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あるジャーナリストの運命:クライマックス

## イントロダクション

ここは電脳都市「MIYAKO」。

ここに住んでいる全市民は、ありとあらゆる情報がネットワーク上で管理されている。

顔認識システム、GPS、社会保険番号……ありとあらゆるシステムが組み合わさった結果、私は計画犯罪に遭遇する人物【対象者】を予測する事に成功した。


それが被害者なのか加害者なのか判断できないし、身体が不自由な私「オート」では事件を未然に防げない。私の代わりに奔走してくれる者達が必要だ。


では、彼らを紹介しよう。

ST:はい、CM(という名の小休止)もあけてクライマックスに突入しますよー。さて、どういう話になっているかをザックリと復習しておきましょうか。

キリエ:今回の【対象者】はジャーナリストのコバヤシ。ストーリーの大筋は「隠蔽工作に利用されているかもしれないし、首謀者かもしれない」でした。

ジョージ:ストーリーの前半では、コバヤシのスマフォをハックして活動資金をゲットした。

キリエ:後半は、【対象者】コバヤシの犯罪に協力しようとしたものの失敗。【対象者】コバヤシは目標とした人物からリュックを取りかえて持って行ってしまいました。

ST:リュックを取りかえられたその人は、すり替えられた事に気付いていません。

ジョージ:そこも謎だよね?

キリエ:つまり、入っていたモノはまるっきり同じリュックを用意したって事かもしれません。

ジョージ・キリエ:う〜む?

ST:さて、【正の道徳値】が3で【負の道徳値】は1。【対象者】コバヤシは被害者が確定となりました。このままでは、【対象者】コバヤシは黒幕に消されてしまうでしょう。最後の舞台は……。


- STは[<KEYPERSON>サラリーマン / <LOCATION>ホテル]のカードを場に出します。  -

挿絵(By みてみん)


ジョージ:黒幕がバスローブ姿で、ブランデーグラスを片手に待ち構えているんですね!

ST:ヒドいB級だ(笑) ほら、クライマックスの説明をしますよ。

キリエ:今回は……『クライマックス:被害者ルート』って感じですか?

ST:その通り。最後に私が出したカードがクライマックスの舞台で、3回の判定で構成されているのは、どちらのルートになっても共通です。

ST:違うところ。ストーリー後半の<LOCATION>を確定させたカードの<KEYPERSON>が【対象者】コバヤシを隠蔽工作に利用した【黒幕】になります。

ジョージ:おい、犯罪者じゃないか!?(笑)

キリエ:まさにうってつけの黒幕ですね(笑)

ST:さて、行ってもらう判定の内容は「<LOCATION>の制圧(【黒幕】へ有利に近づく)」「黒幕の得意技能の無力化(【対象者】を守る)」「黒幕の不得意技能を突く(【黒幕】を倒す)」の3つです。

ジョージ:被害者ルートは<LOCATION>の判定から始まるのか。

ST:さて、話としては……。【黒幕】の犯罪者は医療業界に深く関わっていることにしましょうか。【黒幕】は新薬の承認を取り付けて、莫大な利益を得ていようとしていました。しかし、承認まで後少しというところで、彼らは重大なミスを犯してしまいました。強い副作用が残っている試験薬をある男によって盗まれてしまいます。

キリエ:【対象者】コバヤシが接触した相手なのですね。

ST:【対象者】コバヤシはジャーナリスト。その新薬に関する記事を書こうと本来は結託をしていました。しかし、接触した相手……言いにくいからモチダと命名しましょう。モチダは【対象者】コバヤシに薬を渡さず、あろうことかゆすり目的に使ってしまいました。

ジョージ:うわっ、意地汚い。

ST:モチダはタイミング悪く体調を崩してしまい、小さな診療所へ通院する事になりました。そこで新薬を開発した連中に見つかってしまい、モチダ自身が気付かずうちに毒を盛られて行きます。

キリエ:【対象者】コバヤシは一度裏切られたとは言え、見捨てられなかったと……。

ジョージ:ということは、モチダが持っている試験薬とすり替える品物ってわけか? もしくは、モチダを殺す薬と取り替えたり?

