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パニック・デッド  作者: サイラー
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第十一話「別れ」

各々が手にした武器で応戦した。

こいつらの動き、今まで戦ったイービルと別物だ。

これまではただ噛み付いてきただけなので、警戒する部分は予測できたが

このイービルたちはまるで戦闘訓練を身につけている様な動きだった。

動きに緩急があり、水槽の破片を掴んだ後に投げる事も仕掛けてきた。

高君の槍は距離を保ちつつ攻撃し、僕はアサルトライフルで攻撃を繰り出した。

即席の槍では硬質化したクローンイービルの体には突き刺さらず逆に力強い拳による攻撃をされた。

仲間のピンチを助けに入った。

僕が注意を引きつけ、アンディーが攻撃を加えた。

力のあるアンディーの斧は硬質化した筋肉でも切り裂いた。

二人で援護しつつアンディーの斧でイービルの頭をかち割って止めを刺す。

このコンビネーションで数的不利をカバーした。

僕はヘッドショットでイービルを倒して気が緩んだ。その瞬間に別のイービル達から攻撃を受け追い詰められてしまった。

アサルトライフルからスティックに武器を持ち替えて噛みつきをブロックしつつ頭部にナイフを突き刺した。

一体は迎撃できたが、もう一体にまで反応はできなかった。

諦めた時だった、松田が身を呈して庇ってくれた。

松田は右肩を噛みちぎられた。

しかし松田は左の拳で反撃した。イービルは吹っ飛び壁にぶつかった。

すごい力だった。右肩からの血は止まり傷もいつの間にか塞がっていた。

「どうしたんだこの力は・・・」この時、松田は自分自身がイービルになっている事に気づいた。

「ショーン博士これは!」ドクタータッカーは驚きを隠せなかった。

「タッカーよ、どうやら人間を超えた力が手に入り超再生能力も手に入れたようだ。これなら心臓を貫かれても死ぬことはないだろう。

クローン同様に短命には変わりないが、研究材料としては参考になったぞ。ひゃひゃひゃ。」

僕のナイフを受け取った松田はイービルにとどめをさした。

「こんなの真っ平だよな、早く楽にしてやるよ。」それはまるで自分自身に語りかけたかの様だった。

数的有利になった僕達は連携を繰り返し、瞬く間に残りのクローンイービルを倒した。

「貴様、少し時間を稼いでろ!」ショーン博士に命じられたスタッフは銃で僕達を撃ってきた。

「その間にドクター、君もあの力を授けよう。」と言い研究室にある注射器何本かをドクタータッカーに撃ち込んだ。

「ショーン博士これは・・・。」

「最後の仕事だ!ドクタータッカー、奴等を殺すんだ。」

肉体が一回り以上大きくなりの筋肉は異常に発達をし爪や髪が伸び、怪物へと姿は変わり果てた。

スタッフはサラの銃撃で倒れたが博士にとって時間を稼ぐには十分であった。

サラはドクタータッカーにも銃弾を撃ち込んだがダメージは無くより硬質化した筋肉と鋭く伸びた爪で銃弾の軌道が変わるほどであった。

「よし、成功したようだな。ドクタータッカーあとは任せたぞ。」ショーン博士とスタッフは奥の扉から階段を上がって施設の外に消えて行った。

「マズイぞ、博士は化け物を作りやがった。」

「ここはアサルトライフルの連射だ!」僕と高くんとアンディーで斉射した。

一点集中の射撃。倒したかと思い様子を伺ってみたら、傷口は回復している。

ドクタータッカーの反撃、物凄いスピードでこちらに突撃してきた。

高君は槍で受け止めようとしたが、体は入り口の扉まで吹き飛ばされた。

完全に傷が治りきっていない場所に偶然槍が刺さった。

ドクターの体の中心には槍が刺さっているが、まったく平気な様だった。

アンディーが背後から斧で頭部を狙ったが、躱されてしまった。

ドクタータッカーが後ろ回し蹴りを繰り出したが、危険を察知して距離を離れた。

「クソっ、あの化け物は身体能力だけで無く感覚器官も強化されているんじゃないのか!」

アンディーは攻撃を交わしたと思われたが、肋骨と脇腹をやられてしまった。

追撃をさせないために僕は再びライフルを撃ち込んで援護をした。

残弾がなくなったので、注意しつつ弾倉交換に取り掛かった。

射撃が止むとドクターは反撃を仕掛けようと近づいてきたが、松田がそこに対峙した。

松田がナイフで攻撃を仕掛けたが、ドクターの方が能力が高く鋭利な爪で攻撃を受けた後に投げ飛ばされた。

「ショーン博士はめちゃくちゃな怪物を作って行きやがったな。」松田は力を振り絞って立ち上がった。

「アンディーこいつをドクターに投げるんだ。」と僕は火炎瓶のボトルを手渡した。

代わりに僕は斧を拾いみんなの体制を確認した。

高君は倒れたままで、サラが救助に行っていた。

松田は起き上がって反撃の体制を整えたところだった。

僕はライフルで撃ちながらドクターに突撃した。

スティックをドクターの足元に投げつけ注意を下に向けた瞬間。

「今だアンディー!」アンディーが投げた火炎瓶がドクターに炸裂した。

火炎攻撃はかなり有効だった。

体に刺さった槍に蹴りを入れてドクターを後方へ倒すと。

松田に目で合図を送ると斧をドクターの上空に投げつけた。

ドクタータッカーが倒れ込んだ瞬間、松田が斧を掴み取りそのまま頭部めがけて振り下ろした。

斧は頭から首元まで深く刺さり、ドクタータッカーは前のめりに倒れこみ死んだ。

「クソヤローが。」トドメを刺した松田が叫んだ。

「高君大丈夫か?」僕は吹き飛ばされた高くんに声をかけた。

「なんとか大丈夫です。」無事を確認してホッとした。

僕たちは互いに無事を確認しあった。

松田の様子がおかしい。すると膝から崩れ落ちた。

僕は松田の元へ駆け寄った。

「はぁ、ダメだな。さっきの戦いで致命傷を受けたみたいだ。・・・どうやら俺はここまでの様だな。

ば・化け物になって死んだと思っていたけど、理性のあるうちに死ねてよかったよ。

「松田!ごめん、助けることができなくて。」

「い・いいよ青人。俺は悲しいお別れは嫌いなんだよ。

と・ところでこの働いた分って金貰えるのか?・・・」

笑いかけたその後、松田は静かに目を閉じ安らかな眠りについた。

僕は友の仇を討つと心に決めた。

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