来たくて来た訳では無いのに、さっさとクリアして次行こ。


『分かりました。行ってきます』


『おい、言って置くが、くれぐれもピンハネするじゃないぞ』

しません。絶対にしません。それに、お金には困ってません。なんか段々腹が立って来たんだけど。


10日で10%?って言うか、この利子。ちょっと法外過ぎるじゃないかな?しかも、プレイヤーだけでなくてNPCも借りてるし………現実の闇金に近いこの設定はどうかと思うよ。


『あっ!!』

リストに良く見知った名前を発見した。この人物からなら、すぐにでも回収出来そう。今もログインもしてるみたいだし、やっぱり少しラッキーなのかな?


でも、何で借金なんかしてるだろう。お金はいっぱい持ってるとはずなんだけど………




『アクア、今どこいるの?』


『今は、ホームだ。どうかしたか?って言うかアキラが連絡くれるの久しぶりだな』

そう言われてみれば、そうかも知れない。【noir】を作ってからはアクアを呼ぶのは幼馴染みのシュンの役割だったからね。


『そうだね。じゃあ、ホームの前で待っててくれる?今から大事な話をしに行くから』


『だ、大事な話?分かった』

借金の話は、隠し簡潔に話を纏めてコールを終える。簡単に集金できそうな相手を逃がす訳にはいかないからね。


確か【双魔燈】の場所は…………トウリョウの【カーペントリ】が以前に有った場所だよね。ここからなら、そんなに掛からないから良かったかな。



『アクア、お待たせ。待たせたかな?』


『いや、俺も今来た所だ』

何で?ここホームの前だよね、ずっと待ってたの遠くから見えてたからバレバレなんですけど。もしかして、何か勘違いさせちゃったかな………


『えっと、時間が無いから本題に入るけど。アクア、生き地獄に多額の借金してるよね。それを回収に来ました。これってスタンプラリーの課題なんだよね』


『えっ!!大事な話ってそれだけ?告白的な………何かではないのか?』


『告白って私が、アクアに?無い、無い、それは絶対に無いよ』


『そうか…………』

妙に残念そうなアクアを見ていると悪い事をした感じがするよ。


『そうそう。でも、何でこんなに借金なんかしたの?お金いっぱい持って無かった?シュンが払った報酬を短期間に使いきるのは難しいと思うんだけど………』


『いや、まぁ、その、なんだ。ホームの改築や装備の新調、整備に金が掛かってな。ちょっとのつもりだったんだが…………いつの間にかな』

ちょっとのつもりで5,000,000フォルムは越えないと思う。借金の回収って思ってた通り良いものじゃ無いかな。2度としたくないな。


『それで、借金の件はドーム達は知ってるの?それに返せる宛は有るの?』


『ドーム達には内緒だ。今回のイベントの報酬で返すつもりなんだが………』

ダメダメだね。やっぱり、あの時に離れて正解だったかな。


『それなら、取り敢えず、借金の方は【noir】で肩代わりしてあげるからイベント後に分割払いで良いから返して、利子は取らないから増えないし、それで良いでしょ』


『良いのか?俺は凄く助かるが………本当に良いのか?』


『そうしないと私の課題がクリア出来ないし、パーティー組んでた事も有ったから、それで良いよ。ただし、お金は必ず返して貰うからね。それと2度と借金しない事。次、借金したらドーム達にも話すからね』

イベント報酬を【by buy】で買い取り、足らずを不定期に分割払いで返金する事で契約を纏める。あとでシュンには話しておこうかな。




『ヨミさん、借人アクアの分の集金終わりました。お納め下さい』

私の口座から直接ヨミさんに返金する。


『ご苦労、確かに頂戴した。スタンプカードだしな。それともさ、他の所にも回収に行くか?』

絶対に嫌です。あんな心が荒む行為はもうやりたくない。即座にスタンプカードを差し出して、次のカードを引く。


『姉ちゃんは回収向いていると思ったんだが、無理にとは言わないがな。お礼は………そうだな、借金の肩に回収したこのアイテムでどうだ?俺には使いようが無いからな。持っていけ』

