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第五十二話 サボった日の二杯目の味噌汁は熱々

第五十二話 サボった日の二杯目の味噌汁は熱々

朝はゆっくりだったが、学校には体調が悪いと電話した。事実、体調も良くなかったし、一気に疲れが来たのだろう。早苗ちゃんも会社にテキトー電話していた。

「朝ご飯どうする?!」

「お味噌汁が飲みたい」

「俺も、なか卯か吉野家でも行く?!」と言うと、

「うん、朝定食、食べてみたい、近い方がいい」

「ならば、なか卯かな?!なか卯の季節の味噌汁美味い」

「そうなの?!行った事がないけど、お味噌汁飲みたい」

「ぢゃあ、行こか?!」と二人でなか卯に向かった。朝の通勤ラッシュも終わっていて、少し寒かったが、晴れて来たのが、心地良かった。

「冬は嫌いやねんなぁ〜 寒さに弱い」

「タイから帰って来たら、余計に感じるわよね」と早苗ちゃんも言っている。

 なか卯に着くと、自販機で、ハムエッグの定食を頼んだ。

「豚汁にも変えれるけど、味噌汁がおすすめ、俺二杯頼もうかなぁ〜」

「まぢで?!後からもう一杯頼んだ方が良くない?! 熱々の方が好きでしょ?!」

「まーねぇ〜」

 海外行って帰って来ると、普段から味噌汁好きやけど、更に飲みたくなる。

 なか卯の朝定期は美味い。体調良くないと言いながらのサボった日の朝飯は更に美味いのだ。

「ゆっくり感がええなぁ〜」と言うと、

「そうねぇ〜」と笑っている。

「会社行かなきゃね、明日からは」

「おう、俺も明日から学校行くよ」

 今日は“飛魚”にも行かず、早苗ちゃんとまったりするつもりだった。

「家には明日帰れば?!梅田にはここからの方が近いし」

「そうね、もう時々お化けアパートにいてもいい?!所謂半同棲ってやつ?!まさか自分がやるとは思わなかった。弟も大学生であまり家に帰って来ないし、自立して貰う練習も兼ねて良いかもね?!」

「なるほど、ならば、弟やお兄ちゃんにも会っとくか?!」

「今は、そんな直ぐにかしこまらなくて良いわよ、まずは、お父さんに会えて良かったぢゃん」

「まあね」

「うん、ぼちぼちで良いわよ、今日は何をしようか?!」

「ダラダラ」

「笑笑」

 

一杯目を飲み終わって、自分っで取りにいった二回目の熱い味噌汁を啜りながら、いっちゃんは想った。

 何もしないというのは大事だと想う。

何かに追われていると判断を誤るし、心に余裕がなくなる。

 過去の嫌なことを考えるより、動いていた方が不安からは逃れられる。でも、今のこの温かさを大事にするのも、同じくらい大切なことなんぢゃないか?!

 世の中が嫌いなら、自分自身の為に時間を使ってやれと想う。生まれた瞬間から死ぬまでのタイムリミットは始まっているのだから。

 まあ、しかし、そんなにムキになって小難しく考える人はいない。

 結構皆んな、その事がわかっているのだ。面倒くさい奴らが小難しく考え、しょうもない事を言っている。

 世捨て人は、自分自身の我や自己顕示欲の過剰な他人が大嫌いだ。

 他人を敬う人間は、他人に興味がないのが美学なのだ。自分に自信のない人間ほど他人を巻き込み、仲間という名のもとに他人を支配しようとする。

 そんな馴れ合いもごめんだった。

いっちゃんは、隣で美味しそうに味噌汁を飲む早苗ちゃんだけで良かったのだ。

 早苗ちゃんとの時間は、一緒にいるだけで何も要求しなくて良かった。

 今日のこの瞬間は、非常に心地良かった。


 続く〜

 


 

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