キリエ:色々、トンでもな立ち回りをする必要がありそうですね。

ST:期待してますよ。では、クライマックスに突入します。



+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+: <LOCATION>の制圧(【黒幕】へ有利に近づく) :+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+

ST:最初に、「<LOCATION>の制圧」判定をおこいます。この判定には2人共参加してもらいます。

キリエ:と、言うことは。必要性高度は、STの残り手札に左右されるわけですね。

ST:その通り。しかも【有利】のヒーローポイントがない君たちは、手札交換もできない状態なのであった。

ジョージ:ここはもう、STに天罰が下る事を期待するしか無い。

ST:オイ、ちょっと待て。何か聞き捨てならぬ事を言いやがったな!!


- STは<COMBAT> / <SOCIAL>のカードを場に出しました。 -

挿絵(By みてみん)


ジョージ・キリエ:やった〜!!

ST:天罰じゃないから! 絶対、天罰じゃないから!! 二人ともC判定成功以上を出してください。

ジョージ:さすがに、この方法だと合計は無理だよね。

ST:【不利】の効果をどちらが受けるかは、判定前に宣言してください。

キリエ:【不利】の効果は、私が引き受けます。

ジョージ:大丈夫? こっちで引き受けても良いよ。

キリエ:いえ、自分が招いた失態は自分で解決します。

ジョージ:<COMBAT>でホテルの制圧って……強盗でもしろっていうの?

キリエ:私たちには、もっと相応しい弾があるじゃないですか?

ジョージ:っえ?

キリエ:お金っていう実弾が!!

ST:うわぁ……(笑)

キリエ:もちろん、ジョージ君にはモデルガンを持ってもらいます。【対象者】コバヤシがどの階にいるかは、ハック済みなスマフォのGPS信号によって判明済みです。

ジョージ:「あー、フロントさん。ちょっと、部屋を借りたいんだ」

ST:(フロント)「一部屋でよろしいでしょうか?」

キリエ:「いいえ、とある階を1部屋除いてすべて借りたいんです」


- キリエの成功度は「B判定成功」、ジョージの成功度は「C判定成功」になりました -


ジョージ:引き受けなくて良かった!

キリエ:ちょっと!?(笑) 判定前の勢いはどこ行ったんですか? では、ホテルのフロントに大きな鞄のファスナーを開けて中身を見せます。

ST:フロントは、札束を見て呆然としています。まぁ、当然ですよね?

キリエ:「迷惑料込みで支払わさせていただきます。これで解決できるなら、お互い穏便に終わらせられると思いませんか?」

ジョージ:「穏便じゃなくても、別に良いけどな……」と、銃をチラ見せ。

キリエ:ジョージの成功度的には、ちょっと効き目が薄そうですよね?

ジョージ:シーっ!!

ST:フロントはどこかに電話した後、緊張気味な態度を軟化させました。

ST:(フロント)「か、畏まりました。では、お部屋の鍵はこちらとなります」その言葉の後、君たちはカードキーの束を受け取りました。

キリエ:ついでに、ホテルマンの制服も入手しておきますね。



+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+: 黒幕の得意技能の無力化(【対象者】を守る) :+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+

ST:次は、「黒幕の得意技能の無力化」判定を行います。これはプレイヤーのどちらかが行ってください。【黒幕】の得意技能と同じ技能で判定する場合は「A判定成功」、それ以外で判定する場合は「B判定成功」が必要になります。

ジョージ:よし、ボクが先に行こう。さっきはギリギリだったけど、今度は大丈夫のはず!

キリエ:お願いしますね。

ジョージ:おぅよ。とは言え、どうやってロールプレイを繋げようかなぁ……。


- ジョージは<DRIVING>「バイクを乗りこなして小回り良く動く」を使うと宣言して、場にカードを出しました -

挿絵(By みてみん)


キリエ:バイク!?

