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外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!  作者: 武蔵野純平
第二章 冒険の始まり(二日目)

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第25話 荒れる三日目

 ――翌朝!

 冒険者生活三日目、ミレットとパーティーを組んで二日目だ。


 冒険者ギルドへ行くとミレットの姿が見当たらなかった。

 昨日は、俺より早く来ていたが……。


 俺は冒険者ギルドのホールに立ち、注意してミレットを探したがいない。

 仕方ない。しばらくミレットを待つことにしよう。


 冒険者ギルドのホールから、次々と冒険者パーティーが出発していく。

 俺と同期の新人パーティーも出発していく。

 やがてホールには人がいなくなった。


 冒険者ギルドのドアが開き、ミレットの護衛をする女騎士シンシアさんが入って来た。

 だが、ミレットはいない。

 どうしたのだろう?


 俺はシンシアさんに声を掛けた。


「シンシアさん、おはようございます! ミレットは?」


「ユウト。本日、ミレット様はお休みになる」


「えっ!?」


 どうしたのだろうか?

 昨日は特におかしな様子はなかった。

 俺はミレットが心配になり、護衛のシンシアさんに尋ねた。


「ミレットは体調が悪いんですか? 病気? 昨日、どこか怪我をしていたのでしょうか?」


 俺はかなり心配をしていたのだろう。

 護衛のシンシアさんが、慌てて手を振って俺をなだめるように説明しだした。


「いや! そうではない! ミレット様の体調は良いし、どこも怪我はしていない。心配は無用だ。今日は旦那様とお話があるので、ダンジョン探索に参加出来ないのだ」


 ミレットが無事と聞いて、俺はホッとした。


「旦那様というと、ミレットのお父さんでしょうか?」


「そうだ。旦那様はお忙しいので、ゆっくり話す時間がなかなかとれないのだ。今日は、まとまった時間がとれるので、ミレット様が旦那様の予定に合わせたのだ」


「なるほど。家族と話す時間をスケジュール調整しないととれないなんて大変ですね」


 家族会議というわけか。

 ミレットのお父さんも大変だな。


「わかりました! じゃあ、今日は俺一人でダンジョンに潜ってきます。連絡ありがとうございました!」


「うむ。気をつけて。無理をするなよ」


「はい!」


 俺は護衛のシンシアさんと別れ、一人でダンジョンへ向かった。

 今日は、無理をしないでおこう。

 城塞都市トロザの町を出て、魔の森へ。


(あれ……?)


 俺のスキル【気配察知】に、ずっと変な反応がある。

 トロザの町から一定の距離を置いて、ずっと俺をつけてくる気配があるのだ。


 もう、冒険者は出発していて、冒険者ギルドを出た時は俺一人だった。

 俺の他に出遅れた冒険者がいたのかな?


 魔の森の中の分かれ道で、俺は初心者ダンジョンの方へ向かう。

 すると後ろの気配も、初心者ダンジョンの方へ来た。


(えっ!? つけられている!?)


 初心者ダンジョンへ潜るのは新人だけだ。

 俺がミレットを待っている間に、新人たちは出発していた。

 俺の後ろをついてくるのは誰なのだろう?


(距離が詰まってる!?)


 スキル【気配察知】によって、俺は後ろの気配が距離を詰めてきたことを感じ取った。


 俺は歩く足を速め、後ろの気配から距離を取ろうとした。

 すると、後ろの気配もスピードが上がる。


(何だ!?)


 俺は初心者ダンジョンの入り口に到着した。

 気配はすぐ後ろに来ている。


「オイ!」


 後ろの気配が、大声を上げた。

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