第2回公式イベント 3
イベント3日目 ~ケイト編~
イベント3日目ともなると流石に皆慣れて来たのだろうな………装備にイベントの対抗策を感じるな。やけに動き易さを重視した軽装備が多い。僕は待ち合わせより早めにログインして広場でプレイヤーを観察している。
報酬が凄く魅力的な為、参加しないプレイヤーは少ないんだろうな。僕は今日も肝試しにならないように祈るが、果たしてどうなる事やら。ちなみにアクアは昨日も肝試し系だったようだ。本当にご愁傷様です。
『おはようござますです』
『おはよ………おい、ケイトそれは流石に軽装備過ぎないか?』
かろうじて両手持ちの杖を装備しているが、防具の方は完全に普通の洋服だよな。
『う~~、似合いませんでしたか?です』
『いや、似合っていて可愛いとは思うぞ。だけど、魔物との戦闘も有るんだぞ?』
スポーティーな感じとオレンジ色が、ケイトの明るさによく似合っている。ついでに言うとデザイン的に僕の作った【風華水流】とも良く似合っているんだが………
『ありがとうございますです。アキラに作って貰いましたです。防御力も大丈夫なのです』
念の為に《見破》を使い、防具のステータスを確認すると………確かに並の防御力は有るな。ケイト本人が気に入ってるみたいだし、僕が《付与術》でフォローすればなんとかなるのか?
『分かったけど、絶対に無理はするなよ』
ケイトは嬉しそうに隣にやってくる。
『はいです。頑張りますです、今日は私がマスターを守りますです』
防具が、それ以外なら期待したんだがな………周りのプレイヤーから爆破しろとか燃やせとか聞こえてくる。それはマジで勘弁して欲しいな。
ケイトと逃げるようにゲートから転送していく。
『………ここは何エリアになるんだ?』
洞窟ダンジョンに有る広場の様な拓けた場所にいるようだが………ここには、僕達以外にも他にも数ペアのプレイヤーがいるよな。このイベントでは、今までエリア転送後に他のプレイヤーに会った事は無い。当然だが、今みたいに閉じ込められた事も無い。
『マスター、これはカゲロウ達が言っていた脱出ゲームなのかな?です』
ケイトはワクワクしているようだな。確かにカゲロウとヒナタは洞窟エリアで脱出ゲームをしたらしいが、他のプレイヤーの参加の話は全く聞いてないよな。カゲロウはともかく、ヒナタがそんな重要な情報を出さない訳が無いからな。
『あそこに、知り合いを見付けたから、少し聞いてみるわ』
端の方に【サイク=リング】のギルドマスター、チャリさんがいた。向こうもこちらに気付いた様で、こっちに向かって来る。
『お久し振りっすね。黒の職人さん』
何回注意しても黒の職人さんと呼ぶのを止めないので、既に半ば諦めているんだよな。それ以外は、本当に良い人だからな。オークションの説明会以降は頻繁にメールで打合せをしているから、付き合いは短いがそれなりに分かってるんだよな。
『チャリさん、これは一体どうなってるんだ?』
『これっすか?5ペアが転送されて来るまでは待機見たいっすよ。あそこに書いて有るっす。黒の職人さん達が4ペア目っすよ。それと、あっちにいるのが僕のパートナーっす』
掲示板の存在とチャリさんがさっきまでいた場所にいる女の子を紹介される。説明会の時も見かけたが、ギルドのサブマスター兼秘書らしい。僕もパートナーを紹介しておくかな。
『おっ!!最後のペアが転送されて来た見たいっすね。じゃあ、また後程っす』
そろそろ、このイベントが始まるのか?チャリさんもペアの女の子の元に戻っていった。
『そろそろ、何か始まるのでしょうか?です』
まともなイベントだと良いんだがな………
〔大変長らくお待たせ致しました。5ペアの皆さま、只今より脱出ゲームver.Sを開始します。あちらをご覧下さい、この洞窟エリアに5つの扉を用意致しました〕
運営側からの連絡と共に壁に1~5の数字がかかれた5つの扉が現れた。本当に凝った造りだよな………それにしても、ver.Sって何パターン有るんだ?
