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OOO ~Original Objective Online~ 称号に振りまわされる者  作者: 1048
第1部 第2章
11/65

ギルドメンバー 3

『それじゃあシュン教えて、さっきの私とリツさんのアーツは何?』

リツも興味津々と言った感じでこちらを見ているな。ホームに戻って来ているし、ここにいるメンバーになら話しても問題ないだろうな。だが、まずは紅茶を入れさせて貰う。そこは絶対だ。


『アレは、どうやら融合と言うようだ。多分、アーツだけじゃなく魔法でも可能なんだと思う。同じ標的に同系統の武器で2属性以上の攻撃を同時発動が条件らしいな。一応上位属性になるみたいだな、さっきのは火と風で“火風”らしい。2人共、ステータスと称号に変化が有るだろ?』

2人が同時に確認作業に入ったようだな。


『あっ!!使えないけどアーツが増えてる。えっと〈融合技・ファイアストーム〉だって、上位属性って光と闇だけじゃないんだね』


『称号も増えてますよ。〈融合師〉らしいです』



称号

〈融合師〉

融合を使った者への称号

取得条件/融合アーツ又は融合魔法を使う



『シュンの言う通りみたいですね。こうなると見ただけで分かった《見破》のスキルの方が異常ですね』

やっぱり、そう思うよな。僕も異常さは感じてはいるが《探索》の方が微妙に便利なんだよな。


『ステータスやアーツ等の性能くらいしか見れないぞ。《探索》を無くしてまで取得する必要は無かったと思うぞ。融合の事は、たまたま弓を使う2人がいるんだからな。2人で色々試してみたらどうだ?』

《見破》取得後に、ステータス等を見る魔法も有ると知って後悔しているくらいだからな。融合に関しては、きっと他のパターンでも使えるアーツが有るだろう。出来るだけ、試しておくべきだよな。


『そうですね。アキラさんお願い出来ますか?』


『OK。それとアキラで良いよ。私もリツって呼ぶから』

既に2人は、スケジュールの打ち合わせに入っている。僕らは学期末テストも始まるので暫くはログイン出来なくなるからな。


『それでシュン、あの2人はどないするん?』

皆の視線が僕に注目する。アキラとリツも打ち合わせを止めて僕を見ている。


『それなんだが………まずは、これから説明するよ。【noir】は、NPC雇ったのは知ってると思うけど、そのNPCを通して、クエストを発注出来るんだよ。僕も神殿でNPCに関する説明をうけた時に知ったんだがな』


『『『『えっ!?………』』』』


『………まさかシュン、クエストって作れるの?』


『そのまさかだよ。まぁ、発注するのは、僕じゃなくて【noir】だけどね。こんな内容にしようと思うんだが、何か意見が有ったら言ってほしい』




ギルドの加入クエスト

発注者/【noir】

内容/自分で最巧だと思うアイテムの収集

受注条件/生産スキルLv10以上の取得者に限る

報酬/ギルド【noir】への加入

評価方法/アイテムの価値・内容

評価者/【noir】の幹部




『これ、どう評価したらええんや?』


『レア度とかは関係無くて、どれくらい気持ちを込めれるかが評価対象かな。《見破》スキルはアイテムのステータスも見れるんだよね。多分、多くても300人くらいだろし、あの2人にもフェアで良いと思う。製作したものなら僕らで評価出来るからな。フレイも頼むよ』


『了解や、頼まれたるわ』


『それは、面白そうですね。評価者ですが外部の者も入れた方がフェアじゃないですか?』


『それ良いかも。あと結果発表は随時にして、最大人数を決めたらどうかな?早い者勝ち感を出して、心理を見てみるとか………』


『人数制限はええな。それとウチはギルドメンバーがあんまり増えすぎるのは嫌やな。ウチらみたいなソロ気質じゃ、大人数のギルド運営は難しいと思うわ』

なるほどな。確かに、僕には大人数のギルド運営は無理かな。


『それとアイテムは、後で揉め事がないように返却したらどうですか?』

皆が次々とアイディアを出してくれる。


『全部採用させて貰うぞ。それと、もし良かったらガイアとリツも評価者に加わってくれるか?』

2人に了承を頂いた。この場にいる五人で評価する事に。


『じゃあ早速、NPCから発注して貰うとするよ』




ギルドの加入クエスト

発注者/【noir】

内容/自分で最巧だと思うアイテムの収集

受注条件/生産スキルLv10以上の取得者に限る

報酬/ギルド【noir】への加入 ※最大限6名

評価方法/アイテムの価値・内容

評価者/【noir】の幹部+外部委託

期間7月15日まで

備考/結果発表は合格者の番号のみを随時【noir】のホーム前に設置する掲示板で発表致します。なお、アイテムは全て返却致します。納品時は7月20日までのレンタル状態にして下さい。




