表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
OOO ~Original Objective Online~ 称号に振りまわされる者  作者: 1048
第1部 第2章
12/65

複合スキル

『フレイ、何か出たか?』


『アカンわ、銀鉱石すら出えへんな………』


『だよな………』

僕とフレイは2人で鉱山に籠って採掘している。場所は鉱山の街【ヴェルク】の中にあるダンジョンだ。既に5日目に突入しているが………全く出ない。バージョンアップまではスキルを持って無くても拾えたらしいのだが、スキル取得者が2人がかりでも今は全く出ない。銅鉱石、鉄鉱石は大量に出ているのにな。


『やっぱり、もっと奥に行かなあかんかもな?』

僕らは、ダンジョンの入口に近い所で採掘している。岩石系魔物の強さが2人ではキツイ。


ガイアにも確認してみたが、バージョンアップ前よりも強力になっているらしい。それによって、ガイア達も最奥まで到達出来てない。たまにダンジョンの入口で見かけたりもするが、あまり攻略は捗って無い様だ。


こう言う迷惑な微調整はいらないんだよな。


『そうかもな。取り敢えず、僕は鉱石を処理しに1回戻るってくる。フレイはどうする?』


『ウチはもう少し粘ってみるわ、最悪はガイア達に便乗させてもらうかもな、武器製作の依頼と引き替えにでも………』


『無理はするなよ』

僕は、ダンジョンにフレイを残してホームに戻る。最近は鉱石の下処理を僕が担当させて貰っている。スキルLv上げの為だ。フレイは今とれた鉱石の処理では、Lvが上がりにくいところまで成長している。Lv上げの為には銀鉱石クラスが必要になる様だ。そのお陰で僕も、かなり成長しているんだがな。




『今日こそは、失敗0を目標に……』

鉱石を魔高炉を使って塊化していく作業で、たまにミスをする。《火魔法》を持って無い僕には、火力の調節が難しい為だ。それと、金属を叩いていく精錬作業に疎かにすると、失敗はしないが金属の固さが変わり強度が弱くなり、粗悪品が出来上がるからな。


ちなみに、魔高炉の火が暑すぎて汗が出てくるような感覚に陥っている。実際に汗が出る事は無いのだが………それくらい炎と暑さがリアルなのだ。出来た塊は《錬金》《鍛冶》《細工》の順で加工していき、素材を無駄なくLv上げに使っているからな。


『これ、経験値的にはかなり美味しいよな』

実際に、このローテーションは笑いが止まらない。《細工》では、効果が微弱なアクセサリーもかなりの量が生産出来ている。その中でも質の良いものは店舗【noir】で、安く売りに出して、粗悪なアクセサリーは、また塊に戻す。塊に戻す時は、元より量が減るのだが使えない物を在庫(ストック)するよりマシだろうな。



たった5日間の作業だったが、かなりLvが上がって《鍛冶》は《鍛冶職人》に進化できている。《錬金》と《細工》は、もう少しと言ったところだな。



『ギルマス、ただいま。この鞄使い易かったぞ』

カゲロウ達が狩りから帰って来たようだな。


既に鞄は各々のリクエスト通り作ってプレゼントしている。当然、初期の鞄より高性能で使い易いのだが、改めて言われると嬉しいものだ。


『ただいま戻りました』

ヒナタはカゲロウと違って礼儀正しい。あの面接の後に分かった事だが、カゲロウとヒナタは姉弟(きょうだい)で、2人共中学生らしい。


『ただいまです』

ケイトは、海外からの留学生らしく、僕らと同じ高1と言う事が分かっている。


『おかえり。カゲロウ、ギルマスは止めろと言ったはずだぞ。それで、狩りの方はどうだったんだ?』


『はい、今日は連携を確認しながら、川の辺りで狩りをしました。明日は森緑の街まで行ってみる予定です』


『そうか、頑張れよ。今日は終わりか?』


『はい。私とカゲロウは、これでログアウトです』


『私は、今から《錬金》をするです』

ケイトは《家事》以外に《錬金》《細工》を取得した。アイテム変換やアクセサリー製作を、お気に召したらしく。ここ3日間は一緒に工房に籠る事が多いな。


『さっき、また塊にしたから、そこに有るの使ってくれて良いぞ』


『分かりましたです。今日は《細工》で宝石も使ってみたいのです』

宝石を使えば属性が付ける事も出来るし、性能も上がる。更にLv上げ的にも美味しいが、宝石を使うと失敗しても塊に戻せないと言うデメリットが有るんだよな。


『そられなら、一緒に作ってみるか?今日の残り時間は、僕も《細工》に使っても良いし』


『お願いしますです』

ケイトは嬉しそうに頭を下げている。


『じゃあ、私達はログアウトしますね。また明日』

ヒナタは、ちょっと寂しそうだが家でのルールなので仕方ないだろう。ケイトも夏休みに入っているので、いつでも会えるだろうし。


『またな。ギルマス(………)

