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OOO ~Original Objective Online~ 称号に振りまわされる者  作者: 1048
第1部 第2章
19/65

第2回公式イベント 4

イベント5日目 ~アキラ編~



昨日は、少し食べ過ぎたかな………少し胃がもたれている気がするし、体も重く感じるな。OOOにログインしたら少しはマシかもな。それなら、さっさとログインするかな。



ログインしてみると、食べ過ぎた感じは全く無かった。OOO最高だな。OOOありがとう。


本当に快適だよな。まだ待ち合わせ迄に時間あるし、装備のメンテでもするかな。


『マスター、今日は早いですねです』


『ケイトも早いな、昨日はどうだったんだ?』


『Oh!!アレは日本の墓地エリアでしたです。アレは、とっても怖かったです』

思い出しただけでブルブルと震えている。分かる、僕は分かるぞ、その気持ち。アレは2度と勘弁願いたい。


『そうだよな。僕も苦手だ。今日はどうするんだ?』


『今日が、最終日ですからね。午後から参加しますよです。今は生産活動してますです』


『僕も、朝はメンテと銃弾の補充かな』

あと、時間があえばトウリョウさんに相談しても良いかもな。取り敢えずメールだけはしておくかな。





装備のメンテと銃弾の補充も終わり、広場でアキラを待っている。前回の事が有ったので銃弾を多目に持ち込めるように【マガジンホルスター】も改良している。序盤は【魔銃】を多様する予定だし。これだけ有れば弾切れは避けれるだろうな。


アキラとはホームで待ち合わせしようとしたが、広場が良いらしい。まぁ、僕は何処でも良いんだけどな。



『お待たせシュン』


『お………う。あのさ、一昨日のケイトもだったんだが、そんな軽装で良いのか?まぁ、そのなんだ、とっても似合ってるし、可愛いんだけど、大丈夫なのか?』

ケイトの時と同じで、完全に洋服である。違うのは、ホットパンツ?だったかな………足がモロに出ている。流石に、目のやり場に困るのだがな。


『ありがとう。でも、動きやすくて良いんだよ』

一昨日ケイトも同じ事を言ってたよ。まぁ、楽しそうだから良いけども……


『まぁ、最終日だしな、楽しむか』

2人で転送ゲートから転送して行く。今日も幽霊以外でお願いします。





転送された先は………


『ここは、廃墟エリアか?』

コンクリートの建物の中のようだが………ところどころ壊れているようだ。だが、幽霊が出そうな気配はないな………マジで良かった。


『シュン、今回の指令書はタブレットみたいだよ』

アキラがタブレットを見つけて近付いてくる。



指令

不死人の蔓延る廃墟から脱出しろ



『不死人って………ゾンビかな?』

アキラの顔が、若干青ざめてひきつっている、苦手なようだな。


『考えられるのは、ゾンビかキョンシー………アンデット系、そんなところだろうな。それよりも、不死って書いてあるけど倒せるのか?』

ここの運営さんの意地の悪さは侮れない。もし倒せなかったら、逃げる、隠れるがメインってかなり辛い気がするな。


指令にも脱出って書いて有るからな。もしかすると、もしかするかもな。


『取り敢えず、念の為にパーティーチャットで会話した方が良いかもな。アキラは《探索》スキルをフル活用して欲しい、先頭は僕がいくよ』

不死人が音を聞き取れるかどうかは分からないが、念には念を入れて注意をはらう方が良いだろうな。ゾンビなら、大概は火に弱いかなと言う事も有り、右手に【烈火】を装備する。左手には【魔銃】だ。


