表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放王子と生態系調査人  作者: 水野青色
14/23

14:合格したから

お読みいただきありがとうございます。

不定期連載です。

みじかいです。



14:合格したから


 ウィルが目を覚ますと、ちょうど夕刻の鐘がなるところだった。

 ルードの試験も終わっただろう。

 落ちているとは思わないので、食堂にちょっと豪華な夕食を頼んでおく。

 あとは彼が帰ってくるのを待つだけだ。


 薄暗くなったころ、ルードはウィルの部屋に現れた。

 コボルトの肉は、食堂に預け、夕食に使ってほしいと頼んできた。

 逸品多く食事ができるだろう。

 残ったものは、ここの食堂にそのまま使ってもらうことになる。


「ただいま」

「おう。受かったんだろ、飯頼んであるから、下行くか?」

「その前に体をふきたい」


 外から帰ってきてそのままだ。

 軽装とはいえ、鎧も脱ぎたいし、汗で汚れた体もふきたい。


「わかった。先に行っているから、早めに来いよ」


 手を振ると、ウィルはさっさと扉を出ていく。

 ルードは早速体をふき始め、一息ついた。

 街に住んでいるものたちのように、シャツとズボンの姿になり、下に降りていく。

 ウィルがいたテーブルには、所狭しと料理が並んでおり、コボルト肉のステーキもそこにはあった。


「おう、こっちだ」


 真向いの椅子に座る。


「お前、試験の時に、狩りまでしたのかよ。コボルトステーキ作ってくれたぞ」

「襲われたからだ、仕方ない」

「そうか。それより、合格おめでとう、乾杯だ」


 ウィルがコップを掲げる。

 中には葡萄酒だ。

 ルードもそれに倣い、コップを掲げた。

 一気にあおる。


「うまいな」

「ここは飯もうまいからな」


 テーブルに置かれている料理を食べる。ルードには、どれもこれも量が多いのだが、ウィルには全く関係ないようだ。

 だが動いた分、いつもより食べられる気がした。


 部屋に戻ると、ウィルはベッドに寝転ぶ。

 満腹になったため、動きたくないのだ。

 首だけ、ルードのほうにむける。


「そういえば、オレは先の街に届け物があるから、明日にはいくけど、お前どうする?」

「どうって・・・」

「また戻ってくるから、それまではここにいるか?」

「・・・何日くらいかかる?」


 いわれて、ウィルはここからの距離と日数を考える。


「往復で一週間ほどだな」

「一週間・・・」

「その間に簡単な依頼受けとくか?」


 そういわれ、自らも冒険者になったのだから、何か依頼を受けてもいいのだと気づく。

 まだ受けられる依頼は多くないだろうが、簡単なものなら何とかなるだろう。


「そうするよ」

「大けがするようなものは受けられないけど、狩りができるんだから、討伐依頼の一つも受けられるかもしれんぞ」

「そうなのか?」

「コボルト、狩れたんだろう。肉持ってきたってことは、単独だろ。それなら受けられる依頼が増えるかもしれないぞ」

「きいてみるよ。あ、そうだ、これ・・・」


 毛皮を売った代金を、ウィルに差し出す。


「なんだ、これ」

「コボルトの毛皮の代金。まだこれしか返せないんだけど」

「それはお前がもっておけ」

「でも・・・」

「お前がもっと大物になった時に、まとめて返せよ。それまで貸しとくから」


 ニカッと笑むウィルに、小さい声で礼を言う。

 

「さて、明日は早く出るから、もう寝るぞ」


 いったそばから、ウィルはいびきをかき始める。

 銅貨を自分の荷物に戻し、ルードも寝た。


 翌日、冒険者ギルドの前で分かれる。

 ウィルは、門をくぐると、身体強化を使って、駆け出した。

 目的地までは、片道二日。

 トラブルさえなければ、だ。

 ルードのことは、宿に頼んであるから平気だろう。

 一週間とは言っておいたが、早めに帰ろうとも思っている。

 

 ルードも、冒険者ギルドで、試験の時の森とは違う場所の採取依頼を受ける。

 次に会うまでに、少しでもランク上げに近くなりたいからだ。

 親切なカウンター嬢が、いい依頼をいくつか教えてくれたので、確実にできそうなものを受けることにした。

 その中には、討伐もあった。

 

「討伐依頼がきちんとできれば、ランク上がりやすくなりますよ」


 それなら、と、ツノウサギを受ける。討伐した証拠はツノウサギの角だ。

 ルードも門に向かっていった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