〔1~5の扉には、各1ペアしか入れません。それぞれ別の指令をご用意しております。このエリアでは、5ペア全ての扉で指令を達成しなければクリアになりません。当然、報酬も有りません。扉は別ですが、5ペア10人で協力しなければクリアする事は出来ないでしょう。それでは、頑張って下さい〕
『僕ら2人だけではクリア出来ないのか………困ったな……』
他のペアに協力を呼び掛けた方が良いのか?少なくともコールくらいは出来た方が良いだろうけど………
『マスター、私達だけになりましたです』
失敗したな。どうやら暫く考え込んでいたようだ………既に他のパーティーは扉を選んで進んだようだ。しかも、よりによって4番が残っている………
『このまま、考えてても仕方ないからな。僕らも進もうか。ケイトも何が有るか分からないから離れるなよ』
『分かりましたです。離れませんです』
2人で警戒しながら、4番の扉を進む………十分に警戒していたのだが、また閉じ込められてしまったな。
進んだ先の部屋は、行き止まりで入って来た扉も閉ざされている。2人で部屋を探して見るが何も見付からない。《見破》でも見付からない。採掘も出来そうに無いな。チャリさんにコールしようにもコール不可に設定されている。
『これは、いきなり詰ん……』
特に何かしたわけでは無いのだが、急に新しい扉が出現する。
『…………で無かったな』
2人で新しい扉に入る。今は、そこしか進めるところがないからな。例の如く、入った途端に扉は閉まる。
『ははっ、そう言う事か、確かに協力しなければクリア出来ないな、これは………』
入った部屋には指令書が用意されていた。
指令①
檻の中の魔物を5体倒せ
2ー2の扉と3ー1の扉が開きます
※この部屋の扉は開きません
『なるほど理解しましたです。指令を達成しても自分達は進めませんです。私達が進むには他のペアの達成待ちをしますです』
『そう言う事だな。確かに、これは1ペアでもリタイアしたらクリア出来ないな』
これは、またエグい仕様だよな。しかも、檻の中には明らかに5体以上いるよね………魔物。
『取り敢えず、さっさと倒しましょうです』
ケイトは檻をあける。もう少し警戒して欲しいよなと思いながらケイトに〈防御力増大〉を掛けていく。
檻から出た魔物は僕を目指して攻撃してくる。まぁ、ケイトが狙われるよりはマシしだろうな。両手の銃を前に出して構えて連射する。いつもみたいに回避を重視しない。檻の出口が狭いので同時に2体は出てこれないからだ。その為、連射で事足りる。マガジンのスペアさえ持ってればだけどな………
『援護いきますです〈ウインドカッター〉』
MOBから邪魔されないのでケイトの攻撃魔法が、すんなりと決まっているな。
12体か13体くらい倒した時に檻が閉まり、新しく扉が開く。誰か分からないがありがとな。本当に助かりました。僕らも代わりに頑張るからな。次の部屋には、指令書の代わりにタブレットが用意されている………
指令②
ランダムで出題される○×クイズ3問連続で答えろ
1ー3の扉と5ー3の扉が開きます
※この部屋の扉は開きません
Q1 OOOの上位属性は光属性と闇属性の事である
『×だな』
融合を使えるプレイヤーが、身内にいるので間違うはずが無いな。
Q2 港湾の街の名前は【ポルト】である
『当然○』
ゲート登録もしてあるので【noir】の皆は当然知っている。
Q3 初代MVPのプレイヤーの通称は【黒の商人さん】である
『×を選びますです』
これは、本当にランダムなんだよな?誰か監視してないよな?悪意は無いよな………信じるからな、運営さん。
『ここもクリアしたみたいだな』
次の問題が出てこないので、また待機になったのだろう。思うように進めないし、いつ進めるか分からないので気が抜けないな。機嫌度も下がってるみたいだしな………
『また待つですか?です。マスターの紅茶が恋しいです』
『ケイトも気に入ってくれたのか?ありがとな』
紅茶ファンが増えるのは素直に嬉しい。新しい種類の茶葉でも仕入れるか。
『勿論ですよです。もともとはコーヒー派でしたが今は紅茶派になりましたです。今度入れ方を教えて下さいです』
