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OOO ~Original Objective Online~ 称号に振りまわされる者  作者: 1048
第1部 第2章
15/65

生産ギルド組合

今日は、以前からの予定通り、オークションの説明会が開催される。既に、この場所には【noir】と【プレパレート】を含む7ギルドが揃っている。どのギルドもOOOでは有名な生産系ギルドだな。ネイルさんの人脈はマジで凄いよな。


説明会には僕が【noir】を代表して参加している。本来ならアキラの方が、こう言うのには向いているよな。最近まで少しの間ブランクが有ったり、僕の方がネイルさんと知り合って長いと言う事も有り、僕が担当する事になっている。まぁ、他の皆は裏方で手伝ってくれているんだけどな。



【闇鍛冶店】(ブラックスミス)は《鍛冶》系のギルドで、攻略組や上位のプレイヤーの持つ武器の殆んどを、このギルド製作している。メンバーはフレイ級の《鍛冶》プレイヤーの集まりだな。噂では、マークが【noir】の面接に落ちた後に加入したらしい。


【鍛冶ゅR】(カジュアル)も《鍛冶》系のギルドだ。【闇鍛冶店】との1番大きな違いは、武器よりも防具に重点を置いている。品質の高さが有名だよな。


・【サイク=リング】は《細工》《錬金》系のギルドで、アクセサリーを主に製作している。アキラも、ここのデザインが好きで好んでここのアクセサリーを装備している。


・【カーペントリ】は《木工》系のギルドで【プレパレート】とも仲が良く、協力体勢を築いているらしい。弓や杖だけでなく、家具類の製作もしているので、【noir】のリビングに有る机も、ネイルさんの紹介でオーダーメイド品を作って貰っているからな。


【美神】(ミシン)は《裁縫》と《革製作》系のギルドだ。布系、革系のアイテムを作らせたら右に出るギルドは無いだろうな。それくらい群を抜いているのよな。




この5ギルドに《調合》系の【プレパレート】が加えて、OOOの生産系6大ギルドと言われている。そのギルドマスターが勢揃いしているのだ、それだけで圧巻だよな。この中に零細ギルドの【noir】がいるのは完全に場違いな気がするよな。




そろそろ開始時間だな………


『今日はオークションの説明会に、集まって頂きありがとうございます。僕は【noir】のギルドマスターの1人でシュンと言います。月末にこの場所を使ってオークションを開催したいと思っています。そこで皆さんに協力をお願いしたくて、ネイルさんに相談して皆さんに集まって頂きました』


『だいたいはネイルに聞いて、集まったメンバーだ。今回オークションに参加するのは、自分達にもメリットが有るからだ。自分達でもやりたかったが、会場等を用意するフォルムに余裕が無いからな。協力って言うが、自分達は何をしたら良いんだ?』

今質問してきたのが【鍛冶ゅR】でギルドマスターをしているナナクサさんだ。


『基本的には、オークション当日な各ギルドから会場運営用に数名のプレイヤーを貸して欲しい事とオークション出展用にアイテムを準備して欲しいくらいですね』


『オークションの利益は、どないしはるん?』

この京都弁の女性プレイヤーが【美神】のギルドマスターのミコトさん。小さくて可愛いい事でも有名だ。実際に、非公式なファンクラブまで有るらしい。


『出展者側にも参加費用とかは取らないので、利益は全部出展者本人の物です。その為、出展者自身にお金の管理をしてもらいます』


『それで【noir】は良いんすか?利益が無いっすよね、そりゃ、こっちはその方が嬉しいんっすけどね』

【サイク=リング】のギルドマスターのチャリさんはこちらの心配をしてくれているようだな、見た目の印象は、かなりチャラいが結構良い人かも知れないな。


『僕らは、生産系ギルドだけでなく支援系ギルドでも有るので問題ないです。当然、僕らも出品しますので利益は有りますよ。それに、1番は倉庫の在庫整理が目的ですし』


『それなら、私らは問題無いや。ネイルが信頼してるギルドやしね』

【カーペントリ】のトウリョウさん。女性の大工さんで棟梁をロールしているとネイルさんに教わっている。まぁ、事前にネイルさんを交えて話してみて思ったが、かなり男らしいからな。


『出展は1ギルド何点でも可能か?俺のギルドは人数も多いからな、その辺も考慮して頂きたい』

【闇鍛冶店】のギルドマスターのエースさん、確かに彼のギルドはギルドメンバーの数でも群を抜いているよな。生産系にも関わらず200人を越えていて、ギルドランクも既にBになっている。


