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side:鋼鉄のデューク

 聖都ランヴィオアステュ近郊の町……の下町にある『エグベリ解放機構《こだわりのある魔刻陣師の集い》』のアジト【シルバニ屋】。


 素泊まりなら一泊銅貨二十五枚(一般的な宿場の半額)、朝飯が食いたければプラス十枚。共同調理場の使用料は一回につき銅貨五枚。

 一見すると単なる木賃宿にしか見えないが、その実態は我ら偉大なるエグベリ大陸統一魔刻帝国の牙城にして、真に崇高なる志しを持った者たちが虎視眈々と捲土重来を謀る正義の砦である。


 なお表向きの姿に場末の宿屋を選んだのには当然理由がある。

 まず聖都の情報が集まること。それに同志たちが出入りしても怪しまれないこと。町外れにあっていざという時の撤退も迅速に行うことも可能であること。なにより、建物を購入するのが安かったこと。居抜きでそのまま流用できたのが大きかった。

 あと、ついでに商売すれば多少なりとも軍資金が集まるため……という理由も大きい。


 さて、帝国に一泡吹かせて帰還した私は、目立たないように町外れの水車小屋に着陸すると、カモフラージュのため水車小屋の番人に扮して待機していた同志の手を借りて魔刻動力甲冑を脱ぎ(これが結構手間がかかる)、目立たない服装に着替えると、同志とともに魔刻動力甲冑を大八車に乗せ、その上に小麦の袋を乗せて隠した。

 魔刻帝国の至宝ともいえる魔刻動力甲冑を置きっぱなしにするわけにはいかないので、このまま私が大八車を牽引し同志が後ろから押してアジトへ戻ることになる。


 ろくすっぽ整備されていない川の脇の畦道を、苦労しながら進んでいると、

「よう、デュークさん。景気はどうだい?」

 顔見知りの農夫に声をかけられた。


「やあ、ゴンザレスさん。ぼちぼちですなぁ。貧乏暇なしといったところで、嫌になりますわ」

「お互い様やね。つーても、最近、聖都に偉い人が来るとかで、随分と人の出入りが激しいみたいやし、デュークさんのところの宿も書き入れ時やないの?」


 ふむ、なかなか耳が早いな。帝国の皇女たちが聖都に到着するのはおそらくは今日の夕刻だろうに、先んじてこんな田舎の農夫がその情報を知っているとは……。


「ほーっ。でもまあ、ウチみたいに小汚い安宿と、そんな偉いさんとは無関係ですからなぁ。せいぜい聖都の宿にあぶれた貧乏人が、もしかしたら泊まるかも知れないってところでしょう」

「ああ……それもそうやね。つーても、人が集まるってことは胃袋も増えるってことやから、小麦も高く売れるやろ?」


 『小汚い安宿』という言葉をあっさり肯定する農夫に、若干むかつきながら――我らがこの大陸を制覇した暁には、貴様の畑全部に塩を撒いてやると決意しつつ――も、せいぜい軽口で返す。


「そうですなぁ。もっとも、うちで搗けるのは安い三等級の小麦と形の不揃いな豆くらいですので、こっちもあまり期待はできませんが」


 その後も軽く雑談をして、我らはその場を後にした。

 ふん、泡沫(うたかた)の平和に溺れる愚かな大衆たちよ。貴様の目の前にいるのは、つい先ほど帝国の近衛騎士を蒼然とさせ、やがては大陸中を震撼させる偉大なる魔刻陣師だというのに、明日も同じ毎日が続くと思い、その足元がすでに絶望に染まっていることをが欠片ほども気付きはしない。

 我らが真に表舞台に躍り出た時こそ括目せよ! そして、恐怖に打ち震えるがいい。

 気付いた時には手遅れであり、その日はもうすでに目の前に迫っているのだ!!


 そう高らかに宣言したい気持ちをぐっと堪えて、私は黙々と大八車を牽く。


 ◆


「全滅!? 連れて行った冒険者崩れが全滅とおっしゃいましたか!」


 信じられない、とばかり呆然とするこのアジト【シルバニ屋】の女将(おかみ)兼副リーダーのヒルデガルド(通称ヒルダ・二十五歳独身)。


「どうすんですか!? あいつら雇うのに、爪に火を点すような思いで稼いだ軍資金五年分をほぼ使い切ったんですよ!! ここ三年はお客に出す分の食事以外は切り詰めて、家畜のエサ用の豆を茹で三食塩スープでしのいできたっていうのに、それが全滅ってどういうことですか!」