クエストが発行された日の夕方には、黒の職人さん効果か、かなりのプレイヤーに知りわたっていた。当然、カゲロウとヒナタの2人にもメールでギルドの前で確認しろと伝えている。


さて、期限まで約1週間。どうなることやら。少し楽しみでも有るよな。



僕らの方は、と言うと期末テストも始まるので1週間はログイン出来なくなるだろうな。その期間を利用してクエストを仕込む。


次のログイン日をお互い確認していると、フレイは僕らよりテストが1日早く始まるようだが終わる日は同じようだ。なんか、ちょっとだけ羨ましいよな。1日あたりのテスト教科が少ない気がするからな。


試験後は、試験休みと土日が重なり3人共に3連休になる様だ。ガイア達も高校生らしいが、僕らの指定日で問題無いらしい。


『じゃあ、皆テスト頑張ってな』

皆を励ましておこうかな。無事、再び会いたいし。






僕らのテストは、順調に終わった。まぁ、蒼真以外と付け加えておくがな。OOOのやり過ぎでテスト勉強をしなかったらしい。追試も2・3は有りそうだな。


まぁ、これは自業自得だろう。


僕とジュネに問題は無いだろう。頭の出来だけは、姉弟で似ていて一緒くらいだ。晶は数学が苦手らしいが、追試は無さそうだな。


それでこそ、わざわざテスト勉強に付き合ったかいがあると言うものだな。フレイ達も大丈夫だと良いんだがな。




久し振りにホームで飲む紅茶は最高の一言に尽きる。そろそろ、皆との待ち合わせ時間だな。


昨日の時点でクエストの最初の締め切りは終わっているし、少しずつでも集まったアイテムを評価しておこうかな。


提出されたアイテムは、使っていない倉庫に保管するように設定して有る。アイテムは提出と同時に、提出したプレイヤーにナンバーを書いたカードをNPCが渡している。当然、偽造防止の細工もしてあるし、NPCにギルドの控えナンバーを管理してもらっている。非常に優秀なNPCで、かなり助かっているな。



