あるジャーナリストの運命:ストーリー後半
## イントロダクション
ここは電脳都市「MIYAKO」。
ここに住んでいる全市民は、ありとあらゆる情報がネットワーク上で管理されている。
顔認識システム、GPS、社会保険番号……ありとあらゆるシステムが組み合わさった結果、私は計画犯罪に遭遇する人物【対象者】を予測する事に成功した。
それが被害者なのか加害者なのか判断できないし、身体が不自由な私「オート」では事件を未然に防げない。私の代わりに奔走してくれる者達が必要だ。
では、彼らを紹介しよう。
ST:CM(という名の休憩)も終わり、ストーリー後半が始まります。
ジョージ:【対象者】コバヤシにあれこれ細工を施して。
キリエ:私たちは活動資金をゲットしました。
ST:そうですね。対象者】コバヤシの【正の道徳値】が3で、【有利】のヒーローポイントが付いています。
ST:では、次にイベントが発生する場所は……。
- STは[<KEYPERSON>犯罪者 / <LOCATION>駅・バス停]のカードを場に出します。 -
ST:【対象者】コバヤシは病院を出て、バスで移動しているのでしょう。君たちはそれを車と……仕事用の自転車で追跡しているのかな?
キリエ:恐らく、そうだと思います。
ジョージ:なるべく、配達エリアを優遇してもらえていると良いんだけど。
ST:そこはジョージの人徳が高ければ可能かと?
キリエ:きっと、普通のTRPGならダイスロールが必要そうですね。
ジョージ:……。
キリエ:……。
ST:…。
ジョージ:何この沈黙!?
ST:深い意味はありませんよ、別にね(ニヤリ)。
ジョージ:ぐぬぬ。
ST:さて、 <LOCATION>駅・バス停で発生するイベントは……。
- STはイベントカードを引いて、サイコロを1つ振ります -
ST:おや、「対象者のために犯罪へ手を貸すことになってしまった」とのことです。
キリエ:【対象者】コバヤシの身が結構ピンチってことですね。
ジョージ:今のところは、本当にピンチかもね。前回は後半のイベントで道徳値が逆転され……あっ!?
キリエ:何ですか?
ジョージ:イベントカードの道徳値の種類が「-」だよ。
キリエ:(溜息)何てこと。成功すればするほど、【対象者】コバヤシが悪墜ちしてしまうパターンですね。
ジョージ:こっちで、どうにか変動する値を最小限に抑えられれば大丈夫だよ。
ST:さて、物語を創りますよ。
ジョージ・キリエ:はーい。
ST:文庫本の該当ページから解釈されるタロットは「世界」。せ、世界だぁ?
ジョージ:STがヒドい顔をしてる(笑)
ST:病院を出た【対象者】コバヤシは、何回かバスを乗り継ぎます。新幹線の駅も内包している大きなJR駅で下車すると、バス停近くのコーヒーチェーン店で時間を潰し始めました。
キリエ:そこは、さっきの病院からバスを乗り継がないと行けない場所ですか?
ST:いいえ、そんな事はありません。30分も経たないうちに……。あ、【対象者】コバヤシは男性ってことにします。
ジョージ:ストーリー後半で初めて、明かされる事実(笑)
ST:【対象者】コバヤシがコーヒーチェーン店から出ると、笑顔を浮かべながら近づいてくる女性と親しく会話を交わし始めました。
キリエ:おや、誰でしょう?
ST:そこは「オート」氏から、情報が回ってきています。その女性は婚約者みたいですね。会話内容は君たちにも聴こえます。
ジョージ:グッジョブな細工。
ST:【対象者】コバヤシは婚約者と旅行に行くようでしたが、婚約者だけを先に行かせるようです。コバヤシ「本当にごめん、どうしても仕事が切り上げられなくて夜には合流できるから」婚約者「きっちり埋め合わせしてもらいますからねー」コバヤシ「わかってますって」みたいな内容です。
ジョージ:リア充め!!
キリエ:いやいや、これは十分なフラグでしょう?(笑)
ST:婚約者と別れた後、【対象者】コバヤシのスマフォにメールが一通届きます。暗号によって書かれた短文のようですが、それを見て移動を始めました。
ジョージ:指示なのか、どこかの場所を示しているのかも?
ST:さらに、「オート」からボイスメッセージが届きます。偽の身分を用意したので仲間として成り済まして、【対象者】コバヤシに接触して欲しいとのことです。添付ファイルには暗号を解読するアプリと、解読されたメッセージが付いています。
キリエ:急展開に放り込まれましたね!
ジョージ:う、受けて立ってやる。
ST:今回のイベントは<DRIVING>技能を使った判定と<SOCIAL>技能を使った判定を成功させてください。C判定だと失敗するので気をつけてください。
キリエ:手札をさらしての相談はNGでしたよね?
ST:その通り。
ジョージ:僕が先にやる。【有利】はキリエさんが使って。
キリエ:わかりました。
ジョージ:じゃぁ、カード出して良い?
