第六十七話 なんとなくクリスタル 笑笑
第六十七話 なんとなくクリスタル 笑笑
学校に着いて、もう卒業課題と言うか、終了課題になっていて、ざわざわとしていた。
もう一日中、個人の自由課題をやって良い事になっている。
最後のラジコンカーの実習で、ESP32をリモコンとして使ったので、ESP32を内臓しているアルディーノUno R4Wifi を家から持って来た。
一応、プログラムのコンパイルは完了して、後は動作を確認するだけだ。
しかし、全く動かなかった。
「何故に?!」
デバッグには、”ファイルがねえ“と出ている
そもそも誰でも出来るプログラミングなんかどうでもいいのだ。面倒い事は、ジェミニっ子に任せておけばいい。
ちょっと前に、AIも解禁されて、当初、学校でプログラムを組んでいる時に、いちいち書いて、コピぺでジェミニっ子に聞いていたが、横の席の”出来過ぎ君“が、
「まんま書いたファイルごと送って、細かい指示を送れば良いんだよ」
と教えてくれた。
「細かい日本語の指示なんて、詳細に書くの楽勝で書けるでしょ、作家さんなんだから」笑笑、と教えて貰ってからは、ハードへの指示が格段と向上した。
プログラムへの数値の変更くらいは、何故か時間を繰り返すと誰でも出来るようになるが、必要なヘッダーファイルが、学校では、何故かダウンロード出来ないのだ。
今回、いっちゃんがやりたかった事は、ラズベリーパイとアルディーノをくっつける事だった。
必要なヘッダーファイルが揃えば、何も問題ないが、学校のキツイファイヤーウオールでは何故か落とせない、クリスタルなんとかが手に入らないのだ。
学校のパソコンでは、アルディーノに更に制限かかっていて、アプリのバージョンアップが出来ないし、スケッチにあるはずのファイルが何故か削除されているのだ。
GitHubにも制限かけられていて、しょうもないヘッダーファイルすらダウンロード出来ないので、ラズベリーパイとアルディーノのwifi 接続が出来なかったのだ。
もう、どうにもこうにもならなくなった。
後で、学校のパソコンでは、アルディーノのバージョンアップが拒否されているのがわかった。IDEのレガシー版しか使えない。
なので、I2Cのシステムが使えなかったのだ。
「おいおい、卒業前に最後の課題が出来ないぢゃん」状態になっていたのだ。
面接の練習どころか、卒業課題も危なくなって来た。
「やべえなぁ〜」といいながら、どうにもならないものはどうにもならなかった。
(とりあえず、簡単な温度センサーやって、そっから面白いもんくっつけようか?!)とか思っていたが、温度センサーすらバグってしまうのだ。
はっきり言って、家からパソコン持って来て、iPhoneでデザリングやればしまいだったが、いっちゃんはムキになってしまった。
つーか、それやると、学校に勉強しに来た意味がなくなる。
(絶対に悪条件で突破してやる)と思って作業していたが、発狂しそうになるのである。タバコは所定の場所でと言われたので、近い授業の少ないフロアの非常口でこっそり吸えないし、(^∇^)
(あーっ)と叫びたかったが、時間はどんどん過ぎていく、これだけで三日も掛かっている。
「山谷さん、タバコでも吸って来たら?!所定の場所で 笑笑 今から休憩します」
と梅先生が言ってくれた。
先生達の事を、『松、竹、梅』とか、いっちゃんは個人的に呼んでいたが、技術的なスキルではなく年齢の事だった。
先生達は恐ろしいくらい優秀で人間的にも懐が深かった。梅先生は単に一番年齢が若い先生だという意味だった。
「ふーっ、そうします」
と言って、結構遠いタバコスペースに向かって。タバコスペースには、タバコ軍団と、例の職員の偉いさんのタバコ友達がいて、
「いっちゃん、就職面接は進んでんの?!」
「しもた〜 それ忘れとった〜」
と、よく考えてみたら、今日も所謂、放課後に練習だったのだ。
続く〜