 怒髪天を突く勢いでわめくヒルダの剣幕を恐れて、他の同志たちは適当に理由をつけてこの場から避難している。

 できれば私も逃げ――いや、戦略的撤退をしたいところだが、立場上どうしたってヒルダの詰問を受けねばならない。逃げたらお終いだろう。


「うむ。止むを得ない状況だった。それに連中の犠牲は当初から織り込み済みであっただろう、ヒルダ?」


 そう事前の打ち合わせを思い出しながらヒルダに言い含めると、一瞬だけ呆けたような表情になったヒルダだが、

「ええ、ええ……そうですね、デューク様」

 にっこり笑ってそう頷いた。


 あ、これあかんやつだ。


「『まずは騒ぎを起こして近衛の注意を引く。そして迅速にセラフィナ皇女らの乗る馬車を捕獲する。最悪の場合、連中を捨て駒にしてそのドサクサにセラフィナ皇女、それができない場合はクリスティン王女の身柄を確保する』でしたわよね!?!」

「う、うむ。さすがは帝国の近衛、所詮、金で雇った盗賊もどきの冒険者では勝負にもならなかったな」

「奇襲の意味がわかってますか!? ほとんど真正面からぶつけたら当然でしょう! おまけに人質も確保できなかったとか、最悪よりも最悪ですよ。これでは予定していた身代金もお宝もパア! 単なる骨折り損の大赤字ではないないですか!! もう嫌ですよこれ以上の塩スープの毎日は! 最近、栄養失調で肌荒れはもとより、店員をやっている同志たちも、夜になると物が見え辛くなっていると訴えているんですからね!!!」


 バンバンと手先の器用な同志が廃材で作った机を叩いて叫ぶヒルダ。

 う~~む、そこまで切羽詰まっていたとは予想外だったな。これはまた相当に鬱憤が溜まっていたらしい。


「う……うむ。同志たちには苦労をかけて申し訳ないと思っている。せめて今晩くらいは具の入ったスープと黒パンを……」

「そういう問題じゃありません!!」


 ピシャリと真っ向から切り捨てられた。

 なにが悪かったのだ? 解せん……。


「そうはいうがなヒルダ、実戦は帳簿の上の数字のようには行かないものだ。いちいち消耗を恐れていては、戦争などできはせぬぞ」

「そういう偉そうな口は、見合った成果を上げてからおっしゃってください!」


 ダメだ。財布を握っている女には絶対に逆らえない。

 ここは切り口を変えてみよう。


「確かに今回の作戦行動は褒められたものではなかった。たかがお飾りの兵士と思ってみれば、帝国と王国の最精鋭に恥じない練度で、こちらの想定の一日前に聖都近郊に到着し、さらに想定の倍以上の範囲をカバーする斥候を放っていた。そのために十分な距離から奇襲をかけることができなかった」

「今度は敗戦の弁明ですか?」


 目を細めたヒルダは胡散臭い表情で一言吐き捨てる。

 この時点で心が折れそうになりながらも、私は説得の言葉を重ねた。


「おまけに虎の子の魔刻動力甲冑は出力が不安定で狙いも定まらず。一発、牽制を放つつもりが、危うく全力で皇女の乗る馬車を消し飛ばしそうになるし」


 いや、あの時は本気で肝が冷えたものだ。皇女の乗る馬車の前方五台目くらいを狙った筈が、なぜかピンポイントで皇女の馬車を狙いすまし、どうにか根性でズラしたもののそれ以降、二発目は撃てなくなるわ。危うく墜落しかけるわ。

 どうにか騙し騙し浮遊しながら犯行声明だけ出したら一斉攻撃受けて、一か八かで予備バッテリーをフル起動させて、私の華麗なるオリジナル魔刻陣法『断空』で防げたから良かったものの、それで本当に魔刻動力甲冑は機能停止寸前。

 適当に切り上げて、その場から離脱しようとしたところ、左右どこにも行けずに上下にしか飛べないわ。

 仕方ないので馬鹿みたいに上に向かってブカブカ浮かんで――途中で落ちるんじゃないかと気が気じゃなかった――皇女たちの一行が通り過ぎるのを待って、下に降りて走って帰ってこなきゃならなかったわ。

 私自身も散々な襲撃だった。



「だが、得られたものも大きい。つまるところ大戦時の魔刻動力甲冑よりも、私が編み出した魔刻陣法の方が確実だということが証明されたのだからな!」


 うむ。完璧な反論だ。これ以上ない結論を前にヒルダも返す言葉がないようで絶句している。


 言葉にして私も改めて己の成した業績に身震いをする。

 つまりは私は魔刻陣法において十二魔刻匠はもとより、ことによれば始祖たるシルヴァーナ様をも凌駕したかも知れないのだ。


 おお、遥か至高の天上にましますシルヴァーナ様の魂よ、ご照覧あれ! 貴女様が創り上げ遺した魔刻陣法はこの私、天才魔刻陣師〈鋼鉄のデューク〉によって完成され、ついには新たな地平線へと到達したのですぞ!