『えっ!!うわっ~!?』

倉庫を開けるとアイテムが溢れて出てくる。


どんどん出てくるアイテムに、僕は埋もれてしまった………





『………うん!?ここは………神殿か?』

何故だ?ホームに居たはずだが。


………おいおい、まさかな、ウソだろ………



称号成長

〈トラウマの殿堂〉

3度トラウマを得た者への称号/成長称号



理解出来た。どうやら死亡したようだな。理解は出来たが………


『り、理不尽だ~!!』

場所を弁えずに、思わず叫んでしまった。納得は全く出来るはずが無い。取り敢えずはゲートからホームに戻るか。ホームの状況も気にるからな。





『くっ!!これは、酷いな………』

かなり予測を誤ったようだな、いったいどれくらいあるんだ?これ…………


改めて見てみると300や500では利きそうにない。倉庫にあるアイテム数を確認してみる。


『は~!?1,586種、1,962個か。そんなに【noir】(ウチ)に入りたいか?うわっ!?これかなりレアなアイテムじゃないか』

思わず溜め息が漏れた。このクエスト失敗だったかもな………僕の考えが甘かったな。





『シュンお待たせ。あれ?何か有ったの?何か疲れてない?』

倉庫を軽く指差す。アキラは倉庫を見に行った。



『うわっ!?』


『シュン、アレはマジなの!?』

急いで戻ってきたアキラが訪ねてくる。僕が頷くとアキラは長くて重い溜め息をついた。


『じゃあ、もう、さっさと仕分けしよう。少しでも片付けないと』

久し振りに男らしい判断をするアキラを見たな。


『やるか。その前にホーム拡張してくるわ、作業スペースがいるからな』

取り敢えず、今の倉庫では仕分けしにくいし、5人で作業が出来るとは思えない。


『了解。私は、この辺り片付ていくよ。フレイ達も待ってないとダメだからね』

僕は、神殿に戻り拡張の手配をする。小さい体育館位の部屋と倉庫を5部屋追加する。ついでにあの辺で残っていた土地も買い占めた。土地だけなら【シュバルツランド】で、お城以外のどの建物より広くなる。あのデカイ神殿よりも大きいからな。



『ただいま』


『お帰りシュン。皆来てるよ。どん引きだけどね。それとホームをかなり拡張したみたいだね。倉庫の中身は1番大きな部屋に移したよ。今はフレイを中心に仕分け中だよ。私達も行こっか』

どんなにホームを拡張しても、【noir】の資金の残高を知っているアキラにお金の心配をされる事は当然無い。さて、今からが勝負だな。


『皆、すまない迷惑をかける。それと、手伝ってくれてありがとう。フレイ、今は何をしてるんだ?』


『今は、倉庫の機能をフルに使って、レア度の高い順に並び替えたところやな。次にNPCから買えるアイテムはいくらレア度や値段が高くても除外して、最後は製作アイテムかどうかで仕分けやな』

器用に倉庫の機能で仕分け、評価を済ませていく。


『念の為にシュンは、除外したアイテムと提出者のステータスを《見破》で見直してや。リツは、シュンが見直したアイテムを隣の倉庫に移動させたって、メニューからなら一発やで。ウチとアキラは各々が専門のアイテムの評価や。丁寧さは大事やけど早さも(キモ)やで。最後にガイアやけど、レアアイテムの入手の難しさや手間が掛かるモノを5個位選んだって、今は予選会やで、ほなキビキビいくで』

アキラは流石関西人と言うか、かなり取捨選択が早かった。大掃除の時に家に来てくれないかな。特にジュネの部屋を見て欲しいよな。


『了解した』

皆が、割り当てられた作業に没頭していくが、時間が経つに連れて2回目、3回目と締め切りが終わって、どんどんアイテムが増えている。まだ期限まで数日あると思うと先が思いやられるな。


『このアイテム凄いです』


『凄いレアですね』


『見たことないよ』


『これ、なかなか頑張ってますよ』


『えぐいアイテム作りよるわ』


『あざといな、シュンの作った鞄まであるで』


………………等々、ところかしこから聞こえてくる。気づくと既に夜遅くになっていた。


『そろそろ、終ろうか?明日も同じ時間からお願いします』

僕は、まだやらなければ、1つ1つの確認が終わらないが、皆の方は終わりが見えている。皆がログアウトするのタイミングに合わせて、食事の為に1度ログアウトした。




再度ログイン出来たのは夜11時ぐらいだった。


『さて、続きをやりますかね』

大きなホームに1人しかいないのは何か寂しく感じるが、除外されたアイテムの中にも新規のプレイヤーが作ったのだろうか?頑張った感じが見られるモノが有るからな。


『こう言う頑張りは結構好きなんだよな』

取り敢えず、候補には残しておこうか。そう言うアイテムもちらほら見受けられた。《見破》を使い続けているので、スキルLvがどんどん上がっている。スキルLv20を越えた位からか、アイテムに込めたプレイヤーの想いまで見える様になりだした。悪意や敵意、イタズラ等が一目で判別出来る。


