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追放王子と生態系調査人  作者: 水野青色
10/23

10:街までは結構あったな 

いつもお読みいただきありがとうございます。

不定期更新です。

誤字脱字、評価もありがとうございます。


10:街までは結構あったな



 遠めに見えた行商人の馬車は、休憩中というよりも、ここで一夜を明かす予定のようだ。

 ウィルとルードが近づいていくと、護衛で雇われたのだろう冒険者が二人のもとにやってきた。


「あ、なんだ、ウィルさんじゃないですか」

「ああ、剛腕の運び屋団だったか」


 ウィルのもとに来た冒険者の男が、警戒を解いて、にこやかな対応をする。

 ウィルも知り合いの冒険者パーティだと気づき、警戒を解いた。

 

 剛腕の運び屋団。

 それが、彼らのパーティの名前だ。主に商人の護衛をしている。なぜそのようなパーティー名なのかと問われれば、リーダーは、すかさずこう答える。

 もともと商人の護衛をしていたからだ、と。

 冒険者になるための資金を稼いだということだ。

 

 商人のところにあいさつをし、野営に混ぜてもらうことになった。

 夜も更けて、商人たちや、見張りではない冒険者は寝に入る。

 ウィルは、二人のほうに来た、剛腕の運び屋団のリーダー、イーグルと見張りに立つことにした。


「そういえば、なにしているんですか、ウィルさん。・・・そちらの子は?」


 ルードはまだ病み上がりなので、寝袋に押し込めておく。


「ん?何って、依頼を受けたから、その途中だ。こいつは俺の昔の恩人の息子で、一人前の冒険者になるまで面倒見ることになってな」

「そうだったんですか」

「次の街の方面に行くなら、護衛として同行できないかと思ってたんだがな」

「ああ、残念ながら、王都に戻るとこなんですよ」

「そうだったか」

「また王都によったら、飲みましょうね」

「そうだな」


 邪魔にならない小さな声で、二人は次の交代と変わるまで話し続ける。

 ウィルは、結局一睡もしなくても大丈夫なため、そのまま朝まで見張りをし、朝食をごちそうになって別れた。


 ウィルとルードは黙々と歩く。

 昼間の照り付ける日が容赦なく体力を奪う。

 平原がずっと続くが、町までの道もできているから迷うことはない。

 

「一度休むぞ」


 木陰も何もない平原だが、体力の回復を図らないといけない。

 もしこれがウィル一人きりならば、身体強化してかけていくこともできるが、ルードは回復したとはいえ、まだきついだろう。


「なあ、ウィル。オレも冒険者になったら、パーティとかくんだほうがいいのか?」

「ん?お前が誰かと組みたいなら好きにしていいが、俺とは組めないぞ」

「なんで」

「パーティはくむのも解散するのも楽じゃないからな。まあ、臨時なら組めるぞ」

「臨時でいいから、オレを指導してくれよ」

「それは当たり前だな。お前がやりたいこと見つける手助けするんだから」


 携帯職を食べながら、ウィルは笑う。

 変なことを心配するな、と。

 

「それより休んだら、少しでも進むぞ」

「わかった」


 歩き詰めの体に、自己治癒魔法をかけ、立ち上がる。

 それでも疲れが完全には取れていないのはわかるが、足手まといにはなりたくなかった。


 二日目の野営も終え、次の日の夕方、ようやく街が見えた。


「ほんとに結構遠いな」

「次の移動は、何か考えるか」


 二人は街に向かって歩いていった。

 

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