2人揃ってログアウトしていく。


カゲロウは何度注意しても聞いてくれない。多分、わざとなんだろうけど、溜め息が出そうになるな。実際には気付かない内に出てるのかもな。


『おう、また明日な。お休み』



『マスターは、お疲れですか?です』

ケイトが気にしてくれる。外国人だが、気遣いは日本人並みだ………いや、以上かもしれないな。


ケイトは僕の事はマスター、アキラの事はアキラさんと呼んでくる。若干、カゲロウの影響がある様だな。カゲロウと違いギルドを付けないので許容しているが、何かむず痒いよな。


『少し精神的にな。別に気にしなくても大丈夫だぞ。じゃあ、始めは普通にアクセサリー作ってみようか』


『はいです』

数個のアクセサリーを作る。宝石を組み込む為のベース部分になる。当然ある程度の品質が必要になるのだが、ケイトはまだ始めたばかりなので成功の頻度が低い。まぁ、本人が楽しいなら良いけどな。




『そろそろ宝石も加工してみるか、始めはアクアマリンを使ってみようか』

倉庫の在庫に1番ある宝石だ。こう言う時に使わないと在庫が減らないし、勿体無いからな。


『今日、川でいくつか採掘出来ましたよです』


『ケイトは採掘もしてるのか?ならSPに余裕出来たら《鍛冶》も取得した方が良いかもな。採掘は《鍛冶》と《細工》の両方に影響が有って、補正が有ってボーナスも付くからな。良い素材が出やすくなるぞ』


『それは素敵ですねです』


『まぁ、余裕出来たらで良いけどな。そうそう、その調子だ。宝石は丁寧に少しずつ削るんだ。形を整える事でも性能が少し上がる』

僕が見本に丁寧に加工したモノと適当に加工したモノを見せる。属性の補正が2%も違う。


wonderful(ワンダフル)beautiful(ビューティフル)です』

ケイトも加工を始めたので、僕は2人分のアイスティーを入れて加工を続ける。


《錬金》と《細工》を組み合わせて【宝石弾】と言うオリジナル弾の製作に成功しているが、威力の高さに比例してコストが非常に悪く、量産には至ってない。まぁ、護身用に1マガジン分持っているくらいだな。



『そう言えば、ケイトは日本に馴れたのか?かなり日本語は上手いよな』


『ありがとうございますです。もう、日本は4年目なので馴れましたよです。良い人多くて、ますます大好きになりましたです』

日本を気に入ってくれたなら。同じ日本人として嬉しいのな。


でも、4年目という事は中学から日本にいるのか、留学にしては結構長くいるんだな。ケイトと僕は、たわいもない会話をしながら製作をしている。ケイトからも色々と質問してくれるので、沈黙は無いし、会話にも困らなかったけどな。




『こんな感じでいかがですか?です』

始めてにしては、なかなか良い仕上がりになっているよな。


『うん。これは良い感じだな。ケイトは《細工》に向いてそうだな。フレイは僕よりも高Lvだから、時間が合えば色々教えて貰うと良いぞ。大阪弁って言って言葉は独特だけど、優しいからな。そうだ!!どうせなら、いっぱい練習してアクセサリーを3人分作ってヒナタ達にもプレゼントしたらどうだ?』

パーティーで共通属性のアクセサリーを持っていると戦略的に違ってくるからか。相手の属性に対処もし易い。


『はいです。頑張ってみるですよです』

ケイトのやる気に触発されて僕も《細工》に集中できた。良い時間を過ごせて、良い仕上がりの宝石も加工でき【ノワールバングル】に耐水を加える事が出来たからな。かなり満足だよな。




気付けば《細工》が《細工職人》に進化できるようになっているな。迷わず10SPを消費して進化させる。明日は《錬金》と久しぶりにソロで戦闘系を上げようかな。時間的にも、今日はこの辺でログアウトするか、


