前略4
今現在は11月の・・・日にちは忘れたが今日は確か週末だったはずだ。時刻は23時半・・・この時期だと、だいたい受験生は3つのどれかをしているだろう
一つと二つ目はは普通に勉強、塾などに行き帰りすることだろう。
最後は既に寝ている、もしくは寝る準備をしているだろう。朝に勉強する派か推薦で受かった人が該当する。
いくら受験前だとしても、多少暖かければ外に出たくなる。ちょっと散歩、ちょっとコンビニ、ちょっと電話など。
だが今は・・・・・・。
例の広場に一番近いコンビニにいた。凍えるような寒さで人っ子一人どころか猫一匹すら見かけない。
「ありがとーございました。」
背後で自動ドアの開く音とやる気がないような投げやりに話す店員の声が聞こえてきた。
それと同時ぐらいに頭に缶コーヒーが落ちる。痛い。
「それ、前におごってもらったお返しってことで。」
「昼忘れたときの返しにしてはさびしいんじゃんか」
「それはともかく、思い立ったが吉日もいいけど、もうちょっと冷静に考えれば・・・」
聞こえてない振りをしながら、生暖かい缶コーヒーを啜る。
ふと、トオキの方を見ると商店街の入り口を何故か凝視をしていた。
素っ気なく
「何か、あった?」聞くと
水を得た魚のよう・・・ってこういうことになるといつもそうだ
「白装束のかわいい子が」
茶々を入れる
「かわいいおと・・・」
「もちろん女の子だ!同世代ぐらいの!」
「今は11月。怪談話は遅くない?」
「いいや、この目ではっきり見た!」
「ところで、もうそろそろ明日になるんじゃ?帰んない?」
「そうだな、ちょっと見たら帰るか」
もちろん付き合う義理はあっても、義務はない
「じゃあ帰るよ、コーヒーありがと」
「いやいや、ちょっと待て数分だけだから」
「女の子が好きなのにお化け系が苦手は・・・」
「あ?そ、そんなのヘイキだし。・・・・・・・・・・・それよりも寒いな、腹も減ったし。」
「・・・そうだな、トオキは苦手な物は無いみたいだが、自分はあってだな・・・肉まん餡まんピザまんあと・・・熱いお茶が怖いかな」
とここまで言って気付く。欲張りすぎたかと。ゆっくりとトオキの方を見る。
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描写
「なあヤナギ、あの子は右に行ったっけ?それとも左か?」
トオキは、プライド等と恐怖の天秤は、恐怖が勝ったようである。
おそるおそる見たら、既にコンビニのレジに居た。自分のちょっとした冗談のつもりだったが、よくよく考えてみれば、この前の昼に・・・いやそれはもういいや。
トオキが少しでも何かが女の子に見えれば・・・。確かこの前、女の子と思って隣県にいったんだよな・・・。
しかもその正体は・・・
「なあ、右?左?」
「ああ、あーっと。右かな?」
ただの猫だった。
いやトオキは『女』以外は普通だよ。成績はいいほうだし。だし・・・。
・・・カリカリ・・・カリ・・・カリ・・・
冬の夜風に紛れて、石を削るような音が僅かに聞こえる。
「なあ、今尖った物で削る音聞こえなかったか?」
トオキの言っていたことも気になるが、もうそろそろ帰りたい。
そんなヤナギの気持ちを引き戻すかのように
カリ・・・カリ・・・
また聞こえる。
ヤナギの思い過ごしかもしれないが、心を引き戻すかのように。
小説を書くって難しいですね。