『あと、ここは4階で最上階のようだな………』


『うん。この廃墟って学校みたいだよね………今、いる階しか詳しい事は分からないみたいだね』

ご丁寧な事にタブレットには地図機能が付いていた。この赤く点滅してる2つの点が僕と晶だろうな。下の階に行かないと詳細は分かりそうもないな。分かっているのは………


『脱出するなら1階の昇降口に行くか、この2階の渡り廊下から体育館に行くかだな……』

この部屋にある窓で、確かめたが開かないし壊せなかった………正規の出口から脱出するしか無いだろうな。アキラは黙って僕の作戦を聞いて頷いている。


『そろそろ、落ち着いた?大丈夫。アキラは僕が護るから安心して。それに、この前もケイトと一緒に失敗してるから、嫌だったらリタイアでも大丈夫だよ』


『大丈夫。頑張るよ、まだゾンビに決まってないしね』

そう言いつつもアキラは、十中八九ゾンビを確信しているようだな。それは僕もなんだけどな。


〔『それなら、そろそろ行こうか。アキラ、近くに魔物はいるか?』〕

パーティーチャットに切り換え、アキラと僕に〈速度増大〉〈回避増大〉をかける。


〔『この階は、そんなに広くないし、大丈夫そうかな』〕


〔『了解。まずは、階段を目指す』〕

部屋を出ると確かに、MOBの姿は見えない。アキラの《探索》にも、まだ感知出来ないようだな。一気に階段まで進んでいく。


〔『シュン、ストップ。階段下に1体いるよ』〕

階段の影に隠れながら確認してみる。確かに1体いるな………アレはキョンシーかな?昔の中国映画に出てきそうな感じだな………でも、流石に学校には不似合いだろ。まぁ、《探索》系のスキルが機能する事が判って良かったけど。


〔『キョンシーがいる近くに、他のMOBはいるか?』〕


〔『大丈夫。いないみたい』〕


〔『了解。少し《見破》と〈ウインドミスト〉が効果が有るのかと、本当に倒せるのかどうかを確認してくる。アキラは《探索》スキルで周囲を警戒して変化があったら連絡をして欲しい』〕


〔『分かった。気を付けてね』〕

僕は。こっそりキョンシーに忍び寄り〈ウインドミスト〉〈零距離射撃〉を繰り出す。


ダメージが有りキョンシーのHPが減ったのと〈ウインドミスト〉が効くのも《見破》で確認出来た。もう、このキョンシーに用は無いな。相手の間合いに気を付けながら連射でトドメを刺す。


〔『アキラ、全てOK(オールクリア)だ。階段の下まで来てくれ』〕

周囲を警戒しながらアキラを待つ。降りてきたアキラと近くの3ーEの教室に入り再び地図を確認する。今使った階段が1階まで続いて無かったからだ。


〔『次は、教室を出て左だがMOBは?』〕


〔『地図の階段付近に3体かな。それと、ちょっと離れた場所にもう1体。階段の下は、ここからでは分からないかな』〕

十分な情報量です。作戦は………


〔『まず、このキョンシーは視覚でしか僕らを認識出来ないので〈ウインドミスト〉を使って視覚を奪い、3体の内1体を僕が奇襲で倒すから、残りの2体を2人で倒す。そのあとで、僕が離れた場所の1体を倒しに行くから、アキラは下の階を《探索》で確認して欲しい』〕


〔『うん。了解』〕


〔『じゃあ、行くよ』〕

教室を飛び出して〈ウインドミスト〉の詠唱、〈必跳弾〉の射撃で攻撃していく。近付いた瞬間に〈零距離射撃〉を放ち一瞬で1体のキョンシーを葬る。更に、近付いてくるキョンシーにアキラが扇の火属性アーツ〈緋火扇〉での援護が入り、僕も連射で止めを刺していく。


〔『アキラ、頼んだ』〕

アキラに確認を任せて、僕は離れた場所にいた1体を狩りに行く。奇襲をかけて倒し、階段付近に戻ると既に《探索》は終わっているようだった。


〔『下には気配無いよ』〕


〔『じゃあ、先に降りて確認して近くの教室確保する。呼んだら来てね』〕

また警戒しながら階段を降りる。近くに2ーAの教室が有るので、まずは確保だな。


〔『ちっ!!アキラ、降りた先の教室にゾンビが1体いる。今から倒す、少し待っててくれ』〕

パーティーチャットしながら既に射撃している。視覚感知しか出来ないのも《見破》で判っている。ダメージも出る。それなら、問題無さそうだな。また〈ウインドミスト〉から〈零距離射撃〉で倒す。視覚感知しか出来ないMOBには鉄板過ぎるな。PVPでも使えそうだな。


