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少女型嘘発見器  作者: 阿智工事
【プロローグ/五分前/『僕』】
1/25

(プロローグ)

 僕はこれから、人を殺してしまうかもしれない。

 目の前の細い首に指をかけながら、僕はそう思った。

 罪悪感に震えが走る。それでも、もう、僕の気持ちは止まらない。


 ――死ね、■■、死ね、■■、死ね、■■、死ね、■■――


 「死ね」と「■■」の二つの感情を指先に込めながら、徐々に力を加えていく。

 ――このままこいつの肉を破り、骨を折り、その奥にまで指を突き入れたなら、その穴から僕のどすぐろい、汚泥のような感情を吐き出すことができるのだろうか。

 もしそうなら、僕は、こいつを殺さなければならない。


 薄暗い洋館の、湿った部屋の片隅で。

 愛する少女のために、愛してくれた彼女のために……僕は人を殺すのか。


 ……どうして。


 どうして、こんなことになってしまったのだろう。

 僕は半年前まで、ちょっとした不幸を嘆くような、ただ平凡な幸福に包まれていたはずなのに。

 なのに、どうして。

 どうして僕は、こんな――


 ――こんな屋敷に、来てしまったのだろう。


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