表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パニック・デッド  作者: サイラー
1/12

第一話「旅立ち」

短編パニックサバイバルとゾンビバトルの融合を脚本として作りたいと思っていました。

あまり恐怖感を前面に出さずに、こんな時どのようにして生き抜こうかと、考えながら作ってみました。


「サラ、大丈夫か?」

「少しは話せるようになったじゃないか。」

そう言うとサラは優しく微笑みながら、明るくなり始めた空を見つめた。


昨今、英語圏の東南アジアで英会話留学が人気を集めている。

その中である国の離島での語学留学が最近始まったとの情報を知ったので、僕は思い切って英会話留学を習得する事に決めた。

ここは近年急速に発展してきた事により快適さと自然の調和が素晴らしく、留学先としてますます人気が出てきそうな場所である。

始めたばかりで学校側の人集めが功を奏して試験には合格ができた。

英会話ができないのに良く留学ができた事に自分でも驚いている。

細かい事は留学してから考えようと、当てもないまま行動に移した。

これから半年間、新しい生活が始まるかと思うと高ぶる気持ちが抑えられない気持ちだった。

僕の名は「立石 青人」。


大学卒業後も就職先は見つからず途方に暮れている中でフリーターをしながら悶々とする日々を送っていた。

グローバルな活躍をしたいと思い各国に展開している、語学学校が企画したこの英会話留学に参加する事にした。

悩む前に行動!が僕のモットーかもしれない。

お金の面に関しては、今までコツコツと貯めたお金で留学先の学費までは工面できたけど、余裕のある生活費までは確保できなかった。

仕送りして貰えるほどの裕福な環境ではないので、現地でアルバイトをする計画でいた。

アルバイトと言っても本来ビザで禁止されているので、バレないようなものに限られているんだけどね。

アルバイトを含めて色々と情報を集める必要があるので、事前に運営側に質問して聞いた日本人留学生が住んでいそうな所に僕も住む事にした。

留学初日自己紹介等で幕を開けた。

そんな中、かなり英会話ができる日本人のクラスメイトがいた。

彼の名は「松田 清」。彼とは年齢も同じで、すぐに打ち解けてよくつるむようになった。

バタバタしながらもあっという間に入学から1週間がすぎた。

「よお、青人。こっちの生活にはもう慣れたか? 