ジョージ:バイクをルームサービスのワゴンと解釈して、部屋に突入してみようと思います。

ST:一気にドタバタコメディ風になってきましたね(笑)

ジョージ:運良く、その部屋から食事のルームサービスが注文されていたので成りすまします。

ジョージ:「お客様、遅くなってしまい大変申し訳ありません。ルームサービスです」

ST:(黒幕)「ちっ、タイミングが……。おい、廊下に置いておけ」

ジョージ:「いえ、料理は暖かいうちにお客様へ提供できなければ、私たちのサービスは万全にはなりません」押し問答を繰り返して、黒幕の方が根を上げました。

ST:(黒幕)「仕方ねーな! ドアを開けるからちょっと待ってろ」

ジョージ:ドアに誰かが近づいてくる音が聞こえてくるので、ワゴンのハンドルを握る手に力が入る。ハックしたスマフォから聴こえてくる会話から、もう猶予はなかった。

ST:OKです。ボーナスを受け取ってください。

ジョージ:<DRIVING>の指定ページから-8ページした箇所が指定ページだな。


- ジョージがページを参照した結果、成功度は『B判定成功』になりました。 -


ジョージ:よしっ! 

ST:締めのRPをどうぞ。

ジョージ:部屋のドアが開いた瞬間に勢い良く駆け込み、【黒幕】が異変を察知する前に体当たり!

ST:(黒幕)「まったく、変なホテルをうわーーーーーーー」

ジョージ:後は熱い料理を被せて、【対象者】コバヤシを連れて逃げ出すのみ。逃げながら、他のワゴンや台車を妨害として置いていきます。

キリエ:小回り良く?(笑)

ジョージ:人の事笑えないでしょ!

キリエ:……そうでした。



+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+: 黒幕の不得意技能を突く(【黒幕】を倒す) :+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+


ST:無事に【対象者】をホテルから逃がすためには、【黒幕】を倒す必要があります。【黒幕】の不得意技能と同じ技能で判定する場合は「B判定成功」、それ以外で判定する場合は「A判定成功」が必要になります。

キリエ:不得意技能が対象で良かったです。私の手元に残っているカードは、これです。


- ジョージは<SOCIAL>「珈琲やお酒を飲みながら情報を交換する」を使うと宣言して、場にカードを出しました -

挿絵(By みてみん)


ジョージ:そんな和やかなシーンじゃないよ!? 今回、キリエさんの行動が無茶すぎない?

キリエ:クライマックスだっていうのは重々承知しています。情報を交換するという箇所は置き換えさせてもらいますよ。

ST:キリエさん、どうするつもり?

キリエ:ジョージ君と【対象者】コバヤシは賢明に逃げ回りますが、ついに追い詰められてしまいます。場所はワゴンなどを運ぶ業務用エレベータ。そこには女性従業員も一人いる。

キリエ:(ジョージ)「どうせ殺されるなら、最後にそこのワゴンに乗っている酒を飲ませてくれよ。あんたも呑めよ」

キリエ:黒幕は銃を向けたままワゴンの上をチラッと見ると、かなり高価な酒のボトルと空のグラスが4つ、そして豪勢な料理がある事を確認しました。【黒幕】は女性従業員を脅して酒を注がせると、ジョージと黒幕に渡します。私は唾を飲み込みたい衝動を必死に抑えました。

ST:OKです、ボーナスをどうぞ。

キリエ:では、行きます。<SOCIAL>のシチエページから-3ページした箇所が指定ページです。

ST:いいか、成功しても暴れるなよ?(笑)


- キリエがページを参照した結果、成功度は『A判定成功』になりました。 -


キリエ:二の舞にはなりません! 成功しました!!(笑)

ST:では、締めのロールプレイをどうぞ。

キリエ:二人は酒を同時にあおり、【黒幕】が不適な笑みを浮かべながら銃を構えようとしますが身体を異変が襲います。

キリエ:「うわっ、グラスに塗っておいただけなのに……凄い効き目ですね?」と私は試験薬の瓶を振ってみせます。本当は別の薬ですが、これが効果的でしょう?