『僕はそろそろログアウトしようと思うけどケイトはどうする?』

1人残すのは忍びないが、そろそろ良い時間になっているからな。


『私は、もう少し頑張ってるです』

やる気のある時に、頑張ってみるのも良いだろう。誰が言ったか忘れたがゲームは楽しくなければゲームじゃないからな。


『あんまり無理するなよ、じゃあ、おやすみ』






翌日からはソロで、鉱山ダンジョンに入っている。普段ならあまり数を持たないポーションも今回に限っては大量に持ち込んでいる。


今までは《探索》スキルに頼りきりだった為、MOBを上手く探す事が出来ない。それにより先制や不意討ちが難しくなっていて余分なダメージか増えている。


まぁ、戦闘になると弱点等が判る為、無駄撃ちは減ってコスト的には助かっているのだが、不便さの分マイナスに感じてしまうよな。弱点が視認出来るようになって〈急所撃ち〉の出番は確実に減ってるし、分岐では先を十分に確認しないと安全に進めない………


『1体みたいだな〈速度上昇〉〈回避上昇〉〈攻撃力上昇〉………〈必射〉〈跳弾〉』

《付与魔法》をかけて狙い撃つ。分岐を曲がらなくても撃てる〈必射〉からの〈跳弾〉のコンボは便利かつ強力だな。何と言ってもMOBに視認されないので、MOBに見付からない。


まぁ、それ相応のMPを持っていかれる訳だが、安全に勝るモノは無しだな、物陰に隠れて射撃を続ける。


『そろそろ、いけるか?』

《見破》スキルのお陰で残りHPまで把握できる。接近して一撃〈零距離射撃〉を入れる。これが最近のソロの戦い方だ。魔物が強い為、戦闘に時間は掛かるが、その分行動回数が増えスキルLvも上がり易い。例え、死に戻りになっても僕は生産活動をすれば良いので問題ないのが強みだな。


『次だ』

ドロップを確認して次を探す。魔物は1体が希望だが、2体までならなんとかなるくらいには戦えるようには成長している。空洞?いや、小部屋って言う方が正しいかな?に入らなければ、魔物に囲まれる事もないからな。


小部屋に入れば、宝箱が待ってい場合も有るが、必ずと言って良いほど複数の魔物がいる。ちなみに、宝箱はダンジョンに入る毎にリセットされているし、宝箱のある場所もランダムでパーティー毎でしか見えない設定になっている。


例えばAとBの2パーティーが同時にダンジョンに入ったとすると、AとBとでは宝箱の見え方や数が違う。Aには見えるが、Bには見えない等がおこりうる設定だ。


例外としてボス部屋の宝箱は全員共通で見えるらしい。まぁ、取れるのは1パーティーで最大6個らしいがな。昨日、ついにガイア達はこのダンジョンを攻略出来たみたいでこの事を教えて貰った。


フレイも便乗しながら採掘していたらしく、ボス部屋の宝箱やドロップが魅力的な事とボス部屋付近では新たな鉱石や宝石も出た事をメールで伝えてくれた。それにしても、妙にテンション高かったよな。


メールなので文章でしか分からないが、それでも伝わってくるモノは確実に有るからな。今日もダンジョンに入るみたいなので何処かで会うかも知れないな。


まぁ、今日はソロと決めているので出会ったとしても一緒に行動はしないけどな。


『2体か………岩石系じゃないな。ランドウサギ?よし、いくか〈必射〉〈跳弾〉』

《付与魔法》は継続中だ。隠れて射撃を続けてい………何故だ!?見付かったぞ。


慌てて《見破》で確認すると、ステータスに体温感知の特殊技能が有る事が載っている。こんな事が起こるので新種のMOBには気を付けなければならない。


『〈ウインドカッター〉〈回避減少〉』

攻撃魔法と能力減少の魔法で動きを抑える。後は、ひたすら回避して射撃を繰り返す。HPが低い僕は軽い一撃が致命傷になりかねない。こう言う時はリロード不要の【魔銃】の存在が特に有りがたかった。なければ殺られていたかも知れないな。その代わり………


『MPが渇れたか………』

暫くはMP回復に専念しなければな。まぁ、《魔力回復補助》のLv上げと思えば良い。


『うん!?』

ステータスを確認していたら新しいアーツを習得している。あっ!!魔法もか………



newアーツ

〈必跳弾・短銃〉攻撃力×2 クリティカル補正+10%

必中の跳弾を射撃をする/消費MP 50

習得条件/〈必射〉〈跳弾〉を20回使用する


new魔法

〈ウインドミスト〉霧を発生させて魔物の視界を奪う/消費MP 10

習得条件/《風魔法》スキルLv45



銃の方は、またオリジナルで編み出したらしいな、魔法はLvアップか。この〈ウインドミスト〉を上手く使えば隠れなくても良いんじゃないのか?