『基本は何点でも構いませんが、一般プレイヤーの当日参加も考えておりますので、事前に申請して貰おうと思います。仮に多過ぎた場合、今回は抽選にさせて頂こうと思っています。今回は最初と言う事もあり100点~200点くらいが妥当かなと思ってます。出展品は事前に出展リストを作り、情報サイトにも掲示する予定にしてます』


『抽選か………次の開催も有るのか?』


『そうですね。今のところ、2ヶ月に1回ぐらいで開催出来たらと思ってます。この場に集まっていて、今回協力してくれるギルドには、会場自体を無償でレンタルしても良いですしね』


『そうか、次の開催が有るなら問題無い。レンタルは結構だ、遠慮する』


『司会の方は、どうするっすか?』


『一応、【noir】から僕ともう1人のギルドマスターのアキラでやる予定にしてます』


『僕もやりたいっす』

確かにチャリさんが、この雰囲気で司会に参加してくれれば、盛り上がりそうだしオークション自体も円滑に進みそうだな。アキラの方を確認すると手でOKを出してくれた。


『OKですよ。今、確認出来ました。お願いしますね』

チャリさんは、既にやる気になっているみたいだな。僕の目から見てもテンションが上がっているからな。


『この会場には、何人くらい入りはるん?』


『座席数は1階が1,000人、2階が200人です。立ち見を含めても最大でも1,500人くらいだと思っています』


『それで足りはりますやろか?』

えっ!!足りないの?1,500人も入るんだよ。


『この規模のギルドが集まってオークションっすからね。かなり集まる可能性が有るっすよ。皆さん有名人っすからね。って言うか黒の職人さんが1番有名じゃないっすか。黒の職人さんのレア鞄だけでも、それくらい集まりそうっすよ』

ミコトさんの意見に驚く僕を見て、チャリさんが補足してくれる。確かに生産系6大ギルドが集まるにしては規模が小さいかも知れないな………それに、幾ら何でも僕単独で1,500人は集まらないだろ。


『今回が成功すれば、次回は会場の規模は大きくしても良いですね。土地も余ってますから』

ギルドの周辺の土地を、面倒なプレイヤー達を近寄らせない為に1億フォルムで買い占めているので、土地はかなり余っている。


既に【シュバルツランド】の30分の1は【noir】の土地になっている。その発言に生産系6大ギルドマスターも若干引き気味だが、いちいち気にはしてられないからな。


『まぁ、その辺はね。オークションは、今回だけじゃないから気にしなくても良いやん。なんやったら参加券とか配付したら良いんやし』

トウリョウさんがフォローしてくれて、更に良いアイディアを出してくれる。


『それでは、主催者を除く6ギルドで150枚ずつ配付するのでどうだ?配付の仕方は各ギルドで決める。そして、残りは主催者が配付したらどうだ?』


『いや、それなら7ギルドで150枚ずつ配付して、残りは当日券の発行を検討した方が良いのでは?』

エースさんのアイディアにナナクサさんがアレンジ出してくれる。


『それが良いですね。皆さんのアイディアに感謝です、ただ参加券の配付後には譲渡不可にさして貰います。参加券の転売は禁止にしたいと思っていますので』

僕は、そんな事でお金を稼ぐプレイヤーは嫌いだからな。お金の無い初心者プレイヤーはオークションを見る事も出来なくなるしな。


それと余談だが、OOOの世界では紙に文字を書いたり、印刷する事も可能だ。これはスキルに関係なく使える技術でも有る。メール機能が主流だが、アナログな手紙や書き置き等も出来るところが好まれてるんだよな。OOOでは、ファンタジーの中に妙にリアルな仕様があるんだよ。


『流石、黒の職人さんっすね。ここに集まった皆は、その心意気は好きっすよ。鞄事件の時は、本当に感謝してるっす。そのポリシーは皆共感してるっすよ。だから皆ここに集まってるっす』

チャリさんの一言に皆が頷いた。あの事件が、こんな形で広まっているのは驚いたが嬉しかった。だが………


『その黒の職人さんってのは止めてくれないかな、そう呼ばれるのは好きじゃないんだよ』

ちょっと空気を悪くしてしまったかな。




『ある程度話も纏まったみたいだね。僕からも、ちょっとした提案が有るんだけど良いかな?直接オークションとは関係ないんだけど、どうせなら生産ギルドの集まりと言うか組合でも作らないかい?お互い余る素材や足りない素材が有ると思うんだよね。交換とか出来たら便利だと思うんだ。これから新人プレイヤーがどんどん増えて来ると思うし、その新人プレイヤーの中にも生産をしたいプレイヤーはいっぱいいると思うんだ。そのサポートもしてあげた方が良いんじゃないかな?』