『これは便利かもな、もしかして………これが《見破》の本来の性能か?』

そんな事を思いながら仕分けを続けて………


『お疲れ様。やっぱりいたね』

振り返るとそこには、アイスティーを持ったアキラがいた。


『これ飲んで、休憩しなよ。私は手伝えなくてゴメンね』

それは仕方ないだろう。インターハイも近いのだ、当然明日も朝から部活がある。それにアキラの好意は《見破》で見えているしかな。


『大丈夫だ。ありがとな。アキラは早く寝ろよ』

有り難くアイスティーを頂く。たまには、冷たいのも良いな。身体に染み渡るようだ。


『うん。じゃあ、おやすみ。無理しないでね』

アキラは、再びログアウトしていく。やる気が充電された気がする。まだ頑張ろう。


《見破》で評価が早くなったと言っても、殆どのアイテムを確認して終わると………



『………朝か、ログアウトして少し寝るか』

時間は、午前7時になっていた。集合時間は午後1時にしている。それまでは寝よう。流石に眠い……





午後からログインしたのは、僕が最後だった。


『お待たせ。今は何をしてるんだ?』


『シュンが残りを評価してくれたんやろ、今は上位のアイテムを順位付けしとる』

既に、殆どのアイテムは没になっている。残っているのは10個、気持ちが込められていたり、努力が見られるモノしか残ってない。魔物のレアドロップやドロップ武器等も有ったのだが、最終的には殆どか製作品になってしまったな。



『シュン、こんなところじゃないかな』

アキラが選んだアイテムを持ってくる。


『でも中に重複してるプレイヤーいるよな』


『そうなんだよね………この中に同じプレイヤーのアイテムが5個あるんだよね』

かなりのやる気が見受けられる。今のところ加入に1番近いだろう。作った武器のセンスが良い。これは、フレイのお墨付きだ。


『アキラ、こうなると最終的には面接した方が良いのではないですか?』

リツが至極当然な事を言い出す。アイテムだけで判断するには量が多すぎたな。


『そうだよね。残っているアイテムは甲乙つけがたいもんね』


『じゃあ、残った6人を面接するか?《見破》のスキルLvが上がって気持ちも分かる様になってるし』


『『『『えっ~~~!?』』』』

皆が一斉に驚く。顔が真っ赤になっている人もいる。


『うん?どうかしたか?』


『シュンくん、気持ちって、どの程度わかるのかな?』

アキラをはじめ、皆さん凄く怖いですよ………思わず後ずさってしまう。


『えっと、好意や悪意とかは分かります。ウソとかイタズラも見破れそうですね………はい。勿論、皆には使ってないから許して下さい』

昨日の夜、アキラがアイスティーを持って来てくれた時に無意識に使った事は墓場まで持っていこう。


『シュン、ホーム内では《見破》禁止、絶対、絶対禁止だからね』

皆、僕にウソついてるのだろうか?それならショックだが。それとも、そんなに僕にイタズラしたいのだろうか?


仕方ないな。イタズラには広い心で対処させて頂こう。当然、僕の答えは………



『分かりました。絶対に使いません』

男らしく堂々と頭を下げる。これしかないだろう。これでこの話は終わるはずだ。




最終的に残った6アイテムの中にはカゲロウとヒナタのアイテムも入っていた。【noir】で生産系を頑張りたい気持ちは伝わってきたな。


『あの2人もなかなか頑張ったよね。ここまで残ってるんだもん』

アイテムを評価している時は、プレイヤー名が分からないようにして有る。と言う事は、カゲロウとヒナタは実力で残ってきているんだよな。



『じゃあ、最終的な面接は僕ら【noir】の3人でやろうか。ガイアとリツは本当にありがとう。助かったよ。報酬の件だが、ガイアには鞄代をタダにしたい。リツには1,000,000フォルムを支払いたい。あとは、新人が入って来たら歓迎会には参加して欲しいな。どうかな?』


『それぐらいはしたいよね。迷惑もかけたし、貰ってくれたら嬉しいな』

2人は断ろうとしたがアキラの一言で断りきれなくなったみたいだな。ナイスだ。


『じゃあ、その好意は有り難く貰っておきますね。ありがとう』


『私もありがとうございました。頂いておきます。でも、貰いすぎだと思うので何か有ったらいつでも呼んで下さいね』

これで、ガイアとリツの2人にお礼をする事も出来た。後は面接と言うか、話してみて決めようと思う。変なプレイヤーは嫌だ。ギルドの掲示板に6名のナンバーを表示して、後日ギルドの加入について軽く面接をする事も表記した。


一体、どんなプレイヤーが居るのかな?少し楽しみだな。





面接当日、1人が辞退してきた。他のギルドに誘われて加入したらしい。わざわざ、丁寧に直接ギルドまでやって来てくれた。その気付かや対応は素敵だな。真似をさせて貰いたいな。