〔『アキラ、OKだ。2ーAに来てくれ』〕

教室の入口でアキラが来るのを警戒しながら待つ。




〔『お待たせ。次はどうするの?近くにMOBはいないみたいだよ』〕

問題は、ここからだろうな……


〔『遠回りして階段目指すか、渡り廊下から体育館に行くか………どっちが良いいと思う?』〕


〔『そうだね………何となくだけど体育館は避けたいよね。あまり良い予感はしないからね』〕

確かに広い場所に大量のMOBがいるのは、定番だよな。十分に有り得る話だな。


〔『じゃあ、取り敢えず、遠回りして階段目指してみるか。まずは階段手前の調理室に行くか』〕


〔『途中まではMOBはいないみたい。階段付近と調理室は、ここからでは分からないな………』〕


〔『了解。僕が先頭で進むから後から《探索》ヨロシク』〕

警戒しながら教室を出て、調理室方向に進む。アキラの《探索》のお陰で徘徊しているゾンビに遭遇しないルートを選択して調理室までたどり着いた。


〔『アキラ、大丈夫か?疲れてないか?』〕

階段の途中と階段の下にMOBがいるみたいなので、今は調理室で休憩しながらMPを回復している。作戦としては2人で一気に突発する事を選んだ。アキラは大丈夫と言っているが、かなり疲れているように思えるからな。出来る事なら紅茶とか差し入れしたい。こう言う時にアイテムの持ち込みが出来ないのが悔やまれるな。


〔『シュン、そろそろ行こうか。本当に悪いんだけど先頭はお願いして良い?』〕


〔『当たり前だ。アキラを護ると約束したからには、それくらいはさせてもらうぞ』〕

当然の事だな。調理室をあとにして階段途中のゾンビに〈ウインドミスト〉を掛けて、アキラと僕のアーツで瞬殺する。そして素早く1階を目指す。


〔『げっ!!アキラ、ストップだ。下にMOBがいる……今度はミイラ2体だ』〕

何種類の不死人を用意してるのだろう………マジで面倒くさい。って言うかミイラって死んでるんじゃないのか?


〔『昇降口までに3体かな、一気に出口まで駆け抜けた方が良いかもね』〕


〔『了解。じゃあ、アキラが先に出口に行け。後ろは僕に任せろ。〈必跳弾〉で牽制しながら追いかける、行くぞ。………3・2・1・Go』〕

当然〈速度増大〉を掛けて有るのだが、アキラは流石《盗賊》と言うのを見せ付けて一瞬でミイラの横を駆け抜けた。僕もあとから〈必跳弾〉を撃ちながら追走する。


〔『シュン、ダメ。ここ鍵がかかってるみたい』〕


〔『マジか!?』〕

ここまで来たのに………ウソだろ。


〔『クッ、仕方ない、こっちの2体は仕止める。それまでそっちの1体は時間を稼いでくれ』〕

両手の銃で交互に射撃を繰り返していく。間合いを取り正確に急所を狙い撃つ。ミイラからも包帯?らしき物を伸ばした攻撃をしてくるが攻撃速度が遅いので当たる気がしないな。それに【烈火】の射撃で燃えている。全く問題の無いMOBだな。


〔『アキラ、今から行く』〕


〔『大丈夫、こっちも終わったよ。保健室で合流しよ』〕

僕のいる場所の近くに保健室が有る。中を確認するがMOBはいないようだな。入口付近で警戒しながらアキラを受け入れる。


〔『お疲れ様。それと、読みが甘かった。ゴメンな』〕


〔『アレは仕方ないよ。鍵がかかってるのは分からないからね。やっぱり体育館に行かなきゃダメみたいだね』〕

2人ともうんざりしているのだがそれしか無いだろうな。鍵を探せとか言われたらリタイア確定だろうな。


〔『………まぁ、1階からも体育館にいけるし、行くしか無いだろうな』〕


〔『今ならMOBに会わずに体育館に行けそうだよ』〕


〔『それなら、さっさと行くか。その前に〈防御力増大〉〈魔法防御力増大〉〈攻撃力増大〉これくらいは準備した方が良いだろ』〕

アキラに《付与術》を掛ける。まだ〈速度増大〉〈回避増大〉の効果は残っている。素早く体育館前に移動する。扉の隙間から中を確認するが誰もいないようだ。アキラの《探索》にも反応無しだ。恐る恐る2人で中に入るが何も起こらない………


