第六十三話 寿司屋の娘
第六十三話 寿司屋の娘
いっちゃんは、昔のナビオ阪急、ヘップ前のプチスクランブル交差点を渡りながら戻りたいと、後ろ髪を引かれる気分だったが、目の前に黒いコートを来た綺麗な女の子に
「いっちゃん?!」と声をかけらえた。夏子ちゃんだった。
とりあえず、夏子ちゃんは、いっちゃんの腕を引っ張り、中央まで引き戻された。
「何してんのよ、最近?!彼女でも出来たの?!」
「な、訳ない」と思わずタモさんなっていた。(^∇^)(早苗ちゃんごめん)
「私ねえ、最近お店変わったのよ、少し高級なお店、ラウンジかな?!(大阪で言う所のラウンジ、スナックとクラブの中間に近い所)これから出勤、同伴してよ」
「ん〜」
「何よ、私の事が好きだって言ってた癖に、あたし、いっちゃんだけなのにぃ〜」
「な、わけないやろう」
と言いながらも、悪い病気がむくむくと出て来てしまった。(^^)
相変わらずのデカイ瞳で見つめてくる。
(早苗ちゃんも良いけど、夏子ちゃん相変わらずの美人だなぁ〜)と基本いっちゃんは、可愛い系が好きだが、この運動神経が良さげなチャキチャキ感、あっさり竹を割ってしまう程の性格の良さは圧巻だった。
いっちゃんは、首を掴まれて、寿司屋に連れて行かれてしまった。と言っても、そんな高くないのに美味いと言う、通しか行けない、一見はちょっと入りにくいお店に連れて行かれたのだ。
「安心して、ここ安いから」と、カウンターに座ると女ボス感、半端無かった。
大将は、ニカっと笑い、若造の板さんは挨拶をしている。
「何よ、面接ぅ〜 いっちゃんらしくないわね、どかんと落ちて来たらいいぢゃない」
「足変わらずのキップの良さだねぇ〜」
「あたし、寿司屋の娘だもん」
「知っとるわ、あ、夏子ちゃんCADやってたなぁー この会社知ってる?!」
「知らないわよ、もう何年前の話よ、今はすっかりお水の世界よ、それよりさぁ〜 今度旅行連れてってよ、タイとか?!」
「えっ、えっ」
「何よ、ちょっと前に連れてってくれるとかゆってなかったっけ?!」
「そーやったっけ」
早苗ちゃんはビールを飲むのかと思ったが、お茶を飲んでいる。大きい湯呑みが様になって、相変わらずカッコよかった。
「まさか誰かと行ったかぁ〜」
「な、わけない」
「だからタモさんイイって、それよりさぁ〜 今度お店来てよね」
「えっ、今日行かなくていいん?!」
「明日、学校でしょ、来たら返す訳ないぢゃん」といっちゃんは蛇に睨まれたカエルになっていた。それに今日はイベントあるから早めに行かなきゃ」
いっちゃんは、逆に、
(引っ張って行ってくれよ〜)
と思ったが、流石にこの時期に遅く帰ると、早苗ちゃんに怒られるのはわかりきった話だった。
「週末に来て、もう面接終わってるでしょ、その方がゆっくり呑めるっしょ?!」
と、北海道弁?!みたいな言い方で解放してくれた。
お店の前まで行ってバイバイして、またプチスクランブル交差点まで戻った。
阪急電車に乗る前に、350ミリの缶のハイボールを買って、半分飲んで、手で隠しながら電車に乗った。
(北海道の夏子ちゃん、相変わらずイイ女だなぁ〜)と思いながら、角の席であたかもジュースを飲んでいるかの様に振る舞い両手で隠した。
(はー 明日も面接練習か?!今夜は倉庫行かずにウヰスキーうを飲んで寝よ)と思いながら、電車に揺られて帰って来た。
部屋に入ると早苗ちゃんが
「飲んで来たの?!」
「うん、ごめん」と言うと、
「いいわよ、練習どうだった?!」
「ん〜」
と言うと、笑っていた。
続く〜




