あるジャーナリストの運命:ストーリー前半
## イントロダクション
ここは電脳都市「MIYAKO」。
ここに住んでいる全市民は、ありとあらゆる情報がネットワーク上で管理されている。
顔認識システム、GPS、社会保険番号……ありとあらゆるシステムが組み合わさった結果、私は計画犯罪に遭遇する人物【対象者】を予測する事に成功した。
それが被害者なのか加害者なのか判断できないし、身体が不自由な私「オート」では事件を未然に防げない。私の代わりに奔走してくれる者達が必要だ。
では、彼らを紹介しよう。
ST:変換表は用意しましたけど、ドキドキするなぁ(笑)
ジョージ・キリエ:(笑)
ST:さて、物語が始まる場所は【対象者】の<LOCATION>にある病院からスタートします。
ST:そこでどんなイベントが発生するか、カードを引いてみましょう。
- STはイベントカードを引いて、サイコロを1つ振ります -
ST:おや、セーフハウスであなたたちの資金が補充されるようです。
ジョージ:スタート位置が病院なのに、どこにセーフハウスがあるの!?
キリエ:うーん、病院そのものとか?
ST:そんなセーフハウス、存在していたら驚きを隠せない(笑)
ST:文庫本の該当ページから解釈されるタロットは「運命」。【対象者】であるジャーナリストのコバヤシは、病院で治療を受けています。
ST:コバヤシ「スイマセン、助かります」先生「まったく、今後は気をつけてくださいね」などのやり取りも、君たちの携帯に聴こえてくる。
ジョージ:<LOCATION>が病院なんだから、治療を受けているのは何も不自然じゃないね?
キリエ:盗聴できているのは、「オート」の根回しなんでしょうね。STが入院とか言い出したら、ちょっと話が難しくなりそうですけど……。
ST:【対象者】コバヤシは腕を骨折してしまったらしく、腕はギブスで固定され布で吊っています。
ジョージ:僕は病院の事務所へ書類を届ける仕事をしつつ、【対象者】の事を観察してみよう。
キリエ:診察を受けるフリをしつつ、待合室のベンチに腰掛けておきます。
ST:そうするとですね、【対象者】コバヤシが診察室から出たのを見て、キリエさんは違和感を覚えました。
キリエ:はて、何でしょう?
ST:【対象者】コバヤシは、診察室に入ったときには持っていなかった紙袋を持っています。
ジョージ:薬を直接、医者から受け取る事なんて無いはず。
キリエ:気になりますね。
ST:そのとき、君たち2人のグループメッセージにボイスメールが届きます。
ジョージ:おや、差出人は誰?
ST:君たちを今回の事件のために雇い入れた「オート」氏からです。
キリエ:おぉ、イントロダクション以外で初めての登場。
ジョージ:しかし、まだ声だけ。
ST:どうやら、今回の件に関する活動資金がまだ提供されていなく、これから支給されるようです。
ジョージ:さて、セーフハウスはどこかなー?
キリエ:提供された活動資金を浪費する程の大事にならない事を祈りたいですね。
ST:「オート」氏の話によると、地下駐車場に停車している黒いミニバンのトランクに活動資金が入っているそうです。
ジョージ:そんなところに!?
キリエ:フリンジ・サイエンスの研究資料が出てきそうな隠し場所ですね(笑)
ST:いずれ出てくるかもしれませんよ?
ジョージ:ちょっと!? そこは自重しようよ(笑) そういえば、ロールプレイ部分のルールってどうなってるんだっけ?
ST:そうそう、ロールプレイ部分のルールをこれから説明します。
ジョージ・キリエ:はーい。
ST:ロールプレイは、必ず判定を行う前に行います。文量の目安は140文字程度と考えておいてください。これはプレイ中に文字数を集計する訳ではないので、あくまで目安です。
ジョージ:フムフム。
ST:手番プレイヤーは、「ICONに添えられたテキスト」や「場に公開されている情報」、「直前までに創られた物語」などを参考に次の項目を出来るだけ含むように物語を創ってください。
キリエ:物語を考える素材は、たくさん提供されているのですね。
ST:物語を創る際、可能ならば「本文:キャラクターがどう動くか」「演出:動きを強調し、どう反応するか」「心情:そのときキャラクターが思った事、口にした言葉」を盛り込んでみてください。全部じゃなくても良いです。
ジョージ:ロールプレイというより、ついのべ創作?
ST:あぁ、なるほど(笑) 確かにそう言い換えても良いような気がしてきました。
キリエ:ロールプレイのボーナスは+1じゃなくて、今回の判定方法だと『基準値から-1』で良いですか?