〔『シュン、アレ、ステージの上』〕

辺りを確認していたらアキラに呼ばれる。ステージの上には、あからさまに罠と分かる台座とその上には鍵が置いて有る。台座には昇降口の鍵と書かれている。


〔『多分、これ取ったら何か有るよな………』〕


〔『きっと有るよね………』〕

2人揃って溜め息を漏らす。


〔『シュンは大量のMOBかボスかどっちだと思う?』〕

パターンとしては、この2つがメジャーだろうな。あとは下に落ちるくらいなのだが、地下が無い事は《探索》《見破》の結果から判っている。


〔『どっちになっても逃げようか(逃げれるかどうかは分からないけど)………取り敢えず、アキラは出口を確保しておいて、鍵は僕が取るよ。大量のMOBが出たら直ぐに逃げて、ボスが出たら僕が出口に近付くまで扇でボスを牽制してくれないか?もし鍵を取って体育館がエリアから隔離されたら、全て(……)諦めて戦おうか』〕

当然だが、全ての中にはクリアは勿論、死に戻りも含む。


銃を両手に構えて、付け焼き刃だが〈ウインドシールド〉をかける。アキラも出口付近でスタンバイしている。準備は整った。


〔じゃあ、取るよ〕

鍵を取る………………………が、何も起こらない。


〔『『はい!?』』〕

拍子抜けもいいとこだ。また、読みが外れたな………あれだけ作戦を語ったのが逆に恥ずかしいな。


『シュン、1階全体のMOBの気配も消えたみたいだよ。昇降口にいこ』

MOBの気配が消えたならパーティーチャットともお別れである。


『一気にやる気が抜けたわ』

2人で昇降口に行き、鍵を開ける…………


『『あ~~!!そう言う事か』』

外には大きなMOB。多分、推定ボスだろうなが待ち構えている。

この廃墟は学校だ。つまり外には校庭という敷地(エリア)が残っている。最初からそう言う事だった様だな。


『アレは、スフィンクス?かな』

ミイラにスフィンクスか………でも、アレも不死人に入るんだろうか?


『《見破》で確認したら、不死(……)ィンクスらしいな。運営の拘りか、それとも無理やりか、どっちなんだろうな。アキラ、遠距離で弓や扇で援護を頼む。僕は近距離で射撃する。さぁ、イベント的にも最後だと思うし。頑張ろうか』

アキラに微笑んでから、不死ィンクスの足下へ駆け出す。


『分かった。気を付けてね』

さて、マジでどうしようかな。まずは、射撃して《見破》だろうな。思った通りに行動して行く。


『よし、アキラダメージは通るぞ。頭が急所で風属性に弱い』

分かった情報は常に共通しなければ、まともに戦えないだろうな………右手の【烈火】を【疾風】に切り換える。


『了解〈翠風扇〉』

不死ィンクスの頭にヒットする。やはりダメージの通りも良さそうだな。3%くらいは削れている。


『おまけだ〈トライアングル〉』

【疾風】と【魔銃】による3点バーストショットを繰り出す。弱点への追撃も成功する。初めて使うがこのアーツも使いやすいな。〈零距離射撃〉みたいなリスクも無いし。


『おっと、危ない危ない』

不死ィンクスの攻撃は基本が前脚での直接攻撃だ。たまにだが、体のあらゆる場所から岩石を飛ばしてくる。射程は短いが動きが速いので避けるのに苦労するな。


『ちょっと油断したな……アキラ、アキラのタイミングに攻撃を合わせるわ』

バックステップを多用して、回避を続ける。回避しながらも【魔銃】をチャージしている。このチャージは便利だな。威力の調節が出来るようになったので無駄撃ちが減っている。