長いようで短い留学期間なんだから早く馴染んじまえよ。」

松田のすぐに適応する性格は、人見知りの性格を改善したいと思う僕からしたらいい見本となるので目指して行きたい。

「そうだね。英会話を頑張って習得して、ついでにリゾートの満喫も楽しむ様にするよ。」

「いいね、その調子だ。ところでよ、盛り上がった所で申し訳ないが、あんまりここがリゾートだからと言って油断しない方がいいぜ。」

「ん?どういう事だよ。」

「ちょっと聞いた話なんだが最近、ここらで失踪事件が立て続けにあるって事だから気をつけなよ。」

「松田〜。それってマジかよ。ヤバいじゃないか。」僕は今までリゾート気分でいたのに急にこの国が怖くなった。

「まぁ、警察が捜査しているみたいだし白昼堂々とつれさられる事はないだろうけどな。

そうは言ったって日本ほど治安が良いところなんて海外には無いんだから、それなりに気をつけろってことだ。

街に慣れるまでは、一緒について行ってやるから心配するな。」

「本当にやばくなったら学生の頃にやっていた陸上部の力を発揮して全力で逃げるよ。」

「青人、俺をおいてかないでくれよ。ははは。」僕は頼りになるクラスメイトと出会えた事に感謝した。

夜になって松田と酒を飲みバーから出たところだった。

「おい!止まれ。」僕たちを呼び止める男の声が聞こえた。

振り向くと大きな警察官が僕たちを睨みつけて何か話かけてきた。

僕は何を言っているのか聞き取れなかったので、松田に何てい言ってるのかを聞いた。

「酒を飲んでいい年齢を知っているのか?って聞いてるよ。」

僕はガイドブックに書いていた外国で注意する事の一部を思い出した。

「大丈夫かな?ある国の警察は見逃す代わりにお金を要求するって事があるんだよな。」

「早くパスポートを見せろ!」警察官が僕たちの話を遮るように声を発した。

警察官の目を見て悪意はないと信じて、僕はパスポートを手渡した。

じっくりと見た後「OK」と聞こえたと同時に緊張が解きほぐれた。

僕たちが日本から語学留学で来た事が伝わると、

先ほどまでとはいっぺんしてすごく友好的な口調で話しかけられた。

「年齢いを確認するまでは子供が飲酒をしているのかと思ったよ。幼顔でびっくりしたよ。ワハハ。」

びっくりしたのは正直僕の方なんですが、ともう少し英語ができれば伝えたかった。

「私はカールだ。何か困った事があれば声をかけてくれて構わないぜ。」

そう言うとカールはパトロールを続けるために歩き始めた。

「いい人で良かったな。」松田の声に僕もうなづいた。


英会話学校についていくのは必死で、英語づくしの生活に自分でも日本にいては得られない英語力を身につけていると実感してきた。

一人でも街を回れる自信がでてきて市内散策をしたり海に行ったりと、こちらの生活に慣れだした頃だった。

松田がいいアルバイトを見つけたので僕にも一緒にやらないかと声をかけてくれた。

アルバイトの内容は市内にある病院で新薬の治験ボランティアだった。

内心、不安はあったけど他にアルバイトの当てもないのでやって見る事にした。

病院は街の中心部から外れた場所に位置して治験専用の施設の様だ。

外観は格式のある石造りの4階建で、この国が連合軍の占領統治下の時代に建てたという軍関係施設を今は病院として使っている様だ。

建物の内部は見取り図から読み取ると、1階が受付と待合室、2階が検査試験室、3階と4階が事務室と治験者のベッドルームとなっている。

検査試験には沢山の若者が来ていたが、募集人員は10人。

その内の2人は直近での体調不良を考慮したバックアップの為、実質の新薬の治験者は全部で8人だ。

2階の大広間に参加者は集められると、ドクターがやって来て説明が始まった。

ドクターの名はタッカー、小柄な白人の中年男性だ。

彼からこの薬は危険が無いから心配はない、テストは認可を得る為に必要なだけだと。

ドクタータッカーは参加者全員に対して検査署名のサインをさせた後、

血液検査、尿検査、簡単な問診等2時間程度の検査をしてこの日は終了となった。

後日病院からメールで治験合格の連絡が入った。松田にも合格の連絡があった。

これでちょっとしたお金が入って生活が助かると僕達はを喜んだ。

実際、英会話に自信がない僕としては、松田が一緒にいてくれる事はとても心強かった。

1週間後、5日間の入院検査が始まった。

検査は3階で実施するようだ、その間ずっとベッドで横になっていなければならないらしい。

今回の検査は難病の治療薬との事らしく、副作用は無いとの事ではあるが少し不安はある。

松田は報酬に満足しており、万が一の事なんて全然御構い無しであった。

不安だからと言ってここで辞めますって言える程、滞在費に余裕が無いのが実情なので辞退する訳にはいかなかった。

階段で3階に上がり扉を抜けると中央広間のスペースがあり、その奥にはスタッフルーム、ベッドルーム、水回り関係、ロッカールームが目に入った。

まず中央広間で今回の参加者全員に治験期間の施設内での注意説明があった。

そして治験者8人は恰幅の良い看護スタッフ、ベテラン婦長のインバニさんに案内され、大部屋と呼ばれるベッドが10台置かれたベッドルームへ行く様に指示された。

「ベッドに名札が貼られているから、そのベッドを使ってね。」

インバニさんにそう言われた後、各々検査を受ける準備に移った。

それぞれ検査着に着替えて、ベッドに横たわり血液採取用の注射針を入れられた。

血液採取の度に注射針を刺さなくていいという点はあるが、腕に針が刺さったままの状態がどうも落ち着かない。

休憩時以外は基本ベッドに横たわるようにとの事で指示があった。

午前の検査が一通り終わり昼食休憩に入り中央広間でランチを食べていると「あなたは、日本人ですか?」と隣の席から声をかけられた。


色々な体験や日々の想像を執筆にしてみました。

楽しんで頂ければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