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追放王子と生態系調査人  作者: 水野青色
16/23

16:いってみたいところ

不定期更新16話目です。

久しぶりに更新します。

まだまだ忙しいため、またしばらくはかけないかもです。

すみません。



     16:行ってみたいところ



 ルードヴィヒは考えた。

 ウィルもいない今、やっと冷静に考えられるようになり、行きたい場所ができたのだ。

 いえば、きっと、承諾されるだろう。

 だが本当に、そこに行くことがいいことなのかはわからない。

 まだ自分が、なぜ、追放されたのかの理由も思い当たらないからだ。

 だが、と思う。

 もう自分の身分はない。

 理由もわからない追放だけは納得もできない。

 やはり、ウィルにその場所へ行きたいといおう。


 ウィルが帰ってきたときは、夕方も遅くだった。

 ふらふらしていたので、夕食も食べず、ベッドに横になったと思ったら、そのまま寝入ってしまった。

 帰ってきてから言おうと思ったことは、次の日まで伸ばされた。

 この決意が揺らぐことないように、ルードヴィヒは寝についた。


 朝の目覚めは、ウィルがはやかった。

 一気に疲れが取れたので、伸びをする。

 朝日がうっすらと窓からさしてきたのが分かる。

 結構な時間、寝たようだ。

 顔を洗って、宿の庭で軽く素振りを始める。毎日やらなければ、体を作れないからだ。

 ルードヴィヒが起きたら、朝食を食べ、今後の行き先を決めようと思う。

 彼自身がどこか行きたい場所があればそこで構わないが、そうでなければ、世界をゆっくり見て回るのもいい。

 そのうちキャリーが連絡をくれるだろう。

 少しずつ真相がわかるはずなのだ。


 宿の朝食の時間に、ルードヴィヒが起きだしてきた。

 ウィルはもう、席について、いろいろと頼んでいる。

 

「おはよう、ルード」

「おはよう、すまない、少し遅かったかな」

「今、いろいろ頼み終わったとこだから、気にすんな」


 ウィルは見かけ以上に大食漢だ。所狭しと料理がはこばれてくる。


「好きなの食えよ。あとは俺が食うから」


 どう見ても五人前はあるだろう量だが、ウィルとしては、もう食べ始めている。

 そしてすでに一人前はなくなっていた。

 ルードヴィヒも、食べられる分だけ分け、食べ始める。

 

「もっと食えよ。育たねえぞ」

「いや…、朝からこんなに食べられないよ」


 目の前に食欲魔人の姿を見ると、余計に満腹感を感じてしまう。


「ルードは少食だな。オレの知り合いなんか、俺より食うぞ」

「ほんとかよ・・・」


 これよりも食べるって、どれだけ食に飢えているんだ、そいつ。

 素直な感想だ。


 しばらくして、食事が終わり、一息つく。

 食堂にはもう、人がほとんどいなかった。


「あのさ、ウィル」

「ん?」

「オレ、行きたい場所があるんだ」

「いいぞ。じゃ、そこを目指すか」


 あっさりとウィルは許可する。

 どうせ目的のある旅ではないからだ。


「なにも聞かないのに、いいのか?」

「ああ、で、どこだ?」

「うん・・・とある侯爵領に行きたいんだ」

「どこだ?」

「クロスベリー侯爵領」

「・・・わかった。じゃ、明日には出発だな。今日は、それに備えて買い物行くぞ」

「・・・いいのか?」

「行きたいところができたというのはいいことだ。ただ、侯爵領は遠いからな、準備は怠るなよ?」


 理由も聞かずに承諾するウィルに、ルードヴィヒは複雑な表情をしながらうなずく。

 行先は決まった。

 言い出したからには戻れない。

 自分の追放の理由を知る足がかりになればいい。


 決意は固まった。

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