『分かった。私は自由にやるよ。追撃は任せるね』

アキラはそう言い〈翠風扇〉での攻撃を繰り返していく。アキラの攻撃に射撃とチャージした【魔銃】の一撃を放ち続けていく。




変化があったのは不死ィンクスのHPが20%以下になった時だった。体が割れて中から………


『は、速い………くっ、〈回避低減〉〈速度低減〉』

中から一回り小さな不死ィンクスが現れた。


速度が段違いに速い。《付与術》を使って低減させているが、かなり早い………


『アキラ狙えるか?』


『ちょっと無理かも、私が援護にまわるよ』

アキラに援護を任せて、必中系のアーツを繰り出していく。


【魔銃】での〈チャージ〉〈必射〉、【疾風】で〈必跳弾〉相手の速度がこちら側を完全に上回っている。並の攻撃では当たらないな。現にアキラの攻撃は、僕が回避する為の援護にしかなっていない………僕の方も、既に完全に回避仕切れていない、徐々にだがHPが削れてきている。こうなったら、どっちの体力がもつかの勝負だな。


『ぐっ……しまった』

不死ィンクスの体当たりを捌ききれずに左手の【魔銃】が吹き飛ばされる。すぐに【霧氷】を持つが氷属性ではダメージが殆ど出ない。しかも。リロードに時間がかかる。しかし、射撃は止める事は出来ない、


『〈紫雷扇〉………〈紫雷扇〉………』

【霧氷】で射撃した場所にアキラが次々と〈紫雷扇〉を放つ。どんどん放電現象が発生していき、不死ィンクスの動きがどんどん制限されていく………



『アキラ、そのまま続けて時間を稼いでくれ』

今の間に【魔銃】を拾いあげて、〈ウインドヒール〉で出来るだけHPを回復させる。


そして【魔銃】で〈チャージ〉を始める。残りのMPを全て込めていく………チャンスは一瞬だな。


〔『アキラ準備OKだ。こっちに誘導してくれ』〕

パーティーチャットで連絡を入れる。


『うん。いくよ』

僕と不死ィンクスの間に一筋の道が出来る。ずっと焦らされていた不死ィンクスは、僕を目掛けて一直線に体当たりを仕掛けてくる。


『一発だけは貰ってあげるよ。ぐっ、終わりだ〈トライアングル〉』

不死ィンクスの一撃は僕のHP8割以上持っていった………僕の一撃は、いったいどれくらいのダメージが、出たのだろか………【魔銃】による〈チャージ〉を含める〈トライアングル〉、更に【魔銃】単体では効果が無かった〈零距離射撃〉だが、他のアーツ等も絡ませる事で〈零距離射撃〉の効果も発動しだようだ。