他の5人は、時間より少し前ににホームのリビングに来ている。本日のみ、面接仕様のリビングになっている。


ちなみに、僕ら3人は顔を隠している。顔バレだけは避けたいからだ。アクアやジュネが教えてくれたが、このクエストはサイトでかなり噂になっているようだ。



『それでは、面接を始めさせてもらうね。気軽に答えてくれたら良いからね。基本的(………)に此所に集まって貰った皆は合格だから、後は私と話してみて入るかどうかを決めてね』

アキラが仕切って進む。僕とフレイは背後に控えてメイドみたいに佇んで待機している。


生産面がフレイで、人柄を見るのが僕の担当だ。カゲロウとヒナタは、フレイと僕の声を知っているので、こんな配置になった。アキラが合格と言った時に5人は歓喜している。




『まずは自己紹介を兼ねて、ギルドに入りたかった理由とこれから何をしたいか教えて貰えるかな?【noir】は、お金だけはいっぱい有るから何でも出来るよ』


『俺はマーク、牙狼族の|《斧士》《アクサー》だ。理由は生産系のギルドに入りたかったからかな。今1番有名な生産ギルドが【noir】だから、これからはギルドをもっと大きく有名にしたいし、《鍛冶》で凄いレアな武器も作りたいな』

最多5個のアイテムが評価されたプレイヤーだ。中には、強力な武器もある。


『マークの提出したアイテムは全部凄かったよ。目標が高いね。頑張ってね』

アキラに誉められてマークは上機嫌だな。


『私はエルフのヒナタと申します。《魔術師》をしております。鞄事件の時の皆さんの心意気に憧れました。海のエリアもある見たいなので《木工》で船とか作ってみたいです』

ヒナタは自分用の製作杖を提出していた。細かな所まで丁寧な作業、創意工夫が施されていたよな。


『船かぁ、素敵だね。出来たら皆でクルージングしたいね』

皆がクルージングを思い浮かべたのだろう。笑顔を浮かべている。


『ハーフエルフの|《剣士》《ブレイダー》をしております。エリシラとお呼び下さい。ここは私にふさわしいギルドだと思っています。ホームの外観が壮観ですしね。《細工》で美しいアクセサリーを作りたいですね。あと、私は店舗の運営もしみたいですね』

エリシラは既存のアクセサリーを改造して提出している。僕らは製作は1から作るのが当然だと思っていたが、既存のアイテムも生産技術で改造できる事を知って驚いたからな。


『アクセサリーは素敵だよね。工房も拡張してるから自由に使ってね、改造アクセサリー素敵だったよ』


『俺は、ダークエルフのカゲロウ|《防衛士》《ディフェンダー》だ。ヒナタと同じで、あの時の黒の職人さんに憧れた。僕も他人に優しくなりたいと思ったんだ。これからは《調合》で冒険に役立つポーションや道具を作り援護したい。あとは、この前助けてくれたプレイヤー達みたいに困っているプレイヤーには手助けしたい。今のLvでは、まだまだだけど………いつか、きっと』

カゲロウとヒナタにはこの前会っているから理由は知っているが、この2人のやりたい事は面白そうだな。ちなみにカゲロウはポーションセットを提出している。どれも市販の物より効果が少しずつ高いし。使いやすい容器等の工夫がされている。


《調合》で容器が作れる事は知っていたが、実際に作った容器を見るのは初めてだった。それに、生産しているプレイヤーにしか分からないが、市販されているアイテムの性能を上げた物を作るのはかなり難しいからな。


『【noir】は《調合》系は、弱いから期待してるよ』

頑張るぞと張り切っているのが分かるな。


『私はケイト・ラビューン。ケイトと呼んで下さいです。月兎族の《回復士》をしてますです。えっと、私はクエストでお手伝いするのが好きです。それで、ギルドに加入するのにクエストって面白いなと思って参加しましたです。日本製のMMOって始めてだから色々頑張りますです。あっ《家事》持ってますよです』

合格者の中で彼女だけが提出したアイテムが製作品ではない。街のNPCクエストを多数こなす事で貰える記念品だった。


NPCの初級クエストなので、簡単なものが殆どなのだが………記念品を貰ったプレイヤーは始めて見たからな。僕らは、実物を見るまでは単なる噂だと思ってたし。


『ケイトは記念品を提出してたよね?何で?』


『あれは、私が街でお手伝いを一杯した結果で1番大切なアイテムだから提出しましたです』

マークはケイトの話し方や《家事》と記念品の所でクスクスと笑っている。




アキラは、暫く色々な質問を繰り返したり、普通に会話を楽しんだりしていた。結構アットホームな面接になっている。まぁ、5人は最終面接だと思ってないからかな?