銃は勿論、魔法の方も、かなり使い勝手が良いような気もするぞ。


更に、《風魔法》がLv 45で成長上限になり《旋風魔法》に進化させれる様だ。成長させれる時に、成長しないのは経験値の無駄になるので迷わず進化させる。こちらは10SPの消費だ。僕のプレイスタイルだといつかSPが足りなくなるのだろうな。いつもギリギリなんとか………って感じだからな。




次の魔物を見つけて早速、


『〈ウインドミスト〉』

を試す。


恐る恐る慎重に近付いてるが、視覚のみで認識している魔物には見付からない様だな。視覚と強調したのは、多分だがランドウサギのような体温感知系は無理だろう。


『〈零距離射撃〉〈零距離射撃〉』

素早く2連射で片付ける。


次は、魔物に見付かってからでも効果が有るのかを試す事か。結論から言うと効果が有った。僕の存在は分かるみたいだが、何処にいるか分からない為、検討違いの場所を攻撃しているので攻撃が全く当たらないからな。少し滑稽で面白かったな。こちらは、的確に狙えるから余計にな。〈ウインドミスト〉の効果も判り、ゆっくりだが先に進んで行ける。近くに魔物がいない事を確認できる時には採掘もしている。まだ、銀鉱石は出てないが、フレイの情報に有った新種の宝石は出ている。



『宝箱1に、MOB3か………』

悩むな………かなり悩んだが宝箱の魅力に負けた。ダンジョンに来たのだ1つ位は宝箱も空けてみたい。まぁ、ダンジョンに入ってかなり魔物を倒しているので、それなりに戦えるようになっているし〈ウインドミスト〉を使えば、なんとかなりそうだな。


『………行ってみるか〈ウインドミスト〉〈必跳弾〉』

僕は攻撃力こそ低いが、戦闘経験は確実に上がっているからな。


〈ウインドミスト〉の効果中にアーツの連射1体を葬り去る。


『……残り2体』

〈速度上昇〉を掛けて走りながら〈必跳弾〉を放ち続ける。見なくても当たるので回避に専念できるのは大きいな。隙を見て【魔銃】で射撃もする。当たらなくても牽制になるからな。まぁ、無駄撃ちは少ないに限るがな。


『ラスト〈零距離射撃〉』

〈零距離射撃〉は、攻撃力が上がる度に驚異になっていくな。最近は中距離よりも、やや近距離よりで戦う事が増えているし便利かもな。


2丁持つ事によって《拳》を使う機会も減っているな。《拳》の利用方を考えた方が良いかもな。


『まぁ、今はそんな事よりも、た・か・ら・ば・こ。いただきま~す』

祝!!初宝箱を空ける………


『………えっ!!マジか?本当にポーション1つですか?』

僕は、もう2度と宝箱に幻想は抱きません。抱いてやるものか。腹いせに魔物を慎重かつ、なるべく数を狩りながらダンジョンを出る事にした。もう岩石系以外に、このダンジョンに敵は無いだろうな。


新種の宝石の検証もしないとな。戻って生産でもするか。






ホームに戻るが、誰もいない。今日も紅茶を飲みながら《錬金》で使った分の弾を補充する。市販品では攻撃力が低くすぎて使い物にはならないので、自分の弾は自作している。約1,000発、100マガジン分。これくらいは、常に持ってないと不安になる。ダンジョンに潜るなら尚更だ。


『おっ!!』

やっとカンストしたな。これで《錬金》も進化できるな。


《錬金》を《錬金職人》に10SPを使って進化させる。


『あれ!?』

《鍛冶職人》《錬金職人》《細工職人》で複合スキル《機械製作》が派生したようだ。それと同時に銃スキルを持つ僕には《銃製作》も派生する。どちらもSPを20も消費するのか?かなり大きい消費だよな…………もしかして、これが複合スキルなのかな?


