表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
足跡と線路  作者: のり巻き
2/4

トラス

しばらく道を歩いていると、遠くの方にぼんやりと、

棒のようなものが見えてきた。

「なんだろう……」

僕は遥か遠くに見える、地面にささる棒のようなものを目指して歩く。

「暑い……」

太陽がじりじりと肌を灼く。

じんわりにじむ汗を手で拭いながら、ゆっくりと前に進んでいく。

目的地の棒を睨みつけ、ただ一心にそれを目指して。

目的地に近づくにつれて、棒に見えたものの形が明らかになっていく。

「これは……」

僕は今、その棒の根本に立っている。

鋼材を組み合わせ、その重さを軸力によって支えているであろう構造体。

構造体は天へ向かって高く伸び、その頂点を見据えるためには頭を高く持ち上げなくてはならない。

首が痛くなってきた。

そう、これは鉄塔と呼べるようなものだ。

鉄塔の周りには、コンクリートでできた建物がいくつか残されている。

鉄塔よりは大分低い建物だが。

何か、役にたつものが無いか探すため、鉄塔の周りをしばらく歩いていると、声が上から降ってきた。

「よう、そこのヤツ!」

つまり、鉄塔の上から誰かに声をかけられた。

上を見ると、鉄塔の足場に一人の男が立っていた。

僕の身長の3倍の高さぐらいの場所だろうか。

「よっ!」

男は僕に手を振ると、器用に鋼材を足場にして、鉄塔を伝い降りる。

彼が地面に降り立った時、ドスン、という音がした気がした。

そんな気がするほど、重量感のある男だった。

身長は僕より頭1つ分ほど高そうだ。

体の幅も1.5倍はあるんじゃないだろうか。

男はニヤッと人当たりの良さそうな笑顔を浮かべて、僕に話しかける。

「よう、少年!」

「こんにちは」

「どこから来たんだ?いやー!まだ人がいるんだな!助かったぜ」

僕は自分が来た方向を指差す。

「あっちから」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