『おう、良いぞ。っていうか、まぁ、そんなに拘りは無いんだけどな、自分の好みの濃さにするのがポイントかな』
『なるほどなのです。あっ!!新しい扉が開きましたです。他の皆さんに感謝しますです』
知ってはいたが、ケイトは感謝が出来る外国人………これは、かなり美徳だと思うな。
それから2つの指令と3つ扉を越えた………ケイトとも世間話が出来たお陰で、機嫌度の減少もお互い最小限に留まっている様だな。
『マスター、この部屋は指令書と既に次の扉が開いてましたです。oh!次の部屋が最後みたいですよです』
ケイトは扉を開けて先を覗いたようだな………
『先ずは、指令からだな。他のペアの状況が分からないからな』
指令⑤
1人を犠牲にして1人を先に進ませる
5ー6の扉と2ー7の扉が開きます
※この部屋の扉は閉じます
ケイトは、まだ指令⑥の内容を見てない。女の子を犠牲とか有り得ない、仕方ないな………
『ケイト、先に進め。ここには、僕が残る、次の部屋の課題は任せるぞ。頑張れよ』
まだ、次の扉の側にいたケイトを軽く押して先に進ませる。
『あっ!!マス……』
ケイトが扉を越えた瞬間に扉が消えてしまった。声も途絶える、ケイト頑張れよ。
檻が現れて魔物が溢れ出てくる。
『さて、どうしたものかな………ご丁寧に、こんな大量のお友達を紹介してくれなくてもいいんだがな』
『……ター、なんでなんですか?です』
ケイトは一瞬泣きそうになるが、必死で涙を堪える。
『でも、こうしてる場合じゃないですよです』
普段なら落ち込むところですが、何もしない訳にはいかないです。早くマスターを助けないと、辺りを見回すとタブレットが有りましたです。私も出来る事をしますです。
『まずは、これですねです』
最終指令
この部屋の謎を解け
『What's?今までの内容と全然違うですよです………』
何か謎が有るのですか?です。小さな部屋の中には何も無いように思えますが………私は、くまなく探しますよです。アリさん1匹見逃しませんです。
『…………う~~何も見つかりませんです。』
暫く探して見ましたが、この部屋には仕掛けどころか指令が書かれたタブレット以外何も見付からないですよです。
もしかすると、この部屋の謎は部屋には無いのですか?です。地面にこの脱出ゲームが始まってから起きた出来事を順に書いていくが、何もヒントになるような事は有りませんです………扉を7つ、指令を5つ、今の指令をいれて6つ……
『あっ!そういえば、部屋の形や大きさや扉の出来た方向はバラバラでしたです』
もう1度、最初から、最初からです。部屋の形や大きさ、扉が出来た方向を意識して、新たに地面に書いていくです、
『え~っと、最初は斜め右で………』
思い出せるだけ、書けるだけ書いきますです。
『Oh!! the Plough 日本語では北斗七星だったですか?です』
直ぐにタブレットに北斗七星と入力する………閉まっていた扉が開き、更に転送ゲートが現れる。
『いつまで倒せば良いんだ。これ』
既に銃弾は切れていえ、【魔銃】での射撃と【拳】による受け流しで凌いではいるが、長くは持ちそうも無いな。MPも残りが少ないしな。
その時だった………目の前の魔物が一瞬で消えた。
『………はっ?次のイベントか?』
僕は、まだ理解が出来なかったのだが………
『マスター』
ケイトに後ろから抱きつかれてしまった。
『ケイトか!?』
やっと理解が出来た。ケイトが頑張ってくれたんだな………
『ケイトありがとな。頑張ってくれたんだな。ありがとう』
『マスターはバカです。次は許しませんです』
ケイトは泣いているようだった………また心、配をかけたようだな。
『分かった。約束する』
ケイトが泣き止むまで、背中を奪われた。自業自得なんだが………この体勢は辛いよな。ケイトの胸が背中に密着してるので、マジで照れくさい。それに、今まで特に意識しては無かったが、ケイトの胸は見た目以上に大きいようだ。
『そろそろ、先に行けるか?』
ケイトが泣き止んだのを確認して、最終指令の有った隣の部屋に入る。
『ケイト、あの宝箱はケイトへのクリアボーナスらしいぞ。開けて見たらどうだ?』