今は24SPしか無い為、今すぐに両方取得は無理だな。まぁ、これに限って言えば選択に迷う事は無いけどな。


『ほい。《銃製作》と』

迷わず《銃製作》を取得する。これで、銃が自作出来る様になったな。ここまで長かったな。本当に長かったな……



なるほどな。《銃製作》は、素材を集めてメニューから作るみたいだ。確かに銃を1から作るのは色々と問題があるよな。って言うか普通は作り方が分かってたらダメだよな。


《銃製作》の短銃製作リストの中には【ハンドガン】のみ表示されている。これを選択すると必要素材も分かる。


【ハンドガン】は在庫で作れるな。選択して製作する。


………ファンタジーだな。ピカッと光って机の上に【ハンドガン】が現れる。メニューから製作する事しか出来ないので製作ボーナスは付かないようだ。


同時に【アルファシーク】【ベータシーク】【ガンマシーク】【デルタシーク】のメニューが表示されて選択出来るようになる。素材は今まで集めた物が有るので順番に製作していく。どうやらリストの銃を製作すると次が表示されるようだな。


続いて【疾風】と【雷鳴】が表示される。必要素材は、さっき採掘した新種の宝石アメジストとエメラルド、僕にしては運が良いな。早速、製作してみるか。



【疾風】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に風属性が追加〉


【雷鳴】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に雷属性が追加〉



やっと【デルタシーク】の攻撃力を越える銃をてに入れる事が出来た。しかも、属性付きとか嬉しすぎるな。新たに作れる銃がリストに増えている。【烈火】【雲水】【皇土】【霧氷】だ。



【烈火】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に火属性が追加〉


【雲水】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に水属性が追加〉


【霧氷】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に氷属性が追加〉



順番に作るが………【皇土】に必要な宝石サンゴだけは持っていなかった。


『やっぱり、海の側だろうな。サンゴが採掘できるのは』

ますます【ポルト】に行かなければならなくなったな。取り敢えずは使い易い【烈火】【霧氷】【雷鳴】を装備する事に、今装備しているホルスターは4丁しか収納出来ないからな。


まぁ、必要に応じて装備を変えれば済む話だけど、基本的な型は同じだが色と模様が違うので間違う事はないだろうな。


リストの方は作っていない銃が在る為、更新されない。スキルLvは15まで上がっている。《銃製作》は、作れる銃が多かったらLvは上がりやすいのかも知れないな。一緒に派生元の3スキル《鍛冶職人》《錬金職人》《細工職人》のLvも少し上がっているのが、嬉しすぎる配慮だな。




『他の生産系でも、こう言う複合スキルが有るかもな………』

ログインしているギルドメンバーにメールを送る。内容は………



今からホームに来れるメンバーだけ集まれないか?生産系の複合新しいスキルが少し判明したので検証したい。



これだ。送信後すぐに、フレイとケイトから返事がくる。今は2人一緒に街で買い物中らしく、後でホームに寄るそうだ。


『ギルマス、ただいま』


『ただいま戻りました』

ヒナタ達はメールの返事をする前に帰ってきたな。


『今日は3人で【ヴェール】じゃなかったのか?』

昨日、そんな話を聞いた気がするが………


『シュンさんに教わった通り、樹木系の魔物に注意したので安全でした。【ヴェール】にも早めに着いたので、今は、ポーション類の補充するのに街で別れて買い物してました』


『おっ!!頑張ったな。お疲れ様、アイスティーでも飲むか?』

アイスティーを差し出す。


『ありがとうございます』


『サンキュ、ギルマス』


『カゲロウ、本当にギルマスはやめてほしいんだが………』


『シュンさん、スミマセン』

ヒナタがカゲロウの代わりに頭を下げている。


『ヒナタは気にするな。カゲロウ、妥協点だ。ホームの中だけなら許す、外で言ったら落ち込むからな。これ以上は妥協しないぞ』

カゲロウはニヤニヤ笑っている。本当に頼むからな。


『今日も楽しそうやな』


『マスターただいまです』

フレイ達も戻ってきた様だな。


『気のせいだ。ちっとも楽しく無い。おかえり、早速で悪いがスキルの話をしても大丈夫か?』

さりげなく僕が、紅茶を出しているのはデフォルトだ。フレイ達にはミルクティーにするか。この前ケイトにリクエストされていたしな。紅茶を飲みながら《機械製作》の事を話した。


