10:街までは結構あったな
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10:街までは結構あったな
遠めに見えた行商人の馬車は、休憩中というよりも、ここで一夜を明かす予定のようだ。
ウィルとルードが近づいていくと、護衛で雇われたのだろう冒険者が二人のもとにやってきた。
「あ、なんだ、ウィルさんじゃないですか」
「ああ、剛腕の運び屋団だったか」
ウィルのもとに来た冒険者の男が、警戒を解いて、にこやかな対応をする。
ウィルも知り合いの冒険者パーティだと気づき、警戒を解いた。
剛腕の運び屋団。
それが、彼らのパーティの名前だ。主に商人の護衛をしている。なぜそのようなパーティー名なのかと問われれば、リーダーは、すかさずこう答える。
もともと商人の護衛をしていたからだ、と。
冒険者になるための資金を稼いだということだ。
商人のところにあいさつをし、野営に混ぜてもらうことになった。
夜も更けて、商人たちや、見張りではない冒険者は寝に入る。
ウィルは、二人のほうに来た、剛腕の運び屋団のリーダー、イーグルと見張りに立つことにした。
「そういえば、なにしているんですか、ウィルさん。・・・そちらの子は?」
ルードはまだ病み上がりなので、寝袋に押し込めておく。
「ん?何って、依頼を受けたから、その途中だ。こいつは俺の昔の恩人の息子で、一人前の冒険者になるまで面倒見ることになってな」
「そうだったんですか」
「次の街の方面に行くなら、護衛として同行できないかと思ってたんだがな」
「ああ、残念ながら、王都に戻るとこなんですよ」
「そうだったか」
「また王都によったら、飲みましょうね」
「そうだな」
邪魔にならない小さな声で、二人は次の交代と変わるまで話し続ける。
ウィルは、結局一睡もしなくても大丈夫なため、そのまま朝まで見張りをし、朝食をごちそうになって別れた。
ウィルとルードは黙々と歩く。
昼間の照り付ける日が容赦なく体力を奪う。
平原がずっと続くが、町までの道もできているから迷うことはない。
「一度休むぞ」
木陰も何もない平原だが、体力の回復を図らないといけない。
もしこれがウィル一人きりならば、身体強化してかけていくこともできるが、ルードは回復したとはいえ、まだきついだろう。
「なあ、ウィル。オレも冒険者になったら、パーティとかくんだほうがいいのか?」
「ん?お前が誰かと組みたいなら好きにしていいが、俺とは組めないぞ」
「なんで」
「パーティはくむのも解散するのも楽じゃないからな。まあ、臨時なら組めるぞ」
「臨時でいいから、オレを指導してくれよ」
「それは当たり前だな。お前がやりたいこと見つける手助けするんだから」
携帯職を食べながら、ウィルは笑う。
変なことを心配するな、と。
「それより休んだら、少しでも進むぞ」
「わかった」
歩き詰めの体に、自己治癒魔法をかけ、立ち上がる。
それでも疲れが完全には取れていないのはわかるが、足手まといにはなりたくなかった。
二日目の野営も終え、次の日の夕方、ようやく街が見えた。
「ほんとに結構遠いな」
「次の移動は、何か考えるか」
二人は街に向かって歩いていった。




