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氷室の野望(仮)  作者: 和音


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4 新しくはじめる


そのアプリをクリックした瞬間。


最初に身体全体がズドンと椅子に押し付けられた感覚がきた――

思わず目をつぶってしまう。


(あれ。これ大丈夫かな。)


身体が一向に軽くならない。

息が……いや、息は出来る。


大きく息を吸い込んで一気に吐くと、身体がフワッと軽くなった。


(お? おお??)


なんとか大丈夫そうだ。

真紀はゆっくりと目を開けた。


するとそこには――


目の前には風光明媚な白亜の城が佇んでいた。

そして……ででーんと『氷室の野望(仮)』のタイトル文字が浮かんでいた。


それを見た瞬間に、真紀は思った。


(だっせええええええ!!!

 超絶にダサい!!!!!)


VRで遊んだことがある人にはご想像頂けると思う。


目の前には、前述の通り実写か?と思うほどに風光明媚な白亜の城。

遠くの山々や街並みも、もはや実在していると思わせるレベルだ。


ただ、その白亜の城のど真ん中に

『氷室の野望(仮)』

と、黒線が縁取った黄色い文字がでかでかと、ぷかぷかと浮いているのだ。


興奮と喜び。

恥ずかしさと爆笑。


真紀は、何とも言えない気持ちになっていた。


「く、くく……」

何とも言い難い声が喉から出る。


ただ、何度も言うが目の前は、絶景である。

遠くに見える飛ぶ鳥。

街並みの中に見えるいくつかの人影と、ほんの少し聞こえるざわめき。

薫る風に揺らぐ木々。


そして――ぷかぷか浮かぶ文字。



駄目だ。これは改善しよう。

そう心に強く決めた真紀であったが、それよりもまずは始めてみたかった。


目の前ででかでかと、ぷかぷかと浮く『氷室の野望』の文字の下に、それはあった。

『新しくはじめる』


笑いを何とか堪えて、真紀は再度深呼吸する。

そして、意を決して目線でそれをクリックした。


するとデカ文字を中心に画面全体が回転を始めて暗転した。


あ、だめ。

吐く。


これも改善点だ。強く思った。

一気に気分が悪くなったが、目を閉じると何とか耐えられた。


そして目を開くとそこには、

日本全体の地図と、どこかでよく見た選択画面が目の前に広がっていた。


さぁここで最初の選択である。

何年から始めるか。


例のゲームのファンなら、この悩みをご理解頂けるだろう。

弱小勢力の群雄割拠の時代から始めるか。

はたまた大国か。

いやいや、大国の中を生き延びるべく弱小勢力か。

それを考えている今の時点で真紀の気分は絶頂期を迎えていた。


(やばいやばいやばいやばい……これ、やばいわ。

 抜けられなくなる。

 落ち着け。

 落ち着け、わたし。)


そして、考える。


(何年?誰の勢力で?

 うーん、最初は織田家って決めてたけど、いざとなると迷う。

 どうしよ。

 どうしたらいい???)


しばし考えると、決めた。


1567年――


徳川家――



さぁ、行くか。

真紀は気合を入れて目線でクリックすると同時に思った。


あれ。

男か女か選ばなかった。

私は誰になるの?




この頃の徳川家は――


家康は三河(みかわ)を平定していた。

三河を統一した家康は三備(みつぞなえ)の軍制を整え、東三河は酒井忠次(ただつぐ)を吉田城に置き旗頭として統治、西三河を石川家成(いえなり)を旗頭として統治させていた。

また家康直属の旗本衆として本多(ほんだ)忠勝(ただかつ)榊原(さかきばら)康政(やすまさ)、鳥居元忠(もとただ)、大久保忠世(ただよ)らを配属させた。

そして、朝廷から認められ従五位下(じゅごいげ)三河守(みかわのかみ)を叙任されると、徳川の姓を名乗り徳川家康となっていた。




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