手渡されたアイテムは………何かの素材かな?私のスキルでは、ちょっと分からないな。


『ありがとう。頂きます』


さぁ、次…………どんどん行くよ。






『そろそろ競技時間も終わりだよな。アキラは色々行ったり来たりしてたみたいだが。カゲロウ、ケイトはどうなった?』


『ケイトは、最初の課題から変化ないみたいだな。最初から、ずっとあそこでの作業を続けてるぞ』

最初から変わらずか………課題とケイトの性格の相性が悪かったのかもな。良くてスタンプ1個ってところだろうな。


アキラの方は、何個も課題をこなしてスタンプを獲得していたので上位入賞も有ると思うな。相変わらずの鬼引きみたいだな。



〔皆様、お疲れ様でした。只今をもちまして、スタンプラリーの競技を終了致しました。途中の課題に就きましては、それまでの評価によってスタンプを捺させて頂きます。参加者の皆様は広場にスタンプカードを提出して下さい。1時間後に締め切り、結果を発表させて頂きます〕


【シュバルツランド】全域にアナウンスが響き渡る。



『これでギルマス以外のイベントは終わったし、打ち上げだな』


『ちょっと待て、僕は。まだ2種目も残ってるんだぞ。ちょっと早くないか………って言いたいところだが、タイミング的に打ち上げをする事には賛成だ』

僕の競技は早朝だったり、12時間耐久だったりするからな。僕自信が疲れていて打ち上げって雰囲気にはならないだろう。それに今なら全員参加出来るからな。


『え~~ダメですよ。ちゃんとシュンさんの競技も終わってからでないと』


『普段なら、そうしたいところだが、今回はタイミングが悪いからな。まぁ、仮打ち上げって感じで良いんじゃないか?』


『それなら………分かりました。ただし、シュンさんの打ち上げも絶対にもしますよ』

打ち上げまで僕の体力がもてば良いけどな。


………って言うか、ヒナタはハーフマラソンのルール知ってるのかな?あの表情は知らなそうだよな。カゲロウは知っているみたいだな。ヒナタの事を若干引き気味で見てるよな。まぁ、あのルールだからな、仕方ないかな。




『『ただいま』です』

競技を終えた2人が、僕らの待つ刻乃時の天辺まで上がって来た。


打ち上げ用にグレープフルーツを搾った生搾りジュースが用意されている。まだ建物自体が出来たばかり、いや、造ったばかりなので会場としての機能は無い、当然テーブルもイスも無い。


打ち上げとして出来る事も限られていたのだが、その中でも出来る限りは打ち上げの雰囲気を出したかった。結果は、どうあれ各々が頑張ってたからな。僕も皆に負けないように頑張りたいな。


『お疲れ様。これ搾りたてだから飲んで、美味しいと思うぞ』


『『ありがとう』です』

2人共に、よっぽど喉が渇いていたのか一気に飲み干す。空いたグラスには、カゲロウがお代わりを注いでいる。


『上から見てたぞ、アキラは色々と忙しそうだったな。ケイトは、その、どうしたんだ?』

上から見ていも、場所が離れていた事もあってケイトの行動だけは謎だった。


『私は、最初の課題の終わりが分からなかったです。でも一生懸命頑張りましたです』

ケイトが言うには、最初の課題がNPCの家の庭掃除だったらしく、何処までやれば終わりになるか分からないくらいの広い庭で、家主がご老人だった為に普段なかなか掃除が出来ておらず色々と汚れていたり、雑草が多かったらしい。まぁ、掃除のしがいは有ったようで《家守護神》のスキルLvは鰻登りだったようだが。


ちなみに、お礼は季節外れのスイカを丸ごと1つだったようだ。あとでフルーツポンチでも作ろうかな。


『まぁ、アキラもケイトも頑張って楽しめたんなら良かったんやないか』



〔皆様、お疲れ様でした。只今をもちまして、スタンプカードの提出を締め切りました。結果は、広場の掲示板に貼り出しておりますので御確認下さい。なお、上位入賞者にはメールで結果と報酬を贈らせて頂きますので御確認下さい〕




