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猫、時々晴れ  作者: 夢見 空
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1話

 ふとした瞬間にチャンスが落ちてきた時あなたはどうするだろうか、それを実現する人もいればそのまま地面に落としてしまう人もいる。

 ではそれが猫だったらどうだろうか。猫の悲しい顔を見ないためにも動こうとする人は多いのではないか。


 ***


 リリリリリリ

 目覚まし時計が朝からすごい音を鳴らしている。

 うるさすぎる

「つくるー、起きなさい」

 母親も僕を起こしにくる。

 だが、起きるそぶりを見してはいけない

「あんたそろそろ遅刻のしすぎで留年するわよ」

 留年してしまうと小林さんと同じ学年で無くなってしまう。嫌だ。

「起きたよ」


 俺の名前は佐藤 つくる、ごく一般の高校2年生だ。世の中一般の高校生と同じく彼女がとても欲しい。

 そしてすごく気になっている人がいる。彼女の名前は小林 美雨(みう)、黒髪ショートな女の子でものすっごく可愛い。


 クラスの席に着くとさっそく彼女のことを見る。ああ、今日も小林さんかわいいな。


「つくる、朝からアホな顔すんな」

「んな」

「小林さんのこと好きならさっさと告ってふられればいいのによ」

「健、お前なんちゅうこと言うんだ。ところで小林さんおれのこと好きだとか言ってなかったか」

「そもそもお前のこと知らないと思う」

「な」


 こいつは武藤 健、俺の親友だ。羨ましいことに小林さんの隣に座っているやつだ。英語の授業のペアワークで一緒に話せたりと羨ましすぎる。

 そうか、こいつの格好して学校に来れば小林さんの隣に座れるのかなんてバカなこと考えているとやつがやってきた。


「二人ともおはよー」

 明石 ひかり、THE JKって感じの女の子、金髪で顔たちも整っていて男連中には人気らしい。

「つくるったら私にほれたー。そんなまじまじと見てて」

「あいにく一途なんでね」

「ちぇー、どうせ小林さんのこと見ててバカなこと考えてたんでしょ」

「...そんなことないよ」

「なに今の間!」

 この二人に小林さんのことが好きなの教えてから毎日告白しろよーとか言ってくる。彼女は特別なんだ、もう少し時間が経ってからじゃないとなー(多分)

 チャイムが鳴り1日が始まる。


 俺は入学式の時に小林さんに一目惚れした。彼女の美しさは衝撃的なもので気がついたら気になっていた。一目惚れしたのは俺だけじゃないらしい。この2年間で何十人も彼女にアプローチし、玉砕している。彼女のまたの名前は「ハトブレ」らしい。ハートブレーカ−、恐ろしい名前だ。


 去年は関わりはなかったけど今年は同じクラスで関わりあるかなと思ってから早2ヶ月。見事なほどに進捗はゼロのままだ。


 ぼそぼそぼそ佐藤

 ん?呼ばれたのは気のせいだろうか。

「おい、佐藤。寝てるなら前出てきてこの問題解いてみろ」

 ま、まずい。数学の武田先生に呼ばれて黒板の前まで行く。XとかYとか色々書いてある。さて、どうするか。

「武田先生、これの答えは2ですね」

「...」

「X、Yがあって答え2なわけないだろー」

 健がとんでもないことを言う。

 クラス中が爆笑し、何事かと見ていると隣の武田先生も肩を振るわせながら笑っていた。ふと見ると小林さんも笑っていたからよしとしよう。

「よし、佐藤戻っていいぞ」

「はい」


 ****

 めちゃめちゃバカにされた。

 昼休みでは案の上二人にバカにされた。

 昔は神童とか呼ばれていたのになんてことだ。


 残るはホームルームで1日が終わる。

 担任の葉山先生が事務連絡を終える。

「あーあと、委員長の二人放課後少し仕事があるから残ってくれないか」

「先生今日後藤くん休みですー」

「あーじゃあ暇そうな佐藤残ってねー」

「え」

 ニヤてしまいそうで危ない。女子の委員長は小林さんだ。ということは今日は彼女と二人きり。匂いとか大丈夫かな、髪型とか大丈夫かな。


「じゃあ二人あとで教員室まで来てねー」


 さあ、ここからは俺の時間だ。


初めまして、夢見空です。

猫、時々晴れを楽しんでくれると幸いです!

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