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プロローグ

改稿しながら新人賞に使いまわしてみたものの、2次選考どまりが精いっぱいだった作品でございます。

プロローグ


「本当によかったんですか深瀬さん。これって、つまりは教団に対する裏切りですよ」

 集団の中で一際強い存在感を放つリーダーと思しき人物、深瀬と呼ばれた男は、この言葉に対して強くはっきりとした口調で答えた。

「そんなことは承知の上だ。しかし我らの司祭殿はぬる過ぎる。確かに彼には大恩があるし尊敬もしている。だが、我々は最大の目的を忘れてはならない」

「しかしですね、教団の特殊霊装や魔導書を勝手に持ち出すのはさすがにどうかと思うわけですよ」

「抜けたいのなら構わん。お前たちもだ。別に止めたりはせん。だが私は絶対に止まらんぞ。いかなる障害が阻もうとも計画を成し遂げる。そのことによって、必ずや我らが神への忠誠を示してみせる」

深瀬の言葉に対して別のところから声が上がった。

「俺たちがこうしてここにいるのは、深瀬さんの考え方ややり方に共感したからなんです。今更抜け出そうなんて思っている奴は一人もいませんよ」

 周囲から同意の声がいくつも上がる。

 深瀬はそれを満足そうに見つめると、さらに大きく声を張り上げた。

「我らが父、我らが母、そして大いなる神の名のもとに!」

その言葉と同時に、頭上へと拳を振り上げる。

 松明の炎に照らされた影が妖しく揺らめき、この世のものとは思えないような叫び声が洞窟に反響する。

『イア、イア、ダゴン! イア、イア、ハイドラ! イア、イア、クトゥルフ、フタグン! フングルイ、ムグルナフ、クトゥルフ、ルルイエ、ウガフナグル、フタグン!』

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