そして、不死ィンクスは塵になった。肉を切らせて骨を断つ状態だが、この場合は肉を切らせ過ぎたようにも感じる………もう動けない。



『シュン、大丈夫なの?あれは無茶しすぎだよ』

今回は怒られなかったようだ、本当に良かった。


『大丈夫。と言いたいが、ダメだ、全く動けない』

あの3重アーツのせいなのか?起き上がる事すら出来ないからな。


『シュン、あとで説教だね』

良かったと思うのは早かったようだな。アキラさん声は優しいが顔が笑って無いですよ。


『終わったのか?』


『うん、終わったみたいだね。報酬の宝箱と転送ゲート出てるよ』

今回はクリア出来た見たいで良かった。


『アキラ2つとも回収してくれ』

僕はまだ動けない。


『分かったよ』

アキラは宝箱を開ける、中には………



【アーツの書・必中】〈必中〉と言うアーツを覚えれる


【スキルの書・生産】は生産スキルのLvを10上げれる



やはりと言うか便利な【アーツの書】が手に入ったな。


『アキラ、好きな方を選んで良いぞ』


『じゃあ【アーツの書】を貰うね。私、最後の方、攻撃が当たらなかったし………』

アキラなら、そう言うと思ったよ。


『了解した。あと、本当に言いにくいんだが………肩を貸してくれないか?まだ動けない………』


『もう、仕方ないなぁ………』


『あっ、い、いや、アキラ、肩を貸してくれるだけ………』


『動けない人は文句を言わない』


『は、はい………』

今現在僕はアキラの背中にいる………つまり、おんぶされている。これは、めちゃくちゃ恥ずかしいぞ。おんぶされたまま転送ゲートから転送していく。知り合いにだけは見られたくないな。






広場に戻ったが、多くのプレイヤーの注目を浴びてしまった………アキラは気にならなかったようだが、僕は耐えれない。心が折れそうだか。神殿からホームに転送する。少しでも人の目は避けたかった………



ホームに戻り30分くらい、アーツを使って1時間たったかな………ようやく動けるようになった。《見破》を使って確認したが極限疲労と言うバットステータスらしい。多分アーツを3つ同時に使ったのが原因なんだろうな。2つなら問題無かったのでテストせずに使ったのが失敗だった。それと新しくアーツも覚えていた。



〈ミスト射撃〉攻撃力×1

〈ウインドミスト〉をかけて射撃する・自動発生/消費MP 10

他の銃スキルでも使用可能/連射可/他のスキルと併用可能

習得条件/〈ウインドミスト〉をかけてから射撃を繰り返す



『これは、便利だよな。多用しているし』

魔法とアーツも合体するんだな………今度、皆で色々試そうか。


『アキラ、紅茶飲む?』


『うん。頂きます』

今は、2人で皆が戻って来るのを待っている。打ち上げをする約束をしているからだ。僕は紅茶を入れる為に、カウンターキッチンの中に入って行く。使い易さを重視した。自慢の一品だな。



『………あ、あのシュン、尻尾に掴まっているの何?』


『えっ?………あっ、えっ!?な、何で?』

振り返ると、そこには尻尾を掴む幽霊の女の子がいた、イベント初日に出会った幽霊の女の子だ。あの時、お寺で成仏したんじゃなかったのか?


『………ついてきちゃった。もふもふ、柔らか最高』

まぁ、確かに、尻尾のもふもふは僕のお気に入りだが……


『え~~~~』

僕は、何がどうなっているのか分からない。理解しようとしても頭が回らない。《見破》で確認すると、プレイヤーでも、NPCでも、魔物でも無い………見た事も無い幽霊(ファントム)と表示されている。悪意等は全く無いようだ。


『ふっ~~~~』

深呼吸をする。少し落ち着いたようだ………



『え~っと僕はシュン、彼女はアキラ、ここはギルド【noir】のホームなんだけど………君は?』


『雪は雪』

キャラクターネームには漢字は使えなかったはずだ。やっぱり、普通じゃないよな。アキラは言葉を失ってるみたいだし。


『雪ちゃんは、あの墓地エリアにいた子だよね?どうしてここにいるの?』

尻尾から引き離す。くすぐったくは無いのだが、他人に触られていたら何か落ち着かない。


『あそこ、もう無くなるから、1人はもうイヤなの………』

無くなると言いうのは、今日でイベントが終わるからだろう、あそこでも寂しそうにしてたからな………


『そっか、ちょっと待っててね』

アキラに事情を説明する、普通は納得しないだろうと思っていたが、アキラは………


『雪ちゃん、皆がいつもいる訳じゃ無いけど、ここにいても良いよ』

すっごい答えが即答で出たな。ってかもう仲良くなってるし………


『僕も、良いんだけど。他にも仲間がいるからな……まぁ、後で紹介するよ。雪ちゃんは誰にでも見れるの?』


『雪は、お兄ちゃんの周りの人にしか見えないよ。ここにいるのもお兄ちゃんのお陰だもん』

幽霊なのに可愛いな。これなら怖くないかも知れない。それよりも僕の周りってのはギルドメンバーの事か?それともフレンドか?後でアクアでも呼んで試してみるか。それと僕のお陰と言うのは気になるよな………