『じゃあ、他の生産系複合スキルが存在する可能性が有るんですね?』

やっぱり皆、興味津々だな。


『多分な。僕なら《裁縫》取得して《裁縫職人》まで進化させると《革職人》《鞄職人》と合わせて縫う系の複合スキルが出そうだし、《木工》《調合》系を成長させても有りそうだな』


『それやと縫う系はアキラとシュンが検証するのが速そやな。ウチは《機械製作》目指してみるわ、あと《錬金》だけやからな』


『では、私とカゲロウで《木工》《調合》を検証してみます。2人共1種は取得済みなので、頑張れば出来そうです』


『え~………私は何すれば良いのでしょうか?です』

ケイトの生産系スキルは僕やフレイと被っている。どうしようかな………


『じゃあ、ケイトはウチと《機械製作》目指してみるか?2人の方が《機械製作》の先を、検証しやすいかも知れんしな』

確かに、更に進化先が有る可能性は高い。


『はい。私も頑張りますです。よろしくお願いしますです』

ケイトの方向性も決まったようだな。仲間外れはギルドの方針に反しているし、僕が絶対に嫌だからな。


『それと、検証が必要な事がもう1つ。取得している武器スキルによって他にも現れる可能性がある。僕が《短銃》スキル持っていたから《銃製作》が現れた』

説明と同時に、さっき作った銃も見せる。フレイは興味深く手にとって確認している。


『これは《鍛冶職人》としては見逃せへんな。武器スキル次第で作れる物が増える可能性があるとか魅力的やな。皆は知ってるか?刀は店で売ってるけど、まだ作れへんねん。今でも刀みたいな見た目の擬きなら作れるんやけどな。だから、シュンが言う通りで、その可能性が高いな。刀作るとか憧れやちゅうねん』

フレイは目を輝かせている。フレイのジョブは|《格闘士》《モンク》を進化させた|《格闘王》《モンキング》だけあって、取得している戦闘系スキルも《拳》《蹴脚》《棒術》と格闘系に偏っているのだが、この調子なら《刀》も取得しそうな勢いだな。


『《刀》スキル取得したったわ』

はやっ!!相変わらずの即断即決だな。いずれは取得するかも?とは思っていたが速効とはな。恐れ入りました。



『ギルマス、《木工》や《調合》とかにも有るかな?』

カゲロウは知りたくて堪らないって顔をしている。


『カゲロウ、生産系は情報サイトに殆んど載ってない。生産を真面目にしてるプレイヤーが少ない事も有るが、秘密主義のプレイヤーが多いからな。僕が見付けたのもぐうぜんだ。それに、それが分かってたら、自分で発見した時が少しも楽しくないだろう。だって、それは、ただの作業になってるからな。OOOはゲームだ、僕らは少しでも多くこの世界を楽しもうよ』

あれ、ちょっと今のセリフはクサかったか?静になってしまった。かなり恥ずかしあな………


『はいです。その方が絶対楽しいのです』


『そうだな。悪いギルマス、俺も楽しむわ』

皆に伝わったようで良かった。フレイがニコニコ笑顔でこっちを見てるのが気になるがな。


『以上。解散』

恥ずかしくて皆の前に居られない、工房の方に逃げる。




『あの~、シュンさん。さっきのは素敵でした。私も楽しみます』

ヒナタが僕の側でコソッと話して逃げていく。ヒナタ、お前もか………止めを刺された気分だな。


まぁ、取り敢えずはSPを稼がないと検証にも進めないし、戦闘系のスキルLv上げるついでに採取でもして《調合》《木工》上げるか。久しぶりに森の奥にある蜂の巣を目指すか。あの辺りの素材は、魅力的でよく使うからな。在庫が切れそうだったから丁度良いかもな。





『相変わらずビーだらけだな………』

まぁ、逆にやり易いかな。〈ウインドミスト〉〈回避上昇〉を唱えて蜂MOB達の視界を奪う。この蜂MOBには、現実の蜂と違い感知系の特殊能力が無い。既に《見破》で確認済みだ。視界さえ奪えれば後は回避優先で〈必射〉を放つだけだ。