キリエ:「では、お互いが幸せにここを出れるために話し合いをしましょうか?」と、有益な情報を交換することにします。

ジョージ:相手9.5、こちら0.5の情報交換だね……。かつ、僕らだけ和やかな表情というオマケ付きで。

ST:きっと、ホテルの外観の映像に切り替わりつつ、【黒幕】の悲鳴が響き渡りそうな幕引きですね(笑)



+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+: エンディング :+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+

ST:クライマックスの判定にすべて成功したので、ハッピーエンドとなります。今回は……レストランで食事をしている事にしましょう。

ST:食前酒を楽しみつつ、君たちの前に【対象者】コバヤシの書いた記事が掲載されている雑誌が広げられています。

ST:(オート)「まぁ、この場で開くにはあまり適切ではない雑誌だけど世論にはよく響いたようだ」

ジョージ:「スッキリとボクの手で、退治できなかったのが心残りだけどね。しかも、今回はかなりドタバタだったかも」

キリエ:「おまけに、いただいた活動資金をほとんど使い切ってしまいました。スイマセン」

ST:(オート)「いや、予算の半額以内だよ。次も頑張ってくれると、私としてはありがたいね。さて、報酬はいつもの口座へ振り込んでいた」

キリエ:ジーッとオートを見つめます。

ST:(オート)「君が口から言いたい言葉はわかっているよ、キリエ君」と言いながら、1枚のメモをキリエに手渡します。どうやら、住所のようですね。

キリエ:「何の住所ですか?」

ST:(オート)「君が以前住んでいたとされている住所。何か残っていると良いな」

ジョージ:「ひとまず、美味しいモノを食べて気持ちをリセットしよう。次こそはキッチリと悪人をやっつけてやらないと」

ST:(オート)「君が【対象者】にならない事を切に願うよ」

ジョージ:それはイヤだなぁ(笑)



+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+

ST:さて、魔改造版はこれにて終了です。

ジョージ→PC1:いやぁ、最初に提案したときは無謀かと思ったけど……意外と噛み合ってる。

ST:まったく、変換表を急場で創るの苦労したんですよ。

キリエ→PC2:もう少し調整が必要な部分がありますけど、やっぱり“テイスト”の枠を越えて行きましたよね(笑)

ST:おかしいなぁ、通常版を遊ぶはずだったのに。

PC1:良いんじゃないの? リプレイを書く事によって新しいゲームに生まれ変わったって。

ST:君は、遊ぶだけでしょうが!

PC2:次は、このシステムでファンタジーモノをやってみたいですね?

ST:ちょっと? 創るのは私ですよ!?

PC達:よろしくお願いしまーす(笑)

ST:あ、あれ?

リプレイの第2回目となります。

ライト版のルールで遊んだら、次は通常版で遊ぶのが普通のはずなのに……気付けばこんな改造版をプレイする事になりました。

最初にリプレイを書くよりも、心拍数高めなセッションになりました。

もう、本当……。


16枚のカードに加えて、今回の物語は全員それぞれが1冊の文庫本(A6サイズ)を持ち寄りました。作品名は秘密です。その本から文面も引用していません。

サイコロじゃなくてA6サイズの文庫本を使って、「行動判定」、「物語の展開補助」、「ロールプレイ支援」をさせるオリジナルシステム『Fake System』こそが今回組み込んだシステムです。

PC2さんも言っていた通り、まだまだブラッシュアップする必要がありそうです。


前作に引き続き、最後までめげずに読んでいただいた方、どうもありがとうございます。

初めて読まれた方、こんな文章ですが読んでいただけて感謝の次第です。

普通の小説に比べて読みにくいかと思いますが、内容を楽しんでいただけると著者は嬉しい限りです。


エンディング後に無茶ぶりをされてしまいましたが、何か用意しようと思います。

どうしましょうかねぇ??

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