ST:はい、大丈夫ですよ。
ジョージ:では、これを〜。
- ジョージは<DRIVING>「電車・地下鉄を駆使して目的地へ向かう」を使うと宣言して、場にカードを出しました -
ジョージ:仕事の自転車は回収したけど、仕事のエリア内に収まりそうもないので半休をもらいました。
キリエ:あらあら(笑)
ジョージ:JRと地下鉄を乗り継いでキリエさんと連絡を取りながら、【対象者】コバヤシが向かっているところへ向かうのを試みようかと。
ST:ほぉほぉ。
ジョージ:「やっぱり、自転車にすれば良かったかも……」スマフォに届くキリエからの乗り換え情報と、「オート」から送られてくる情報に目を通し続けた。どうやら、対象者は誰かに接触する予定があるらしい。これなら、【対象者】コバヤシより先に接触したい相手と鉢合わせできそうだ。
ST:OKです。ボーナスを受け取ってください。
ジョージ:イベントの道徳値変動が「-」なので、<DRIVING>の指定ページから-17ページした箇所が判定ページっと。
- ジョージがページを参照した結果、成功度は『B判定成功』になりました。 -
ジョージ:ボーナスがあって助かった!
ST:では、締めのロールプレイをどうぞ。そこから17行目を参考にしてください。
ジョージ:【対象者】コバヤシが接触したい相手を見つけた。画像に写っているよりくたびれていて、顔色が悪い。
ジョージ:「何と言って良いか……分かりやすい何かが起こる引き金って感じだな」小声でボソっと感想を漏らした。
ST:判定に成功したので、【対象者】コバヤシの【正の道徳値】が2になります。
キリエ:次は私ですね。さて、この接触したい相手に【対象者】コバヤシが何かをすれば良いんですよね……。
ST:そうですね。対象者のために何か犯罪したり、加担してもらえるとイベントのテキスト通り!
キリエ:うーむ、どうしたものか。
- キリエは、5分程長考しました -
ジョージ:悩んでるねー。
ST:そろそろ、大丈夫かな?
キリエ:お待たせしました。このカードをだします。
- キリエは<SOCIAL>「他の事をしながら、対象者を観察する」を使うと宣言して、場にカードを出しました -
キリエ:「オート」から引き続き届いている情報を見て、【対象者】コバヤシと彼が接触したい相手が同じ電車に乗り合わせる前に仕掛けます。
ST:なるほど。
キリエ:「ごめんね」と心の中で謝罪しつつ、帰宅ラッシュでギュウギュウ詰めの中で彼のリュックサックのチャックを静かに開けようと試みます。あと2駅の間にどうにかしなければ!相手に気付かれないよう慎重にファスナーを動かした。
ST:OKです。ボーナスを受け取ってください。
キリエ:<SOCIAL>の指定ページから-10ページした位置が判定ページになります。
- キリエがページを参照した結果、成功度は「対決」になりました。 -
キリエ:「対決」って何ですか!?
ST:キリエさんの成功度がAを上回ってしまいましたので、STと対抗判定を行います。
キリエ:ふたりで、ページ判定をするんですか?
ST:そうです。カードを切らずに<LOCATION>のN枠で指定されている技能を指定技能として判定を行います。ロールプレイのボーナスは付きません。
キリエ:なるほど、それで私の成功度が高かったら成功になるんですね。
ST:こちらの成功度の方が高かったら、キリエさんの判定は失敗になります。えっと、<DRIVING>で判定してください。
キリエ:指定ページから-4ページが判定ページになります。
ST:こちらは、指定ページから-1ページが判定ページです。では、行きますよ!
- キリエの成功度は「失敗」、STの成功度は「A判定成功」になりました -
キリエ:満員電車とは言え、他人のリュックのファスナーを開けるのは無理でしたか……。
ST:では、締めのロールプレイを(笑)
キリエ:うぅ、悪い笑みを浮かべてる。そ、そしたら、次の駅に停車する直前に相手に気付かれてしまいました。転んでる様を観察しようと思っていたのに……。
ジョージ:(相手になって)「ちょっと、あなた。僕の鞄にな、何をしようとしてるんですか?」
キリエ:「ご、ゴメンナサイ!えーと、リュック。そう、リュック!! リュックのファスナーが開いていたから閉めようと思って」と相手が何かを言う前に謝り倒し、電車の乗車口が開いた途端にダッシュで逃げます。その際、高いお札を2〜3枚落としながら。そう、お札を落としてみました(笑)。
ジョージ:STに話を振った(笑) 偽の身分証は……見せる暇ないか。
キリエ:テンパって忘れました。
ST:イベント達成条件を満たせなかったので、君たちには【不利】のヒーローポイントを得ます。
キリエ:クライマックスは【不利】を抱えてやるんですね。
ST:また、【対象者】コバヤシの【正の道徳値】が3になります。
ジョージ:今回は悪墜ちしなかったよ。
ST:悪墜ちなんて言わない。人聞きの悪い!
ST:キリエによってリュックのファスナーを開けられそうになった人は落ちているお金を拾おうとして、下車し始めた人波によって見事にバランスを失ってよろけてしまいました。
ST:すると、乗車口のすぐ近くにいた【対象者】コバヤシが彼のリュックを掴んで、駅のホームへ放り投げます。
ジョージ・キリエ:っえ!?
ST:【対象者】コバヤシはホームに転がったリュックを掴み、自分のリュックをその場に残すと一目散にその場から走り去りました。
キリエ:随分と強硬な手段を用いましたね。
ジョージ:リュックを取り替えただけ?
ST:ジョージは遠巻きから様子を見ていますが、リュックの中身を見てファスナーを閉め直す彼には取りかえられた事には気付いていないようです。
ジョージ:むー? 中身は変わっていないって事か?
キリエ:ひとまず、【対象者】コバヤシを追いかけないと。
ジョージ:そこはストーリー前半の小細工が(笑)
ST:真相は、クライマックスで一緒に創ってもらいましょうかね。
ジョージ・キリエ:はーい。
クライマックスは水曜日に