決して態度を表に出さずに、僕らも紅茶やお茶請けを出したりしている。当然のように受けとる者やお礼を言う者等様々だった。





『じゃあ、これからギルドメンバーの共通アイテム【ノワールの証】を配ります。これがあればギルド内の施設は自由に使えるので無くさないでね。ちなみに、シリアルナンバー入りだから。じゃあ、まず3番ヒナタ、次は4番カゲロウ、次は5番ケイト、皆これからヨロシクね』


『えっ!?俺のは?』


『私は、まだ貰ってませんわ』

マークとエリシラが貰って無いことをアピールするが………


『あっ、マークには、特別にこれ』

特別と聞いて、マークは当然だろみたいな感じで受け取りにくる。


『えっ!?こ、これは………』

マークに渡されたカードには、お疲れ様、お帰り下さいと書かれている。


『【noir】には、人を笑ったり、バカにするプレイヤーは必要ないんだよ。お帰りください』

口調は優しいが、珍しくアキラが怒っているようだ。


『《家事》とか記念品って、どう考えても生産系ギルドでおかしいだろ。普通』

マークがアキラに喰ってかかる。止めに入るか?いや、もう少し様子を見るか………


『マークは【noir】のギルドマスター黒の職人さんも《家事》を高Lvで持ってるの知ってる?それに【noir】は生産系ギルドだけで無く支援系ギルドだって知らないのかな?』


『えっ!?なっ!?マジで?………』

マークはそれ以上の言葉をなくしてしまったようだ。静かにホームを後にしていく。


『私は、人を笑ったりはしていませんよ』

続いて、エリシラからの必死な抗議が始まる。


『確かに笑って無いけど、エリシラさん、僕らのギルドは、小さな事にでも感謝ができない人も要らないんだよ。お帰りはあちらからどうぞ』

僕は笑顔で出口に案内した。


『お………覚えてなさい』

エリシラには捨て台詞が凄く似合うな。まぁ、残念ながら覚える気は全くないがな。



『ケイト、嫌な思いさせちゃって本当にゴメンね。もっと早くに注意して追い出したかったんだけど、これ一応最終面接も兼ねてたんだよね』

アキラの謝罪に、僕らは顔を出してケイトに頭を下げる。


『大丈夫です。気にしてないよです。それよりも皆さんのギルドに入れて嬉しいよです。こちらこそヨロシクお願いしますです』


『『えっ~~!?』』

こっちの2人は、かなり驚いているようだな。まぁ、仕方が無いのかも知れないが、本当に気付かなかったのか?


『カゲロウとヒナタには悪かったな。あくまでもフェアに決めたかったからな。僕が【noir】ギルドマスターの1人、シュンだ、ヨロシクな』


『ウチはフレイや、《鍛冶》《細工》担当やで、仲良うしたってな』


『最後に私が、もう1人のギルドマスターでアキラって言います。《裁縫》を担当してます。改めてヨロシクね』


『その他多くの生産系は僕が担当してる。まぁ、《裁縫》以外の基本的な生産系は全部持ってるからな。ケイトは、もし良かったら《家事》以外も取得してみて。蓋を開けれてみれば3人だけの零細ギルドな訳だが、僕達は君達を歓迎するぞ』