転送ゲートの側に宝箱が出現していた。《見破》で確認してもケイトにしか開ける権利がないようだ。
【七星杖】〔セブン・スターズ〕攻撃力77〈特殊効果:7種の属性を付加出来る杖〉※7属性は宝石で選択可能、ただし1度付加した属性は変更不可・1属性増える事に攻撃力+7
※ユニーク武器
『ケイト、それ凄い綺麗な武器だな。良かったな』
ユニーク武器とか有るんだな、初めて見たわ。
『そうですねです。でも私は【風華水流】の方が好きですよです』
2人で転送ゲートから転送する。着いた先は最初の広場だった。どうやら僕らが最後の様だな………
〔大変長らくお待たせ致しました。4ペアの皆さま、只今最後のペアが戻ってまいりました。残念ながら、今回は4ペアが失敗と言う結果になりましたので、申し訳ございませんが報酬はございません。あちらのゲートより【シュバルツランド】にお帰り下さい〕
あらら、僕ら以外は失敗だったみたいだな………残念だが、仕方ないかな。
『お疲れ様っす。他のペアが失敗だったっすからね。と言う事でクリアは黒の職人さんペアっすか?』
『あぁ、このケイトが頑張ってくれたからな』
チャリさん達、他のペアは最後の謎が解けなかったり、謎を解くまでに相方が魔物に倒されたり、最後の部屋に誰が入るかで揉めて失敗したらしい。
『次は、またオークション前に会いましょうっすよ』
チャリさん達は先に転送されて行く。
『私達もお家に戻りましょうです………』
そうだな。流石に今日は疲れたからか。ゆっくり風呂に入りたい。
………OOOって風呂作れるのか?今度トウリョウさんに相談してみよう。作れるものなら作って入りたいからな。
イベント4日目 ~幕間~
今日は、OOOにログインする予定は無い。蒼真の両親が海外から日本に帰ってくる数少ない日だからだ。
この日だけは何が有っても両親は仕事を休むので、午前中は墓参りに行って来た。会社が完全に社員任せになる唯一の日らしい。蒼真は成田空港まで両親を向かえに行っている。夕方には戻ってくる予定だ。
毎年、この日に庭でBBQをする事だけは決まっていて、食材費は全て水野家持ちになる。普段から蒼真の面倒を見ているお礼と蒼真の誕生日祝いと言う名目だが、実際のところはお互いに仲の良い両親達の飲み会だ。
純と僕は庭でBBQの準備だけしておけば良い。まぁ、久しぶりにおじさん達に会うのは楽しみでもあるんだがな。
「そうだ、晶も呼ぼうぜ」
蒼真が迎えに行く前にそう言って電話をしていた。名目上は主役が言っているので反対は無いな。まぁ、普段から一緒にいる事が多いので違和感は無いだろうし。その為、純は近くまで晶を迎えに行っている。
両親も久しぶりに2人揃っての休みの為、買い物に出掛けている。まぁ、たまにそう言う日が有っても良いんだろうけど………
1人残された僕は、さっき3人で買ってきた材料の処理を始めている。毎年の事だが準備が僕1人と言うのはどうなんだろうな。普段から家事全般をしている身からすると今日ぐらい休みが有って良いのは僕じゃないのか?まぁ、料理は好きでしてるから良いんだけどな。
メニューは、蒼真の誕生日も兼ねているので蒼真の好きな物を作っておけば良い。ポテトサラダ、これだけ山の様に作っておけばヤツは満足するだろうからな。
「ただいま」
「駿くんお邪魔します」
純が晶を連れて戻って来たようだな。
「おう、いらっしゃい晶。ゆっくりしててくれ。純、飲み物」
「駿くん、私も手伝うよ」
「ありがとう、そうだな………今日は大丈夫だ。ゲストは、ゆっくりしてて良いぞ。あと蒼真の従姉妹も来ると思うから仲良くしてやって」
蒼真の事が大好きらしい従姉妹が来る。
僕ら3人は基本的にこの従姉妹が苦手なので会いたくは無いのだが、この日だけは居留守が使えないので必ず捕まってしまう。最初から誘わなければ良い話なんだが、成田空港近くに住んでいて、この従姉妹の家に蒼真家は車を預けているので必然的に蒼真の両親が誘ってしまう。
「晶、駿は好きでやってる、趣味」
晶にジュースを持って来た。純がさりげなくとんでもない事を言ったよな。好きでやっているのは否定はしないが、お姉様と幼馴染み様が一切何もしないからですよ。と少し嫌味を言いたくなるよな。