ST:『基準値から-1』か『基準値から+1』のどちらかになります。
ジョージ:何だか、大失敗を買う勢いだね!
キリエ:もちろん、基準値を一度出してから……効果を選択して良いんですよね?
ST:そうです。負けプレイだって出来る!! みたいなロールプレイの幅になれば良いなーと。
ST:今回のイベントは『B判定成功1つと、C判定成功1つ』に達成条件が変換されます。
ジョージ:成る程、成功度の指定があるのか。
キリエ:それなら、少しとは言え調整は必要になってきますね。
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キリエ:<LOCATION>のNEXT枠が<HACKING>だから、私からやった方が良さそうですね。
ジョージ:そうだね、お願ーい。
キリエ:では、こちらのカードを……。
- キリエは<HACKING>「鍵(普通のから電子ロックまで)を破る」を使うと宣言して、場にカードを出しました -
キリエ:診察室から出てきた【対象者】コバヤシの後を追い、背後から右手のスマートフォンの電子ロック破りを試し、左手のスマフォで非常口の電子ロック破りを試みました。
キリエ:「両手にスマホって、どこのSFカウボーイよ」舌打ちしたくなったけど、あわてて口元を引き締めます。
ST:OKです。ボーナスを受け取ってください。
キリエ:得意な技能なら『基準値から-1』、不得意な技能なら『基準値から+1』でしたよね。
ST:そうです。判定後にも締めのロールプレイをお忘れなく。
キリエ:締めのロールプレイ!? なかなか聞かない言葉ですね(笑)
キリエ:行きますよ。イベントの道徳値変動が「+」なので、<HACKING>の指定ページから+12ページした箇所が判定ページで……。
- キリエがページを参照した結果、成功度は『B判定成功』になりました。 -
キリエ:何かサイコロよりも怖いですね、このルール!?(笑)
ST:私も手綱を握っているわけではありませんよー。さぁ、締めのロールプレイをどうぞ。そのページの12行目を参考にしてね。
キリエ:ポケットの中で握りしめていたスマフォを離すと、手を出して何度もほぐした。「キーボード付きカバーって重いわ」
ジョージ:そんなの使ってたんだ(笑)
キリエ:学生の時に鍛えましたから。これぞ、残存JK力です!
ST:はいはい、進めますよー。
キリエ:……ヒドイ(笑)
ST:キリエが判定に成功したので、【対象者】コバヤシの【正の道徳値】が2になります。
ジョージ:じゃぁ、カード的にはこれだよね。
- ジョージは<DRIVING>「トランクに荷や人を載せて運転する」を使うと宣言して、場にカードを出しました -
ジョージ:活動資金をゲットして、いったん病院から出よう。
ST:驚愕なことに、まともなプレイングだ!
ジョージ:いつもそうだよ!? 【対象者】コバヤシの車へ忘れずに発信機も付けるよ
ST:では、ロールプレイをどうぞ。
ジョージ:「車のトランクに活動資金を詰め込んでおくのは良いけど、鍵はどーするのさ?」目的の車をすぐに探し当て、誰かに見られても怪しまれない程度に車の周囲を調べ始めた。仕事のバイクは後で回収しないとなぁ、と思わず溜息をもらす。
ST:OKです。ボーナスを受け取ってください。
ジョージ:やっほーい! イベントの道徳値変動が「+」で、<DRIVING>の指定ページから+9ページした箇所が判定ページになる!!
- ジョージがページを参照した結果、成功度は『C判定成功』になりました。 -
ジョージ:うわー、本のチョイスを失敗した気がする!
ST:とはいえ、無事に調整は出来たようですね。締めのロールプレイをしてくださいね、そのページの9行目を参考にどうぞ。
ジョージ:鍵について焦っていたら、バンパーに黄色いキモカワ・マスコットに括り付けられた鍵がぶら下がっていた。僕は思わず笑ってしまう。
キリエ:「何、馬鹿みたいに笑ってるんですか?」
ジョージ:「馬鹿は余計だ! さっさとここを出よう。僕はすぐにでも仕事道具を回収しなくちゃいけないんだから、途中で運転を交替しよう」
キリエ:「わかりました」
ST:万全の準備と活動資金を確保した君たちは、車を走らせて病院を後にします。さて、判定に成功したので、【対象者】コバヤシの【正の道徳値】が3になります。
ジョージ・キリエ:わーい。
ST:無事にイベントも達成したので、あなた達には【有利】のヒーローポイントを差し上げます。
ストーリー後半は16日に投稿します。