今まで、発言をせずに会議を見守ってくれていたネイルさんが口を開く。空気を変える意味もあったのだろう………これはネイルさんに助けられたな。


『なるほどな』

僕では、考えつかない意見が出て思わず感心してしまったよな。


『それに今、僕のところとトウリョウの【カーペントリ】は協力して複合スキルの検証を始めたんだよね。出来たらその辺の情報も交換したいからね』

だが、複合スキルの事は………う~ん、難しいな。ネイルさん達には話しても良いと思うが他の人には秘密にしたい事も有るしな。



『オークションの事と生産ギルド組合での協力は良いと思うが、複合スキル検証の情報交換が有るなら遠慮させてもらう』


『そうっすね。そこは【サイク=リング】も反対させて貰うっすよ』

エースさんとチャリさんは反対派のようだな。


『自分もだ、それは各自でするべき事柄だろうな』

ナナクサさんも続く。


『検証の方は、やりたいところで話し合うと言う事でええやん?生産ギルド組合だけなら後々のメリットが高いと思うし、どやろ?私のところは参加や』

トウリョウさんの意見には、僕も賛成だ。だから、


『それなら【noir】も参加します』

僕も参加を表明する。


他の4ギルドは一次保留のようだな。まぁ、すぐに決める事でも無いし、後からでも参加出来るからな。取り敢えずだが、ネイルさん発案の生産ギルド組合は3ギルドだけ参加が決まった。仮だがリーダーは発案者のネイルさんに決まった。


複合スキルの検証も【カーペントリ】【プレパレート】【noir】で話し合う事に、他の4ギルドは当然話し合いも参加しないようだ。


オークションについては、おおまかな事も決まったので、あとはコールやメールで連絡を取る事にした。出展品の製作に集中したいらしい。当然だが、オークション前には再度集まる約束も交わして解散している。





『なんとか、オークションの件は纏まりましたね。ネイルさん、ありがとうございました』


『僕もオークションは楽しむから良いんだよ。トウリョウもありがとね』


『ネイルの頼みやし、かまへんよ。それに私のところもシュンの鞄にはお世話になっとるしな』

今は、場所を変えて【noir】のホームでゆっくりしている。


アキラを含めた他のギルドメンバーは、狩りや生産作業とバラバラで活動している。


『それにしても、ここは見た目だけやなくて中も凄いねんな。それとこれ、私の机を使ってくれていて嬉しい』

言葉とは裏腹に顔の方は、あまり驚いてはいなさそうだが………机の件は本当に嬉しそうだな。


『いつのまにか、少しずつ大きくなってしまって。この机には本当にお世話になってますよ』

まぁ、当たり障りなく答えておこう。机に関しては本音だがな。


『それは良かった。あと私にはタメ語でええよ』

アキラと違った男っぽさが有るな。トウリョウは妙に格好いいからな。


暫く雑談してから複合スキルの話をした。《機械製作》の事は話したが《家事》と《銃製作》の事は話さなかった。


《調合》と《木材》で《合成》スキルが取得出来るようになるらしい。これはアイテム2つ以上を合成して違うアイテムやレア度の高いアイテムを作る事が出来るらしいが合成出来ないパターンが多いようだ。その為、色々なパターンで検証をしたかったらしい。【noir】もその方向に進めているメンバーがいるので後日、顔合わせをする事になった。