 ああ、自分の才能が怖い。十二魔刻匠の孫弟子であった亡き父上から基礎の手ほどきを受けたとはいえ、ほとんど独学で学んだ私が魔刻陣法の奥義に到達するとは……。


「……いや、あの盛り上がっているところ悪いのですが。そもそも一般向け量産型の魔刻動力甲冑ですら、安定して制御できない時点でお察し……ああ、都合の悪いことは聞こえてませんね」


 なにやらヒルダがボヤいているが、おそらくは私の業績を理解して賞賛の声を贈っているのだろう。

 ふっふっふっ、なかなか愛い奴よ。年上なのがネックだが、まあこの位なら許容範囲だな。顔と体はなかなか良いし、魔刻陣法は使えないにしても、数少ないエグベリ大陸の旧臣の子孫でもあるので、今後作られる私のハーレムの一員くらいにしてやでもないぞ。


「なにか、非常に失礼なことを考えているよーな気がするのですが……」


 おっと、さすがに勘が鋭いな。


「ふっふっふっふっ。気のせいだよ、ヒルダ。それよりも今後の事だ」

「今後といっても誰かさんのせいで軍資金もなければ、手足になる有象無象もいなくなり、いまや猫の手でも借りたい状況なのですけどね」


 せめてあの連中が生きていたら、盗賊の真似ごとでもなんでもさせて金を集めさせることもできたのですが……と、これ見よがしに嘆息をするヒルダ。


「にゃー!(それは私への当て付けかな、ヒルデガルド?)」

 その途端、我らふたりへ叩きつけられるような念話が放たれた。


「「――っっっ!?! こ、これはボス!」」


 併せて聞こえてきた猫の鳴き声に、慌てて明かり取りを見上げて見れば、そこに夜の闇のように真っ黒な猫が、ふてぶてしい表情で鎮座している。

 慌てて私とヒルダはその場に片膝を突いた。


 我ら『エグベリ解放機構《こだわりのある魔刻陣師の集い》』の創設者にして、いまやほとんどがお隠れになった(亡くなったり、文字通り隠遁したりで行方不明のため)十二魔刻匠のおひとり。その名も高きこのお方――。


「我が師『氷嵐のレアンドラ』様。わざわざの御来訪とは、身に余る光栄にございますっ」

「も、も、申し訳ございません。先ほどの私の失言は単なる慣用句でありまして……」


 私の傍らではヒルダが全身蒼白になり、ガタガタ震えながら失言を謝罪をしている。

 それも当然だろう。現在は猫の姿に身をやつしているとはいえ、かつては始祖にして妖女帝とも謳われたシルヴァーナ様の直弟子。

 その気になれば、この宿どころか町ごと我らを消し飛ばすことも容易いのだ。


 この私にしてからも、さきほどまでの高揚した気持ちは消し飛び、本能的な恐怖から顔を上げることもできないでいる。

 クソっ、まだ私とレアンドラ様の間にはこれほどの差があったのか……! 思念だけで頭が吹き飛びそうだ。


「にゃおーん、にゃんにゃ!(まあよいだろう。謝罪を受け入れよう。時にデュークよ、なかなか派手に動いているようじゃな)」


 レアンドラ様があっさりとヒルダを許し、ほっと肩を下ろしたのを横目に見ながら、私は下っ腹に力を入れて答える。


「ははっ、これもひとえに師のご指導と、師より賜りました魔刻動力甲冑のお陰にございます!」

「にゃお、にゃーにゃー!(ふっ、謙遜も過ぎると嫌味だぞ。実に鮮やかな引き際であった。さらに皇女に因果を含んだ捨て台詞も良かったぞ。あれのお陰で今現在聖都は大わらわよ)」

「ふっ、さすがは我が師。私の深慮遠謀を一目で見抜くとは」


 なんかよくわからんけど、適当に話を合わせておこう。

 ……ヒルダが思いっきり疑いの目を私は向けてくるけれど、ここは強気で押すに限るな。


「にゃお~~ん、オンオン!(わからいでか。正面から強行したところで、肝心の秘宝の場所はわからん。だが、圧力と時間を与えたことで、神殿内に動きと油断を誘ったのであろう?)」

「左様にございます。いかに巧妙に隠していても、人の動きを探れば怪しい場所の見当がつくというもの」

「ふぎゃ~~っ! ゴロゴロゴロゴロ……。(やはりそうか。策士よのデューク。ならば神殿内部の動きについては、儂が自ら探って進ぜよう)」


 おっ、適当に喋っていたら瓢箪から駒だな!


