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陰妖師  作者: スズメバチ
13/51

再会の鎮魂歌  2 ≪月・見ゆる≫

パソコンがダウンしてちょっと遅れてしまいました。ごめんなさい。

15~20分ついたら直ぐにダウンという腹立つ行動を繰り返すんです。

そんなどうでもいい話はおいといて、十三話目、どうぞ!!


「はああああああああああああああ!!!!!」

長い足が、男に向かって放たれる。



「まだまだですねえ、なんにも変わっちゃいない」

その男は寧子(ねこ)の足を掴み、向こう側へと投げ飛ばす。


「あなた、私の事を知っている風だけど・・・どこかでお会いしたかしら?」

両手を突き、バック転を一回、道路の植え込みのギリギリで止まる。

「ふふふ・・・貴方は知っているはずですよ。ただ、認めるのが怖いだけだ」

男は不敵な笑みを浮かべながら言う。


その通り。私は貴方が誰かを知っている。忘れてなんか無い。忘れられるはずも無い。

「・・・・・・・・・・切り裂き男・・・・・・・」

願わくば、違っていてほしい。


「ようやっと思い出してくれましたか」

男は帽子を取り、軽くお辞儀をする。


「昔会ったときは包帯だらけのブ男だったから、全然判らなかったわ。包帯取ったらそんな顔なの」

汗が流れる。何とか気取られまいとするが、声が震える。

「ええ・・・、お褒めに預かり光栄です。しかしそろそろ貴方の相手をするのも飽きてきましたね。・・・こうしましょう」

パンっと両手を叩く。寧子が身構える。

 


「貴方を倒して、神部(かんべ) 翠子(みどりこ)を無茶苦茶にしにいきます」

にいいい、と気色の悪い笑みを浮かべる。あの時と何にも変わっていない。蛞蝓の様な口。


「させないわ」

ふっと寧子の姿が消える。

男が一瞬ひるむ。

千獄通(せんごくどおし)


靴を突き破って出した、毒爪。

男に向かって右側に、右足で蹴り。

反射的に男は左に避ける。

それを見越して、蹴りを入れた右足のつま先を男に向かって突き刺す。



死せる者さえ殺す爪。



それが私の爪に与えられた称号。


逃すものか。


「終わりね」


今度は確かな手ごたえを感じた。

自分の爪の先が、男の体に食い込み、毒を流す。

傷口から血管へと毒が流れ込み、全身へと回るのにそう時間はかかるまい。


男の白黒のコートに体を近づける。

右足に力を込め、そっと抜く。



私が止めを刺してもよかったのかしら・・・・。



そんな事を考えていた。






「終わりなのは貴方だ」



手が伸びる。


寧子の首を掴む。


そのままマンションの塀に押し付けられる。


「か・・・っは・・・」

息も絶え絶えになりながら、寧子は男の手に自分の手をかける。


「無駄ですよ。貴方ごときの腕力で私の力に勝てると思っているのですか」

ぐうう、とまた手に力が込められる。

「ど・・・っは、どう・・・し・・・てっ・・・・」

寧子の体が浮く。脚が宙ぶらりんになり、靴が脱げかけになる。

「あなたの力は知っていました。その私が、毒消しを持っていなかったとでも?」

例の、気味の笑い笑みを浮かべる。

「は・・・・・・・・っ」

寧子の意識が遠のく。息ができない。

「んー、貴方をいたぶりたいとは思わないんですねー。私の好みはホラ、神部 翠子のような従順なタイプですから」

寧子に顔を近づける。男の鳩尾に蹴りを喰らわせようと試みるが、男の体が近すぎてそれもままならない。




「さあ、逝ってらっしゃい」

 


男の手に力が込められ、さらに寧子の体が浮く。



「リューヤ様・・・・・」







「蒼き竜よ・雲海の上・青磁の社・天高く翔け上がれ!四神呪法(しじんじゅほう)龍磨(たつま)!!」



 蒼い稲光が一閃、

 寧子と男の間に放たれた。



「・・・!?」




土煙が晴れ、その向こうに見えるのは――――――――



「やっと、来ましたか・・・」


左脇に寧子を抱えた、竜夜(りゅうや)の姿。


右手には、刀、月夜鴉(つくよがらす)が握られている。




「・・・・・(ひびき)・・・・」


髪が伸び、御所車に乗せてあった家紋入りの羽織を羽織った制服姿の竜夜が、響に話しかける。

「っはい!!」

勢い良く、響が答える。

「寧子を、どこか安全なとこにおいて、式神に治療させてくれ。それが済んだら、お前はこっちに帰って戦闘に参加しろ」

静かに、だが怒りを帯びた声で竜夜は言う。

「・・・はい」

寧子を抱きかかえ、走り去っていく。



「竜夜!奴か!?」

隣にシモンが降り立つ。右手にレイピア・アレスを持っている。

「ああ・・・・あの妖気・・・違いねえ」

ぎゅう、と月夜鴉を持つ手に力がこもる。




「お久しぶり、仙宮寺(せんぐうじ) 竜夜君。風の噂によると、ようやっと覚醒したらしいですね。・・・楽しみだなあ。さあ、見せてくださいよ、君のチカラを」


男が竜夜に向かって手を差し出す。




「・・・・・・・・」



月が、雲の切れ間から見えた。











































































いかがでしたか。四神呪法については次回も引っ張ると思うので、まとめてお話します。

切り裂き男はやっぱり変態でした。そんな気無かったのに、気付いたらあんなキャラに・・・・。

寧子が今回がんばってくれました。次回は十分お休みください。

誤字・脱字・矛盾点・感想・辛口などお待ちしております!よろしくお願いします!

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