『雪ちゃんは何が出来るのかな?』

アキラは興味津々のようだな。


『雪は、浮けるよ、触れるよ、消える事も出来るよ』

実際に浮いたり、消えたりして見せる。現れた時には、アキラの横にいた。


『でも、戦ったりするのは怖いから、お兄ちゃんに見付けて貰うまで、すっごく怖かったの』

また尻尾を触ろうとしている。


『雪ちゃん、シュンお兄ちゃんの入れた紅茶飲んでみる?』

アキラが雪ちゃんに紅茶を勧める。


『これ、とっても美味しいの』

飲むことも出来るようだな。もうプレイヤーと変わらないよな。少しだけ透けて見える事を除けばだが………


『アキラ、アレ』

アレで分かるって事は、アキラも同じ事を考えていたようだな、アキラが番号の書かれていない【ノワールの証】を持ってくる。


『雪ちゃん、これは【ノワールの証】と言ってギルドメンバーの仲間の証なんだよ。これに………はい、これは雪ちゃんのだからね。このホームは、もう雪ちゃんの家だからね。皆が家族だよ』

アキラは8番を横書きして(無限)に変えて雪ちゃんに渡す。無限は思い付かなかったな。なかなか粋な事をする。


『お姉ちゃん良いの?ありがとなの』

アキラが頷くと、雪ちゃんは最大級の笑顔を見せてリストバンドを腕輪みたいに腕にしてみせる。





暫くして、ケイトやカゲロウ、ヒナタが帰ってくる。3人とも始めは言葉を失って驚いていたが、直ぐに打ち解けたようだ。雪ちゃんの笑顔は無敵だな。


それに、ギルドメンバーは基本的に人柄が良い。まぁそんなプレイヤーしか選んでないしな。フレイに至っては、1回会っているので驚きもしなかった。ただ一言、シュンらしいわと言っていた。フレイに誉められたのだろうか?貶されたのだろうか?僕的には誉められたんだと思いたいけどな。


暫くは、他の人には秘密にする事にするか。言っても誰も信じてくれないだろうしな………… 雪ちゃんが、このOOOの世界に慣れてきたら、皆で街を散歩するのも良いだろうな。








装備

武器

【烈火】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に火属性が追加〉

【霧氷】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に氷属性が追加〉

【雷鳴】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に雷属性が追加〉

【銃弾Lv3】攻撃力+15〈特殊効果:なし〉

【魔銃】攻撃力40〈特殊効果:なし〉

防具

【ノワールブレスト】防御力25〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:重量軽減・小〉

【ノワールバングル2】防御力15〈特殊効果:回避上昇・小/耐水〉〈製作ボーナス:命中+10%〉

【ノワールブーツ】防御力15〈特殊効果:速度上昇・中〉〈製作ボーナス:跳躍力+20%〉

【ノワールクロース】防御力20/魔法防御力15〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:耐火/重量軽減・小〉

【ノワールローブ2】防御力15/魔法防御力20〈特殊効果:回避上昇・中〉〈製作ボーナス:速度上昇・中〉

アクセサリー

【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールホルスター】防御力10〈特殊効果:速度上昇・小〉〈製作ボーナス:リロード短縮・中〉

 +【マガジンホルスター2】防御力5〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:リロード短縮・中〉

【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉



《双銃士》Lv41

《魔銃》Lv40《双銃》Lv36《拳》Lv35《速度強化》Lv70《回避強化》Lv73《旋風魔法》Lv25《魔力回復補助》Lv71《付与術》Lv38《付与銃》Lv48《見破》Lv59


サブ

《調合職人》Lv8《鍛冶職人》Lv24《革職人》Lv45《木工職人》Lv12《鞄職人》Lv47《細工職人》Lv20《錬金職人》Lv20《銃製作》Lv30《裁縫》Lv19《機械製作》Lv1《料理》Lv29《家事》Lv56


SP 43


称号

〈もたざる者〉〈トラウマ王〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈自然の摂理に逆らう者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉

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