告白
放課後の誰もいない教室に二人きり。向き合った男子生徒と女子生徒はいまだ言葉を交わしていない。
私が生まれて初めて男子宛てに手紙を書いたのは昨日。どう書き始めてよいのか分からなくて、何度か書き直した。しかも、学校に着いたらすぐに渡そうと思っていたのにタイミングが掴めず、実際に渡せたのは昼休みが終わる十分前だった。でも、無事に渡せてほっとしている。渡せたからこうして彼はここに来てくれたのだから。ここから先はもう私の役目ではない。
「頑張れ、あや」
私の最後の仕事は親友が大好きな彼に思いを告げられるよう心の中でエールを送ることだ。