『シュン、話し合いは終わった?』

アキラが工房から出てきた、どうやら気を使ってくれていたようだな。


『あぁ、ごめんな。場所借りてしまったな』

話し合いの内容などを話す。複合スキルに関しては、まだまだ謎が多いようだな。


『そっか、《合成》とか有るんだ。武器も出来るのかな?』


『【カーペントリ】は《木工》系のギルドだからな、それは検証済みだと思う。出来ないとは言って無かったから出来るんじゃないかな』


『だったらシュンも取得して見る方が良いんじゃないかな?』


『???』


『失敗したり、合成出来ないアイテムって他の生産系スキルのLv不足じゃないかな?複合スキルだったら、そう言うのも有り得そうだよ』

確かにアキラの言う可能性はあるよな。だが、僕はゴリゴリするのが苦手で《調合》を諦めたんだけどな。


『あまり気が進まないが………《調合》のLv上げに関してはネイルさんに聞いてみるかな。それに、この際だから取得出来る生産系は取得してみるよ』

取得を控えていた《機械製作》も取得する事に。


ネイルさんにコールで確認したら、《調合》はゴリゴリしなくても、メニューからの製作でも少ないが経験を積めるらしい。


って言うかゴリゴリのインパクトが強かった為に、全然気付かなかったよな。他の生産系では、かなりメニューから製作してお世話になっていたのに、盲点だったな。




《調合》の成長に目処がたったので、倉庫の在庫に物を言わせて一気にLvを上げる。こう言う時に素材の買い取り屋【by buy】が効果を発揮していた。日に日に倉庫の在庫が増えているので無くなる事は無いだろうな。


最近発見した《家事》の効果も相まって、2日で《調合職人》に進化させている。当然、ヒナタやカゲロウにもメニューから製作しても経験値が有ると教えている。《合成》の話もして【プレパレート】【カーペントリ】と協力体勢になった事も話した。


カゲロウに対しては、この前の『この世界を楽しもうよ』発言に対して謝りもした。カゲロウ本人は笑って許してくれたが、本当に大笑いされたな。


《調合》スキルで出来たポーション類の回復アイテムは相場価格で店舗から販売している。NPC売りの物よりは性能が良い為、新人プレイヤーに売れているようだ。


そして、今はアキラに習いながら《裁縫》のLv上げをしている。リアルで家庭科が得意な僕は、OOOでも得意な様だ。Lv以上に見えるアイテムが出来上がっていく。既に、自分の鞄にも刺繍を入れてある。トライバルタトゥーみたいな模様を入れる事が出来て満足だな。だが、Lv上げ的にはあまり美味しくなかったのだけどな。


『まぁ、これはちょっとずつだな』

オークションまでの期間は、殆どが自由時間に充ててある。メンバー同士、お互いが何をオークションに出すのか知らない状態だ。その方が楽しめるだろとカゲロウから意見が出て満場一致で採用された。オークション前に出展品のリストを作るので、名前だけは分かるのだがな。



『シュン、次は服を縫ってみる?今までの経験から言って服も素材やデザイン等を合わせて作ったら、防具にも念願のセットボーナスも付くと思うから、頑張った方が良いよ。私が素材等を合わせて新しく作っても良いんだけど………』

服をアキラに作って貰った以外は、全部素材に拘って自作している。確かにセットボーナスが付きそうだよな。


『そうするか。じゃあ、アキラ先生、教えて下さい』

アキラに型紙の作り方から教わる。


う~ん、これは思っていたよりも難しいぞ。服を作るのって防具を作るより難しいんだな。直接身に付けるだけにサイズ感や着心地が気になるしな。


『アキラ、このクロースってかなり性能が高かったんだな。自分で作ってみて分かったよ』


『それは………えっと……そう、自分が使う物ではなくて、プレゼントする物だったから、かなり頑張って作ったからだよ』

なるほどな、プレゼントする物を丁寧に作るのは、僕も分かるぞ。だからか………納得だな。


夜までアキラに指導されながら服を作った事で、基本は何となくだが分かった。だが、まだまだ売り物どころか自分の装備にもなりそうもないな。暫くは練習が必要なようだ。売り物に成らない服は、刺繍の練習に使った後に、ホームの掃除用アイテムとして雑巾に加工している。


ちなみに、ホームは放置していると汚れる為、定期的に掃除を必要としている。NPCに依頼する事も出来るのだが、そんな事にNPCを使うのは何か違うんじゃないかという事と《家事》のLv上げも兼ねて僕が受け持っていた。ケイトが加入してからはケイトも担当していたが、現在はギルドメンバー全員が取得してしている為、当番制に替わっている。






翌日も朝から《裁縫》に励んでいた。OOOの中でもミシンの扱いが様になってきている。


『シュンは、今日も《裁縫》なんか?』

フレイに背後から声をかけられた。


『自分用の服を作るまでは、その予定だが………何かあるのか?急ぎじゃないから手伝うぞ』


『たいした事やないんやけどな、ケイトと採掘行くんやけどな………付き合わへん?』

ケイトとフレイの組み合わせは、最近よく見かける。《機械製作》取得の為に頑張っているみたいだよな。ケイトは《鍛冶》、フレイは《錬金》のLvが足りていない、鉱山ダンジョンで素材を集めをしながら、採掘でスキルLv上げをするらしい。