ついでのついでだ。製作した銃の性能テストも兼ねようかな。


まずは……【烈火】から、撃ち出した弾が燃えている。貫通こそしないが当たれば燃える。


『うわ、燃焼のスリップダメージまで有るぞ。これは、えげつないわ』

10発で10体を狩る。銃を持ち変えたり、装備を変更して【疾風】【雷鳴】【霧氷】【雲水】を順に試す。


【疾風】は当たるとMOBを切り裂く、MOBが弱く1撃で倒せる為なのか?真っ二つなる。


【雷鳴】は当たると周囲に放電現象が起こり、周囲を巻き込んでいる。感電のスリップダメージのオマケ付きだったし。


【霧氷】は当たるとMOBが凍り付く。氷の塊になりどんどん下に落ちていく。後は煮るなり焼くなり自由にして下さい状態だ。


【雲水】は当たると………効果が判らない。何故?弱点になる属性じゃないと駄目なタイプなのだろうか?蜂MOBでは判らなかった。


蜂MOB相手に、いろいろなパターンを試した結果、単体では判らなかった【雲水】だが【霧氷】と同時に使うと、大きな氷の塊になる。大きくなる分、周囲を巻き込める。これは、以前にジュネが使った魔法みたいだな。【雷鳴】と同時なら放電現象が大きくなった。等のコンボ攻撃も成立している。突き詰めれば他にも色々な事が出来そうだな。




『そろそろ、クィーンが出てくるかな?』

既に3桁は倒している。蜂の巣は空になる頃だろう。


『お待ちしておりましたよ』

予想通り、こう言うところで運営さんは裏切ってこないから助かります。本当にありがとう。〈ウインドミスト〉が効いた為、蜂MOBと大差ない結果になったな。ボスMOBなのでHPだけは異常だったが………ドロップに目ぼしい物は無かった。まぁ、目的は採取だから良いんだけどな。



『では、採取させてもらいましょうか』

ボスを倒さないと採取出来ない場所の為、良い素材が採取出来る。蜂の巣ごと木材も頂く。採れる素材は全て採り尽くした。


辺りには雑草しか残ってないが、10分もすれば、素材も蜂の巣も全て復活するので全く問題は無い。もう2・3回は狩らして貰おうかな。復活するまで待たせて貰うか。


MP等を回復させる時間には十分過ぎるしな。そして異変があったのは3回目のクィーンを倒した時だった………


『うん!?……なんだ………アレは?』

赤と青のビークィーン希少種?が現れた。直ぐに物陰に潜む。


ステータスを見て判るのだが、体温感知と臭気感知の特殊能力が有るレアボスMOBの様だ。赤は火属性、青は氷属性わ持っているな。


『………何かのイベントなのか?』

何処かでフラグでも踏んだかな?


アレを倒すのは、ちょっとソロでは無理じゃないか?体温感知が有るので〈ウインドミスト〉は効果が無いだろうし、いつもみたいな奇襲や遊撃は出来そうにないよな。逃げても良いのだが………さっき、カゲロウ達に言った言葉が頭に浮かぶ。この世界を楽しむ…………


正々堂々戦うしか無いのか、完全に僕の苦手なタイプだよな。右手に【烈火】左手に【霧氷】を持つ。《付与魔法》上昇系を全部掛けた状態でタイミングを計る。


呼吸を調えて………


『〈必跳弾〉〈必跳弾〉』

それぞれ弱点となる属性をぶち込む。ここからは数を減らす事を優先する。左手の【霧氷】を【魔銃】に持ち変えて青のクィーンを射撃していく。


『クッ!!』

火属性と氷属性の魔法と毒針が飛んでくる。回避だけでいっぱいいっぱいだぞ。ここは何処の魔界ですか?森が火と氷の世界に変わっていく。


『魔法は予定外だ………ぞ』

魔法を連続で撃たれないだけマシなのか、高範囲魔法ではないので回避出来るだけマシなのか、戦闘エリアが広いのが救いなのか、そんな事を考える余裕があるだけ冷静なのか、判断がつかないな。


【烈火】で〈必射〉を放ち続け攻撃している。〈跳弾〉ではMPが持たない。【魔銃】は減少系《付与魔法》と牽制、コンボ攻撃と大活躍している。




30分ぐらいは経ったか?ポーションは既に尽きている。だが、青のクィーンは残りHPは僅かだ………


『〈零距離射撃〉』

魔物のHPが残り少なくなると、楽をしたくなるよな。接近して1撃で削り倒す。やっと1体倒せたか、これでかなり余裕が持てそうだな。


と思ったのも束の間で……………



『えっ!?えっ~~~~!!』

確かによくあるパターンなんだけどな、有りか無しなら、絶対に無しだろう。合体するのは。


僕が、今まで必死になって削ったHPは元通り。こっちはMPは枯渇気味だし、相手の属性は氷火、上位属性のようだ。火と氷属性が効かなくなってので武器も【雷鳴】と【疾風】に持ち変える。