「まぁ、そう言う事だ。ほら、ポテサラ味見」
スプーンを晶の前に差し出す。晶が何故か恥ずかしそうに食べた。
あとで理由に気付いたが、今のが伝説のリアルアーンだったんだよな。実際に気付いた時は顔から火が出そうだったな。
「………シンプルなのに美味しいです」
それなら良かったな。これで、ヤツの好きなごく普通のポテサラの完成だ。
次は肉と野菜を切って串に差して行く。そろそろ、蒼真達も従姉妹を伴い帰ってくる頃だろうな。火の準備も始めておくかな。慣れたもので直ぐに炭に火が着き、鉄板や網を温めて行く。
「「「「「ただいま」」」」」
「お邪魔します」
何故か分からないが僕の両親と蒼真達親子が一緒に帰って来たな。どうやらデパートで一緒になったらしいな。食べきれるか分からない程の食材やお酒を買い込んでるし。買ってくるなら事前に連絡が欲しいよな。
今は、純と蒼真が晶を皆に紹介している様だ。それにしても、何て紹介されたんだ?晶の顔は真っ赤になっているぞ。僕は、皆の飲み物等を準備しているので聞こえなかったぞ。
「おじさん、おばさんお帰り。お仕事お疲れ様です。そして、今年もゴチになります」
形式的な挨拶と同時に大人組4人に良く冷えた缶ビールを手渡す。蒼真は、従姉妹に連れていかれて2人で何か話している。本当に仲が良いよな。
「ただいま。作るの全部任せっきりで、申し訳無いんだが今年もいっぱい食べてくれ」
何故か皆、ニヤニヤ笑っている。僕の両親を含めて4人ともだよな………僕は何かしたか?
「おい、おじさん達は何か有ったのか?ニヤニヤ笑われたんだが………」
従姉妹に解放された蒼真に尋ねてみる。
「すまん。駿、純の暴走を止めれなかった。一応否定はしたんだが通じなかった………」
「何を?」
「純が晶を駿の彼女と紹介した」
「ほぇ!?………なるほど、そう言う事か納得したぞ。それで………蒼真君、今日はポテサラ抜きな」
全てが一つに繋がったな。我が姉ながら全く迷惑な事を………晶に迷惑かけたな。
「晶、さっきは純が余計な事をして、すまなかったな。親父達には、あとで必ず訂正しとくからな。それと、隣で笑っている純お姉様には、暫くの間御飯を作らない刑が待ってますので、ヨロシクお願い申し上げます」
晶と純が会話しているところに割り込む。晶は恥ずかしそうに大丈夫だよと言ってくれたが、純には、僕が本気だと言うのが伝わったようだ。首をフルフルと子犬の様に振っている。自業自得だよ………
「そうだ晶、明日はヨロシクな。昨日、一昨日は大変だったからな………」
「昨日はケイトとだったよね?また幽霊系?」
「いや脱出系だけど、結果的には失敗だったわ………」
昨日の事を純と晶に話すが、やっぱり2人とも協力系は知らなかった。あの後でカゲロウにも聞いてみたが、カゲロウ達のクリアした脱出ゲームには他のペアは出てこなかったらしい。
それにしても、純達は順調にクリアしているようだな。苦手が無いのが羨ましいな。
「駿兄、お久しぶり。何の話してるの?」
蒼真の従姉妹、真理ちゃんが蒼真を引き連れて、もとい引っ張ってやって来た。
「真理ちゃん、久しぶり、元気そうだな。今はOOOってVRMMOゲームの話しかな………真理ちゃん知ってる?」
あえて元気だったかとは聞かない。今の一連の動きで元気過ぎるのは伝わってくるからな。
「知ってる。知ってる。真理もしてるよOOO」
お~い!!運営さん、ちょっと世界が狭すぎないか?身内にヘッドギア持ってるの多過ぎだぞ。クラスの友達は抽選ハズレてばかりだぞ。一体どうなってるんだろうな。
「そなのか、それは知らなかったな………蒼真は知ってたのか?」
「いや、俺も初耳だぞ」
かなり驚いている様だし、横から何故教えなかったのと真理ちゃんに横腹を小突かれてるから本当なんだろうな。
「駿兄はプレイヤーネーム何?」
「シュン、名前と一緒だ。純はジュネ、友達の晶がアキラ。ちなみに僕と晶は同じギルド。真理ちゃんは?」
「真理はマリアージュって名前でプレーしてるよ。マリアって呼んでね」
やはり知らないプレイヤーネームだな。
「駿兄は、明日のイベント誰かと参加するの?良かったら真理が一緒に参加したげても良いよ」
