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パニック・デッド  作者: サイラー
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第九話「生と死」

僕達は機材をかき集めて、松田を閉じ込めた部屋へ移動した。

「松田はイービルの状態だから気をつけるんだぞ。」

部屋に突入したと同時にハンドガンに付属していたライトを照射して視界をうばい、

布を被せてベルトで拘束して、その間に押さえつけて注射をした。

祈りながら経過を見守っていると、暴れていた松田が次第におとなしくなった。

「死んだのか?」

「今のところ呼吸はしている。」

「いいか無理だった場合はとどめをさすぞ。」

それから少しして松田は意識を取り戻した。

「大丈夫か松田。生きててよかったよ。」

「青人か。怪物に襲われた様な記憶はあるんだが何があったんだ?」

どうやらイービルの時の記憶はないようだ。

「僕達は狙われているんだ、まずは安全な所へ行こう。」そう言って話を変えて松田がイービルになっていた事は伝えなかった。

「ゆっくりしている暇はないぞ。また屋上から来るかもしれない。」

「ショーン博士を追いかけよう。彼を人質にすれば突入部隊も無茶はできないだろう。」

再び4階のスタッフルームに戻り、ショーン博士が逃げた関係者以外立ち入り禁止の扉を銃を使って鍵を壊して開けた。

扉を抜けると連絡用通路があり、その先にはエレベーターがあった。

「エレベーターがあるぞ。」

おそらく物品搬入用のエレベーターだ。

もしかしたら、これで1階の搬入口を通って外に出られるかもしれない。

エレベーターを呼ぼうとした時だった。

ボタンを押す一瞬先にエレベーターが動き出した。

僕は声を出した。「敵かもしれないから下がろう」と。

連絡用通路からスタッフルームへと後退して、中から誰が出てくるのか様子を見る事にした。

鋼鉄製の扉の中から巻き上げ機の動力音だけが聞こえてくる。

エレベーターが4階に到着して扉が開いた。

バリケードの外にいる敵かと思いきやイービルが複数出てきた。

新たに手に入れた装備を使い応戦した。

連絡通路に銃撃音が響き渡った。

歩数にして15歩程度の距離だが、なかなか当らなかった。

イービル達がゆっくりと近づいてきた。

アンディーがイービルの頭部を撃ち抜いて何体か仕留めた。

危険な距離になったので、通路からさらに後方に下がって待ち構えた。

その時、またも屋上からヘリの音が聞こえてきた。

フロアー内にイービルの群れが押し寄せ、屋上では扉が破壊され催涙弾が投入された。

このままでは挟み撃ちにあってしまう。

僕達は急いでカードキーを使いこのフロアーの外に逃げ出した。

イービルと武装兵が戦闘をしている間に安全な場所へと避難することにした。

「エレベーターってあったんだな。3階に降りてエレベーターを使って搬入口に行こう。」

3階に行きエレベーターのある区画へと進んだ。

スタッフルームの奥にも続く道があり、そこに行くと荷物搬入用のエレベーターがあった。

さっさとこんな所は出ようぜ。

ボタンを押してエレベーターを呼んだ。

扉の中にいるかも知れないから気をつけろよ!

エレベーターの扉が開く瞬間、僕たちは銃を身構えた。

幸い中には誰もいなかった。

「これで1階から外に出れるぞ!」

脱出するべく一階のボタンを押した。

「あれ、反応しない?」

何度押しても行き先階のランプが点灯しない、1階には行けないように設定をしている。

操作盤を見るとB1の行き先を見つけた。

まさかこの施設に地下があるとは思いもよらなかった。

罠であると知りつつ、5人は地下へと向かった。

エレベーターが起動すると僕達を地下へと降ろす巻上げ機の音だけが静かに響いた。

地下に着くと薄暗い廊下が突き当たりまで続いており、廊下中央の右手にセキュリティーゲート扉が見えた。

危険と知りつつも、数的不利を回避するために5人まとめて中に入る事にした。

カードキーにタッチするとガラスのゲートが開いた。

さらに奥のゲートは入り口のゲートが閉じなければ開かない仕様のゲートだった。

中に入ると手前側のゲートが閉じ、奥のゲートが開いた。

試しに戻れるか内側からカードキーをタッチして見たが受け付けてくれなかった。

「まぁ予想通りの展開だな・・・。」

扉の中は相当な広さだ。

部屋は暗く受電設備の壁を進むと奥には多数のモニターだけが青白く照明代わりとなっていた。

モニターには病院内の様子が映し出されていた。

至る所に実験機材が配置されていた。

奥に人影が見えた。

僕達はその人影に近づいて行くと、目を疑った。

もう逃げきれないぞ!とアンディーが言った。

そこにはショーン博士とスタッフと死んだと思っていたドクタータッカーがいた。

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