『わっ!!私メール着たよ………やった!!スタンプ7個で2位になってる』


『私もメール着ましたです………What's?何故か、スタンプ10個で1位になってますです………』


『『『『えっ!!』』』』

ケイトの入賞にアキラを除く皆が一斉に驚いた。


課題1つでスタンプ10個って、ちょっと破格過ぎないか?それとも10個捺して貰えるくらい、色々やったのか?多分、後者なんだろうな。


アキラも最初の課題で4個貰ったって言ってたし、それくらいの価値が有る掃除をしたんだろうな。


『二人共におめでとう。1、2、フィニッシュって凄いな』

僕の一言で2人を包み込む拍手が一斉に巻き起こる。


『それで、報酬は何やったんや?』

フレイは結果よりも報酬が気になるようだな。まぁ、僕も気になるので人の事は言えないがな。


『私は【ジョブの書・忍】………もしかして、これって忍者?私の場合は、くの一になれるのかな?』


『きっとそやろな。超レアアイテムやで』


今までも【アーツの書】や【スキルの書】と言ったレアアイテムが有ったが、今回初めて【ジョブの書】と言うアイテムが出てきたので、興味が尽きないのは仕方ないよな。


それにしても、レアジョブに変更するためには必要になるのか?銃士系にもレアジョブが有るんだったら是非とも探してみたいものだ。まぁ、変更するかは別の話だがな。


『私は、特殊素材みたいですねです。用途不明の煌馬石って素材が1つです』

特殊素材と聞いてフレイの目が輝いている。まぁ、1位の報酬なので最低でも【ジョブの書・忍】よりも価値が有るのは確定だろうしな…………


『あっ!!素材って言えば、私もお礼で貰ったのが有ったんだ。私には名前も分からない物で………これなんだけど分かる?』

アキラが素材を取り出した瞬間に、フレイの目の輝きが更に増していく。


『マジかい!?アキラ、それちょっと見せたって。これは凄いで』

僕にも分からないがフレイには分かるようだし、あのテンションの上がり具合からみても《鍛冶》の上位素材なんだろうな………


『ふっふっふ、これはな………普段ゲームやらへんシュンでも聞いた事は有るんちゃうか?これは、オリハルコンや。今のところウチでも加工は全く出来へんみたいやけど、超レア素材には違いないわ』

僕ですら聞いた事の有る伝説上の金属だからな。その価値は計り知れないんだろうな。って言うか《上級鍛冶職人》でも加工出来ないって事は、ただのLv不足か?それとも…………上級よりも上が有るって事なのかな。


竜の素材やオリハルコン、新しい素材を得た事でフレイがイキイキしている。まるで水を得た魚状態だよな。まぁ、僕もその気持ちは分かるんだがな。



次は、いよいよ僕の番だよな。皆みたいに楽しみたいな。あわよくば僕にも………新素材を。







装備

武器

【雷光風・魔双銃】攻撃力80〈特殊効果:風雷属性〉

【ソル・ルナ】攻撃力100/攻撃力80〈特殊効果:可変/2弾同時発射/音声認識〉〈製作ボーナス:強度上昇・中〉

【白竜Lv35】攻撃力0/回復力165〈特殊効果:身体回復/光属性〉

【黒竜Lv34】攻撃力0/回復力164〈特殊効果:魔力回復/闇属性〉

防具

【ノワールシリーズ】防御力105/魔法防御力40

〈特殊効果+製作ボーナス:超耐火/耐水/回避上昇・大/速度上昇・極大/重量軽減・中/命中+10%/跳躍力+20%/着心地向上〉

アクセサリー

【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールホルスターズ】防御力20〈特殊効果:速度上昇・大〉〈製作ボーナス:武器修復・中〉

【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉



天狐族Lv41

《双銃士》Lv65

《魔銃》Lv64《操銃》Lv1《短剣技》Lv11《拳》Lv37《速度強化》Lv90《回避強化》Lv91《魔力回復補助》Lv90《付与術》Lv59《付与銃》Lv66《見破》Lv98


サブ

《調合職人》Lv24《鍛冶職人》Lv40《上級革職人》Lv4《木工職人》Lv30《上級鞄職人》Lv5《細工職人》Lv32《錬金職人》Lv30《銃職人》Lv28《裁縫職人》Lv12《機械製作》Lv23《調理師》Lv3《造船》Lv15《家守護神》Lv25《合成》Lv28《楽器製作》Lv5


SP 68


称号

〈もたざる者〉〈トラウマプレゼンター〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈自然の摂理に逆らう者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉〈創造主〉〈やや飼い主〉

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