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俺が強盗から足を洗った日

作者: うずらの卵。

俺は勇作、職業は強盗だ。

真面目に働くのは面倒だし、両親は田舎で農業をしているが、両親の仕事を引き継ぐ気も更々ない。

人生楽して楽しまないとなと今までの俺は思っていたんだ。

まさか俺の身にあんな恐ろしい事が起こるまでは。

俺達は仲間同士で暗号を決めたんだ。

O1は女一人暮らし、RFは老夫婦、8-5は8時から夕方5時まで留守、と表札に小さく書いて強盗しやすいようにしたんだ。

そんなある日、俺はある一軒家に女が一人暮らしだという情報を得て、その家の表札にO1と書いたんだ。すると前方から横に巨大な厚化粧の女がドスンドスンと地面を踏み鳴らしながら駆け寄って来たんだ。

俺は慌てて逃げようと思ったが、女が立ち塞がり鼻息荒く話し掛けて来たんだ。

「ちょっと、私の家の表札に今何かしてたでしょう」

俺はしどろもどろに「いえ、何も…」と言うと、

「これは何?O1って?」そして女は急に顔を赤くして俺の肩を物凄い力でバンバン叩いて来たんだ。

「やーだー、小田原で一番良い女って事?そんな遠回しにアプローチしなくても直接言ってくれれば良いのに」ととんでもない勘違いをして来たのだ。

「そ、そうなんです、とても素敵なか…方でしたので遠回しに…」と俺が顔を引きつりながら言うと女は顔を近付けて来たのだ。

俺は距離を取り、逃げ腰で「すみませんでした」と謝り帰ろうとしたら、腕をかなりの力で捕まれた。

「帰さないよ、夜は長いんだからイーっパイ愛し合いましょ」

そして、女は家の方に俺を力づくで引きずって行った。

俺は今まで信じていなかった神様に初めて願った。

「神様もう悪い事はしません、だから助けて下さいー」と。

しかし、神様は願いを聞き入れてくれなかった。

翌朝解放された俺は、逃げるように荷物を纏めて田舎に帰り、実家の農業を引き継いだ。



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