2人共に呆気にとられているようだ。まぁ、仕方ないだろうけど………



『おい、2人共、戻ってこい。ホーム内の設備について説明するぞ』

暫くして、2人が戻ってくる………


『まずゲートについてだが、各自が登録したゲートに繋がる様になっている。登録は個人でしなければならないから新しく街に行ったら各自で登録してくれ。ログインの設定もホームにしてくれて良いぞ。次に倉庫には、個人倉庫と共通倉庫がある。自分の装備やレアアイテムは個人倉庫で管理してくれ。狩りや採取、採掘で得たアイテムは共通倉庫で管理しているので必要な物は自由に使ってくれて構わないぞ。空いている個人倉庫は、多くあるので好きな場所を選んでくれ。続いて工房設備だが自由に使って欲しい。拡張したかったら僕かアキラに相談してくれ。最後に僕らは基本的にソロ活動がメインだ。たまには他のギルドとパーティーを組む事も有るが稀だ。それでも僕らはギルドの仲間だ。仲間としての活動も必要だと思う、それで最初の活動は港湾の街【ポルト】に一緒に行って、海を見る事にしたいと思っているんだが、どうだろう?OOOの世界ならきっと壮大な景色を見れると思うんだが………』

3人が目をキラキラさせて話を聞いている。


『決まりだね。皆、嬉しそうだからね。でも、私は暫くログイン出来ないよ』

アキラはインターハイが始まるから部活が優先になる。


『大丈夫、分かってるよ。【ポルト】に行くなら洞窟ダンジョンを通らなければならないからな。それには新入り達3人はまだLvが低いと思う、暫くはLv上げが必要だな。僕とフレイは鉱山ダンジョンにも行きたいしな』

今度は、3人揃ってガッカリしているな。


『そやな。ウチは暫く鉱山に籠るで』

既に、予定がずれ込んでいるからな。フレイがやる気に満ちているのは仕方ない。


『私達は、スキルLvの向上が必要ですね。ケイトさん、私とカゲロウと一緒にパーティー組んで冒険しませんか?』

ヒナタにはお姉さん気質が有る様だな。アキラみたいに良いパーティーリーダーになれるだろう。


『私で良いのですか?です。OOOでは、パーティーを組んだ事が無いしLvも低いから足を引っ張りますよです』


『勿論だ。3人の方が出来る事も増えるからな。それにもう仲間だろ、皆でカバーすれば大丈夫だ』

ナイスフォローだカゲロウ。これなら仲良く出来るだろうな。


『はいです。よろしくお願いしますです。あとケイトでいいですよです』

前衛、後衛、回復とバランスがとれてたパーティーになるだろう。頑張って楽しんで欲しいな。


『じゃあ、3人共頑張れよ。もう、フレンド登録してるんだから困った事が有ったら、いつでも気にせずにコールかメールしてくれて構わないからな。大抵はホームに居るしな。あっ、1つ忘れていたが、僕のオリジナル鞄をプレゼントするから、リクエストをメールしてくれよ』









装備

武器

【デルタシーク】攻撃力30〈特殊効果:なし〉×3丁

【銃弾Lv2】攻撃力+10〈特殊効果:なし〉

【銃弾・毒Lv2】攻撃力+10〈特殊効果:毒Lv2〉

【魔銃】攻撃力40〈特殊効果:なし〉

防具

【ノワールブレスト】防御力25〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:重量軽減・小〉

【ノワールバングル】防御力15〈特殊効果:回避上昇・小〉〈製作ボーナス:命中+10%〉

【ノワールブーツ】防御力15〈特殊効果:速度上昇・中〉〈製作ボーナス:跳躍力+20%〉

【ノワールクロース】防御力20/魔法防御力15〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:耐火/重量軽減・小〉

【ノワールローブ2】防御力15/魔法防御力20〈特殊効果:回避上昇・中〉〈製作ボーナス:速度上昇・中/〉

アクセサリー

【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールホルスター】防御力10〈特殊効果:速度上昇・小〉〈製作ボーナス:リロード短縮・中〉

【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉



《双銃士》Lv7

《魔銃》Lv6《双銃》Lv4《拳》Lv31《速度強化》Lv49《回避強化》Lv47《風魔法》Lv44《魔力回復補助》Lv49《付与魔法》Lv53《付与銃》Lv23《見破》Lv28


サブ

《調合》Lv14《鍛冶》Lv24《家事》Lv42《革職人》Lv44《木工》Lv21《料理》Lv22《鞄職人》Lv47《細工》Lv16《錬金》Lv16


SP 12


称号

〈もたざる者〉〈トラウマの殿堂〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈自然の摂理に逆らう者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉

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