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雨の日の優しさ

作者: 昇雪庭

 僕は昨日、不思議な経験をした。雨の中、帰りの途中、たった数分の出来事である。

だが、僕はあの強烈な思い出を一生忘れないと思う。

 僕は学校から帰る途中、急に大雨が降り出した。

今日の朝の天気予報は「おおむね晴れ」と聞いて、その時傘を持っていなかった。

これが「狐の嫁入り:天気雨」なのかと思いつつ、どしゃ降りから雨宿りする場所を探していた。

僕が通う高校は家から一山隔てた所にあり、帰るにも戻るにも遠すぎる場所にいた。

ふと思い出す。そういえば、ほとんど人気のないバス停が近くにあったな。

バス停はすぐに見つかった。そして、待合所のベンチに座った。その時、

ピカッといなづまが走り、目の前が徐々に真っ白になる。



 気がつくと、自分の手はしわしわになっていることに気づきました。

一瞬のうちに年を取ったようでした。

”今思うとあの時の夢は感覚があり、自分の思うままにできる不思議な体験だった。”

目の前は地中海のようで、日はサンサンと降り注ぎ、ポカポカした陽気でした。

港町のようで、市場や白い建物の街は活気にあふれていました。上り坂が多いところで、

街の人たちは影でゆったりと休んでしました。自分は丘を目指しその坂をなぜか上っていました。

途中で休憩しようとすると、

 そこに喫茶店が偶然ありました。自分は吸い寄せられるようにその中へ入って行きました。

あたりはスーとする清涼感と甘い香りがします。自分はカウンターにいるマスターに聞きました。

「マスター、このいい香りはなんですか?」マスターはゆっくり視線を自分に向けて

「ああ、この香りですか。あなたもこの匂いにひかれてきたのですね。秘密はこの液体です。

この液体はチナの木という木の樹液です。私がお気に入りの蜜なんですが、最近数が減ってきていて。

飲んでみますか?」

 自分はその液体を飲んでみました。スーとする滝のような清涼感。唐辛子のような熱さ。

シナモンのような甘い匂い。喉をさらっと抜けていく喉越し。淡い甘さ。

グラス一杯を一時間くらい味わっていました。和やかな時間はあっと過ぎ・・・。


 いつしか、大嵐が来て、その街はたちまち渦に飲まれていきました。

徐々に目の前が真っ暗になりました。



 気がつくと、元のバス停にいた。時計を見たが、数分しか経っていない。

あたりは雨がやみ、真っ赤な夕焼けが一面に広がっていた。

まさに「狐につままれた(ばかされた)」いい気分だった。

僕は再び家路へ戻っていった。

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