『………うん、良いぞ。今日は2人に付き合うぞ』

考えている内に、《付与術》で試しておきたい事が有った事も思い出したからな。


『マスター、よろしくお願いしますです』

嬉しそうな顔でケイトが近付いてきた。鉱山ダンジョンは2人より3人の方が、より奥に進みやすいからな。同じ行くなら奥まで行かないと良い素材が出ないしな。


『おう、よろしくな。2人とも準備は良い………みたいだな。じゃあ、行くか』

既にバッチリらしく、すぐに返事が返ってくる。僕は鞄に全ての道具を入れているため準備の必要はない。





鉱山ダンジョンを採掘しながら奥へと進んでいる。入口に近い採掘ポイントでは、フレイも僕もスキルLvがあまり上がらないので、ケイトを中心に採掘している。


戦闘では減少系の《付与魔法》を合体させみる。効果は上昇系と同じで、通常の《付与魔法》の倍以上の効果が有った。上昇系の増大に対して減少系は激減になるようだ。そのおかげで攻撃力の低いケイトでも、ある程度のダメージが与える事が出来て、ケイトの経験値の入り具合が良いみたいだな。


まぁ、僕も《付与術》がガンガン上がっているので嬉しいけどな。


『そろそろ、岩石系のMOBが出現するからな?ケイトも気い付けなアカンで』

僕が頷いて答えると、フレイがケイトに警戒を促している。僕も《探索》スキルが無くなっているので、先が読めない。以前みたいに岩石系だけを避ける事が出来ないからな。


『分かりましたです。気を付けますです』

ケイトは一段と警戒心を強くしたようだな。まぁ、僕以上に紙装甲なので仕方ないだろうけど。一応《付与術》で強化してあるので強MOBのクリティカル1撃でも倒される事は無いと思うが、用心に越したことはないだろう。念の為に〈回避増大〉をかけておくか………


『言った側から出て来たたみたいだな……』

ロックスネクとロックプライス。岩石系の魔物は防御力が高く物理攻撃に強い。


『ケイトは回復と《風魔法》頼む』

フレイは棍で牽制と攻撃をしていく。僕は銃と《風魔法》で削っていく。なかなかダメージは出ないが、フレイの援護程度にはなっているな。


『〈防御力激減〉〈攻撃力増大〉フレイ頼む』

ロックプライスに激減、フレイに増大を掛ける。今までの攻撃が嘘のようにダメージが通る。まるで紙を相手にする様にフレイの棍が貫いていく。


『ここまでくると面白いな』

フレイは楽しそうに棍を振るっているよな。今までと違って、ウソの様にダメージが出てるから分からなくも無いけどな。


『〈防御力激減〉こっちも頼む』

ロックスネクにも《付与術》をかけて、その場を放れながら射撃していく。トドメには、棍を利用してフレイの蹴り技が炸裂していた。


ちなみに、フレイは《拳》《蹴脚》《棒術》から《格闘術》に進化させていて、今のアーツも《格闘術》のモノらしい。


『戦闘だけを見ていると、もう生産系の職人には見えないよな………』

止めを刺すフレイを見てそう呟いた………


『ウチ、その事を、黒の職人さんだけには言われたくないねんけど』

………が、完全に聞こえていたらしいな。


『2人とも生産系には見えませんよです』

追い打ちで、ケイトに突っ込まれるとは思ってなかったな。と2人で顔を見合わせた。


『あれ!?マスター、フレイ、ドロップの素材が鉱石になってますです』

ケイトに言われて鞄の中のドロップを確認する。魔鉱石と言う素材がある。


『フレイ知ってる?』


『いや、分からへんわ?でも前にガイア達に便乗した時は、こんなん出へんかったで……』


『あっ!?』

えっ、いや、まさかと思うが………


『フレイもしかしてだけど、採掘系の生産スキルLv上がってないか?』


『えっ!?それは、流石に無いやろ………わっ!!ほんまかいな《鍛冶職人》と《細工職人》のLvがさっきより1ずつ上がっとるわ。でも………ほんまか?』

木系の魔物を倒しても木材を得ていたが、違和感が無かったのでスキルLvの確認等をした事が無い。


『確証は全く無い。だから、また2・3体狩ってみるか?上手くいけばLv上げ早くなるぞ』

採掘の合間に発見したら検証してみる事にする。次は《見破》で観察してみるかな。でも、今は周りの採掘ポイントからの採掘作業が先だ。3人で別れて掘り進める。殆どの採掘ポイントをケイトに譲っていたため、ケイトも《鍛冶職人》に進化出来たようだ。


