コント 「行列のできる壺売り露天商」
タレント
「今テレビで行列のできるお店の人に街頭インタビューしてみたって企画をやらされてんねんけど、ここいらじゃなかなか行列のできるお店が見つからんのよ。
このままやったら企画倒れになってまうで。なんとかしてまずは一人目、見つけ出さなあかんな」
ボケ「安いよ安いよ。安い壺売ってるよ」
タ 「おお!こんなところに行列が!しっかもすっごい列やでこれ!」
ボ 「安いよ安いよ」
タ 「いったいどんな壺を売っとるんやろ。さっそくインタビューしてみよ」
ボ 「安いよ安いよ!今日もとびっきりのを用意したよ」
タ 「お取込み中すんません」
ボ 「はあ、どうなされましたか?」
タ 「今ロケをやってまして、行列のできるお店の人にインタビューしてみた!って企画をやってるんですよ」
ボ 「へぇ~、なんかテレビっぽくない企画ですね」
タ 「でしょでしょ?まあそういうわけなんで大変お忙しい中、恐縮ですがインタビューの方を受けてもらえませんか」
ボ 「いいですよ」
タ 「助かります」
客 「はい!百万円」
ボ 「まいどあり次の方」
タ 「さっき道端で安いよ、安いよって言ってた割には百万円。全然安ないな。この人達の金銭感覚どないなっとんねん。ちなみに今の壺ってどんなやつですか?」
ボ 「さっき奥さんが買っていった壺の事?」
タ 「ええ」
ボ 「さっきのはプラスチック製の壺です。軽い素材で出来てるから持ち運びができるって好評なんですよ」
タ 「へぇ~そうなんですか。プラスチックで出来てるってなんかとってもパチモンっぽく思えるんですけど、そんなものが百万円で売れるんですね」
ボ 「はい。なぜか売れてしまいます。毎回こうして店を開くたびに大勢の人が僕の壺を買っていってくれるんです」
タ 「へえ~」
ボ 「次の方」
客 「これ買います。百万円」
ボ 「まいどあり」
タ 「どんどん売れてますやん。ちなみにこの壺は?」
ボ 「これはチョコで作りました」
タ 「チョコ!?チョコで作ったんですか?」
ボ 「昨日徹夜で作りました。なにせ初めての経験だったんで、結構骨が折れましたよ」
タ 「え?なんで土とかで作らず、あえてチョコで作ろうと思ったんですか?」
ボ 「実は昨日壺の材料を切らしてしまったんで、それで仕方なくチョコで代用して作ることにしたんですよ」
タ 「ああそれは大変なことで。他に材料がないからといって、チョコで作るなんてすごいですね」
ボ 「はは・・・どうも」
客 「はい百万円」
ボ 「まいど~」
タ 「また売れていきましたね。今さっき売れてった壺もチョコで作ったんですか?」
ボ 「いや、今さっき売れてった壺は人の血液を凝固して作ったものです」
タ 「ええ。なんかいきなりおぞましいのが来た!」
ボ 「なにせ昨日材料を切らしてしまったもので。そこで仕方なく人の血液で代用して、壺をつくったんです」
タ 「いやもっと別のもので代用したらええですやん!てかチョコでも壺作れるんやったらそのチョコ使って、壺作ったらええですやん」
ボ 「そのチョコもあれからすぐ切らしてしまって、今度は人の血液で代用する他なかったんです」
タ 「ちなみにそれ誰の血液ですか」
ボ 「はは。それは企業秘密ってことで」
タ 「気になる~めっちゃ気になる~。聞いて余計おぞましなったわ」
客 「これ買います」
タ 「そこの奥さん!この人から壺買うのやめた方がええですよ!なんかこの人、ろくでもない壺作っとりますよ」
ボ 「なんて失礼な!あんたそれ立派な営業妨害ですよ」
タ 「あ、すんません」
ボ 「まいど百万円!」
タ 「また売れた。ここの人達の金銭感覚どないなっとんねん。なんで次から次へとキャッシュで百万出せんねん」
ボ 「次の方どうぞ」
タ 「ちなみにさっき売れた壺って何で出来てます?」
ボ 「今さっき売れた壺は人の血肉を塗り固めてつくったものです」
タ 「もっとやばいのきた!さっきの血液を凝固して作った壺よりもっとやばいのきた!」
ボ 「なにせ昨日壺の材料を切らしてしまって。それで代用して作るしかなかったんです」
タ 「切らしたんなら壺の材料買い出しに行ったらええやん!なんでそんなおぞましいものでわざわざ代用しようってなるねん!」
ボ 「はは・・」
タ 「笑ってる場合とちゃうで!」
ボ 「まいど」
タ 「ちなみに今売れたものは?」
ボ 「自分の盲腸です」
タ 「またまたやばいのきた!ここにきてあんた身を削り出してますやん!なんで身を削ってまで壺を作ろうとすんねん。てかその盲腸どうやって自分で取り出したん?」
ボ 「はは。それも企業秘密ってことで」
タ 「気になる!めちゃ気になるわ!その過程に何があったんかめちゃ気になるわ」
ボ 「その時、壺の材料を買い出しに行くって考えに至らなかったもんでしたからつい」
タ 「そこは至らんかい!人の血肉で代用するのもやばいけど、自分の盲腸まで代用するなんてもっとやばいやろ!てか今までどないして材料かき集めとったん?」
ボ 「はは。それも企業秘密ってことで」
タ 「その企業秘密ってやつやめろや!さっきからめっちゃ気になんねん!てかそもそも盲腸は手の平サイズぐらいの大きさしかあらへんねん。そっからどうやって壺を作り上げんねん」
ボ 「はは。それも企業秘密ってことで」
タ 「やめろ!それやめろ!」
ボ 「まいど」
タ 「これは何でつくったん?」
ボ 「他の人から提供してもらった肝臓です」
タ 「これは?」
ボ 「小腸です」
タ 「これは?」
ボ 「十二指腸です。まいど~まいど~まいど」
タ 「なんかどんどん売れてってるやん」
ボ 「はい!本日も完売です」
タ 「全部売れよった」
ボ 「本日も好評につき、また明日もここで販売したいと思いま~す。ありがとうございました」
タ 「明日もここで壺売るんかい」
閲覧いただきありがとうございました。
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