第5話
この人の性格が一番主人公っぽくね?
ここでの生活にも慣れてきた。
今はここより安全な場所は無いしな。
でも当番制の食糧探索は行きたくないんだよなぁ。
食料が不足気味らしいし、外で生活するより安全なのもわかっているが。
「おっユキちゃん。お手伝いして偉いなぁ」
「えへへ。ママが、ユキがいい子にしていればきっとパパもここに来てくれるからって」
可哀想な話だがユキちゃんのお父さんはもう他界している。
というか俺が前回の食糧探索の時にゾンビになっている姿を見つけた。
奥さんには伝えたがこんな世の中だ。伝えていないのだろう。
俺が関わる事じゃない。
それにしても人が増えたな。
ここに避難してきた時は80人くらいだったが2週間が過ぎて
150人くらいになっている気がする。
元々避難所のくせに物資の貯蓄が少なかったから80人でもギリギリだった食料が足りない。
だから探索やってるわけだし。
個人的には人が多い所は好きじゃないしこれ以上人が増えて欲しくないって言うのはある。
けど受け入れ拒否とかできないしな。
こう言う時警察がみんなをまとめてくれたりすればいいんだけど、
あいにく警察も自衛隊もここに来ていない。
自衛隊は基地が近くにないから分かるが、
警察が避難所になっているここに来ていないとなると何かあったんだろうな。
そのうちリーダー的なものも決めないと問題が起こりそうだ。
特に食料と女性かな、決して多い訳じゃないけど
片っ端から声かけて関係持とうとするヤバい奴もいるし。
多い訳じゃないからなんとかなってるけどこのまま避難民が増えると
比例して増えるだろうし。
めんどくさいなぁ。
こうなってくるとここから出て行くのも一つの手だな。
そうなると気掛かりなのはユキちゃんか。
ここの避難所では数少ない未来ある子供だ、
こんな俺にも笑顔を向けてくれるしな。
俺たち大人が守ってあげなきゃダメなんだけど、
ここの大人にそんなまともな考えのやつは少ない。
と言うより自分を守ることでみんな精一杯なんだよな。
母親もいるし大丈夫だと分かってはいるけど…
それでも守ってあげたいから出て行きづらいんだよな。
「おいッ嘘だろ!バリケードが壊された!南口からゾンビが来るぞッ」
「おいおいおいおいおい」
「どうなってんだよ」
……………。
そっかーバリケード壊れちゃったのかー
って笑い事じゃないだろこれ。
とりあえず逃げなきゃ……俺1人でか?
いや、ユキちゃんを探さなきゃ。
皆さんそろそろ勉強した方がいいのでは?