第九話 Miracle Linux
第九話 Miracle Linux
店に入ると。丸男が女将と話出した。
「丸男さん、顔なんですね〜素敵です」
とか言われて喜んでいる。
まあ、こっちも楽しかったので、色々と丸男を持ち上げてやった。丸男は来月で仕事を辞めるらしい。なので、退職前の二、三か月前まで精神的にしんどかったらしいのだが、来月やっと辞めれるので、少し気分も楽になっているらしい。
それで、丸男の奢りとなった。なので、皆んなテンションが更に上がったのだ。
女の子の名前は、かずみちゃんと、早苗ちゃんだった。二人は、二十五歳と、二十六歳、IT企業に勤めていた。
それで、「えーっ、今組込み勉強しているよ」と言うと、「うちの会社も受けてみたら?!」とか言われたが、聞くと結構な大きい会社だった。
「難しいやろ?!おっさんが行くには」と言うと、
「関係ない実力主義、来ないだ、おじいちゃんが正社員で入って来た」と言う。
「へー」と言うと、二年間、専門学校に行って就職して来たと言う。
「人間やれば出来るのよ」とか言っている。
「いや、自分も行ってるけど、全然、全然勉強付いて行けなくて、C言語は公文式写経だよ」と言うと、
「それ、大事よ」とスキヤキの肉を頬張りながら早苗ちゃんが言った。
「今、Linuxに移ったけど、確かに以前より、コマンド打つの楽になったし、ショートカットもだいぶ使える様になったし」と自分が言うと、「写経の効果あるでしょう」
「うん、手が勝手に動く様になって来たよ、それとコマンドをコピーアンドペースト出来なくて苦しんでいたら、タブの↑でヒストリーで出来るんや、みたいな事にやっと気付いたよ」と言うと女の子達は爆笑していた。
「お前、そんなんも知らんかったんかよ〜、矢印も今は、キーボードで動いたり、コマンドモードと入力モードの区別もはっきりわかり安いし、だいぶ楽になって来たぞ」と丸男も調子コキ出した。
「まー vi入ったばっかやし、必死なんや、俺は!!」と言うと、
「そうよね、やるしかないし、Linuxも更に統合されて行くから、楽になるかもね。でもいっちゃん、キャバクラ以外、普段は何をやってんの?!」と聞くので、丸男が、
「そいつは、ミュージシャンで作家だよ」と丸男が口出して来た。
「えー意外?!」と女の子達は言い出した。
「音楽家としては、そこそこだが、作家としては、時々おもんない 笑笑」と丸男が言った。
「やかましいわ、俺は死んでから認められるねん」と言うと、
「そうね、優秀であればあるほど、死んでからしか認められない。コッホやマルクスだってそうよね、人間の嫉妬があるから」と早苗ちゃんが言った。
「早苗ちゃん、よくわかってるやん、可愛い、LINE教えてよ」と言うと、
「しょうがないなぁ〜」と、皆んなでLINEを交換した。
調子こいた丸男は、スキヤキの肉も散々追加してくれて、その後カラオケも行って、阪急電車で地元まで帰って来た。
「しかし、疲れたなぁ〜」といっちゃん(自分)が言うと
「飛魚行くぞ」と丸男言った。
「まだ行くんかよ」と言うと
「反省会や!」と言ったが、飛魚で一杯だけ飲んで、解散した。
家に帰って、
「写経すっか?!」とパソコン立ち上げたが、AV観て寝ってしまった。
続く〜




