表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!  作者: 武蔵野純平
第四章 中級ダンジョン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/69

第60話 井戸の底へ

「わかった。井戸の中を調べてみよう。ただし! しっかり準備してからだ!」


 俺はミレットとアン、特にアンに念を押した。

 ミレットは護衛騎士のシンシアさんに、色々と冒険道具を準備してもらっている。


 使えそうな物を出してもらった。

 まず、初心者ダンジョンでも使った松明とランプが出て来た。

 井戸の中は暗いから灯りが必要だ。


「私が火をつけるね!」


 アンがすぐに火を起し始めた。

 松明は二本あるので、二本とも火をつけてもらうことにした。


 続いてミレットのマジックバッグからロープが出て来た。

 井戸を降りるのに必要だ。


 俺とミレットで井戸の周りにロープをしっかり巻き付ける。

 手で引っ張ってみるが、しっかり井戸の外壁に食い込んでロープはズレない。

 この固定したロープに下に垂らすロープを結びつければ、安全に井戸の下に降りられるだろう。


 下に垂らすロープに結び目を作って、上り下りしやすいように細工する。

 垂らすロープを固定ロープにくくりつけ、垂らすロープの先に火のついたランプをぶら下げ、ゆっくりと井戸の中に下ろしていく。


 ランプが下についた。

 およそ三メートル。

 家なら二階の高さだ。


 スキル【気配察知】は、井戸の中に沢山の気配を察知しているが、井戸の底についたランプの周囲に影はない。


 俺はゆっくりと慎重にロープをつたう。


(この高さを、どうやって降りたのだろう? 中にアンのお父さんたちは、いないのか?)


 ふと井戸の内側を見ると、手や足を引っかけられる出っ張りがある。

 なるほど、この出っ張りを使って下に降りたのか。


 納得して井戸の底に降りる。


 井戸の底へ降り、すぐに盾と剣を構え、 前、右、左、後ろ、俺は四方を素早く確認する。

 ランプの灯りの届く範囲に敵はいない。

 ジッと耳を澄ますと、遠くで犬の吠える声が聞こえる。


(とりあえず大丈夫だな)


 俺は落ち着いて辺りを観察する。

 周りはゴツゴツとした岩で、井戸の底からトンネルが続いていた。


 下に降りたからだろう、スキル【気配察知】が、よりクリアに気配をつかんだ。

 かなり先に、沢山の気配がある。


(恐らく魔物……、十……、二十……、クソッ! 多いな!)


 俺は上で待機しているミレットとアンに合図を送る。

 まず、松明が二本放り投げられた。


 俺は松明を一本拾い上げてトンネルの先へ放る。

 トンネルの先が松明の灯りに照らされた。

 トンネルは十メートルほど続いているようだ。


 続いてアンとミレットがロープを伝って降りてきた。

 二人とも良い動きだ。

 これなら撤退する時も大丈夫だろう。


 俺は口に指を立てて、『静かに』とジェスチャーで伝える。

 ミレットとアンがうなずく。


 俺が松明を持ち、俺たちはトンネルの出口へと静かに進んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★☆★ランキング参加中です!★☆★

クリック応援よろしくお願いします。

小説家になろう 勝手にランキング

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