「悪いな。明日は晶と約束してるからな。暇な蒼真と参加したらどうだ?」
「蒼ちゃんは忙しいらしいよ。ねっ」
僕らは誰も気付かなかったが、蒼真の足は真理ちゃんに踏まれてたらしい。蒼真は声を出さないように頷いていた。
「そうか、でも明日はダメだ。ごめんな」
「じゃあ、今度絶対に真理と遊ぼうね。ギルドはホームあるの?名前教えて」
「あぁ、ギルドは【noir】だ。ホームもあるぞ」
「……………【noir】………シュン………えっ、黒の職人さん!?」
「あぁ、その黒の職人さんだ。黒の職人さんと呼ばれるのは好きじゃないんだけどな。まぁ、それより食べようぜ。純と真理ちゃんの好きな貝も有るぞ。晶は何が好きだ?」
あまり気の乗らない話になってきたので、さっさと話題を変える事にするか。純や真理ちゃんに焼けた肉や貝をどんどん取り分けて行く。
「私も貝好きだよ」
晶にも貝を取り分ける。大人組にも肉や野菜、ツマミでも出すかな。皆大好き枝豆の準備もしてあるし。そのあとは、僕もゆっくりさせて貰おうかな。
………お開きになるまで皆でワイワイ楽しんだ。後片付けは蒼真の仕事だ。誕生日の主役にも関わらず毎年率先しておこなっている。普段お世話になっているのを忘れるなと言う事らしいが、4人の両親に面倒事を押しつけられてるだけだよな。まぁ、毎年僕らも手伝うんだけどな。
装備
武器
【烈火】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に火属性が追加〉
【霧氷】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に氷属性が追加〉
【雷鳴】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に雷属性が追加〉
【銃弾Lv3】攻撃力+15〈特殊効果:なし〉
【魔銃】攻撃力40〈特殊効果:なし〉
防具
【ノワールブレスト】防御力25〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:重量軽減・小〉
【ノワールバングル2】防御力15〈特殊効果:回避上昇・小/耐水〉〈製作ボーナス:命中+10%〉
【ノワールブーツ】防御力15〈特殊効果:速度上昇・中〉〈製作ボーナス:跳躍力+20%〉
【ノワールクロース】防御力20/魔法防御力15〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:耐火/重量軽減・小〉
【ノワールローブ2】防御力15/魔法防御力20〈特殊効果:回避上昇・中〉〈製作ボーナス:速度上昇・中〉
アクセサリー
【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉
【ノワールホルスター】防御力10〈特殊効果:速度上昇・小〉〈製作ボーナス:リロード短縮・中〉
+【マガジンホルスター】防御力5〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:リロード短縮・中〉
【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉
《双銃士》Lv38
《魔銃》Lv36《双銃》Lv33《拳》Lv34《速度強化》Lv67《回避強化》Lv71《旋風魔法》Lv21《魔力回復補助》Lv69《付与術》Lv34《付与銃》Lv47《見破》Lv56
サブ
《調合職人》Lv8《鍛冶職人》Lv24《革職人》Lv45《木工職人》Lv12《鞄職人》Lv47《細工職人》Lv20《錬金職人》Lv20《銃製作》Lv30《裁縫》Lv19《機械製作》Lv1《料理》Lv28《家事》Lv55
SP 39
称号
〈もたざる者〉〈トラウマ王〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈自然の摂理に逆らう者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