16 続きからはじめる(1567年4月15日 徳川家)
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深呼吸。
そしてカウントダウン。
3、
2、
1、
クリック。
―――ズドン。
再び、戦国の空気が肺に流れ込む。
1567年4月15日 岡崎城下――
時間は暗殺未遂直後。
家康は軽傷。
民衆は動揺。
一向宗への疑念が強まる。
そして右上。
―歴史乖離率:3.1%(微減)
「下がった?」
誠人――本多正信が小声で言う。
忠勝が農民を押さえつけている。
家康が低く言う。
「処断せよ」
来た。
ここで即処刑すれば――威信は回復。
だが民衆不満は爆増する。
誠人が前に出る。
「お待ちください」
家康の視線が刺さる。
選択肢が出る。
―1. 厳罰で威信回復
―2. 公開尋問で真相解明
―3. 宥免し利用する
私は囁く。
「2でしょ」
誠人はうなずく。目力クリック。
「なぜ刃を向けたのか、皆の前で語らせるべきです」
家康の目が細くなる。
判定中――
成功率:58%(知力+直前救命補正)
高い。
そして――成功
家康がうなずく。
「よい。城下にて尋問する」
数値が動く。
―徳川家威信:62 → 67
―民衆不満度:68 → 60
―歴史乖離率:3.9% → 2.8%
「下がった!!」
誠人が小声で興奮する。
「枝いじり成功」
公開尋問の結果、過激派の一部扇動が露見。
寺社影響力が少し下がる。
―寺社影響力:70 → 66
安定化モジュールは静か。
世界は今のところ怒っていない。
その時――
視界の端に微細な白い線が見えた。
赤ではない、白。
築山御前から伸びる赤い未来線の横に、細い、細い白線。
「……分岐?」
誠人も見えているらしい。
「今の介入で可能性が増えた?」
表示が出る。
―【新規可能性生成】
―1579年イベント:可変要素追加
真紀は息を呑む。
赤一択だった未来に、白い"別ルート"が生成された。
乖離率は下がっているのに。
「歴史は壊さなくても、揺らせるのか」
私がぼそっと呟くと、
誠人が笑う。
「面白すぎるだろ」
「お亀」
家康がこちらを見る。
その声は優しい。
「怖かったろう。怪我はないな?」
「はい、だいじょうぶです」
そして
「そなたは、何を見ておる」
私は一瞬答えに詰まる。
未来だよ、なんて言えない。
「……三河の先です」
家康は笑う。
「大きくなったな」
その瞬間――
右上の数値が一瞬だけ跳ねた。
―歴史乖離率:2.8% → 4.0%
え?
何もしてない。
そして表示が出た。
―【観測者効果増幅】
ぞわり、と背筋が冷える。
「誠人」
「うん」
「私たち、"知っていること"自体が歴史乖離の因子になってる」
沈黙。
つまり、だ。
歴史を知る者が存在するだけで、世界は微妙にズレる。
「じゃあ詰みじゃん」
「……だから安定化モジュールがあるんだわ」
この世界は、私たちを"異物"として扱い、それでも排除はしない。
まだ……ね。
右上の数値。
―歴史乖離率:3.7%(ゆっくり下降)
世界は様子を見ている。
私も様子を見る。
誠人が小さく笑う。
「姉ちゃん」
「なに?」
「俺たちさ」
「うん」
「神のデバッグしてるね」
7歳の顔で、25歳の中身で、にやりと笑った。
「だね」
三河の空は青い。
歴史乖離率:3.7%。
まだ、世界は壊れていない。
でも――その先は、誰も知らない。
<1567年4月15日時点>
―歴史乖離率:3.7% ↓
―安定化モジュール:通常出力
―現実世界アンカー不安定率:0.7%(無効化処理済)
亀 姫【真紀】( 7)…統12 武 3 知69 政26 魅51
本多正信【誠人】(29)…統38 武22 知63 政50 魅65
徳川家康(24)…統70 武72 知69 政70 魅82
築山御前(28)…統14 武 5 知46 政19 魅83
本多忠勝(19)…統69 武85 知57 政49 魅75
榊原康政(19)…統71 武79 知65 政57 魅70
空 誓(58)…統21 武 8 知74 政63 魅88