くそ、仕方ないな。やれるとこまでやって潔く散るとするか。


射撃続けながらヒット&ウェイを繰り返す。射撃、射撃、回避だ。MPも少しづつだが自然回復している。回復したMPは〈ウインドヒール〉に注ぎ込む。毒のスリップダメージとか地味にきつくなる。アクアが必要以上に言ってたのを思い出すな。まさに走馬(………)灯の様に


『アクア、すまん納得した………』

HPが全快でも、どの攻撃も3発は耐えれないが、2体の時よりは戦い易いな。はるかに回避がし易い。合体クィーンの攻撃は威力が高く範囲が広いが攻撃回数が少ないのも救いだな。時間は掛かるが倒せなくは無さそうだな。


ようやく勝機が見え始めた。回避を中心に射撃を繰り返していく。





合体クィーンは魔力を溜めて………


『ちょっと待っ…ウグッ!!』


『グホッ!!』


『ゲヘッ!!』



『………〈ウインドヒール〉』

油断した、考えが甘すぎた。仮にもレアボスだ、単純な攻撃だけのはずが無かったよな。氷火の全体範囲魔法とか、ソロ相手には無しの方向でお願いしたい。氷の塊が大爆発するとか回避のしようがない。離れていたのにHPも8割もってかれたからな。2度と喰らいたくない。近距離なら間違いなく死んでいただろうな。


だが、それも最後の悪足掻きだったのだろう、魔法を放った後、合体クィーンは崩れ落ちていく。


『………本当に倒せたのか?』

さっきの事が有るので油断は出来ない。ステータス上ではHPが無い事は確認出来た。次はドロップを確認してみる事にする。


1人で倒したからなのか、クィーン3体分のドロップが大量にに有る。倒してないはずの赤のクィーン分のドロップも有った。


まぁ、それは置いといて、採取しなければ。今日の目的は採取なのだから。こう言う時の僕は全くブレないぞ。


『うん?あんな所にポイント有ったか………』

さっきまでは、多分無かったところに採取ポイントが出来ている。とりあえず採取してみるかな。


『御神木?』

新種の木材アイテムで、10本も採取出来た。さっきまで有った採取ポイントは無くなっている。反応すら無いから、レアボス討伐のご褒美か何かだろうか?


木材だし、アキラの弓でも新しく造ろうかな。生産系の脳の中など所詮、製作の事しか考えてない。


だが、今日は無理だ。色々と疲れまくったからな。









装備

武器

【烈火】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に火属性が追加〉

【霧氷】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に氷属性が追加〉

【雷鳴】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に雷属性が追加〉

【銃弾Lv2】攻撃力+10〈特殊効果:なし〉

【魔銃】攻撃力40〈特殊効果:なし〉

防具

【ノワールブレスト】防御力25〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:重量軽減・小〉

【ノワールバングル2】防御力15〈特殊効果:回避上昇・小/耐水〉〈製作ボーナス:命中+10%〉

【ノワールブーツ】防御力15〈特殊効果:速度上昇・中〉〈製作ボーナス:跳躍力+20%〉

【ノワールクロース】防御力20/魔法防御力15〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:耐火/重量軽減・小〉

【ノワールローブ2】防御力15/魔法防御力20〈特殊効果:回避上昇・中〉〈製作ボーナス:速度上昇・中/〉

アクセサリー

【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールホルスター】防御力10〈特殊効果:速度上昇・小〉〈製作ボーナス:リロード短縮・中〉

【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉



《双銃士》Lv18

《魔銃》Lv17《双銃》Lv15《拳》Lv32《速度強化》Lv55《回避強化》Lv58《旋風魔法》Lv13《魔力回復補助》Lv56《付与魔法》Lv60※上限《付与銃》Lv34《見破》Lv39


サブ

《調合》Lv19《家事》Lv49《鍛冶職人》Lv14《革職人》Lv44《木工》Lv27《料理》Lv23《鞄職人》Lv47《細工職人》Lv13《錬金職人》Lv9《銃製作》Lv15


SP 34


称号

〈もたざる者〉〈トラウマの殿堂〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈自然の摂理に逆らう者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