『この辺りは、回収し終わったみたいだけど。どうする?』

進むか戻るか決めなければならない。特にケイトは………


『私にはこの先は、まだLvが足りそうも有りませんです』

ケイトは正しい判断が出来るようだな。僕もそう思う。6人パーティーなら進んでも良いが………


『なら戻りながら、岩石系探しやな』

フレイも戻る事に反対は無いようだな。僕らは戻りながら岩系を探す事に、ダンジョンを出るまでに7体の岩石系の魔物を狩った結果は………魔物に対しても採掘が出来ると言う事だった。


多分、採取等でも可能なのだろう………《調合》組のカゲロウとヒナタにメールしておくか。その内、結果も出るだろうしな。


『なぁ、OOOは他のゲームと違い生産系が優遇されすぎてへんか』


『僕は、殆どゲームしないから他のゲームは分からないな。ただ、OOOで生産取得してるとプレイしやすい気はするな。《家事》とかモロにそうだと思うしな』


『私もそう思いますです。前にしていたMMOは、生産系ではプレイしにくいのが多かったよです』

ケイトもかなりのゲーム好きらしいな。ゲーム経験は僕が1番少ないんじゃないか?


取り敢えず、ホームで魔鉱石を加工してみるかな。幸いな事に3人で22個も手に入ったからな。足らなければ、また3人で狩りにくれば良いしな。





ホームに戻った僕らは工房で加工を試みる。僕とフレイは魔石に加工出来たが、ケイトでは、技量が足りずに加工出来なかったので、他の鉱石の加工を任せている。


魔石は、同じ魔高炉と同じ作業道具を使っているのにも関わらず、僕とフレイの加工した魔石にも差が有った。



『ウチのは12個全て緋魔石やったわ』

大小様々なサイズの魔鉱石を加工してみたが、全て緋魔石だったようだ。


『僕は緋魔石と蒼魔石が4個ずつと翠魔石が2個だな』

僕の方は、比較的小さい物を加工していたが様々な魔石に変化していた。


『なんか違いがあるんやろか?』

魔石は緋が1番レア度が低い、次が蒼で、その次が翠だ。フレイの方が高Lvなのに質が悪い。運なのだろうか?それとも何か他に原因が有るのか?


ただ、加工する事は出来た魔石だが、今のところ《鍛冶》にも《細工》にも使えそうに無い。上位スキルか複合スキルなのか?ちなみに僕の複合スキル《銃製作》は勿論、《機械製作》でも使えないようだ。当分出番は無さそうだな。


『使い道の無いアイテムが、また倉庫に増えてしまったな』

スキルLv上げとしては美味しいので問題ないのだが、倉庫にレアな素材やアイテムが増えつつある、利用法を考えなければならない。まぁオークションに出してみても良いんだがな。








装備

武器

【雲水】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に水属性が追加〉

【霧氷】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に氷属性が追加〉

【雷鳴】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に雷属性が追加〉

【銃弾Lv3】攻撃力+15〈特殊効果:なし〉

【魔銃】攻撃力40〈特殊効果:なし〉

防具

【ノワールブレスト】防御力25〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:重量軽減・小〉

【ノワールバングル2】防御力15〈特殊効果:回避上昇・小/耐水〉〈製作ボーナス:命中+10%〉

【ノワールブーツ】防御力15〈特殊効果:速度上昇・中〉〈製作ボーナス:跳躍力+20%〉

【ノワールクロース】防御力20/魔法防御力15〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:耐火/重量軽減・小〉

【ノワールローブ2】防御力15/魔法防御力20〈特殊効果:回避上昇・中〉〈製作ボーナス:速度上昇・中〉

アクセサリー

【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールホルスター】防御力10〈特殊効果:速度上昇・小〉〈製作ボーナス:リロード短縮・中〉

【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉



《双銃士》Lv29

《魔銃》Lv27《双銃》Lv25《拳》Lv32《速度強化》Lv62《回避強化》Lv65《旋風魔法》Lv17《魔力回復補助》Lv62《付与術》Lv26《付与銃》Lv42《見破》Lv48


サブ

《調合職人》Lv4《鍛冶職人》Lv24《革職人》Lv44《木工職人》Lv8《鞄職人》Lv47《細工職人》Lv18《錬金職人》Lv19《銃製作》Lv30《裁縫》Lv18《機械製作》Lv1《料理》Lv28《家事》Lv54


SP 22


称号

〈もたざる者〉〈トラウマの殿堂〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈自然の摂理に逆らう者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉

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