「おおっ、それならば確実。もはや策が成ったも同然でございます!」

「にゃ~ん、にゃお~~ん!(任せておけ……ま、なぜか今日はところどころ記憶に空白があるのじゃが)」

「――は?」

「にゃおーん(いや、なんでもない。成功を祈るぞ)」

「ありがとうございます。では、我らは聖都に小麦を卸すフリをして潜伏しておりますので、何かございましたら小麦問屋か、ここ【シルバニ屋】までお願いいたします」

「にゃ(うむ、わかった)」


 その言葉を最後にして、レアンドラ様はひらりと窓の外へ身を翻された。

 たっぷり三十秒ほどその場に跪拝したままでいた我らだが、どうやら帰ってくる様子はないと判断をして、ため息をつきながら姿勢を戻す。


「……聞いたな? 明日から早速ランヴィオアステュへ通い詰める。場合によっては泊まりだ」

「それはいいですが、この時期に空いている宿はよほどの高級宿だけだと思いますよ。その場合は予算がないので、野宿でお願いします」

「…………」


 どこか空いている木賃宿がないのか……? と私は切実に願った。


 ◇ ◆ ◇ ◆


 聖都ランヴィオアステュにある太陽神殿に隣接した迎賓館にて。


「おっ、帰ってきたっすか、ランベルト」


 ショートカットの幼女が窓をくぐって戻ってきた黒猫を抱き上げた。


「ランベルト……? どこかで聞いた名ね」


 傍らにいた長い銀髪に菫色の瞳をした、硝子でできた人形のように美しく儚げな同じ年頃の幼女が首を傾げる。


「あっしの一番弟子の名前でやんす。ま、最初に弟子にしたんで目をかけていただけでやんすが……くっ、あのガキゃ! 首都防衛の土壇場で命惜しさに雲隠れしやがったでがんす!!」


 なにやら思い出したらしい、黒猫を抱き上げたまま憤慨するショートの幼女。

 その言葉を聞いて、なぜか黒猫が決まり悪げに顔を背けて逃げようとするも、宙ぶらりんの格好なので逃げようがなかった。


 銀髪幼女はその言葉で思い出したらしく「ああ、あの」と、合点がいった顔でポンと手を叩いた。


「たいした才能もないのに、生意気にも一人前の魔刻陣師を気取って、さらにはシルヴァーナ(わたし)の直系孫弟子を吹聴して大きな顔をしていた、自意識だけ高くて実力はまったくなかった半端者ね」

「その通りでがんす。破門しようとしていた矢先に大陸連合軍の反攻作戦が実施されたので、木偶の坊でも猫の手でもなんでもいいから使おうと思って、破門は先延ばしにしたんでやんすが、なんとなくこの猫の不細工具合があの馬鹿に似てるんでがんすよ」


 宙吊りの姿勢が不快なのか、「にゃ、にゃ、にゃ!」と、暴れる猫。


「へーっ、それで“ランベルト”なのね。でもこの子オスかし……ああ、男の子ね」

「ええ、ちゃんと確認したでがんす。つーか、この丸い部分がなかなかいい手応えでやんす」

「ふんふん、なるほど……押すと結構上まで上がるものなのねぇ」

「ふにゃ! ふにゃにゃ~~ん!」


 コリコリ、コリコリと指先で剥き出しになっている猫の股間を弄る幼女ふたり。


「「…………」」

「にゃお~~ん! にゃにゃ!!」

「「…………」」


 猫の抗議もなんのその、もはや無心となって集中する幼女たち。


「「…………」」

「……そういえば……」

「……どうしたでやんすか、師匠?」

「なんか思い出したんだけど、そういえばランベルトの態度があまりに目に余ったので、万が一シルヴァーナ(わたし)レアンドラ(あなた)を裏切った場合、自動で発動するよう魂に魔刻陣法をかけておいたような気がするなぁ……と」

「お……? 師匠もでがんすか? 実はあっしもかけておいたんでやんす。あっしを裏切った場合、知能が獣並みに下がる魔刻陣法を。ま、あっしからの距離に比例して効果が薄れる程度のものでがんすが」

「あら? 案外温いわね。私のは裏切った瞬間に肉体をランダムで人間以外の生き物に変貌させる魔刻陣法だったわよ」

「おーっ……さすがは師匠。えげつないですねー。……つーか、だとすると、今頃あいつどうしているんでしょうね」

「……両方の効果を考えたら、大戦の時に死んでるじゃないの?」

「そっすね……」

「「…………」」


 再び無言になって猫の全身をもてあそび始める幼女たちと、絶望し憔悴し切った表情で身を任せる黒猫。


「にゃ、にゃ、にゃ~~ん……」

「へっへっへっ、いい声で鳴きやがるぜ」

「…………」

 

 微妙に黒い笑みで舌なめずりをする銀髪幼女と、無言で一心不乱に指を蠢かす短髪幼女。

 夜の(とばり)が落ちた聖都大神殿は静寂に包まれていた。

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