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パニック・デッド  作者: サイラー
2/12

第二話「遭遇」

同じ病室には少し日本語も話せる中国人「高 飛関」がいた。

彼は日本の漫画が大好きで、フレンドリーに接してくる青年である。

流行りのモノにも敏感で携帯も最新機種だった。

松田も交えて一緒に好きな漫画についてランチを食べながら語り盛り上がった。

市内の病院で新薬の性能を確認する被験者として参加して2日目の朝、

僕は突発的に風邪をひいてしまい、個室の小部屋へと移された。

リタイアさせられるかと思っていたけど軽感冒との事で様子をみるとの事であった。

ベッドの上から窓越しに雨が降る午後の街を眺めていた。

検査は続いているから勝手に眠らないように、と婦長さんに言われたような気がしたが、

自然と睡魔に襲われて、しばらくの間眠りについていた。

部屋の外からの騒がしい音とさけび声で目覚めたが、まだ体調が不完全で

しばらく起き上がる事ができなかった。

外を見るともう日は沈んでいた。

騒ぎがの方を除いてみると、扉の窓は真っ赤に染まり見通す事ができなかった。

「なんだ!、何故血が!」何が起こっているのか分からないが、

かなり危険な状況だと感じた。

松田は?高くんは?みんな大丈夫なのか?

物凄く緊張感が高まり、動悸が高まり体に力が入らなかった。

最悪の状態が頭をよぎる、もしもテロリストなら寝ている場合ではない!

そうでない事を祈りながらフラフラの状態で、

這い蹲りながら扉に近づいて中央広間の様子を伺う事にした。

扉のガラス部分は血がベットリで見ることが出来ない、かわりに耳を澄ませてみた。

会話は聞こえなかったが、複数の足音が聞こえた。

事故ならもっと大騒ぎをして処置をしているはずだ!

足音から多分4・5人だろうか・・・。

自由に歩き回っている様子だった。もしも人質だったら拘束されているはずだろうから、この足音は犯人側で間違い無いだろう。

体調が万全では無いうえにパニック寸前なので、まずは少し冷静になる事に集中した。

窓の外を見て今が日暮れ前である事に気が付いた。

この部屋は消灯している為、無人と思われているのか?

どちらにせよ犯人達が来る前に何とかしなくてはいけない。

こんな時に携帯電話があれば助けを求められるんだけど、

検査中は通信機器を私物ロッカーに保管しなくてはいけない為、いま手元になかった。

こんな時、必要なものは勇気と決断力。

僕の性格の悩む前に行動が大事なんだと思った。

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